千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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2019年10月消費増税10%に合わせて住宅ローン減税が拡充!政府が検討する減税、補助金をチェック

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2019年の消費税10%に増税後の需要を喚起する政府案を解説

どうも千日です。そろそろ、2019年度に住宅の引き渡しを予定している人が出てくる時期ですね。

2019年といえば、消費税が今の8%から10%に増税することが予定されている年です。

なので、普通に考えたら駆け込みで税金が上がる前に家を買って(建てて)おきたい!と考えるのですけど、政府は消費税の増税後の需要が落ち込んでしまわないように消費を刺激するような減税策や補助金を検討しています。

政府は内閣官房に省庁横断のプロジェクトチームを設置して、増税後の消費冷え込み対策の検討に入っています。スケジュールとしては6月ごろにまとめる経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に方向性を盛り込もうとしているそうです。

制度設計の詳細は2018年12月ごろまでに決まる見込みです。

今日はこの政府が検討している消費増税対応策について、2019年に住宅を建てよう、買おうとしている人向けに書きます。

最新情報はこちら

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今までの消費税増税の流れ~もう延期は無い

まず、これまでの消費税増税の流れをおさらいしておきましょう。こんな年表です。

内閣 年月 消費税
竹下内閣 1989年4月 3%で導入
橋本内閣 1997年4月 5%に増税
野田内閣 2012年6月 民主・自民・公明が消費増税に合意
安倍内閣 2014年4月 8%に増税
2014年11月 10%への増税を15年10月から17年4月に延期
2016年6月 10%への増税を19年10月に延期
2019年10月 10%へ増税予定

 消費税は1989年に竹下登首相が初めて導入し、1997年に5%に増税した橋本龍太郎首相は、金融危機も重なり、増税後1年ほどで退陣しました。

その後民主党の野田政権で2012年6月に民主党と自民党、公明党の3党が消費増税と社会保障の一体改革で合意したものの、その後の衆院選で民主党政権は大敗しました。

自民党の安倍政権は2014年4月に税率を8%に引き上げましたが、その後は2度にわたって10%への増税を延期し、今に至っています。

2度の延期は景気への悪影響を回避するためであり3度の延期は無い

延期した理由は景気への悪影響を恐れたためです。千日が書いた当時の記事がこちらです。

既に2度、景気の不振を理由に増税を延期しています。2度目の延期は、景気条項を削除(景気に関わらず上げると)しているのに、景気を理由に延期したんです。矛盾をかかえた延期だったのです。

なので、今回はさすがに延期できないだろうというのが、大方の見方になっています。それもあって、景気対策については念には念を入れて省庁横断的な作業部会を設けて、議論されているのですね。

政府が検討している消費増税への対応策の骨子

安倍内閣としては財政再建のために、もう増税は避けられないとしながらも経済の低迷は極力避けたいという考えのようです。

消費税増税による増収5兆円強のうち、軽減税率の導入や教育無償化に振り分ける約2兆円超を差し引いた2兆~3兆円を需要喚起の対策費に振り分ける考えが浮上しているそうです。

前回の8%への増税時には個人消費が前年比で4.6%も減少して経済を低迷させ、そのトラウマから10%への増税を2度も延期することになったと言われてます。絶対に同じ轍を踏みたく無いのです。 

住宅ローン減税の拡充と延長は濃厚

税制面では以下の2つが挙げられています。マイホームやマイカーなどの高額の耐久消費財は増税前の駆け込み需要と増税後の買い控えで需要変動が大きくなる傾向があるからですね。

  • 住宅ローン減税の拡充
  • 自動車関連の税制の見直し

住宅ローン減税は前回の5%から8%への増税の際にも拡充しています。

入居年 控除年 上限 消費税率
2008年1月1日~2008年12月31日 1~6年目 20万円 5%
7~10年目 10万円
2009年1月1日~2009年12月31日 10年間 50万円
2010年1月1日~2010年12月31日 10年間 50万円
2011年1月1日~2011年12月31日 10年間 40万円
2012年1月1日~2012年12月31日 10年間 30万円
2013年1月1日~2013年12月31日 10年間 20万円
2014年1月1日~2014年3月31日 10年間 20万円
2014年4月1日~2021年12月31日 10年間 40万円 ~2019年9月30日 8%

約600億円(国税分)の財源を投じることで、減税枠の上限を10年間合計で200万円から400万円に引き上げています。

次の10%への増税時にはさらに財源を投じるということですから、この減税枠の上限がさらに拡充されることが予想できますよね。

増税前に急ぐ必要無し。

むしろ増税後の方がオトクかも?

