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住宅ローン金利の本当の決まり方について、誰よりも分かりやすく解説します

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変動・固定・10年固定の住宅ローン金利の決定方法

どうも千日です。住宅ローンの金利の話題です。

住宅ローンの金利タイプをどうするか?下手をすると、物件を選ぶよりも悩むんですよね。しかも、マイホームを選ぶのは楽しいですけど、住宅ローンを選ぶのは全く楽しくないです。

しかし、金利タイプの特徴を十分理解したうえで選ばないと、取り返しのつかない後悔に繋がるのが住宅ローンです。

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そこで、今日は住宅ローンの金利タイプ別(変動・固定・10年固定)にどうやって金利が決まるのかを分かりやすく説明したいと思います。

では始めますね。

目次

 

銀行は調達したお金を貸して、差額の利ざやで儲けている

まずは大前提なんですけど、資金を外部から調達して貸しているんですよ。資金を調達するには、コストがかかります。分かりやすく言えば銀行もお金を借りたら利息を払わないといけないということです。

  • 銀行が借りる時の金利が安ければ、貸すときも安く貸せます。
  • 銀行が借りる時の金利が高ければ、その分高い金利で貸さないと儲けがありません。

 

案外、単純な話でしょ?

 

ですから、銀行が住宅ローンを貸す時の金利というのは、以下の要素で決まります。

  • どうやって調達した資金を貸すのか
  • その資金の調達コスト(利息)はいくらか

それを理解すれば、誰でも来月の住宅ローンの金利の動向をマクロでざっくり予測することが出来るんです。

 

変動金利は政策金利と連動する

まずは最もシェアの多い変動金利からです。 変動金利は借入期間の途中で、金利の動向によって銀行が金利を上げたり下げたり出来る金利タイプですね。

 

つまり、こういう事です。

 

  • 銀行が借りてくる時の金利が上昇したら、それに連動して住宅ローンの金利を上げます。
  • 銀行が借りてくる時の金利が下落したらそれに連動して住宅ローンの金利を下げます。
 
ですから銀行にとっては、金利の変動によるリスクが無く、常に一定の利ザヤを稼ぐ事が出来ます。
 
そういう理由で、通常は全ての金利タイプの中で最も安い金利になっています。その代わりに金利の上昇リスクを利用者が負っている訳です。
 
銀行が借りてくる時の金利を短期プライムレート(略して短プラ)と言い、この短期プラは政府(日本銀行)が銀行に融資をする時の政策金利に連動しています。
 
つまり、住宅ローンを変動金利で借りよう、又は借りている人は、日銀が決定する政策金利を注視しておく必要があるということです。
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赤い矢印の所がリーマンショックが起きた2008年9月15日です。それまで0.5%だった政策金利は0.1%になり、その後2016年の現在までずーっと0.1%です。
 
ちなみに千日がマンションの引き渡しを受けたのは2008年11月です。リーマンショックなんて全く予想外でした(⌒-⌒; )アハハ
 
 

フラット35などの全期間固定金利は国債金利と連動する

変動金利と対照的なのが全期間固定金利ですね。借入期間にわたり、金利が固定された金利タイプです。
 
  • 銀行が借りてくる時の金利が上昇しても、住宅ローンの金利は上げられない。
  • 銀行が借りてくる時の金利が下がっても、住宅ローンの金利を下げなくて良い。
 
このように金利の変動リスクを銀行が負うのが全期間固定金利です。
 
しかし一方で、フラット35については、住宅ローンの債務者が返せなくなっても銀行は取りはぐれが無いんです。
 
フラット35は住宅金融支援機構という国が運営する団体が債権を買い取る又は返済を保証するという形になっています。
つまり住宅ローンの利用者が返済出来なくなっても、すでにその債権を国に買い取ってもらっている又は国が代わって銀行に弁済してくれるんですよ。
 
もちろん住宅金融支援機構は後で利用者に請求します。
 
なので銀行としては、長い期間でも安心して融資出来るんです。もしも金利が上ったら損をすることもありますが『間違いなく元本を回収できる』というのは大きいですよね。
 
そういう事で、フラット35の全期間固定金利は国に対する貸付に近い考え方で金利を決める訳です。
 
国に対する貸付=国債ですね。
 
ですから、全期間固定金利の住宅ローンの金利は10年国債の金利に連動する訳です。グラフは2016年からの10年国債金利の推移です。
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日銀のマイナス金利政策が発端で10年国債の金利がマイナスになりました。でも住宅ローンがマイナスにならない理由は、そんなことをしたら銀行が赤字になってしまうからですね。
 
