朝鮮戦争の終戦を宣言する歴史的快挙となるか?「非核化」は?
どうも千日です。1948年の分断から3回目となる南北主脳会談は、2018年4月27日に板門店の韓国側の施設「平和の家」で南北首脳会談を開催することが決まりました。
南北首脳会談は過去二回行われていますが、場所はいずれも北朝鮮の平壌へ韓国の大統領が訪問する形でした。
今回は、板門店が舞台となる初の首脳会談であり、この軍事境界線を金正恩委員長が歩いて越え、韓国側を訪問するというドラマティックな演出です。北の指導者がこの軍事境界線を越えるというのも史上初のことです。
この歴史的な会談には世界が注目しています。韓国政府によれば、外国メディアの記者を含め約三千人が取材に当たるそうで、これは2007年の2倍、そして会談の様子は生中継される予定だそうです。
- 今さら聞けない南北分断の経緯と今までの流れ
- この後の米朝首脳会談への流れと非核化の可能性
- 長期金利と住宅ローン金利の動向
について、書いておこうと思います。
植民地支配と大国の思惑に翻弄された朝鮮半島の人たち
かつて「満州国」として日本の植民地支配下にあった朝鮮半島は、日本の無条件降伏で二つに分割され、国連による信託統治となりました。
この方針は1943年11月にルーズベルト大統領(米)、チャーチル首相(英)、蒋介石総統(中華民国)の三首脳がカイロに集まってまとめた「カイロ宣言」に盛り込まれました。
そのカイロ宣言では朝鮮の独立を「やがて」というあいまいな表現とどめていて、要するに「朝鮮半島の人たちの自治能力は、まだ十分でない」との判断を3つの大国間で下したのです。
その宣言に従い、アメリカとロシア(当時のソ連)が朝鮮半島の南と北をそれぞれ担当することになりました。
南と北は信託統治を経て「やがて」統一されるはずだったのですが、大国(アメリカとソ連)の思惑の違いから、1948年の8月から9月にかけて大韓民国、朝鮮民主主義人民共和国が相次いで建国される事態となりました。
これが南北分断のスタートです。
こうしてそれぞれに国家になってしまい、国境が出来てしまったのですが、それでもまだ人の行き来はあったそうです。
だって、もともと同じ母国語を話し、地続きの国なんです。日本で言えば関東と関西の間、名古屋あたりに国境が出来てしまったようなものですよね。
イキナリ今日から別の国だと言われても、国民感情としては「そんなん知らんがな」って感じだったんだろうと思いますよ。
南北分断が決定的となった朝鮮戦争
そして、南北の分断が決定的になったのは、北朝鮮が南北統一を目指して不意打ちで始めた朝鮮戦争(1950年~1953年)でした。
戦況は泥沼化しました。死者は300万人とも400万人ともいわれていますが、同じ言葉を話す国民同士で殺し合う、まさにこの世の地獄のような戦争です。日本で言えば東京人と大阪人で「ヤラナきゃこっちがヤラレル」という状況になっているのと同じです。
第二次大戦での日本の軍属の死者が230万人とされているので、地続きの同胞との戦争というものが、いかに悲惨な被害をもたらしたかということです。
戦況は中国の参戦によって膠着状態となり、休戦協定に米、北、中の代表が署名したのは1953年7月27日。韓国は休戦を不満とし、署名に応じませんでした。
約三年におよんだ南北戦争の後、南北は敵対し、名実ともに完全に別の国として歩んでいくことになりました。
「終戦」の可能性は北朝鮮の反米教育と韓国の反日教育がヒント
最初、日本による植民地支配があり、その後日本の敗戦によって解放されたものの、大国の利害で分断が固定化してしまうという悲劇でした。
なので、北と南はとても複雑な心境があるんですよ。
- もともと同胞である。
- しかし殺し合った過去もある。
その後、北朝鮮と韓国が自国の体制を強固なものとしていくために、互いを敵国として、外からの脅威でもって国内の不満を抑えるという手法を取ったんですけど、互いに同胞であるというのは如何ともし難い事実なんですよね。
そもそも本当に憎みあっているわけじゃ無いんだと思います。
そういうことで、互いに国民に対して仮想敵国を設定するのですが…
- 北朝鮮の仮想敵国は韓国のバックにいるアメリカ
- 韓国の仮想敵国は南北分断の遠因となる植民地支配していた日本
ということなんだと思っています。怒りのやり場を自分自身や同胞にむけることが難しいがゆえの、反米、反日、なのだと思っています。これはあくまで千日太郎個人の考えですが。
お互いに条件さえそろえば終戦したいと思っているんですよね。
米朝首脳会談は?非核化は?
