千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

住宅ローンに精通した公認会計士千日太郎による専門サイト、21時からYouTube生配信、最新の金利動向から失敗しない住宅ローン、マイホームの購入計画についてWBS(テレビ東京)ほか多数の経済専門メディアでコメントしています。本サイトにはプロモーションが含まれています。

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最初の10年で住宅ローンの完済資金1000万円を貯める方法を教えます

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確実に住宅ローンを完済するために今からでも始められること

どうも千日です。私は住宅ローンを借りてから10年が経ちました。なかなかローン残高が減らないというのが実感ですね。しかし数字としては確実に減っていますし、今のところ確実に完済できるでしょう。

なんでそんなことが言えるのか?というと、定年(60歳)時の住宅ローン残高に相当する貯金をもう積立終わったからです。

わたしは著書家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本で「無理なく完済できる住宅ローン」の4つのルールを推奨してます。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

youtube動画でも解説しています。

この4番目の「定年時のローン残高」というのが、住宅ローン完済の最後のハードルになるものです。

このルールに沿って60歳の定年時のローン残高を1000万にしている人は、住宅ローン減税の恩恵のある最初の10年で1000万円の貯蓄を作ることを目標にしてください。

これが達成できれば10年目のいわば折り返し地点で、住宅ローン完済の自信が付きます。「あとは老後資金だな」と、次は老後のゆとりを目標にしていけるのですよ。

そのためには、まず家を購入してから最初の10年でどこまで貯蓄を増やせるかにかかってくるのです。

住宅ローンの完済年齢が70代以上の人は今すぐスタートすべし

30代前半までに住宅ローンを組んだ人は35年の住宅ローンを自然体で返していけば定年までに完済できるんですが、アラフォーで住宅ローンをスタートして35年の住宅ローンを組むと、完済は70歳とかになりますよね。

これは、その年齢までかけて払うということではなく、それ以前に繰上げ返済して完済するということです。

スタートは早い方がゴールが近づきます。「何となく」思っていても具体的に始めなければお腹のゼイ肉は貯まってもお金は貯まりません。目的意識をもって今すぐスタートするのです。

あえて借入年数を長くする理由=住宅ローン減税と資金繰りの安全度

どうせ60歳までに完済するのであれば最初から定年までの借入年数にすればいいじゃない?

例えば40歳なら20年の住宅ローンにすれば確実だ。

こういう人も居るのですが、以下の2つの理由から最長の年数にすることをお勧めしています。

  1. 住宅ローン減税(税額控除)の恩恵を得るため。
  2. 年数を短縮することは後から簡単だが、延ばすのは難しい交渉をしなければならないから。

住宅ローン減税の恩恵をフルに受ける4つのセオリー

住宅ローン減税は年末の住宅ローン残高の1%が最大10回、所得税と住民税からキャッシュバック(還付)される減税制度です。つまり住宅ローン残高が大きい方がキャッシュバックの金額も大きくなるのです。

さらに今は超低金利です。変動金利や短期の固定金利では住宅ローンの金利は1%未満なので、払う利息よりも住宅ローン減税の恩恵の方が大きくて、逆に儲かってしまうのです。なので、この住宅ローン控除の恩恵をフルに受けるために…

  1. 当初の借入は多い方がトク(無理の無い範囲で)!
  2. ローン残高がゆっくり減るように借入年数は長い方がトク!
  3. 前半の期間にローン残高の減りが遅い元利均等返済がトク!
  4. ローン残高を減らすと損だから繰上げ返済はしない方がトク!

住宅ローンは住宅ローン減税の上限より少し超えて借りた方が実はトクなのか⁉プロの視点から解説 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

という4つのセオリーがあります。

借入年数を短くすると住宅ローン残高が減るスピードも速くなってしまいます。最初の10年はできるだけゆっくり住宅ローンが減る方がオトクなのですね。

「決まった金額を420回払う」ミッションのハードルを下げておく

住宅ローンとは何か?と聞かれたら私は「35年なら420回決まったお金を銀行に払うことだよ」と答えます。これが教科書的に正確な定義でないことは百も承知ですが、住宅ローンのリスクの本質を端的に表した言葉です。

420回ノーミスでクリアできるハードルの高さにしておくべきなんです。100回以上連続でやってミスしない自信のあることって何でしょう?そろそろ年賀状の季節ですけど、年賀状みたいなカンタンな作業でも結構ミスしますよね。

ミスの許されないハードルは低いに越したことはありません。つまり返済回数は最大にして毎回の金額は少なくしておくのです。

また、住宅ローン契約は一度決めるとそれでFIXしますので、後から緩和してもらうことは難しくなります。

しかし年数を短くするのは、後からでも「返済期間短縮型」で繰上げ返済することで簡単に出来ます。なので、スタート時点では最長の期間にしておくのがセオリーなのです。

最初の10年とその後60歳定年までの我が家の財政計画

住宅ローン専門家であり、住宅ローンを絶賛返済中の千日太郎が実際にどのようなプランで貯蓄を行っているのか?分かりやすく解説しますね。

住宅ローンを借りている財政状態を客観的に「家計バランスシート」で表します。 バランスシートは日本語では貸借対照表といい、企業の決算日時点の財政状態を一覧表示する決算書の一つです。

