フラット35の超低金利時代に住宅ローン控除をトコトン利用しつくす方法
どうも千日です。未曾有の低金利で銀行に預けるときの金利が下がるデメリットがある一方、銀行から借りるときの金利も下がるメリットがありますよね!
10年間の住宅ローン減税の恩恵を最大限受けて尚且つ金利変動のリスクも無いのがフラット35の金利引下げ制度です。3つあります。
タイプ | 金利引下げの内容 | 予算 |
フラット35S | 当初10年(金利Aプラン)又は5年間(金利Bプラン)0.25%引き下げ | 国 |
フラット35リノベ | 当初10年(金利Aプラン)又は5年間(金利Bプラン)0.6%引き下げ | 国 |
フラット35子育て支援型及び地域活性化型 | 当初5年間0.25%引き下げ | 都道府県、市町村 |
フラット35Sとフラット35リノベは併用できませんが、以下の併用は可能です。
- フラット35Sとフラット35子育て支援型及び地域活性化型の併用で当初の期間の引き下げが0.5%になる!
- フラット35リノベとフラット35子育て支援型及び地域活性化型の併用で当初の引き下げ0.6%の期間が2年延長される!
フラット35で金利が1%を下回ると、10年間の住宅ローン控除額のほうが大きい状態が確定し、借入期間トータルでもマイナスとなるんです。借りているのに利息がもらえる恩恵を確実に受けられます。
今日はこの超低金利時代ならではの住宅ローン控除と繰り上げ返済を活用して実質的な金利負担をほぼゼロにする返済方法を分かりやすく説明します。
目次
頭金を温存し10年間は借入残高を出来るだけ減らさない
たとえば、当初10年の金利が0.63%になったとすると、年末のローン残高の1%の住宅ローン控除がありますので、差引0.37%が住宅ローンを借りている人の『儲け』となります。
住宅ローン控除を受けられる10年間はローン残高が多い方がお得なんですね。
頭金はあえて温存するのです。
フラット35の金利引下げを利用して2,000万円借入ボーナス払いなし20年で返済
- 最初の10年でマイナス51万円の利息
マイナスの利息ということは、逆に儲かるということです!
フラット35の金利引下げを利用して3,000万円借入ボーナス払いなし20年で返済
- 最初の10年でマイナス77万円の利息
住宅ローン控除の二つの上限とすまい給付金
補足として、住宅ローン控除とすまい給付金について大事な部分を説明しておきます。
住宅ローン控除の正式名称は住宅借入金等特別控除と言います。
居住者が住宅ローンを利用してマイホームの新築、取得または増改築等をし、一定の要件を満たす場合はその取得等に係る住宅ローンの年末残高の合計額の1%を所得税額から控除するものです。
住宅ローンが多ければ多いほど良いというわけではなくて、上限が設けられているんですよ。この上限を知らずに利用すると、却って損をしたり、利息の負担が大きすぎて資金繰りが厳しくなるので注意が必要です。
購入する家による上限
平成29年12月31日までに居住の用に供した場合の上限は以下のように定められています。
- 一般の住宅:最高40万円(売主が個人で消費税が非課税又は5%消費税の場合20万円)
- 認定長期優良又は低炭素住宅:最高50万円
売主が個人で、非課税で中古住宅を買った場合の上限は20万円、それ以外の上限は40万円ということです。上限が20万円に減ってしまうのは8%の消費税を払っていないからということが理由なんですね。
また、認定長期優良住宅や低炭素住宅などの高性能の住宅を購入した場合は上限が引き上げられて50万円までになるということです。
所得税額+住民税額以上には控除できない
住宅を購入して銀行から住宅ローンを借りたら、その年末残高の1%については税金が安くなるということです。もしも、住宅ローン残高の1%が所得税額及び住民税額を超えてしまったら、マイナスになりますよね。
もしかして、税金がマイナスになる?
利息はマイナスになりますが税金はマイナスになりません、所得税額と住民税額の合計が上限です。
天引き前の額面年収と所得税、住民税の目安
年収300万⇒所得税5.6万・住民税11.7万
年収350万⇒所得税7万・住民税14.5万
年収400万⇒所得税8.7万・住民税17.7万
年収450万⇒所得税10.8万・住民税21.1万
年収500万⇒所得税14.3万・住民税24.5万
年収600万⇒所得税20.9万・住民税31万
年収700万⇒所得税32.2万・住民税37.9万
上記はだいたいの目安です。
正確な所得税額は源泉徴収票の源泉徴収税額です。正確な住民税はお住まいの市町村役場の税務課で納税証明書を発行して貰えばわかります。
住宅ローン控除の上限の目安
上に挙げた所得税と住民税の合計から計算できますが、住民税からの控除額の上限は136,500円というのがありますので、下記のようになります。
年収300万⇒17.3万
年収350万⇒20.6万
年収400万⇒22.3万
年収450万⇒24.4万
年収500万⇒27.9万
年収600万⇒34.3万
年収700万⇒45.8万
住宅ローン控除について
住宅ローン控除が満額受けられる条件について、詳しく、わかりやすく書いたエントリーがこちらです。
必ず合わせてお読み下さい。
すまい給付金
すまい給付金、意外と知らない人が多いです。知らないと損ですよ。
すまい給付金とは、消費税率引き上げによる住宅取得者の負担を緩和するために創設された制度で、消費税率8%の場合は年収510万円以下の人を対象として最大30万円、消費税率が10%の時は、収入額の目安が775万円以下の人を対象に最大50万円給付するものです。
もとの税金が少なくて、住宅ローン減税の控除を引ききれなかった場合にはこのすまい給付金で補てんすることが出来ますので、是非利用してください。
申請しなければもらえません。知らなければそれまでになってしまいます。
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まとめ~人任せにせず視野を広く持つ
フラット35の引き下げ制度せよ、給付金にせよ、知らずに申請していないと受けられないのですよ。
不動産会社の営業マンの中には提携ローンばかりを勧めて、こうした有利な制度については、あえて言わないような人もいます。提携ローンなら不動産会社やその営業マン個人にキックバックやボーナスが入るようなケースがあるからです。
けして人任せにせず、視野を広くもって住宅ローンを選びましょう。
- 2016年7月31日に金利の情報を更新し、金利水準にあわせて全面的に記載を修正しました
- 2016年11月1日に金利の情報を更新しました
- 2017年10月8日にフラット35の引き下げ制度などを更新しました。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
この記事を最初に公開した2016年2月ごろは、マイナス金利政策が発表されて間もない時期でした。
フラット35sでもまだ0.91%でしたね。なので、10年の間に一括返済資金を貯金する前提で記事を書いていたんですが、0.53%となった2016年8月の水準だと、何もしなくても自然体でマイナス金利になるんです。
わずか半年の間にこれだけ状況が変化するというのは、本当に珍しいことなんですよ。
2016年7月31日
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ランキング | 年齢 | |||
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20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
新規借入 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
30代600~1200 | 40代600~1200 | 50代1000以上 | ||
20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
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