こういう施策を打ち出すものです。12月14日に税制改正大綱が公表され、現在10年から13年に延長が決まりました。

増税前と増税後のどっちがトクか?はこちらをどうぞ。

事業者の価格転嫁を柔軟にする

もう一つは値決めをする事業者への対策です。

増税後に企業が一斉に商品価格を引き上げると、増税後の需要が冷え込みます。なので、増税前からなだらかに価格に反映するようにしようとしています。

  • 「消費税還元セール」を禁じた転嫁対策特別措置法の見直し
  • 転嫁Gメンの運用見直し
  • 増税後の値引きセールを解禁
  • 増税前の値引きセールは自粛を要請
  • 消費税込みの総額価格表示を推奨

前回の2014年の5%から8%への増税時には、消費税還元セールを禁じたことによって企業が4月に一斉に価格転嫁し商品価格が大きく跳ね上がって需要を冷え込ませてしまったという反省があるのです。

転嫁Gメンとは、厳格に消費税を価格に上乗せするように監視する人です。増税後に企業努力で「消費税を値引き」することを禁じていたのですが、それを緩和しているんですね。

なので、増税後であっても「消費税部分を値引きしてくれ」という価格交渉を国が推奨しているということです。

 

住宅購入者への補助金、給付金などの拡充

住宅ローン減税以外にも、住宅購入者に対しては今も各種の補助金や給付金が設定されています。そういった補助金の拡充も予定されています。

現時点の代表的なものをいくつかご紹介しましょう。

すまい給付金の対象が拡大し給付も増額

消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度です。

年収が510万以下だと住宅ローン控除の恩恵が十分に得られない場合があります。そういう時にこれで補てんできるんです。

消費税率8%の『すまい給付金』は年収510万円以下の人を対象として最大30万円です。 消費税率が10%になると、収入額の目安が775万円以下の人に対象が拡大され、給付額も最大50万円に増額されます。

「すまい給付金」の概要(2021年3月までに引き渡し・入居が条件)

消費税率8 (2019年3月末までに住宅売買契約、 または引渡しが2019年9月末まで※)

消費税率10 (2019年4月~2020年3月に住宅売買契約、 かつ引渡しが2019年10月以降、住宅ローン利用)

・年収425万円以下の人  「30万円」給付

・年収475万円以下の人  20万円」給付

・年収510万円以下の人  10万円」給付

・年収450万円以下の人  「50万円」給付

・年収525万円以下の人  40万円」給付

・年収600万円以下の人  30万円」給付

・年収675万円以下の人  20万円」給付

・年収775万円以下の人  「10万円」給付

年収が510万円~775万円という人は、増税後に購入することで、本来なら給付されなかった「すまい給付金」を手にできます。年収520万円の人なら、0円だったものが40万円を受け取れます。

住宅の取得から1年以内に申請しないと、貰えません(当面の間1年3ヶ月に延長)。

 

家を買ってフラット35の金利引下げの併用で200万円得する

フラット35を貸すのは住宅金融支援機構という国の出先機関ですので、政策的に少子高齢化対策や良質な住宅の流通のために金利を引き下げるということをしてます。

具体的には以下のようなものです。この金利を引き下げた分の利子は国や都道府県市町村がその予算から出しています。金利引下げという表現になってますが、これも補助金、給付金の類なのですよ。

タイプ 金利引下げの内容 予算
フラット35子育て支援型及び地域活性化型 当初5年間0.25%引き下げ 都道府県、市町村
フラット35S 当初10年(金利Aプラン)又は5年間(金利Bプラン)0.25%引き下げ
フラット35リノベ 当初10年(金利Aプラン)又は5年間(金利Bプラン)0.5%引き下げ(2018年3月までは0.6%引き下げ)

つまり、予算の出どころが違うもの同士は併用が出来るということです。意外と知られていないのですよね。手続きもそれぞれに対して行うということになります。

 

