千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

千日太郎が送る住宅ローンの最新ニュース、ほぼ毎日21時にYouTube生配信、失敗しないマイホームの購入から返済計画のバイブルとして、多くの方からご支持頂いています。

千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

住宅ローンに精通した公認会計士千日太郎による専門サイト、21時からYouTube生配信、最新の金利動向から失敗しない住宅ローン、マイホームの購入計画についてWBS(テレビ東京)ほか多数の経済専門メディアでコメントしています。本サイトにはプロモーションが含まれています。

毎日更新!日米金利の最新動向➤
住宅ローンのお勧めランキング(CPA監修)➤
借換ローンのお勧めランキング(CPA監修)➤
PR

変動金利は本当に「今が底」なのか?ならばいつ上がる?そしてどう返すべき?

Sponsored Link

変動金利は「今が絶対的に安い」という仮説から何をすべきかが導き出せる

どうも千日です。変動金利が安いですよね。昔から変動金利が一番安いといえば安いです。

住宅ローンのプロとしては「固定金利より相対的に安い」という分かりきった話をするのでは、物足りないですよね。

私が持っている認識は今は変動金利が絶対的に安いということです(2018年3月時点)。

どういうことかというと、変動金利というものが、住宅ローンの金利として通常妥当と思われる水準を遥かに下回っているということなんです。

 

今は特にです。

 

もしもあなたが、住宅ローンの金利一覧表を眺めて、 

ああ、変動金利は固定金利より安いな…

この、安い金利をどう利用しようかな…

こういう視点で見ているとすれば、この後に書かれている内容を読むことで、さらに戦略的に金利タイプを選ぶことが出来るようになるでしょう。

f:id:sennich:20180303213543j:plain

変動金利は今が底であると私が考える理由

いますよね、何でもかんでも「今がその時!」とか「今でしょ!」とかいうヤツ。私はそういうタイプではありません。

以下の二つの理由があります。

  1. 日銀のゼロ金利政策
  2. 銀行の損益分岐点

では始めましょう。

日銀の政策金利は既にこれ以上下げられないレベル

銀行間で資金を融通しあう金利を短期プライムレートと言い、変動金利はこの短期プライムレートに連動して銀行が金利を上下させることが出来る金利タイプです。

そして短期プライムレートは日銀が民間銀行に融資する際の「政策金利」の影響を受けます。

千日が変動金利は今が底だと考える直接的な理由は、その基準となる政策金利が「ゼロ金利政策」によって底に達しているからです。

 

f:id:sennich:20180303194628j:plain

赤い矢印のところがリーマンショックの2008年9月15日です。

それまでずっと0.5%だった政策金利はこれを境に0.1%になり、2016年の現在までずっと0.1%です。

つまり政策金利は2008年にはもうこれ以上下げられない水準=ゼロになっており、それに連動する短期プライムレートもすでにリーマンの時点で「底」に達した。

日銀の政策によっては、もう下げようのない水準にまで来ているということですね。

 

銀行にとって今の変動金利はどんな水準なのかを知る

今の変動金利は、政策によって下がる下限にまで来ているとはいっても、銀行間の金利引き下げ合戦が過熱すればまだまだ下がるかもしれないよ?

こんな風に思うひとが居るかもしれません。

今のネット銀行を中心とした変動金利の水準はだいたい0.45%台ですよね。この0.45%という金利で銀行にどれだけの儲けがあるのか計算してみましょうか。

銀行もまた、資金を外部から調達して貸しているんですよ。資金を調達するには、コストがかかります。分かりやすく言えば銀行もお金を借りたら利息を払わないといけないということです。

 

f:id:sennich:20180303200155p:plain

 

  • 銀行が調達する時の金利が安ければ、貸すときも安く貸せます。
  • 銀行が調達する時の金利が高ければ、その分高い金利で貸さないと儲けがありません。

案外、銀行も単純なビジネスなんです。

 

0.45%の変動金利は銀行の損益分岐点を下回ることが分かる計算式

メガバンクの調達金利はだいたい0.28%前後です。これと変動金利0.45%との差が銀行の儲けとすると儲けは?

0.45%-0.28%=0.17%ほどですね。

3000万円貸したとしたら1年の利息は?

3000万円×0.17%=5.1万円です。

 

3000万も投入して、年間でたった5万円くらいの儲けなのです!

この変動金利の利率は銀行の損益分岐点を既に下回っていると千日は見ています。

 

変動金利が上がるタイミングは2023年が濃厚

損益分岐点を下回ってもやっていけるのは、過去の高い金利で借りている人から、毎月の利息が黙っていても入ってくるからです。

そして、この価格競争は銀行間の借り換え競争も激化させました。

 

  • 前からA銀行で借りている人は「金利が高いから安いB銀行に借り換えよう。」
  • 前からB銀行で借りている人は「金利が高いから安いA銀行に借り換えよう。」

 

銀行間で、お互い過去の高い金利で借りてくれている人を交換しているのです。そして住宅ローンに返済期限がある限り、この価格競争には終わりが来ます。

それは2023年ごろが濃厚だと思っています。

  • リーマン以前に借りた人が住宅ローンを完済する2023年
  • 団塊ジュニア世代の人件費がピークを迎える2023年

絶対的に割安な価格のツケをそれを享受した利用者に一律に平等に要求するという図式ですね。もちろん、銀行がこれに対処する方法が、必ずしも住宅ローンの金利を上げることとは限りません。

