歴史的首脳会談となるか?南北両政権存続のコマーシャルか?
どうも千日です。平昌オリンピックで作られた南北融和ムードの延長線上に予定されていたかのような南北首脳会談の実現です。2018年4月末に板門店の韓国側の施設「平和の家」で南北首脳会談を開催することが決まりましたね。
その対話の間は、北朝鮮側は核実験や弾道ミサイル試験を再開しないことを韓国特使に対して約束したそうです。
この南北首脳会談が実現すれば、金日成の時から通算して3回目となります。
- これがどういう意図か?
- それが金融市場にどう受け止められたか?
- 今後の住宅ローンの金利がどうなるか?
について、書いておこうと思います。
南北それぞれの政権の延命存続という共通の利害
金正恩氏は韓国特使に対して「非核化」という言葉を初めて使い、4月に予定されている米韓軍事訓練について譲歩するなど、朝鮮半島の緊張緩和へ大きな前進だという見方もあります。
しかし、南北首脳会談自体はこれまで2度行われましたが、2度とも「北朝鮮側の非核化」を交換条件として北朝鮮が経済援助をゲットし、2度ともその約束を反故にしてきた経緯があります。
そして、金正恩氏の言う「非核化」というのは、「韓国を含む朝鮮半島の非核化」なんですよね。北朝鮮にとっては、米軍の原子力空母も核に含まれるんですよ。
北朝鮮への軍事的脅威が解消し金正恩体制への安全が保証されれば「核を保有する理由がない」。
これはダブルミーニングでして、アメリカ側の朝鮮半島の非核化というものも掛けているんですよね。
金正恩体制の存続のために核は不可欠
アメリカが撤退するんだったら「非核化」してもイイよ。
これは別に目新しい話ではなく、故金日成、金正日も使った方便なのです。つまり、南北首脳会談に臨む姿勢というのは、前2回のときと何ら変わりは無いということになりますよね。
むろんアメリカも韓国もこれを鵜呑みにしているわけではありません。過去の政権のミステイクとして認識しています。
北朝鮮の本音はこうです。
あくまで我が国を核保有国として認めろ。
十中八九、経済制裁の緩和を狙った駆け引きを、仕掛けてきていることは分かっているんですね。
それにしても「非核化」を持ち出すということは、下手をすると実効性のある(反故にできない)非核化措置を飲まされるリスクもあるわけです。北朝鮮としてもかなり思い切ったカードを切ってきたということですね。
経済制裁については抜け穴があると言われてきましたが、それでもかなり効いてきている証拠なのでしょう。
南北融和をアピールしたい少数与党の文政権
韓国の歴代大統領は、訪朝して北の最高指導者と会談することをその政権の大きな目標としてきた、と言われています。
早い話が歴史の教科書に載る、偉業なんですよ。
そもそも文在寅大統領は、前大統領(朴槿恵氏)のスキャンダルや保守勢力の自滅に助けられて政権を取った経緯があり、国政では少数与党のハンデを負っているんです。
文氏はずっと核ミサイルの開発を進める北朝鮮との融和を掲げ、歴史認識を巡って反日を貫いてきましたので、国内にも敵が多いと言われています。
なので、冬季オリンピック!からの南北首脳会談!というのは、国内にアピールするチャンスなんですよね。
なので、北朝鮮が「非核化」を時間稼ぎに利用しようとしていることが分かっていても、南北首脳会談のテーブルに座るインセンティブがあるのです。
こういうことは、韓国の国民だってわかっているんです。なのでいち早く、文在寅大統領が「首脳会談のために対北朝鮮制裁を緩和する計画はない」と語っていることが報道されていました。
でも、北朝鮮としては制裁の緩和が目的であることはまず間違いないです。
ということは、進展は無いけど行うことに価値がある南北首脳会談みたいなものになってしまうんじゃないでしょうか。
市場は材料視せず長期金利は横ばい
こうした背景があって、今日一日の債券市場は長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りは前日比横ばいの0.050%で推移しています。
トランプ大統領は6日、韓国が北朝鮮は非核化を巡り米国と対話を行う意思を示したと伝えたことにつ いて、北朝鮮の非核化に「進展の可能性」が見られていると指摘したそうです。