 

一定期間固定金利の本質は変動金利

一定期間固定金利は、借入当初の3年・5年・10年(選択可能)の金利を固定しますがその期間が終わると、その時点の店頭金利ベースの金利になる金利タイプです。
 
店頭金利というのは、早い話が変動金利の『定価』です。金融機関が市場の動向に合わせて自由に決める金利で、通常はそこから割引をして新規借入や借り換えを募集しています。
 
つまり一定期間固定金利という表現はイマイチ実態を表していなくて、『一定期間後変動金利』と表現した方が実態に近いんです。
 
金利の変動リスクは住宅ローンの利用者が負っているという事です。しかも予測しにくい後半の期間の変動リスクだけ利用者が負ってるんです。
 
 

一定期間固定金利は固定期間の円金利スワップレートに連動する

後半の期間の金利変動リスク利用者が負っていると言っても、銀行にとって当初の固定期間については金利を変動させられない。という所がミソです。
 
加えて、フラット35のように、利用者が返済出来なくなっても国が肩代わりしてくれる訳ではありません。
 
なので銀行は、変動金利と固定金利を交換しても釣り合う金利で当初の固定期間の金利を決めているんです。この金利を円金利スワップレートと言うんです。円同士の金利を交換する金利という意味です。
 
この円同士の金利スワップ(金利の交換)は日本の金融機関や企業などが金利変動リスクを回避するためによく利用しています。
 
とくに固定金利と変動金利(LIBOR、TIBOR等)を交換するスワップ取引については、変動金利の債務者は固定金利に転換することで金利上昇リスクを軽減できます。 
 
例えば、2016年初頭の円金利スワップレートと変動金利(TIBOR)は以下の通りでした。 
  • 円金利スワップレート(10年)0.46%
  • 6カ月TIBOR 0.25727%

円金利スワップ取引ヒストリカルデータ:三菱UFJ信託銀行

全銀協TIBORとは | 全銀協TIBOR

 

言い換えるとこうなります。

『借入期間10年で変動金利の0.25727%で借りているけど、今後は金利が上がりそうだ。これから10年間金利を固定できるなら、0.46%だったら借り換えてもいいかな。』

『貸付期間10年で変動金利の0.25727%で貸しているけど、今後は金利が上がりそうだ。もし、債務者が金利を固定したいといって来たら、利率を0.46%に上げないと割に合わないな。』

つまり、一定期間固定金利の金利の決め方は、その時点での変動金利と固定金利の均衡するところの金利で決定されるというわけですね。 

円金利スワップレートと変動金利(TIBOR)をグラフにしてみると、以下のようになります。

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2016年の1月はまだ円金利スワップレートの方がかなり高かったですね。これは近いうちに金利が上がるだろうという予想がマーケットで支配的だったということです。

しかし、2月にガクッと落ちて、その後はほぼ変動金利と同じ水準で推移していますよね。これは日銀のマイナス金利政策が発端で長期金利が大幅に下がったことによるものです。

当分の間、金利は上がらないという予想がマーケットで支配的になったということです。分かりやすい動きですよね、もちろんこれは現時点での円金利スワップレートでしかありません。

今後10年、金利が上がらないことを保証するものではありませんので、その点はご注意ください。

 

2016年4月の住宅ローン金利でフラット35が下がったのに10年固定金利が上がった理由

すこしややこしい所もありましたけど、以上がマクロな視点での住宅ローンの決まり方です。

フラット35の金利は10年国債金利、10年固定金利は円金利スワップレートと連動するという話でした。10年国債金利と円金利スワップレートを並べてみると以下のようになります。

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国債金利情報 : 財務省

円金利スワップ取引ヒストリカルデータ:三菱UFJ信託銀行

コピーしたかのように同じ動きをしてますね!

それなのに2016年3月から5月にかけて全く逆の動きになったのはなぜでしょうか?

 

  • フラット35の借入期間21年〜35年の金利は3月1.25%から4月1.19%、5月1.08%に下がった。
  • 三井住友信託銀行の10年固定の金利は3月0.5%から4月0.55%に上った(5月横ばい)。

 

ここから先は千日の想像によるところが大きいです。

 

借り換えが増えただけで、トータルでプラスにならなかった

まず、銀行間の住宅ローンの利下げ競争が何をもたらしたかについて書いておこうと思います。銀行間の住宅ローン争奪戦がもたらしたのは『借り換え』の増加でした。 

三井住友銀行など主要8行の2016年2月の借り換え申込件数は約2万8千件で前年比の約2.5倍でした。そして3月には前年同期比3.6倍になったそうです。

これは10年位前に住宅ローンを借りた人たちが、今の低金利の機会を捉えて金利の負担を軽くする為に今の金利水準でローンを借り換えたということです。

たとえば、三井住友銀行から住宅ローンを借りていた人が三井住友信託銀行の10年固定に借り換えたとしたら?

