千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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固定金利を選んダラその後金利が上がらなけレバ損した気分?

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住宅ローンの選択で陥るタラレバの落とし穴に注意

どうも千日です。

  • 住宅ローンを変動金利にするか固定金利にするかどっちがお得?
  • 金利は上がりそうだけど下がるかもしれないし、いつ借り換えるのがお得?

こういう悩みを持つ人は多いですね。家を選んだり、造ったりというのはこれからの生活を作る前向きなことですから、アレコレ悩むのも楽しいですが、住宅ローンは後ろ向きですからね。

例えば、借換ということで考えると…千日の住宅ローン無料相談ドットコム | 千日太郎が住宅ローンの疑問、悩みに第三者の立場からズバリ答えます。年齢、年収、共働き夫婦の世帯年収ごとにナマの相談事例を豊富に公開!週刊ダイヤモンド社ザイオンライン他多数メディアで執筆の傍らライフワークとしてサイトを運営しています。ではこんなお悩みが寄せられています。

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昨年の長期金利が超低金利だった時期に借り換えするチャンスを逃してしまいました。ヒラリーさんが大統領になりもう少し超低金利が続くつもりで、借り換えを急いでいなかったのです。

昨年の超低金利(三井住友信託の激安金利)を起点に今から借り換えると、損失が発生している(利益が減少している)という場面では、どうしても、損切りするのが心理的に難しく、賭けに出るようなことになってしまいがちです。

昨年に比べれば、長期金利は上昇しているとはいえ、今後も日銀がコントロールできる限りは、上限が0.1%前後であり、再度金利低下する可能性もあると考えています。

一方で、現在は3年前に比べれば十分に金利は低く、借換を選択することで、百万円以上の借り換えメリットはあります。

どうすればいいんでしょうか?

 

今日は、こういった誰もが悩むポイント、タラレバの落とし穴とその抜け方についてです。

  • 固定金利(当初固定金利を含む)を選んだら、その後金利が上がらないと損した気分になってしまう。とは言え変動金利も怖い。
  • また、去年の超低金利に借換を保留して、そろそろ上がりそう?と思われるこの時期に借り換えるべきかどうか?また下がったら?

悩ましいですね。

通常は、無料相談.comでお答えするんですけど、普遍的に誰もが抱える悩みだと思いますので、今日はスピンオフ企画としてこの千日のブログでお答えしたいと思います。

回答:住宅ローンのタラレバの落とし穴から抜ける

ではお答えして行きます。ちょうど同じポイントで悩まれている方が何人かおられます。

私もそうでしたが、固定金利(当初固定を含む)で住宅ローンを借りて、その後金利が下がると『損だ』という考えに囚われてしまいます。

事実上、全く損はしていないのにです。

イヤ、今借りたら遥かに安い金利で借りられたのだから明らかに損でしょ

と言う人もいるでしょうね。同時にこのようにも言う人もいるでしょう。

去年の超低金利の時に借り換えてたら、遥かに安い金利に減らせたのだから、その時期を逸してしまったのは痛恨のミスだ。

後者には、激しく同意します。私もまた、借り換えずに今を迎えているからです。

 

タラレバ=『if』の心理的な落とし穴

タラレバには心理的な罠があります。この考え方に囚われると、どうしても決断を保留してしまう傾向があるんです。

つまり

『今借りたら遥かに安い金利で借りられたのだから‥』には、漏れなく『もう少し待てば‥』が付いて来るのですよね。

表裏一体なのです。どちらも『if』文です。

そして『if』というのは概念上の世界の話です。現実にはやり直しが出来ない事に対して使われます。時間は巻き戻せませんから。

つまり、その『if』は現実的に採り得ない選択肢や手段です。それを現実の選択肢の隣りに並べてしまっているのです。

旅行の計画を立てる時には行き先やそこまでの移動手段を考えますよね。陸路や空路で行きたい場所への計画を立てます。

その時誰も『どこでもドア』や『タイムマシン』を手段の1つとして挙げないです。そんなの考えるだけ無駄だからです。

また『仮の話』としても、『もしどこでもドアがあったら…』とか『タイムマシンがあったら』なんて本気では言いません。

あり得ないので、言うだけ無駄だということが分かっているからです。

しかし、住宅ローンに関しては何故かそういう『仮定』を持ち出してしまうのですね。これは住宅ローンだけに限らないです。

恋愛や職業の選択、結婚、つまり人生に関わる事については、人はそうなってしまうのです。

 

固定金利を選んでその後金利が下がったら損か?

