千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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【2024年4月】日銀利上げ後の円安進行で政策変更はあるか?この過渡期にお得な住宅ローンを公認会計士が解説

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2024年4月19日公開

どうも千日です。日銀は3月の政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、短期政策金利を0~0.1%程度の間に誘導することとしました。また、長期金利を0%程度に誘導するイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の撤廃も同時に決めました。

懸念されていた住宅ローン(特に変動金利)への影響はほぼありませんでした。むしろフラット35に至っては金利を下げており、子育てプラスによる最大1%の金利引き下げもあることから、3月から4月にかけてフラット35を申し込む人が急増しています。

千日のブログでは、毎月最新の金利動向と住宅ローンの選び方について分かりやすく解説しています。

具体的には、金利タイプ別に…

  • 今どの金利タイプが割安になのか?
  • どんな人にどの金利タイプがお勧めか?(どういう返済計画で借りるべきか?)

普通のランキングサイトでは書かない内容が盛りだくさんなので、よろしければ参考にしてください。

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また、最新の日米金利動向については下記ページで毎日更新しています。

日米金利の最新動向

植田日銀は2028年までに複数回の利上げを目指す

植田総裁は会合後の記者会見で、今後は短期政策金利を操作する伝統的な手法で物価の安定を実現していきたいという方向性を示しました。前任の黒田総裁時代に「異次元」とか「黒田バズーカ」と言われた大規模金融緩和政策を「普通」の金融緩和政策にするということですね。

植田日銀は現在はゼロ%としている短期政策金利を、コントロール可能で景気を冷やしもせず加熱もさせない自然利子率の水準にしたいと考えていると見ています。

通常、中央銀行が短期政策金利を操作する場合の最少単位は0.25%です。現在のゼロ%から1段階上げれば0.25%、2段階上げれば0.5%ということになります。

このような方法で短期政策金利を操作するには、最低でも今のゼロから1段階金利を上げなければなりません。できれば、上げられるうちに2段階くらい上げておきたいというのが本音ではないかと思います。今のゼロ%から下げると再びマイナス金利政策に逆戻りしてしまうからです。

日銀総裁の任期は5年でちょうど1年経ちましたが、残り4年(2028年まで)の間にできれば複数回の利上げを行いたいと考えているでしょう。

円安で物価高が進んだら金融政策の変更もありうるか?

円相場は154円台の後半につけており、未曾有の円安が報道されています。日銀の追加利上げが小幅にとどまると予想される一方で、米国の底堅い経済情勢を背景に米FRBの利下げ時期が後ずれし、さらに日米の金利格差が拡大するとの観測があるためです。

この円安進行をめぐって、日銀の植田総裁は、米首都ワシントンで閉幕した主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で「円安で物価高が進んだ場合、金融政策の変更もありうる」との考えを示しています。

(円安が)基調的物価上昇率に影響を与えるという可能性はあり得ると思います。無視できない大きさの影響が発生した場合は、場合によっては金融政策の変更もあり得るということだと思いますが

一方で、鈴木俊一財務相は会見で、約34年ぶりとなる1ドル=154円台まで円安が進んだことについて「(日米の)金利差だけが今の水準を作っているわけではないと思う」と言っています。

日銀が利上げしたからといって円安が止まるとは限らないので、千日としては円安進行が日銀の追加利上げに、すぐに直結するわけではないと理解しています。

過渡期の10年固定金利が割安でねらい目

日銀の利上げに対する民間銀行の対応を見るうえで参考になるのが3月から4月にかけての固定金利の動向です。

3月には三菱UFJ銀行が金利を上げ、SBI新生銀行は横ばい、他の主要銀行の中では逆に金利を下げる銀行も出てきています。

そして3月から4月にかけては上げた銀行もありますが、上げたのはもともと高い銀行であり、10年固定を主力としている三菱UFJ銀行やSBI新生銀行は横ばいとしています。

つまり、今後4年の間に日銀が0.5ポイント前後の利上げを行い、住宅ローンの金利も横並びで上昇する予想なのに横ばいとなっている10年固定はねらい目ということですね。

10年固定金利 2月 3月 4月
三菱UFJ銀行 0.860%↓ 0.980%↑ →0.980%
SBI新生銀行 0.950%↓ →0.950% →0.950%
住信SBIネット銀行 0.968%↑ 0.948%↓ 1.198%↑
auじぶん銀行 1.145%↑ 1.185%↑ 1.195%↑
みずほ銀行 1.450%↑ 1.400%↓ →1.400%
りそな銀行 1.605%↑ 1.585%↓ →1.585%

銀行は、近く日銀による追加の利上げが行われ、政策金利が上がっていくことを想定し、あらかじめ固定金利タイプの金利を上げていこうと考えるのが妥当です。しかし、住宅ローンの金利は銀行にとって商品の価格でもあるのです。