 

  • 今後は三井住友銀行は高い金利が受け取れなくなる
  • その代わりに三井住友信託銀行が安い金利で住宅ローンを貸す

 

借り換えが増えれば増えるほど、トータルで銀行グループの収入は減ってしまうということです。

他行に奪われるよりはマシですけどね。がんばって金利を下げたところでさほど報われなかったという結果だったんです。

 

金利が下がり毎月の返済額が減ったことで住宅ローンを申し込む人の属性も下がった

こういうことを書くと嫌われそうなんで、気が進まないんですけど。あえて率直に書きます。

  • 住宅ローンの金利が下がる
  • 毎月の元利均等返済額が下がる
  • 今まで住宅ローンを借りれなかった年収でも返済可能になる
  • 従来よりも低い年収の人による住宅ローンの申し込みが増える
  • 従来よりも銀行にとって貸し倒れのリスクが増える
  • 貸し倒れのリスク=デフォルトリスクは金利に上乗せされる

要するに銀行なんて言ったって、住宅ローンの場面では金貸しとなんら変わらないんですよ。

そして、これがフラット35と10年固定で全く逆の動きになった、一番の理由でもあります。

 

フラット35では住宅金融支援機構=国が住宅ローンを保証し、10年固定は銀行グループの保証会社が保証する

フラット35の住宅ローンを保証する住宅金融支援機構は国が運営する団体になりますので、全て税金で運営されています。 

という事は、当然、利用者が債務不履行になった際には、税金で銀行に代位弁済されることになります。

巡り巡って負担は国民全体が被ることになってしまうのですが、さしあたって銀行のサイフは痛まないということです。 

これに対して10年固定などのその他の一般的な住宅ローンは銀行のグループの保証会社が債務を保証します。利用者が債務不履行になった際には保証会社が代位弁済しますので、銀行グループのサイフは痛みます。

各金融機関の立場から見てみると、保証会社の保証であっても、住宅金融支援機構の保証であっても、取引の中身自体に大きな差異はありません。

あくまでも銀行単体が最終的な被害を受けることはない。

しかし各保証会社というのは、無尽蔵に資金を持っている訳ではありませんので、やはり耐久性という問題がありますし、同じ銀行グループです。 

こうした違いが金利の決め方に作用したのでしょうね。つまりこういうことです。

 

  • フラット35は申込者の属性が低くても住宅金融支援機構さえOKなら何の問題もない⇒国債金利の下降を住宅ローンの金利に素直に反映させよう。
  • 10年固定は申込者の属性が低くなると、銀行グループ全体のコストが増えてしまう⇒返済できなくなる人が出ることを見越して金利を上げよう。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。こんな感じで金利は決まるんです。

フラット35の借入期間21年〜35年の金利は8月には0.9%にまで下がりました。しかし9月に1.02%、10月に1.06%と上がり、11月1.03%に下がったもののトランプショックで1.10%に上昇してます。

ダラダラ書きましたがこれは10年国債の利回りにいちいち連動しているんですね。

三井住友信託銀行の10年固定の金利は2016年6月の0.5%から3ヶ月連続して下げ、8月の適用金利は最低の0.35%です。しかし9月0.45%、10月から12月は0.45%と据え置きました。

12月のフラット35が上がったのに10年固定の12月は据え置きになったのは需要期の12月に利用者を取り込みたいという金融機関の思惑があるのでしょう。

また、日銀の金融政策決定会合で新たな政策として長期金利を概ね0%に誘導することを目標とすることが発表されています。

最近まで下がったり上がったりしていた固定金利と10年固定ですが、今後は低い水準で安定するのではないでしょうか。

 

  • 2016年4月6日に住宅ローン借り換え増について更新しました
  • 2016年5月2日に金利の情報を更新しました
  • 2016年7月30日に金利の情報を更新しました
  • 2016年9月1日に金利の情報を更新しました
  • 2016年10月1日に金利の情報を更新しました
  • 2016年11月1日に金利の情報を更新しました
  • 2016年11月30日に金利の情報を更新しました

以上、千日のブログでした。

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