損じゃありません、事実上。

何故なら自分に適用される金利は固定されているからです。自分の元利均等返済額は最初からずっと変わってないはずです。

損のしようが無いんですよね。

変化したのは周囲、すなわち市場です。

『周りの皆んなが損をしないと得をした気にならない』

そういう人も居るかもしれません。

しかし『借り換えることで得出来る状況に変化した』とも考えられますよね。

今借り換えることによって支払いの総額が明らかに少なくなるなら、そうすれば良いという結論になります。

これが現実的な選択です。

借り換えなくても、それはそれで正解です。

固定金利の返済額はいわばその家の価格とも言えます。

住宅ローンとは、35年なら420回、毎月決まった金額を銀行に払う事です。

これが正確な定義でない事は百も承知ですが、それが途中で家を売却しない人にとっての住宅ローンの本質です。

つまり、元利均等返済額は利息も込みで家の代金なんです。

『その値段』で買った物なのですから、後から値引きが無くても何ら問題ありません。買い物をする時に自分なりに測定した価値に見合う支払いだからです。

 

借り換えても、借り換えなくても良い

ここまで読んで『確かにそうだ』と思われたならば、そのまま継続するか(金利交渉くらいはやっても良いですね)、今借り換えるかを決めればよいと思います。

既に結論は出ています。

また、明らかに借り換えの方が得なら、それを銀行に言って金利交渉する方法もあります。

上の借換と金利交渉のセオリーにあるように、借換交渉は昼休みの15分に電話一本で可能です。

 

他行の金利の安い固定金利に借り換える選択肢

支払いがトータルで安くなるのに、現在の銀行が利下げに応じないなら、借り換えれば良いです。

ただ、借り換えには費用がかかります。また、時間と労力もかかります。安くなる支払いがそれに見合うモノなら、即動きます。

タラレバは無しです。

 

他行の変動金利に借り換えるのもアリ

そもそも、固定金利が性に合っていないという事もあるかもしれません。

ただし、変動金利は変動しません。

正確に言うと、上がったり下がったりがありません。

『常に今が底である。』

これが変動金利の世界です。

マイナス金利政策下で借入中の変動金利が下がらず固定している理由 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるをご一読ください。

借りたその時々の金利から下がる事はありませんが、上がる可能性はあるのが今の変動金利です。

変動金利は、銀行間で資金の融通をするときの短期プライムレート(短プラ)に連動し、短プラは政策金利(日銀が民間金融機関に融資する金利)の影響をうけます。

下表はその政策金利の推移をグラフにしたものです。

(単位:%)

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赤い矢印のところがリーマンショックの2008年9月15日です。それまでずっと0.5%だった政策金利はこれを境に0.1%になり、2017年の現在までずっと0.1%です。

つまり市場の短期金利は一足早く2008年にはゼロとなっており、だとすれば、それに連動する短期プライムレートもすでにリーマンの時点で「底」に達したという理屈なんです。

なお、変動金利の場合は金利の上昇に備えるために月の元利均等返済額の25%を貯蓄した上で税込月収の4割以下にする事を推奨しています。

結局、拘束される資金は固定金利よりも少し多くなるのです。

しかし、金利があがらなけ「れば」そのお金は老後の資金に回せます。

それは、すべてが終わってからしか分かりません。

 

まとめ

このご相談者はとても経済に明るい方でした。今の状況を下記のように的確に分析されています。

期待先行のトランプ大統領のバブルが弾けるのか判断がつくのは、もうすこし先かもしれません。現在のアメリカ経済指標は、オバマ大統領の財務健全化時代によるもので、トランプ大統領の施策が経済指標に反映されるのはもう少し先でしょうか…

トランプ大統領就任後、長期金利がアメリカに引っ張られる形でジリジリ上昇をしています。日銀は、金融緩和を量から金利に切り替え、長期金利の上昇は望んでいないものの、いつまで金利をコントロールできるのか不透明です…

それでも、こういった心理的な落とし穴からは自由ではいられないのですね。

住宅ローンは何十年もの長い付き合いになります。

  • 当初の変動or固定の決断が正解だったか?
  • 2016年に借り換えを見送った決断がどうだったか?

その答え合わせは全額完済してからしか出来ないのですよね。まだ始まったばかりです。

この方に回答した内容をほぼそのまま記事にしています。住宅ローンの問題は、必ずしも数値だけで答えの出ることばかりではないです。千日自身も本業はそれを専門におカネをもらっているプロですので、数値による分析の限界については、一周回って身に染みて知っています。

特にこの方は経済にも数字にも、平均以上に強い方です。お悩みのポイントは、数値的な切り口では無いとお見受けしたのですよね。

皆さまのご相談をお待ちしています。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

千日のブログでは、マイホームの購入や住宅ローンの組み方について、最新の情報に基づいて分かりやすく解説しています。

もう一つのサイト、千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは毎日寄せられる様々な人の相談に無料で答え、その内容を記事にしています。

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