以下の3つの時間軸でどんな風にバランスシートが推移していくのか、目で見て分かりやすいと思います。

  • 住宅ローンで家を買った直後
  • 住宅ローン減税が終わった10年後
  • 定年退職の60歳時点

住宅ローンで家を買った直後の家計バランスシート

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  • 左側が資産で現金預金や機械や備品、不動産などです。
  • 右側が負債で借金つまり住宅ローンです。
  • 資産と負債の差額が純資産です。

上記のようにマイホーム(資産)と住宅ローン(負債)が均衡していて、現金預金も残っている、というのは極めて理想的な形です。

特に新築住宅などは買った瞬間に価値が2割くらい下がったりしますので、よほど多くの頭金を入れない限りは住宅ローンの方が大きい(債務超過)状態になっています。

企業であれば債務超過になると倒産なのですが、個人の家計ではそうはなりません。毎月決まった住宅ローンの返済ができている限り、何の問題もありません。

住宅ローン減税が終わった10年後(折り返し地点)の家計バランスシート

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当初の10年間については住宅ローン減税の恩恵があります。繰上げ返済などはせず、貯蓄を増やす時期ですね。

目標にする貯蓄額は、冒頭でも述べている「60歳定年時の住宅ローン残高」です。当初の10年でこれが達成できれば、定年までに完済できる!という目途が立ちます。

これが住宅ローンの折り返し地点で目標とする家計バランスシートの形です。

目標とする1000万円貯めるためには、①積立貯蓄、②有利な安全性商品、➂投資商品、の3つをバランスよく組み合わせることがポイントになります。

  • ①まずは積立定期預金や財形貯蓄などでタネ銭をコツコツ積み上げていく。
  • ②そしてまとまった金額になったら、利率の高い安全性商品に預け替える。積立貯蓄はそのまま継続。
  • ➂積立貯蓄や安全性商品の利益の一部で、投資商品に投資する。

定年退職の60歳時点の家計バランスシート

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10年で1000万円が貯められたら、これをタネ銭としてさらに投資商品で増やすor住宅ローンを繰上げ返済する、という選択肢を持つことが出来るようになってきますね。

今のように低金利で推移している場合は無理に繰上げ返済する必要もないです。貯金は自分の貯めた額までという上限がありますけど、カバーする範囲としてはほぼオールマイティな保険なのです。

そして、60歳の時点では住宅ローンを完済して、さらに老後資金も残るような家計バランスシートにするのが目標です。

最初の10年で1000万円を貯める9つの方法

「1000万円貯める!」と考えると、とても高い目標に思えてしまうかもしれません。

例えば10年間で1000万円貯めようとすると月8万3333円の貯蓄が必要ですが、貯めるお金だけじゃなく、増やすお金も計画的にコントロールしていきます。

いわば動く歩道の上を歩いて目的地を目指すような感覚です。それに家を買った後の10年間は住宅ローン減税によって減税の恩恵があり、貯蓄に適した時期でもあるのです。

では具体的に何をやっていけばいいのか、解説していきます。

1.家計簿で支出の無駄を洗い出す

まずは、家計の収支バランスのチェックを行います。

手取り収入の中から食費、住居費、電気・ガス・水道代、通信費や被服費などの項目ごとに、何にどれだけ使っているかを割り出します。

その中で明らかに超過しているものがあれば見直しを検討します。

2.固定費を減らせば長期的な支出減となる

家計の見直しでまず着手したいのが「固定費」です。固定費は毎月の支出額が変わらないので、一度見直しをすれば、そのあとは長期的な支出減へとつながります。

住宅ローンを借りた時よりも金利が下がっている場合は、借り換えることによって、毎月の返済額を減らすことが出来ます。

ただし、借り換えには費用が必要です。借り換え費用を払っても金利が下がることによる返済減の方が大きいために総返済額が少なくなるなら、借り換えでトクするのはもちろんですが、現在の銀行に対して金利引き下げを要求することもできます。

これだけで完済までに100万円以上の貯蓄を増やすこともできます。

生命保険は、保険料をまとめ払いするだけでも割引になります。保険料を有期払いから終身払いにすれば、目先の保険料の負担は軽くなります。

通信費も、使っていない固定電話を解約する、携帯電話はプランの変更や格安SIMに乗り換えることで、かなりの節約になります。

3.変動費は項目別に「袋分け」にしてムダをカット

家計の変動費とは、食費や外食費、日用品代、レジャー費、交際費などです。変動費の引き締めには、「袋分け」にして、ひと月の予算を決めて使うのが有効です。

1000万円以上の貯蓄がある人ほど、毎日の出費に敏感です。監査法人の出世頭はもうパートナーですが、彼は今でも家族の外食ではスシローのヘビロテだそうです。それが良いか悪いかは別として。

