日銀のマイナス金利導入で長期金利が史上初のマイナスになる異常事態
- 世界経済の先行きに対する不透明感は強く、株安・円高・金利低下の流れは長引く可能性があるというマーケットの予想。
- 国債を高値で購入して損は出たとしても、株を保有して大きな損を出すよりはましという一般投資家は国債の買いに走る。
- そして2月9日には長期金利が史上初のマイナスとなって。円高も進んで11日には一時、1ドル110円台に突入。
- 2016年3月の主要6行の借り換え申し込み件数は2万3千600件で前年同月比3.6倍に増加。
- 2016年6月24日に英国のEU離脱ショックにより一時は1ドル99円台に円が高騰。
- 2016年9月21日の金融政策決定会合で、長期金利を0%程度に操作する新たな目標を決定。
- 住宅ローンの変動金利と固定金利がどうやって決まるのか
- 日銀のマイナス金利導入で長期金利が低下した理由
- 今後の住宅ローンの金利動向
1.変動金利と固定金利では指標となる金利の種類が違う
長期金利ということは、住宅ローンも長期だからローンの金利が下がるってこと?
マイナス金利で変動金利が下がるのは銀行間で住宅ローンの争奪戦が激化するから
マイナス金利とは、日銀が描いた絵
マイナス金利で固定金利が下がるのは、固定金利が長期金利と連動しているから
- 変動金利は日銀の政策で上下する
- 固定金利は市場の動向で上下する
こういうことです。決まり方が全然ちがうんです。
しかし、日銀のマイナス金利が導入されてから、長期金利は大幅に下落しました。
なんで?長期金利は政策によって上下しないんでしょ?
と思いますよね、その疑問はもっともです。そのからくりは次の章で詳しく説明します。ここでは、マイナス金利の導入が固定金利にどのくらい影響したかという話に集中しますね。
10年国債金利の推移グラフ
連日報道されている長期金利の下落幅は劇的です。上のグラフのようにガクンと下がりました。
日銀の発表直前は0.2%で推移してたのが2016年2月5日には一時0.035%まで下落しました。その後基本的にマイナス0.1%前後で推移しています。
では住宅ローンの固定金利はどれ位下がったでしょうか。
- 2016年1月のフラット35の金利は1.27%
- 2016年2月のフラット35の金利は1.21%
- 2016年3月及び4月のフラット35全期間固定型1.02%
- 2016年5月のフラット35全期間固定型0.96%
- 2016年6月のフラット35全期間固定型0.99%
- 2016年7月のフラット35全期間固定型0.93%
- 2016年8月のフラット35全期間固定型0.9%
- 2016年9月のフラット35全期間固定型1.02%
- 2016年10月のフラット35全期間固定型1.06%
- 2016年11月のフラット35全期間固定型1.03%
- 2016年12月のフラット35全期間固定型1.10%
両者を比べると長期金利と比較して住宅ローンの固定金利の下がり方は緩やかですね。固定金利は長期金利を指標にしますが、粗利で赤字になる設定にはしないということです。
国債にしても、銀行は長期金利が大幅下落する前に大量購入してます。(それで下がったんです)なので今の水準で既に購入はしていないでしょう。というよりもう利回りが低すぎて買えません。
このようなマイナス金利の副作用に対して日銀が打った手が長期金利を0%程度に誘導する『金利操作付き、質的・量的金融緩和政策』なんです。
2.長期金利が下がった理由は国債の価格が上がったから
- 債券の価格が上昇すると長期金利は下落する
- 債券の価格が下落すると長期金利は上昇する
前提
- 10年国債
- 額面金額100円
- 券面利率2.0%
国債の相場が100円の場合
国債の相場が95円の場合
国債の相場が105円の場合
- 価格95円の利回りは2.6%
- 価格100円の利回りは2%
- 価格105円の利回りは1.4%
マイナス金利で銀行の余剰資金が国債に流れて国債の価格を押し上げた
- 何か利息の付く投資
- 日銀なみに安全な投資
- すぐに投資できる銘柄
3.今後の住宅ローンの金利動向
変動金利の今後について
前述しましたが、マイナス金利政策と変動金利には直接の因果関係はありません。ただ今回のことで言えることは、日銀がかなり思い切った施策を採ってきたということです。- 金利上昇しても5年は元利均等返済額を変えない
- 金利上昇しても一度に上げる金利の上限は元の1.25倍まで
固定金利の今後について
- 2016年4月1日に金利情報を更新しました
- 2016年4月6日に借り換え申し込み件数の増加を更新しました
- 2016年5月2日に金利の情報を更新しました
- 2016年6月1日に金利の情報を更新しました
- 2016年7月29日に金利の情報を更新しました
- 2016年9月1日に金利の情報を更新しました
- 2016年11月1日に金利の情報を更新しました
- 2016年11月30日に金利の情報を更新しました
以上、千日のブログでした。
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