千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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2018年下半期の金利動向に翻弄されない住宅ローンはフラット35+メガ/ネット変動+地銀信金当初固定

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2018年はいつまで住宅ローン低金利が続くのか?上がったらどうする?

どうも千日です。日銀総裁は現黒田総裁の続投が濃厚と言われています。黒田氏は2016年のマイナス金利政策をはじめとする「異次元の金融緩和」の立役者であり「2%の物価上昇率の目標」をかかげ、今の時点で出口対応(利上げ)を考える局面ではないと強調しています。

黒田総裁の話だけを聞いていると…

当分の間金利は上がらないのでは?

ということになるのですが、市場関係者の間ではそろそろ利上げすべきタイミングが近づいてきているのではないか?という見方が優勢になってきているようです。

ただし、利上げの判断ということになると大半の専門家は「今はまだマズい、急激な円高をもたらす危険がある」という見解なんですよね。

たしかに、少し前も黒田総裁が欧州会議でちょっと「景気はイイ感じだ」みたいなニュアンスのことを言っただけでマーケットが過剰に反応して円高に振れたことがありました。

これからマンションや注文住宅の契約をして、住宅の引き渡しが年の後半あたりに予定されている人にとって、今の状況というのはすごく悩ましいです

  • 固定金利自体は今が底値に近い…
  • また北朝鮮情勢の不安もある…

私の著書の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本では、こうした時期の住宅ローンの組み方についても、解説しています。

今日は特に2018年の後半(下半期)に住宅ローンの実行を予定している人が、どんな戦略で住宅ローンを組むべきなのかにクローズアップしたいと思います。

ズバリ、以下の3つに注目です。

  1. フラット35
  2. メガバンク、ネット銀行の変動金利
  3. 地銀や信金の当初固定金利

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この3つが救いの女神になると千日は考えています。

2018年下半期に向けての住宅ローンのオススメの組み合わせ

  • 金融市場の金利が上がったら、それと連動して住宅ローンの金利も上がる。
  • しかし反応の仕方、金利が決まるタイミングは金融機関や金利タイプによっても違う。

こういうことを頭に入れて、以下3つの異なる金融機関、金利タイプで複数の住宅ローンの審査を通しておき、ギリギリまで粘るのです。

  1. 国が操作し金利上昇を緩和させるフラット35
  2. 価格競争の目玉で低金利が続くメガバンクorネット銀行の変動金利
  3. 申込日~実行日までで一番低い金利が適用される地銀や信金の当初固定金利

1.フラット35の金利は国が操作し1.38%前後で推移させようとする

フラット35の金利は金融市場の金利の動向だけでなく国の思惑で決まっている側面もあり、分析によると国はフラット35の金利(団信0.28%込み)で1.38%弱に抑えたいと考えています。

2017年10月の申込からは団信保険料0.28%が金利に込みになっています。それ以前の長期金利の推移とフラット35(団信抜き)の金利推移をみるとそれが見えてきます。

詳しくは2018年以降のフラット35の金利を予測している記事で詳しく書いていますので、まだ読んだことのない方は読んでみてください。

千日のブログでは毎月、翌月のフラット35の金利を予測しています。上記の記事は2017年の夏に予想したものですが、2018年に入った今もこの予想通りに推移している感じです。

民間融資と公的融資の違い

民間金融機関は「営利企業」です。損を被らないように市場金利に連動させて即座に固定金利を上げるでしょう。

これに対してフラット35は「公的融資」です。突発的な金利上昇による混乱を抑えるべく動くのです。

もちろんフラット35の資金もまた金融市場から調達しますのでベースとしては市場金利と連動するのですが…

  • 最後に公的融資として国の思惑が入ること

これが民間融資との決定的な違いです。

フラット35の金利は予想できるので融資の実行日は月末に設定しておくべし!

このフラット35の金利は月初に発表されて、その月にわたって適用されるのですが、その金利が上がるか?下がるか?は前の月の半ば~20日ごろには予測できます。

フラット35を貸す住宅金融支援機構は金融機関やモーゲージバンクからフラット35の債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて「機構債(RMBS・住宅ローン債権担保証券)」という形で販売しています。

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つまり、フラット35のお金は、元を辿れば住宅金融支援機構の機構債の販売代金であり、機構債の表面利率とは機構債を買う投資家の投資利回りです。

ですから、以下の式でフラット35の金利を予測することが出来るんです。

  • フラット35金利=機構債の表面利率+住宅金融支援機構のコストと取扱金融機関の利益率

千日のブログではこの方法によって0.01%単位で翌月の金利を予想しています。

なので、月末に設定しておくことで、翌月の金利が下がることが分かっていれば、融資実行日を数日送らせて、翌月の低い金利で住宅ローンを借りることが出来るのです!