過去二回の南北主脳会談の議題は、南北の和解と交流が中心でしたが、今回は非核化と朝鮮戦争の終戦という、より大きな動きがありそうだと注目されていますね。
というのも、会談を前にして北朝鮮が突如、核実験場の廃棄や、核・ミサイル実験を中止し、経済建設に集中する新方針を決定しているからです。これは今までにない動きです。
「非核化」にどこまで迫れるか?文大統領の手腕の問われるところ
しかし、一方で北朝鮮のメディアでは「核兵器がいかに我が国によって重要かということは子どもでも知っている」などという「街の声」を報道してます。
完全に言論統制されているかの国において、完全にコントロールされた「街の声」ですから、核放棄は絶対にありえないとも考えられますよね。なので特にワシントンの方では逆に「核保有国として交渉するつもりだ」という批判的な見方の方が強いそうです。
この後、米朝首脳会談が6月初めまでに行われる予定です。
今回は、あくまで対話の雰囲気をつないでいくための橋渡し、ないし土台づくりの役割が求められていますので、双方ともにあまり突っ込んだ話はしにくいんじゃないか?と言われていますね。
南北それぞれの手の内のカードは?
文在寅(ムンジェイン)氏は朝鮮戦争の終戦を宣言し、休戦協定を平和協定に切り替える提案をする予定だと報道されています。今の戦争状態が終わることになれば、北朝鮮が核を放棄しやすくなるとの判断でしょう。
これに対して、金正恩氏のカードは「朝鮮半島の非核化」だと言われてます。これは、アメリカによる韓国への核の傘の提供や、在韓米軍の縮小、撤退を意味します。
あくまで、金正恩が「核を放棄しない」という前提で、どんな手を打ってくるのか?ということを考えてみました。
核を保有する北と経済力を持つ南の融合が意味すること
既に北朝鮮が「核保有国」である前提で行けば、南北が融和することで韓国も含めて自国で核保有国となり得るということですよね。
去年から異例の頻度で行われたミサイル実験、核実験では2018年1月にはアメリカを直接攻撃できる大陸間弾道ミサイルの開発が完了するだろうと言われてました。でも、あれからサッパリです。
事実上、持っている。実験場を廃棄したのは、実験の必要性が下がったからだ。
一部にこのような声がありますが、私もこれが現実的だと思っています。
ただ、金正恩氏が「米朝首脳会談をやろう」と発言したのは、完全に準備ができたわけではなくて、時間稼ぎのためだったんじゃないかな?と思います。それが思いのほかトランプ氏が「よし会おう」と即断したので、北が想定したペースよりも早く進んでいるのではないでしょうか。
- 北が持っているカードは韓国を巻き込んでの核保有国化ではないか?
これが私の見方です。そうしたやりとりが、首脳会談のテーブルの下で行われているんじゃないでしょうか。
長期金利は世界で上昇!アメリカで4年3か月振りの3%台
4月24日のアメリカ債券市場は4年3カ月ぶりに3%台に乗せる高金利となりました。原油高を背景に物価上昇が進むという観測が強まったためであり、今のところ、北朝鮮情勢とは関係の無い要素です。
2018年2月にもアメリカの長期金利が3%に迫って世界同時株安になったので、今回も同様の可能性があると、市場関係者は警戒感を強めています。
日本の長期金利も以下のように上がっていますね。
日銀が金融緩和政策の一環としてイールドカーブ・コントロール政策を行っていて、長期金利(10年国債利回り)を0%程度に抑えようと市場に介入しています。アメリカほどではないですが、やはり上がるんですね。
フラット35の金利は横ばいだが民間金融機関は上がるかも?
ただ、5月のフラット35の金利については横ばいと予想しています。長期金利がこのように上昇する前の段階で予定金利が出ているので、フラット35を借りる人は安心して良いと思います。
これに対して、民間金融機関の固定金利、当初固定金利はギリギリ月末までの金利動向を見て銀行が決定します。
今のように長期金利が上がっている局面では、住宅ローンの金利を上げる大義名分となりますので、5月になってから金利を上げる銀行が出てくるかもしれませんね。
以下のように対処しておくことをお勧めします。
また年齢別のオススメ住宅ローンはこちら。
https://sennich.hatenablog.com/entry/2018-mortgage-by-age
ちなみにですが、戦争になって北朝鮮からミサイルが飛来し、マイホームが被害を受けたときに火災保険ではカバーされません
大手損害保険会社の約款の免責には必ず『戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動』が規定されています。その被害が測定不能なほど大規模かつ広範囲に及び、それをカバーする保険は商品として成り立たないということです。
つまり、北朝鮮のミサイルは外国の武力行使にあたりますから一切保険ではカバーされません。今が買い時!みたいな営業マンの煽りに乗ることなく、あくまでクールな頭で判断してください。
まとめ
核実験場の放棄やミサイル実験の中止。
一瞬「お!」と思いますが、ずっと交渉を続けてきた人からすると「ああ、またか」という薄い反応なのですよね。報道が過熱する一方で、人間の本音が出るカネの動き「市場」は北朝鮮情勢については全く問題にしてないような感じを受けます。
仏の顔も3度まで。
こんなことわざがありますけど、奇しくも今回の南北首脳会談は3度目です。
ということは今回も、なんだかんだで流れて行ってしまうのかもしれません。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
千日のブログで紹介しているマイホームの購入と住宅ローンのノウハウを一冊にまとめたのがこちらの本です。
全国の大型書店と通販で発売中です。ブログでは、さまざまなエントリーに分散してしまいがちな情報を分かりやすく整理し、よりすぐりのノウハウと考え方をまとめた本です。
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「富裕層向け資産防衛メディア」ってなんだかすごい…。富裕層でない人も読んでみてくださいネ。
2018年4月26日
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