フラット35子育て支援型及び地域活性化型とフラット35Sの併用で111万円得する

二つの金利引下げ制度を併用できれば、ダブルでお得ということです。例として借り入れ金額3000万円で35年借りる場合の節約額を足してみました。

前提条件

借入額3000万円 金利1.36%(団信込み) 35年元利均等返済ボーナス払いなし

タイプ 引下げの内容 利息減少額
フラット35子育て支援型及び地域活性化型 当初5年0.25% 39万円
フラット35S 金利Aプラン
当初10年0.25%
72万円
金利Bプラン
当初5年0.25%
39万円
併用 金利Aプラン
当初5年0.5%
6年~10年0.25%
111万円
金利Bプラン
当初5年0.5%
78万円

最大10年間で111万円の利息を節約することが出来ます。

 

子育て支援型及び地域活性化型とフラット35リノベの併用で200万円得する

フラット35リノベは2018年3月までに申し込みをすれば、0.6%の引き下げとなりますので、さらに大きな利息節約となります。こちらの方は引下げ期間の延長という形での加算になります。

前提条件

借入額3000万円 金利1.36%(団信込み) 35年元利均等返済ボーナス払いなし

タイプ 引下げの内容 利息減少額
フラット35子育て支援型及び地域活性化型 当初5年0.25% 39万円
フラット35リノベ 金利Aプラン
当初10年0.6%
173万円
金利Bプラン
当初5年0.6%
93万円
併用 金利Aプラン
当初12年0.6%
200万円
金利Bプラン
当初7年0.6%
127万円

最大12年間で200万円もの利息を節約することが出来ました!

これらの補助金の存在を知らずにいると損であるのは言うまでも無いですが、組み合わせられることを知らないと損ですね。

なお、これら全ての補助金への対応をサポートしているのがアルヒです。中でも、スーパーフラット8という商品はさらに0.1%の金利が引き下げとなるので、千日のブログでもイチオシしています。

スーパーフラットの申し込みはこちらからどうぞ☟

消費税の増税に合わせてこうした補助金の拡充も計画されているのです。千日のブログでは常に最新情報を発信していますので、良かったら定期的に覗いてくださいね。

まとめ~消費税が10%になる前に!と焦る必要なし

ということで、消費増税によって実質的にマイホームの価格はそれほど変わらないということになりそうですね。

そもそも家の価格の全額について消費税がかかるわけではありませんよ。

  • 土地代金はもともと非課税
  • 一般の人から中古住宅を購入する場合は建物も非課税

なのです。

消費税は単純に物件価格に8%を乗じたものじゃありません。建物の値段にだけ課税され、土地には課税されません。

建物もけして少額ではありませんが、前述のように、消費税相当分は値引き交渉すれば、比較的無理なく引いてもらえるような金額です。

また、中古住宅を購入する場合はそもそも非課税になるケースが多いです。というのも、不動産業者でない一般人から住宅を購入する場合は非課税だからです。

例えば、読み終わった本をブックオフに売るのに、その代金を消費税込みでもらうことが無いのと同じことです。

この場合10%の消費税がかかるのは、不動産仲介業者に支払う手数料だけです。

ただし、買おうとしている中古住宅が不動産業者の所有であった場合には消費税がかかることになりますので、その点はご注意くださいね。誰が所有かによって変わってくるということです。

消費税が上がるというだけで、慌てて購入するとかえって損をしてしまうこともあるでしょう。

焦る必要はありません。

落ち着いてどっしり腰を据えて行うことが大事です。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

家を建てる、購入するというのは、個人としては人生でもっとも大きなお金を動かすことであり、個人レベルで目に見えて社会経済に貢献することでもあるのです。

まり国の税収の増加につながります。ですから国は、私たちが家を購入しやすくするために減税制度や補助金制度でその後押しをしているのです。

マイホームを買うことで出ていくお金のことばかりでなく、減税制度や補助金制度を知り、最大限に利用することで何百万円もの違いが出てきます。

知っているか知らないかだけで大きな違いが出てくるポイントです。

 

本書では、減税制度と補助金制度を最大限に利用する方法だけでなく、受けられる条件のポイントについても網羅しています。全国の大型書店と通販で発売中です。

ブログでは、さまざまなエントリーに分散してしまいがちな情報を分かりやすく整理し、よりすぐりのノウハウと考え方をまとめた本です。

是非ぜひ、お手にとって頂ければ嬉しいです!

2018年5月15日

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