ちょっと様子を見ようか。
このくらいの感じなんですよね。
ただ、今までは全く話が通じない「ロケットボーイ」だと思っていたのが、急に人間らしくなったという印象はあるのでしょう。
2018年5月までは住宅ローン金利に影響する動きは無い
いずれにしても、対話の間は核実験や弾道ミサイル開発は行わないということですから、4月末に予定されている首脳会談の結果が見えるまでは、米朝間の緊張が高まることは無いのですね。
民間銀行の住宅ローンの金利は、月末に行内の会議で翌月の金利を決定します。
ということは4月末に予定されている南北首脳会談でよっぽどのことが決まらない限りは5月の金利に影響しないでしょう。
前述の金利の動き、つまり横ばいというのが濃厚ですね。ただ、民間銀行の住宅ローンの金利は月の途中でも変更されることがあります。
フラット35の金利は20日前後に発表される機構債の表面利回りで翌月の金利が決定されます。フラット35の方は月の途中で変更されることはありませんので、その点は安心して良いと思います。
毎月の金利予想はこちらをどうぞ。
小さな緊張に対しては円高→国債高→長期金利低下
今のところ、定期的にやってくる『緊張』に対しては円が買われ、円高→国債高→長期金利低下、というのがセオリーのようになっていますが、いったんルールを外れるとこのセオリーも崩れます。
アメリカと北朝鮮が戦争になって日本が巻き込まれた場合の円相場と長期金利の動きについては専門家の間でも割れており、主なものとしては、以下の4つの流れが考えられます。
- 低金利の円を借り入れ、高金利通貨に投資していた投資家が即座にポジションの解消に動くことで、円が押し上げられると…円高→国債高→長期金利低下です。
- 日本株の約3割を保有する海外投資家が、武力衝突の日本への被害や企業業績への打撃に萎縮し、日本から資金を引き揚げ、同様の理由で日本人が国外に資金を退避させると…円安→国債安→長期金利上昇です。
- 米国経済への打撃を織り込む形で米国債利回りが低下し、ドル安になることで円高が進むと…国債高→長期金利低下です。
- 軍事支出が増えるとの思惑が米経済見通しを高め、ドルが上昇するのに伴い円安になると…国債安→長期金利上昇です。
しかし、あくまでこれは日本に住んでいない海外の投資家も含めた「市場」の考えていることです。
直接的に戦争に巻き込まれるかもしれない、日本で家を購入する私たちの考え方ではありません
戦争による被害は保険の適用外
ちなみにですが、戦争になって北朝鮮からミサイルが飛来し、マイホームが被害を受けたときに火災保険ではカバーされません。
大手損害保険会社の約款の免責には必ず『戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動』が規定されています。その被害が測定不能なほど大規模かつ広範囲に及び、それをカバーする保険は商品として成り立たないということです。
つまり、北朝鮮のミサイルは外国の武力行使にあたりますから一切保険ではカバーされません。
まとめ~仏の顔の3度目か?
対話の間は北朝鮮側は核実験や弾道ミサイル試験を凍結する。
一瞬「お!」と思いますが、ずっと交渉を続けてきた人からすると「ああ、またか」という薄い反応なのですよね。
仏の顔も3度まで。
こんなことわざがありますけど、奇しくも今回の南北首脳会談は3度目です。
ということは今回も、なんだかんだで許してしまうんでしょうか。
正念場を迎える日米韓連携ですが…
- どうにも一枚岩ではない感じ
- 文大統領の「ノープラン感」
がありますので、今回も北朝鮮にうまくやられてしまうような気がします。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
千日のブログで紹介しているマイホームの購入と住宅ローンのノウハウを一冊にまとめたのがこちらの本です。
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2018年3月7日
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