千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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変動金利を低金利だけで選ぶと損する理由とは?

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変動金利の安さはそれほどメリットじゃない

どうも千日です。住宅ローンのホームページを見てると手数料は何でもかんでも無料で、金利も業界最低金利!なんて書いてます。多くは変動金利です。

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そのため、一般的には変動金利は低金利なのがメリットだと思うのですよ。しかし、低金利そのものは大したメリットとは言えないのです。

金利差によってどれほどの支払い差になるのかを把握しよう

業界最低金利!と宣伝しているネット銀行は確かに低金利ですが、2位以下のメガバンクなどでも十分に低金利なんですよね。

本当にゼロコンマ数パーセントの違いは実際の支払いにして、どれほどのものなのか?ちょっと計算してみましょう。

ネット銀行の変動金利(新規借入)はペイペイ銀行の0.38%(2018年8月)が今の業界最安です。

メガバンクの三菱UFJ銀行などの変動金利はというと0.475%です。

つまり、ネット銀行で営業にかかる経費を安くすることによって約0.1%金利が安くなったと言えるわけですね。

金利が1%未満での0.1%の金利差はほとんど誤差レベル

0.38%と0.475%で返済額にどれだけの差が生じるのか?計算してみました。

【前提条件】

  • 借入金額4000万円
  • 借入期間35年
  • 元利均等返済ボーナス払いなし
4000万円35年 ネット銀行 リアル銀行 差異
金利 0.38% 0.475% -0.065%
毎月返済(円) 101,727 103,393 -1,666
35年総返済額(万) 4,273 4,342 -69

毎月の返済では約1666円の差ですから1000万ごとにすると400円の差です。つまり一日13円。これが家計に与えるリアルな差です。

35年間合計すると69万円の差になりますが、これは35年の積み上げ結果です。確実に48万円のお金が残せるわけではありません。繰り上げ返済するかもしれませんし、もっと早く売るかもしれません。これはあくまで仮定の金額ということです。

変動金利の金利上昇リスク

それでも同じ変動金利ならば少しでも金利が安い方がおトクだと思うでしょう。しかし、少しの金利の安さの裏に金利上昇リスクの差があります。例えば、三菱UFJ銀行の変動金利には5年ルールと125%ルールの適用があるのですがペイペイ銀行には無いのです。

  • 5年ルール:金利が上昇しても5年間は毎月の返済額を変えない。
  • 125%ルール:6年目から毎月返済額が上昇する場合、直前の1.25倍を上限とする。

5年ルールと125%ルールの適用がある場合は、金利が上昇しても5年間は毎月の返済額が変わらないため、その間に返済計画を見直すとか、家の売却を検討する猶予が与えられます。

5年ルールと125%ルールの適用がない場合は、金利が上昇したら翌月の支払いから毎月返済額が上昇します。

そのため、ある程度金利が上昇しても支払いが苦しくならないような、ゆとりのある計画にしなければ、危ないのです。一般的な人が変動金利で借りる場合は、5年ルールと125%ルールの適用がある銀行にすることをお勧めします。

住宅ローン控除で1%までは国が利息を肩代わりしてくれる

私が住宅ローンの金利で判断する場合のラインは1%より高いか低いかです。理由は住宅ローン控除ですね。これは年末ローン残高の1%が所得税等から還付される減税制度です。今は13年に延長されています。

つまり、これはとてもざっくりした言い方ですが、住宅ローンの金利が1%までならば利息部分は国が肩代わりしてくれているようなものです。

そこで、一部の人の中には住宅ローン控除で儲けようと考える人がいます。つまり1%未満の住宅ローンで借りれば、控除の1%との差だけ儲かるのです。

利息だけでなく生命保険料も国に肩代わりさせる

しかし、私としてはそうした儲けよりも、保険料も国に肩代わりさせる方がおトクだと思っています。

住宅ローンの金利に上乗せすることで付けられる団信の特約があります。例えば三菱UFJ銀行の金利上乗せ団信の〈3大疾病保障充実タイプ〉は金利に0.3%上乗せとなりますが、早期の段階で保険金を受け取ることが出来るケースが、他行と比べて圧倒的に多いのが特徴で、がんの診断(90日の待機期間があります)や、脳卒中(脳梗塞など)・急性心筋梗塞の入院時点で、住宅ローン残高が0円になります。

金利上乗せとなる0.3%の経済的な実態は保険料です。しかし、銀行は建前としてこれを保険料とはせず「融資金利」としているのです。

これによって、生命保険料も住宅ローン控除によってキャッシュバックされて実質ゼロ円になるということなんです。

団信の疾病保障は病気になっただけで住宅ローンがゼロ円になるため、住宅ローンの残高が多い前半には手厚い保障となる保険ですが、ローン残高が多い前半はその保険料の負担も高くなるというデメリットがあります。

住宅ローン控除は当初の10年又は13年間の減税制度なので、この保険料の負担が大きい前半期間の保険料負担を小さくしてくれるため、賢い使い方なのです。

国の方でもこれが優遇しすぎであることに気づき始めていて、令和4年度以降の税制改正では住宅ローン控除の控除率を引き下げる方向で議論が進んでいるようです。

同じ0.3%上乗せならば保障の厚いものを付けよう

金利上乗せで付けられる疾病保障特約はどの銀行も同じではありません。ちょっとずつ保障の内容や条件が違います。特に就業不能期間については60日とか半年、長いものでは1年超という期間を条件とするケースが多いです。

医師の知り合いにこの就業不能期間について意見を聞くと、半年以上入院するケースというのは、ほぼ社会復帰は不可能な状態らしいです。

その点、入院時点で保険金が出る(住宅ローンがゼロ円になる)という三菱UFJ銀行の団信は一つ抜けて有利な条件です。特に病気へのリスクを重要視する方は一度検討してみてください。

以上、千日のブログでした。

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