事実として住宅ローン事業からの撤退や大規模な人員のリストラを計画している銀行もあります。

今の変動金利がこれ以上に無い絶対的に低い水準であり、だからこそあと5年程度の間に上がる可能性が高いとすれば、どうやって備えるべきかがおのずと導きだされていくのです。

 

利上げに備えて繰り上げ返済資金を貯蓄しておく

2023年~ということは今から5年以降からは、日銀が政策金利を上げなかったとしても変動金利が上がっていく可能性が濃厚であると言えます。

ただし変動金利には5年ルールと125%ルールがあり、当初の10年間は最大125%までしか支払額は上がりません。

金利が上がってもすぐに支払にはヒットしないということは、借り入れ元本にしわ寄せがくるということです。金利が上がったことで減らなかった元本は底溜まりとなり、最終回に一括又は分割で払うことになります。

ですから、元本が溜まってしまわないように、ちょうどよい金額を繰り上げ返済して、元本を減らしておけば安心ということです。

その一覧表はこちらをどうぞ。

 

4000万円を変動金利で借りた場合に元本をコントロールできるか?

典型的な例で4000万円を変動金利0.5%、借入期間35年、元利均等返済、ボーナス払い無しで借りた場合の表を作りました。

このときの、毎月の元利均等返済額は103,834円になります。

 (単位:万円)

4000万円借入から金利上昇したら繰上返済すべき金額
残期間 30年 25年 20年 15年
残高 3470 2927 2371 1800
0.5%→1.0% 246 173 114 65
0.5%→1.5% 465 331 221 128
0.5%→2.0% 666 477 320 187
0.5%→2.5% 847 612 413 243
0.5%→3.0% 1010 738 500 297
0.5%→3.5% 1162 852 581 347
0.5%→4.0% 1298 960 659 396
0.5%→4.5% 1423 1060 730 443
0.5%→5.0% 1541 1150 799 488

 

例えば借入から5年後には、残期間30年になっていて、そのときの残高は3470万円です。

その時点で金利が0.5%から2.5%に上昇したとしたら、847万円を繰上げ返済することで、今後も103,834円の毎月の返済で完済できるということです。

このように、金利が上がったときに即座にこれだけの金額を繰上げ返済して元本をコントロールすることが出来るなら変動金利も怖くないのですね。

 

5年後の金利上昇シナリオと10年後の繰上げ返済

特にこの表の5年後と10年後のところに注目しましょう。

  • 5年後:変動金利が上がる想定のタイミング
  • 10年後:繰上げ返済を行う想定のタイミング

ということです。

変動金利が上がる可能性が高いタイミングを2023年とすると、今から5年後ですね。

また、当初の10年は住宅ローン控除がありますので、金利の上昇による利息の負担は相殺されることになります。また、一度に上がる返済額は125%が上限でそれは5年間維持されます。

なので、繰上げ返済するタイミングとしては10年後でも良いですね。

 

2.5%までは上がると想定しておく

実際、どこまで金利が上がるのか?というのは分かりません。ただ、基準として今の変動金利の店頭金利を目安としておくと良いと思います。

過去からの店頭金利をホームページで公開している三井住友銀行の店頭金利の推移は以下のようになっています。

 

  • 2008年11月〜2009年1月 2.675%
  • 2009年1月〜現在まで 2.475%

 

今の変動金利はこの店頭金利から優遇という引き下げがあって0.5%前後となっているのですが、もともと銀行としてはこの店頭金利が「変動金利の定価」だという考え方なのですね。

つまり、将来的には2.5%程度になることも、想定しておくことが現実的だと思います。

 

まとめ~変動金利が上がることを前提に繰上げ返済資金を貯める

変動金利は『残高をコントロールできる人』に向いた金利タイプと言えます。

では、どれだけ金利が上がったらどれだけ繰り上げ返済したらいいのか?ということを上記のように見越しておくことができれば、計画が立てやすいです。

今の変動金利は絶対的に今が底です。

全てはこの認識からスタートしています。

今の変動金利が安いということは、それだけ銀行が利上げする時期を早める要因であり、利上げする幅を大きくする要因とも言えます。

金利が低い今のうちに、また、住宅ローン控除で守られているうちに、繰り上げ返済の為の貯蓄を貯めていくことが対抗手段です。 

 

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

変動金利については、やはり金利が上がったらどう対応したらいいのか?というのが悩みどころです。

変動金利はネット銀行の変動金利がだいたい0.5%弱といったところです。こちら参考に住信SBIネット銀行へのリンクです。

なので、0.5%からどれくらい上がったら?という切り口でまとめました。

参考にしてください。

2018年3月3日

毎月更新!千日太郎の金利先読み住宅ローンランキング

毎月更新!年齢、年収別の最適住宅ローンランキング➤姉妹サイト「千日の住宅ローン無料相談ドットコム」へ

ランキング 年齢
20代 30代 40代 50代以上
新規借入 20代800未満 30代600未満 40代600未満 50代1000未満
30代600~1200 40代600~1200 50代1000以上
20代800以上 30代1200以上 40代1200以上
借り換え 20代借換 30代借換 40代借換 50代借換
団信 20代団信 30代団信 40代団信 50代団信

千日太郎おすすめ住宅ローン

変動金利の千日メソットカテゴリー

千日の住宅ローン無料相談.comで変動金利の質問に答えています