千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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【2024年3月】時期尚早?リークしまくり3月の日銀利上げで住宅ローンへの影響は各行バラける?公認会計士が解説

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2024年3月16日公開 2024年3月29日更新

どうも千日です。日銀の3月19日の会合を前にして、次々と今会合での利上げをリークする報道(アドバルーン)を上げそれを反映して長期金利が上昇し為替は円高に振れていますが、そこまで大きな反応とはなっておらず、利上げへの地ならしは、ほぼ出来上がっている状態です。

そして日銀は3月18日19日の政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、今後の短期金利を0~0.1%程度の間に誘導することとしました。また、長期金利を0%程度に誘導するイールドカーブ・コントロール(YCC)政策の撤廃も同時に決めました。

 

今後はマイナス金利政策を解除し、短期金利=無担保コールレート(オーバーナイト物)を0~0.1%程度で推移するように促す。


YCC政策の1%の上限の目途を撤廃する。これまでと概ね同程度の金額で長期国債の買入れを継続する。長期金利が急激に上昇する場合には、毎月の買入れ予定額にかかわらず、機動的に、買入れ額の増額や指値オペ、共通担保資金供給オペなどを実施する。

 

利上げとなれば民間銀行の住宅ローン基準金利はその日のうちに上昇する可能性があると見ていましたが、各行動きませんでした。

千日のブログでは、毎月最新の金利動向と住宅ローンの選び方について分かりやすく解説しています。

具体的には、金利タイプ別に…

  • 今どの金利タイプが割安になのか?
  • どんな人にどの金利タイプがお勧めか?(どういう返済計画で借りるべきか?)

普通のランキングサイトでは書かない内容が盛りだくさんなので、よろしければ参考にしてください。

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また、最新の日米金利動向については下記ページで毎日更新しています。

日米金利の最新動向

リーク情報によって利上げを見送る選択肢を失った日銀

3月19日の会合を前にして、次々と日銀のリーク報道が報じられています。

去年までは、利上げへの警戒感は根強くあったのですが、今や市場は利上げを完全に織り込んでいて、むしろ3月に利上げを見送ったら、それが「踏み台外し」のようなサプライズになってしまう状況となっています。

1月の会合では能登半島地震があったため、利上げを見送らざるを得なかったのですが、そこから遡ること1か月前の12月の記者会見で植田総裁は3月利上げへの地ならしをすでに始めていました。

「足元の実質賃金が前年比マイナスであっても、先行きを見た場合に賃金上昇が続く、そして、消費者物価総合のインフレ率が低下を続けるということで実質賃金が好転する見通しが立つのであれば、足元の実質賃金の低下が必ずしも正常化の障害にはならないと思う」

(2023年12月政策決定会合後の記者会見での総裁コメント)

つまり植田総裁としては、全ての結果が出そろっていなくても、マイナス金利解除の可能性はあると考えているわけです。

連合は3月15日、今春闘での傘下労働組合の賃上げ要求に対するこれまでの企業側回答は、平均月額16,469円で、賃上げ率は5.28%と33年ぶりの高さであったとの中間集計を公表しました。

賃金と物価がそろって上昇する好循環が実現する確度が十分に高まったとみているとすれば、日銀として3月にも利上げすべきと考えるでしょう。

さらにこれまでのリーク情報もあって、利上げを見送る理由を説明する方が難しい状況となっているのです。エコノミストの中にはいささか時期尚早ではないか?という声もあります。

利上げをサプライズにしないため自らおこなってきた「地ならし」によって、かえって日銀として政策の選択肢を狭めてしまったようにも思います。

17年ぶりの利上げに対する銀行の対応は各行でバラける

日銀の利上げに対する住宅ローン変動金利への影響を予想するうえで、参考になるのが2月と3月の固定金利の動向です。

2月に金利を下げているのは三菱UFJ銀行、SBI新生銀行ですが、多数の主要銀行は軒並み金利を上げています。

3月には逆に三菱UFJ銀行が金利を上げ、SBI新生銀行は横ばい、他の主要銀行の中では逆に金利を下げる銀行も出てきています。

つまり、銀行の対応はバラバラになるだろうと見ています。17年ぶりの利上げ局面であるため、各銀行内でその当時に意思決定権限のあった人は残っていません。企業を超えた意思の統一は見られないでしょう。

10年固定金利 1月 2月 3月
三菱UFJ銀行 1.020% 0.860%↓ 0.980%↑
SBI新生銀行 1.100% 0.950%↓ →0.950%
住信SBIネット銀行 0.918% 0.968%↑ 0.948%↓
auじぶん銀行 1.095% 1.145%↑ 1.185%↑
みずほ銀行 1.350% 1.450%↑ 1.400%↓
りそな銀行 1.465% 1.605%↑ 1.585%↓

固定金利を上げた銀行は、近く日銀のマイナス金利解除が行われ、政策金利が上がっていくことを想定し、あらかじめ固定金利タイプの金利を上げていると考えるのが妥当です。

では、固定金利を下げた銀行は日銀のマイナス金利解除が無いと予想しているのでしょうか?それは否です。同じく日銀の利上げを予想しているものと思います。

違いは利上げ後の政策金利の推移と当該銀行の営業方針にあります。

初回の利上げは利用者からの反発が予想される

日銀が利上げに伴うものといえど、民間銀行が変動金利を上げれば予想されるのは利用者からの反発ですね。仮に千日太郎の予想どおり、緩和政策を維持しながら0.1%だけ上昇させるというものであっても、利用者にはどう受け止めるのでしょうか?

