どうも千日です。住宅ローンを借りた後は『ひたすら決まった支払いを続けるだけ』と思っている人が多いですがそれは間違いです。
住宅ローンを借りた当時に、それが当時の最低金利であったとしても、その後の状況変化によって、5年後10年後の今も最低金利とは限らないからです。
借りた当時の金利が今と比較して高い金利であれば、銀行に対して金利の見直しをお願いする、又は他行に借り換えることで、その後の利息負担を減らすことができます。
住宅ローンの元本は大きく、期間も長いため、これによる節約金額が数百万単位になることも珍しくありません。
- 5年も経てば今の常識や法則は陳腐化していく
- 知らない間に住宅ローンの金利が1%上がっている人達
- 今後25年間1.5%~1.7%割高な金利で払い続けることになる
- 借りたのが4千万なら借り換えメリットは639万円以上
- 金利引き下げと手数料の半額キャンペーンを賢く利用する
- まとめ~住宅ローンの金利変動リスクと合理的な選択
5年も経てば今の常識や法則は陳腐化していく
家の購入時には、みんな住宅ローンについて真剣に考え、できる限りの情報収集をします。そのため、購入時に決めた住宅ローンはその当時環境下で自分の考え得る最善の選択であるはずですよね。
しかし、環境は日々すこしずつ変化していきます。そして時にはこれまでの常識を覆すような大きな事件が発生します。例えば今の新型コロナウイルスの感染拡大は世界のあらゆる常識とルールを変えるものでしたね。
これまでの私たちの経験則で言いますと、おおむね5年も経過すると、当時の常識や法則はかなり陳腐化していることが多いです。まして10年も経過すればなおさらですね。
知らない間に住宅ローンの金利が1%上がっている人達
例えば、住宅ローンの金利が1%上がってしまう、または既に上がっている人がいます。それは10年前のリーマンショック直後の平成22年(2010年)2月15日以後に資金実行された【フラット35】Sで住宅ローンを組んだ人です。
もともと当時のは【フラット35】(借入期間21年~35年)の金利水準は2.5%前後でありが高いうえに、団信が別契約でその料率は0.358%だったため、実質的なコスト年利は約2.9%くらい になっていました。
それが当初1%引き下げとなるので当初の10年間の団信込みのコストは約1.9%となります。そして、2020年は当初10年の引き下げ期間が終わる年となります。
今後25年間1.5%~1.7%割高な金利で払い続けることになる
当初引き下げられた団信込みのコスト約1.9%でも今(2020年10月)の【フラット35】買取型の団信込みの金利は1.30% なので、今借りる人よりも高い水準です。
当初の10年が経過した2020年からさらに1%の引き下げがなくなると上がってしまうと2.7%~2.9%の団信込みのコスト金利となります。
今の【フラット35】(買取型)の団信込みの金利1.3%との金利差は1.45%~1.67% にもなり、それが残り25年間続くことになります。
借りたのが4千万なら借り換えメリットは639万円以上
今は【フラット35】から【フラット35】へ借り換えができます。もしすぐに借り換えたとしたら、総支払額でいくらトクをするのでしょうか?当初4000万円の住宅ローンを35年元利均等返済で借りたケースで計算してみました。
毎月の支払は2万4千円減る!
(円)
当初4000万円 10年後3114万円 |
今のまま 1.9%→2.9%に上がる |
借り換え 1.9%→1.3%に下がる |
差額 |
当初の毎月返済 |
130,461 |
130,461 |
0 |
後半の毎月返済 |
146,037 |
121,596 |
-24,441 |
差額 |
15,576 |
-8,865 |
-24,441 |
(注)現在の機構団信は住宅ローンの金利に込みとなっているため、シミュレーションによる比較の便宜上、過去から団信料率の0.358%が金利に込みになっていると仮定しています。
今のまま借り続けて1%金利が上がると毎月の返済額は15,576円増えます。既に増えている人もいるでしょう。しかしこれくらいなら払えないことも無いですし、借り換え費用がかかるので、そのままになっている人も多いです。
そして、今の1.3%の【フラット35】に借り換えると毎月24,441円減ります。これが残り25年続くとなると結構大きいです 。一方で借り換えには費用がかかりますので、借り換え費用を払ったうえで、トータルでいくら支払が減るかがポイントです。
借り換え費用がかかってもトータルでトク!
(円)
当初4000万円 10年後3114万円 |
今のまま 1.9%→2.9%に上がる |
借り換え 1.9%→1.3%に下がる |
差額 |
当初10年の支払額 |
15,655,320 |
0 |
|
借り換え費用 |
0 |
936,937 |
936,937 |
後半25年の支払額 |
43,811,100 |
36,478,800 |
-7,332,300 |
合計 |
59,466,420 |
53,071,057 |
-6,395,363 |
(注)現在の機構団信は住宅ローンの金利に込みとなっているため、シミュレーションによる比較の便宜上、過去から団信料率の0.358%が金利に込みになっていると仮定しています。
借り換えには、【フラット35】の事務代行する金融機関への手数料のほか、登記のための司法書士報酬や登録免許税が必要です。これらの借り換え費用を多めに見積もっても合計で639万円もトクになるという結果になりました。
借り換える先は今と同じ【フラット35】ですから、固定金利のままで639万円もの総支払額を減 らすことができます。
金利引き下げと手数料の半額キャンペーンを賢く利用する
【フラット35】への借り換えについて力を入れている金融機関では、金利の引き下げや融資手数料のキャンペーンを行っていることがあります。
こうしたキャンペーンを利用すると、より有利に借り替えることができますね。
まとめ~住宅ローンの金利変動リスクと合理的な選択
特に直近では米大統領選の行方や米国経済の先行き観測によって、長期金利は上がったり下がったりを繰り返しています。
日本に住んでいるわたし達の生活とは無関係のところで発生する金融市場の動きが、わたし達の生活基盤である住宅ローンに影響してきます。
私は住宅ローンのアドバイスをするにあたって「未来はこうなるから(orこうはならないから)こういう住宅ローンの組み方がベスト」という競馬の予想屋のようなやり方はしません。マイホームの計画はギャンブルではないからです。
先のことを予測するのは極めて困難です。少なくとも金利が低い今のうちに【フラット35】に借り換えるというのは、合理的な選択だと思います。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
直近では米大統領選と米経済の不透明から米株価が低下し長期金利も低下していますが、数日前の長期金利には根強い先高観がありました。選挙の行方とそれに対する市場の反応を予想するのはきわめて困難です。
大きな変化は、それが市場のルールを変えるようなセンセーショナルなものであればあるほどに、唐突にやってきます。引き続き、日々の金利動向に目を配っておくことをお勧めします。
千日太郎YOUTUBEではそうした予想と情報をいち早く公開しています。ぜひチャンネル登録しておいてくださいね!
2020年10月29日
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