もちろんすべての項目を見直すのではなく、「これはいらないな」と思うものを率先してカットしていくようにしましょう。お金の使い方に優先順位をつけることが、節約が長く続く秘訣なのです。

4.減らせない支出に備えてデパート商品券 

お中元やお歳暮などの交際費はなかなか削れないもの。そんな場合は「デパート友の会」もおススメです。毎月1万円を12カ月積み立てると、13万円分の金額が利用できるというものです。

  • 1年で12万円が13万円になる。

これは確定した利回りとしては大きいですよね。確実にそのデパートで13万円の必要な支出があるのであれば、ですが。

5.積立貯金は「天引き貯蓄」で無理なく習慣化

会社に制度があれば、給与天引きで貯められる財形貯蓄を、なければ銀行の自動積立定期預金を利用しましょう。

「天引き貯蓄」で引かれた分は最初からなかったものと考えて、残ったお金で生活する習慣を付けます。

6.積み立ては1日でも早く1円でも多く

積み立てをするなら、とにかく1日でも早く始めてください。

どの商品で積み立てようかと迷っている間に、せっかく捻出したお金を使ってしまうことになりかねません。

目標額が同じなら、早く始めて長く積み立てるほうが、毎月の積立額は少なくてすみます。

積み立ての最大のパワーとなるのは「時間」です。 そして、同じ期間積み立てるなら、1円でも多く始めたほうが多く貯まります。

7.投資初心者ならつみたてNISAやiDeCoから投資に挑戦

もし、1カ月に積み立てできるお金に余裕があるなら、毎月1万円でいいので積立投資信託に挑戦しましょう。

銀行預金は低金利すぎて利回りは期待できません。投資商品を積み立てで始めることで、少しずつ投資に慣れていくことができます。

つみたてNISAや個人型確定拠出年金(iDeCo)なら、積み立てで投資信託を買うことができますし、利益分にかかる税金は非課税というメリットもあります。

8.まとまった貯金は高金利の定期預金へ

積み立てである程度貯まったら、その一部を高金利の定期預金へ預け替えましょう。

例えば大手銀行の場合、1年定期で金利は0.01%(300万円未満)ですが、ネット定期ではより高い金利、中には大手銀行の40倍という商品もあります。

これらは少額では利用できないことがあり、ある程度資金があるからこそ受けられる恩恵ともいえます。50~100万円を目安に検討しましょう。

  • SBJ銀行「100万円上限定期預金」(10万円以上)0.4%
  • 愛媛銀行 四国八十八カ所支店「100万円限定だんだん定期預金」(100万円)0.27%
  • 香川銀行 セルフうどん支店「超金利トッピング定期預金」(10万円以上)0.27%
  • 島根銀行 しまぎんインターネット定期預金「ネットプラス」(10万円以上)0.25%

なお、一見元本が保証されているかのように見える高利回りの外貨建ての保険や外貨預金には注意が必要です。外貨では元本が保証されているだけで、円に換算する為替リスクを負っているのです。詳しくはこちらをどうぞ。

9.わからないものには投資せず長期で持てる投資を

さらに貯蓄金額が増えて、いざというときに備えられるお金が十分に確保できたら、資産を増やすためにも本格的なリスク資産(株式投資など)を組み入れましょう。

リスク資産に投資するうえでのポイントは、短期で結果を求めようとしないこと。

1つの投資対象に集中しない、わからないものに投資しないということです。

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まとめ~千里の道も一歩から

1000万円という目標額を貯めるには、すぐに結果を求めないことです。

家計の見直しや節約には痛みを伴います。しかし、モチベーションを外に求めるのではなく、モチベーションが無くても習慣として続けられるような方法が長続きします。数年ではなく、数十年単位のタスクだからです。

最初の家計の見直しや節約術は、1000万円貯めるための登山に備えた足慣らしのようなものなのです。

一気に全部に手を付けるのではなく、1つ1つ取り入れて、そして長く続けていきましょう。続けていけば、確実にゴールが近づいてきます。

千日太郎と出会った皆さんが家と住宅ローンで正しい選択をし、素敵な人生を歩まれることを願っています。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

最近は本を読んで千日太郎を知り、ご相談して下さる方が増えてきました。嬉しいことです!全国の大型書店と通販で発売中です。

11月末で発売から10カ月ですが、早くも3刷が決定しました。編集の方はこの手の本としては驚異的な売れ方だと言ってました。

 

 

 

ブログでは色々なエントリーに分散してしまうノウハウが体系的にまとめられています。ご相談者の中には「色々調べて分かっているつもり」なのですが、大事なポイントが抜けてしまっている人もおられます。

ぜひご一読ください。

2018年11月28日

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