ちなみに過去の利上げ事例は下記のとおりです。

  • 2000年8月(ITバブル時):0%→0.25%
  • 2006年7月(リーマンショック前):0%→0.25%、2007年2月:0.25%→0.5%

他行よりも変動金利を大きく上げれば利用者を失います。銀行によっては最初の日銀の利上げに対して住宅ローン金利を全体的に上げない銀行が出てくる可能性もあると見ています。

マイナス金利解除によるリスクをヘッジするお勧め住宅ローン

では、利上げに伴う長期金利の急上昇のリスクを踏まえてどんな住宅ローンがリスクヘッジになるのか?解説します。

変動金利の初回上げ幅は小さいのでリスクヘッジ

日銀が金融緩和政策を続けながら金融緩和政策を解除するとして、住宅ローンの変動金利は何ポイント上がるのでしょうか?

それについてはすでに民間銀行が横並びの動きを見せています。昨年11月に三菱UFJ銀行が口火を切った定期預金の金利引き上げ幅である0.2%です。定期預金の金利引き上げはその後全てのメガバンクと全国の地銀に波及しました。

ただし前述のように、初回の上げ幅は銀行によってバラつきがあると見ています。お勧めの変動金利は1月から2月にかけて10年固定を大幅に下げており、最低金利を付けている三菱UFJ銀行です。おそらく日銀のリーク前から情報を入手している可能性があります。

メガバンクでありながらネット銀行並みの低金利であり、さらに1日の入院でも住宅ローンがゼロ円になる疾病保障付団信が魅力です。sennich.hatenablog.com

フラット35は前月に金利が決まるのでリスクヘッジできる

フラット35は独立行政法人である住宅金融支援機構が民間金融機関から債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて機構債という形で販売するという仕組みになっています。

フラット35買取型の仕組み

この機構債はフラット35の融資を実行する前月の20日前後に表面利率を発表し募集します。投資家は機構債を安全資産という考えで購入しますので、その表面利率は10年国債の利回り(長期金利)に連動する建前となっています。つまり融資実行月の前月に実質的な住宅ローンの金利が決まるということです。

3月の日銀会合でマイナス金利政策が解除され長期金利が高騰しても、フラット35ならば2月20日前後に公開される機構債の金利水準で固定されるので、3月利上げの影響を受けないすね。

特にお勧めはARUHIスーパーフラット8、7、6です。1月から2月にかけては0.1ポイントもの大幅な引き下げとなっています。そして、2月から3月は横並びで0.02ポイントの上昇となっているので、住信SBIの保証型と比べても同じ頭金の割合で低くなっています。

フラット35買取型 1月 2月 3月 動き
 ARUHIフラット35保証型 1.87% 1.82% 1.84% 0.02%
フラット35保証型 1月 2月 3月 動き
ARUHIスーパーフラット9 1.58% 1.53% 1.55% 0.02%
ARUHIスーパーフラット8 1.51% 1.41% 1.43% 0.02%
ARUHIスーパーフラット7 1.50% 1.40% 1.42% 0.02%
ARUHIスーパーフラット6 1.49% 1.39% 1.41% 0.02%
住信SBI保証型90% 1.84% 1.79% 1.81% 0.02%
住信SBI保証型80% 1.76% 1.71% 1.73% 0.02%

さらにフラット35の金利は2024年2月の資金受取分から新しい金利引き下げ制度、子育てプラスがスタートします。金利引き下げの上限が年1%まで引き上げられており、子育て世帯はポイントの獲得によってさらに金利引き下げを得られます。

sennich.hatenablog.com

つまり、公的融資のフラット35は、金利が決まるタイミングと国の少子化対策の両面から長期金利の上昇リスクをヘッジできる住宅ローンなのです。

今のところ、ARUHIの保証型であるスーパーフラットは買取型よりも低金利を維持しています。子育て世帯には特にお勧めします。

ウェブで手続きすれば融資手数料が割引となります。また、団信不加入とすることで団信込みの金利から0.28%引き下げられます。千日太郎がARUHIに取材したときのブログがこちらです。

sennich.hatenablog.com

変動と固定の折衷案としてのミックスローンはNG

現在の金利を取り巻く環境は、非常に不安定なため、金利が大きくうごきやすいタイミングです。複数の金利タイプで審査を通しておき、直前に特定の金利タイプが高騰した場合には別の金利タイプで実行できるようにしておくことをお勧めしています。