急激な上昇は顧客に受け入れられず、他行に取られてしまうというおそれがありますので、どうしても徐々に上げていくという対応によらざるを得ません。現在のような過渡期においては、10年固定のように比較的短期の固定タイプで多くの銀行が主力にしている金利タイプが実態よりも割安と言えるわけです。

過去の日銀による利上げ事例と今後の利上げ予想

ちなみに過去の利上げ事例は下記のとおりです。

  • 2000年8月(ITバブル時):0%→0.25%
  • 2006年7月(リーマンショック前):0%→0.25%、2007年2月:0.25%→0.5%

リーマンショック直前には2006年7月から2007年2月の8か月間で2回の利上げを行い、ゼロ%を0.5%に上げています。変動金利を選択するなら、少なくとも0.5%くらいの利上げはあるものと考えておくべきでしょう。

しかしこれはあくまで過去の実績を引き合いにして将来も同じだろう、という無難な予想です。こんなに簡単に将来を予想できるなら誰も苦労はしませんよね。そこで上振れした場合の金利水準でも計算をしてみる必要があります。

上振れした場合の予想としてはさらに2段階上昇するとして、1.0%くらいと考えています。日米の金利差は今のような異常な金利差になる前は長らく3%~3.5%で推移していました。

現在の米国の政策金利は5.5%ですが、今後の利下げによって4%台に下がったときに過去の金利差が維持されるなら日本の政策金利は1%前後というのも妥当な水準になるためです。(これも過去のデータを基準にした予想ではありますが。)

マイナス金利解除によるリスクをヘッジするお勧め住宅ローン

では、利上げに伴う長期金利の急上昇のリスクを踏まえてどんな住宅ローンがリスクヘッジになるのか?解説します。

変動金利の初回上げ幅は小さいのでリスクヘッジ

初回の上げ幅は銀行によってバラつきがあると見ています。お勧めの変動金利は1月から2月にかけて10年固定を大幅に下げており、最低金利を付けている三菱UFJ銀行です。おそらく日銀のリーク前から情報を入手している可能性があります。

メガバンクでありながらネット銀行並みの低金利であり、さらに1日の入院でも住宅ローンがゼロ円になる疾病保障付団信が魅力です。sennich.hatenablog.com

フラット35は前月に金利が決まるのでリスクヘッジできる

フラット35は独立行政法人である住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

フラット35買取型の仕組み

この機構債はフラット35の融資を実行する前月の20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家は機構債を安全資産という考えで購入しますので、その表面利率は10年国債の利回り(長期金利)に連動する建前となっています。つまり融資実行月の前月に実質的な住宅ローンの金利が決まるということです。

特にお勧めはARUHIスーパーフラット8、7、6です。3月から4月にかけては長期金利の上昇に反して金利を下げています。これによって、5月のフラット35の申込数は倍増しています。

フラット35買取型 2月 3月 4月 動き
ARUHIフラット35(買取型) 1.82% 1.84% 1.82% -0.02%
フラット35保証型 2月 3月 4月 動き
ARUHIスーパーフラット9 1.53% 1.55% 1.53% -0.02%
ARUHIスーパーフラット8 1.41% 1.43% 1.41% -0.02%
ARUHIスーパーフラット7 1.40% 1.42% 1.40% -0.02%
ARUHIスーパーフラット6 1.39% 1.41% 1.39% -0.02%
住信SBI保証型90% 1.79% 1.81% 1.81% 0.00%
住信SBI保証型80% 1.71% 1.73% 1.75% +0.02%

さらにフラット35の金利は2024年2月の資金受取分から新しい金利引き下げ制度、子育てプラスがスタートします。金利引き下げの上限が年1%まで引き上げられており、子育て世帯はポイントの獲得によってさらに金利引き下げを得られます。

sennich.hatenablog.com

つまり、公的融資のフラット35は、金利が決まるタイミングと国の少子化対策の両面から長期金利の上昇リスクをヘッジできる住宅ローンなのです。

今のところ、ARUHIの保証型であるスーパーフラットは買取型よりも低金利を維持しています。子育て世帯には特にお勧めします。

ウェブで手続きすれば融資手数料が割引となります。また、団信不加入とすることで団信込みの金利から0.28%引き下げられます。千日太郎がARUHIに取材したときのブログがこちらです。

sennich.hatenablog.com

変動と固定の折衷案としてのミックスローンはNG

現在の金利を取り巻く環境は、非常に不安定なため、金利が大きくうごきやすいタイミングです。複数の金利タイプで審査を通しておき、直前に特定の金利タイプが高騰した場合には別の金利タイプで実行できるようにしておくことをお勧めしています。

その延長線上の考え方で、固定金利と変動金利をミックスしようと考える人もいます(複合型ローンやミックスローン)。しかし、そうしたリスクヘッジの動機で金利タイプをミックスすることはお勧めしません。