これは著書の家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本の第4章でも解説しています。

2.メガバンク、ネット銀行の変動金利は価格競争で割安

黒田総裁のマイナス金利政策をはじめとする金融緩和政策で金利が下がっていますが、これは銀行間の金利引き下げ競争も激化させました。

ただ、2017年からはトランプ景気によってアメリカの長期金利が上昇し、その波及効果で日本の長期金利が上昇し、ジリジリと住宅ローンの固定金利が上がってきているのも確かです。

しかし、その中であっても変動金利は底値を続けているのです。

  • 最も金利が下がった時期の10年固定金利と変動金利
  • 直近の10年固定金利と変動金利

特に低金利で勝負している住信SBIネット銀行でこれを比較してみましょうか。

住信SBIネット銀行

変動金利

10年固定

2017年2月

0.457%

0.540%

2018年2月

0.457%

0.820%

変動金利は変わらずですが、10年固定金利の方はだいぶ上がってしまいましたね。

変動金利は政策金利の影響を受ける

直接的な理由は、変動金利の基準となる短期プライムレートが変動していないからです。

短期プライムレート(略して短プラ)は政府が設定する政策金利の影響を強く受けるのです。政府は景気を良くするために投資や消費を促進したいときは政策金利を下げます。これが金融緩和というものです。反対に景気の過熱を抑制したいときには投資や消費をしにくくするために政策金利を上げる(金融引き締め)というものです。

2008年のリーマンショックで「ゼロ金利政策」が復活し、政策金利が最低の0.1%になり、その後ずっと変動していないからなのです。

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赤い矢印のところがリーマンショックの2008年9月15日です。それまでずっと0.5%だった政策金利はこれを境に0.1%になり、2018年の現在までずっと0.1%です。

黒田総裁の続投によって金融緩和政策は当分続く

冒頭に述べたように黒田総裁の続投ということは、金融引き締め(利上げ)に対してはかなり慎重になるだろうということが予想できますよね。

景気が上がる指標として物価上昇率2%というラインを引いていて、これを達成するまでは利上げしないということを強調しています。

また、市場関係者や専門家の間でも、利上げをする時期としては「今すぐ上げるべき」という人は少数派であり「上げるタイミングが難しい」と考えている人が多数派となっています。

つまり、ある程度の期間であれば今の激安の変動金利の恩恵を得られる可能性が高いということになります。

そのある程度の期間とは何年か?私は5年程度ではないかと考えています。

日銀が利上げしなくても変動金利は上がる?

短期プライムレートは政策金利の影響を受けると言いましたが、それはあくまで日銀がそのように誘導しているということです。

住宅ローンの契約書の約款のどこにも「政策金利に連動させる」なんて書いていませんよ。

つまり、政策金利に関係なく銀行の判断で、銀行の存続のために変動金利を上げるという事態も有りうると考えています。

  • 住宅ローンの価格競争が終わるタイミング
  • 高齢化の波によって銀行の利益が等しく圧迫されるタイミング

このように予測しています。家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本 の第4章でも解説しています。

ですから、固定金利が乱高下しているタイミングでは、まだ変動金利で住宅ローンを借りておき、その後金利が上がった場合のための貯蓄をしていくという戦略もあるのですね。

3.申込~実行までの間の金利変動リスクは地銀や信金が負ってくれる

ここまで、フラット35とメガバンク、ネット銀行の変動金利について書いてきましたが、特に金利動向が不透明な時期には、地銀や信金もお勧めなのです。

地銀や信金の中には、特に当初固定金利でメガバンクやネット銀行とそん色ない低金利の商品を出しているところがあります。

しかも、そうした地銀や信金の中には住宅ローンの申込から融資実行までの間で最も低い金利で融資する、とする商品を出しているところがあります!

  • フラット35は政府が金利上昇を抑える上に前月から金利が予測できるとは言ってもベースとしては市場の金利の影響を受けて上がります。
  • 変動金利は当分の間は上がらないだろう、とは言っても10年20年30年というスパンでは予測はできません。基本的に銀行が随時上げられるからこそ、今のところ安いだけなのです。

これに対して、こうした地銀や信金では、申込時点で公開されている金利よりも上がることは無いのですよ!

これは、フラット35やメガバンク、ネット銀行などの変動金利には無い特徴であり、最大のメリットです。

フラット35が政府の調整不可能なほど上がってしまった…

とか

いよいよ変動金利が上がりそうな局面になってきている…

こんな状況になったときに、今の時点で公開されている金利で借りられる住宅ローンはこうした地銀や信金の住宅ローンだということです。

 

まとめと次回予告

今のタイミングでマイホームの契約をし、2018年の後半に完成引き渡しということになったら?

千日であればこの3つの住宅ローンの審査を通しておきます。

しかし、これだけではまだ片手落ちなんですよね。

  • フラット35であればどういう返済計画になるの?
  • 変動金利であればどういう返済計画になるの?
  • 当初固定金利であればどういう返済計画になるの?

それぞれの金利タイプで無理なく完済できるプロジェクトを組んでおかなければなりません。

また、

  • その後の金利の動向によってこの3つからどうやって最終的に一つに絞っていくのか?

次回は千日の住宅ローン無料相談ドットコムのスピンオフ企画として千日がご相談を受けた実例を使ってご説明したいと思います。

公開しました。こちらです。

千日太郎と出会った皆様が、家の購入と住宅ローンの選択に正しい道筋を見つけ、ご家族と素敵な人生を歩まれることを祈っています。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

千日のブログで紹介しているマイホームの購入と住宅ローンのノウハウを一冊にまとめたのがこちらの本です。

全国の大型書店と通販で発売中です。おかげさまでご好評いただいており、Amazon及び楽天の住宅ローンのカテゴリでランキング1位となっています(執筆時点)

是非ぜひ、お手にとって頂ければ嬉しいです!

2018年2月13日

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