その延長線上の考え方で、固定金利と変動金利をミックスしようと考える人もいます(複合型ローンやミックスローン)。しかし、そうしたリスクヘッジの動機で金利タイプをミックスすることはお勧めしません。

支払額が安くなるように変動をミックスするならば、おのずと変動金利で借りる金額も大きくなり、結局のところ金利上昇リスクへのケアが必要になります。固定金利だけを選んでいたら不要なタスクを今後自分に課すことになります。こういうタスクは貨幣単位で測定できませんが、まぎれもなくコストです。

金利タイプを固定にするか変動にするかは住宅の所有ポリシーによって最終的には一つに決めることをお勧めします。変動か固定かを決められないのでミックスに逃げようとしていないか?ご自身の胸に手を当てて考えてみてください。

これから変動金利を選択する人の心構え

民間銀行としては、日銀が利上げすれば、変動金利を上げるだけで確定した利ザヤを得ることができます。そのため、民間銀行の多数派は変動金利を低金利で据え置き、変動金利へ誘導しようとするでしょう。

ただし、変動金利は私たちが金利上昇リスクを負います。つまり、「将来金利が上昇することを想定して利用する」ものであり、「将来金利が上昇しないと信じて利用する」ものではありません。むろん変動金利が上がると予想しながら変動金利を選ぶ人はいないと思いますが、そうであっても金利上昇に備えた資金の確保やマイホームの売却相場の把握を行うことを前提に、変動金利を選ぶようにしてください。

変動金利をお勧めする人=金利上昇を想定できる人

そのため、わたしが変動金利を勧めるタイプの人は「金利上昇を想定できる人」です。具体的には次のどれか1つ以上にバッチリ当てはまるという人は変動金利に向いています。

  1. 毎月返済額にかなり余裕のある人
  2. 繰り上げ返済資金が潤沢にある人
  3. 物件のリセールを想定して物件選びをしている人

3つのうち1.毎月返済額にかなり余裕があるというのは、毎月の元利均等返済額が手取り月収の3割以下という人です。最近は夫婦共働きが増えてきており、夫婦二人ならば3割以下だけども、夫単独だと4割を超えるという人が多いです。このような場合は、「かなり余裕がある」のは夫婦共働きが維持できている間だけであり、片方の収入が無くなると、全く余裕がなくなるので変動金利が向いているとまでは言えません。

次の2.繰り上げ返済資金が潤沢にあるというのは、金利が上昇したときに即座に繰り上げ返済して金利上昇を相殺できれば良いという考え方です。金利がどれだけ上がったら、いくら繰り上げ返済しなければならないか?は下記のシミュレーションでやってみてください。

ここで出ているレベルの金額を繰り上げ返済する資力が現時点であるなら、お勧めできます。ただしこの金額を見て大きなプレッシャーを感じるならば、それは金利上昇リスクが無視できない心理的な圧力になるということです。変動金利はお勧めしません。

最後の3.物件のリセールを想定して物件選びをしている人は、将来の状況によっては売却することで住宅ローンを清算することを選択肢として持っている人だとも言えます。資産の処分について一つでも選択肢が多いということは、具体的な金額として換算はできなくても、経済的な資産と同等に捉えることができます。つまり、1.の収入や2.の資金に代替しうると言えます。

金利が上昇して維持が困難と判断したら、比較的ためらうことなく任意売却を実行に移すことが出来る人です。現実的に変動金利をお勧めすることが出来ます。

3つに共通するのは現実的に「金利上昇を想定できる人」なのです。

お勧めする変動金利は5年ルールと125%ルールのあるもの

金利が上昇した場合、すぐに毎月の返済額が増えるとは限りません。これが5年ルールと125%ルールです。

  • 5年ルール:金利が上昇しても5年は従前の毎月返済額を維持する。
  • 125%ルール:6年目から毎月返済額を増加させる場合、直前の1.25倍を上限とする。

この2つのルールが適用されると、変動金利がどんなに急上昇しても5年間は毎月の返済額が増えません。ただし利息は増えますので、元金が予定どおりに減らないということになります。そのため6年目から帳尻を合わせるために毎月返済額を増やすのですが、その場合の上限は直前の1.25倍までに制限されるというものです。

この2つのルールはすべての銀行の変動金利に適用されるものではありません。例えばPayPay銀行、SBI新生銀行、ソニー銀行の変動金利にはありません。

5年ルールと125%ルールの適用がない銀行は毎月更新コロナ禍の利上げ金利先読み住宅ローンランキング - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるの「デメリット」で注意を喚起していますので確認してください。

また、5年ルールと125%ルールの適用がある銀行でも、「元金均等返済」方式を選択すると、5年ルールと125%ルールの適用がなくなるのでこれも注意が必要です。

以上、千日のブログでした。

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現在のリスクと老後破産のリスクを軽減するために、資産と負債を突き合わせて現状把握し、老後を見える化する方法について分かりやすく解説しています。

是非よんでみてください!

2024年3月16日千日太郎

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