支払額が安くなるように変動をミックスするならば、おのずと変動金利で借りる金額も大きくなり、結局のところ金利上昇リスクへのケアが必要になります。固定金利だけを選んでいたら不要なタスクを今後自分に課すことになります。こういうタスクは貨幣単位で測定できませんが、まぎれもなくコストです。

金利タイプを固定にするか変動にするかは住宅の所有ポリシーによって最終的には一つに決めることをお勧めします。変動か固定かを決められないのでミックスに逃げようとしていないか?ご自身の胸に手を当てて考えてみてください。

これから変動金利を選択する人の心構え

民間銀行としては、日銀が利上げすれば、変動金利を上げるだけで確定した利ザヤを得ることができます。そのため、民間銀行の多数派は変動金利を低金利で据え置き、変動金利へ誘導しようとするでしょう。

ただし、変動金利は私たちが金利上昇リスクを負います。つまり、「将来金利が上昇することを想定して利用する」ものであり、「将来金利が上昇しないと信じて利用する」ものではありません。むろん変動金利が上がると予想しながら変動金利を選ぶ人はいないと思いますが、そうであっても金利上昇に備えた資金の確保やマイホームの売却相場の把握を行うことを前提に、変動金利を選ぶようにしてください。

変動金利をお勧めする人=金利上昇を想定できる人

そのため、わたしが変動金利を勧めるタイプの人は「金利上昇を想定できる人」です。具体的には次のどれか1つ以上にバッチリ当てはまるという人は変動金利に向いています。

  1. 毎月返済額にかなり余裕のある人
  2. 繰り上げ返済資金が潤沢にある人
  3. 物件のリセールを想定して物件選びをしている人

3つのうち1.毎月返済額にかなり余裕があるというのは、毎月の元利均等返済額が手取り月収の3割以下という人です。最近は夫婦共働きが増えてきており、夫婦二人ならば3割以下だけども、夫単独だと4割を超えるという人が多いです。このような場合は、「かなり余裕がある」のは夫婦共働きが維持できている間だけであり、片方の収入が無くなると、全く余裕がなくなるので変動金利が向いているとまでは言えません。

次の2.繰り上げ返済資金が潤沢にあるというのは、金利が上昇したときに即座に繰り上げ返済して金利上昇を相殺できれば良いという考え方です。金利がどれだけ上がったら、いくら繰り上げ返済しなければならないか?は下記のシミュレーションでやってみてください。

ここで出ているレベルの金額を繰り上げ返済する資力が現時点であるなら、お勧めできます。ただしこの金額を見て大きなプレッシャーを感じるならば、それは金利上昇リスクが無視できない心理的な圧力になるということです。変動金利はお勧めしません。

最後の3.物件のリセールを想定して物件選びをしている人は、将来の状況によっては売却することで住宅ローンを清算することを選択肢として持っている人だとも言えます。資産の処分について一つでも選択肢が多いということは、具体的な金額として換算はできなくても、経済的な資産と同等に捉えることができます。つまり、1.の収入や2.の資金に代替しうると言えます。

金利が上昇して維持が困難と判断したら、比較的ためらうことなく任意売却を実行に移すことが出来る人です。現実的に変動金利をお勧めすることが出来ます。

3つに共通するのは現実的に「金利上昇を想定できる人」なのです。

お勧めする変動金利は5年ルールと125%ルールのあるもの

金利が上昇した場合、すぐに毎月の返済額が増えるとは限りません。これが5年ルールと125%ルールです。

  • 5年ルール:金利が上昇しても5年は従前の毎月返済額を維持する。
  • 125%ルール:6年目から毎月返済額を増加させる場合、直前の1.25倍を上限とする。

この2つのルールが適用されると、変動金利がどんなに急上昇しても5年間は毎月の返済額が増えません。ただし利息は増えますので、元金が予定どおりに減らないということになります。そのため6年目から帳尻を合わせるために毎月返済額を増やすのですが、その場合の上限は直前の1.25倍までに制限されるというものです。

この2つのルールはすべての銀行の変動金利に適用されるものではありません。例えばPayPay銀行、SBI新生銀行、ソニー銀行の変動金利にはありません。

5年ルールと125%ルールの適用がない銀行は毎月更新コロナ禍の利上げ金利先読み住宅ローンランキング - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるの「デメリット」で注意を喚起していますので確認してください。

また、5年ルールと125%ルールの適用がある銀行でも、「元金均等返済」方式を選択すると、5年ルールと125%ルールの適用がなくなるのでこれも注意が必要です。

以上、千日のブログでした。

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現在のリスクと老後破産のリスクを軽減するために、資産と負債を突き合わせて現状把握し、老後を見える化する方法について分かりやすく解説しています。

是非よんでみてください!

2024年4月169日千日太郎

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