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【金利予想】フラット35の2017年12月金利は1.34%北朝鮮テロ支援国家再指定で下がる←金利確定!

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2017年12月のフラット35金利は1.34%

どうも千日です。大きなニュースが飛び込んできましたね。米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定しました。今日発表された機構債の表面利率は0.4%と前月から0.03%下がりましたので、フラット35の12月金利は前月から0.03%下がると予測しました。←ピッタリ的中しました!

フラット35
12月予想
団信込み 団信抜き
10年~20年 1.27% 1.07%
21年~35年 1.34% 1.14%

ちなみに11月の実績は以下のとおりでした。

フラット35
11月実績
団信込み 団信抜き
10年~20年 1.30% 1.10%
21年~35年 1.37% 1.17%

今後のフラット35を予測する上でのポイントはやはり北朝鮮情勢でしょう。今急展開しています。新しい情報が入り次第、更新していきますのでたまにのぞいてくださいね。

2017年11月29日に北朝鮮が再び弾道ミサイルを発射

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トランプ米大統領が北朝鮮をテロ支援国家に再指定

米朝関係は緊迫化しています。北朝鮮以外のテロ支援国家は、シリア、イラン、スーダンでいずれもアメリカは武力制裁している国です。

そもそも、北朝鮮がアメリカによってテロ支援国家に指定されたのは、大韓航空機爆破(1987年11月)の翌年1988年1月に遡ります。それが2008年10月に一旦解除されたのは、北朝鮮が核施設の「無能力化」と「全ての核計画の完全かつ正確な申告」に合意したからです。

つまり、最近の北朝鮮の相次ぐ核実験と挑発行為からすると、テロ支援国家に再指定するのは必然と言えば必然なのですね。いずれにしてもアメリカは中国を無視して北朝鮮に対して武力攻撃することは無いでしょう。

しかし、このトランプ大統領の圧力強化を通じた非核化交渉に対して、これまでのパターンから鑑みるに、北朝鮮は核・ミサイル実験の再開で対抗することが容易に予想されます。

米朝関係は、ますます緊張の度合いを高めることは必至です。

 

中国特使の交渉は失敗か?

先週は、中国の習近平国家主席の特使が北朝鮮を訪れ、金正恩委員長の側近らと相次いで会食しました。
北京での米中首脳会談で得たトランプ大統領の妥協ラインを北朝鮮側に伝えることが1つの目的でした。これが米朝の直接対話の実現に向けてどういうふうに結びつけていくのか、世界が注目していましたが、トランプ大統領がテロ支援国家に再指定したということは、妥協点を見つけることは出来なかったということです。
アメリカ国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表は、北朝鮮が核・ミサイルの実験を60日間凍結すれば、米朝対話に応じる考えを10月末に示しており、最後に北朝鮮がミサイルを発射した9月15日から60日を経過しています。
昨日までは、北朝鮮側もアメリカとの対話する構えを見せていると見ていたのですが…
住宅ローンは申込から実行まで、概ね6週間が目安ですね。今でこそ長期金利は下がるという見方が大勢を占めていますが、6週間もあれば北朝鮮をめぐる情勢が急展開し、金利動向が180度ひっくり返ることは十分にあり得ることです。

 

フラット35の金利は機構債の表面利率と長期金利に連動する

フラット35は民間金融機関やモーゲージバンクで申込をしますが、実質的に融資をしているのは住宅金融支援機構という国の機関です。そして、住宅金融支援機構は投資家に機構債を販売してフラット35の資金を調達しています。

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なので、フラット35の金利は投資家達が長期の安全資産に投資するときの金利=市場の長期金利の影響をモロに受けるのですね。その長期金利の指標となる新発10年国債利回りの推移と機構債の表面利率の推移を並べてみましょう。

直近の10年国債利回りと機構債表面利率の関係

年月 10年国債利回り 機構債表面利率
2016年5月 -0.134% 0.34%
2016年6月 -0.102% 0.36%
2016年7月 -0.208% 0.23%
2016年8月 -0.229% 0.19%
2016年9月 -0.084% 0.33%
2016年10月 -0.040% 0.37%
2016年11月 -0.056% 0.34%
2016年12月 0.013% 0.41%
2017年1月 0.076% 0.48%
2017年2月 0.065% 0.46%
2017年3月 0.093% 0.47%
2017年4月 0.071% 0.46%
2017年5月 0.014% 0.40%
2017年6月 0.048% 0.43%
2017年7月 0.050% 0.44%
2017年8月 0.074% 0.46%
2017年9月 0.043% 0.42%
2017年10月 0.035% 0.42%
2017年11月 0.064% 0.43%
2017年12月 0.025% 0.40%

(注)年月は対象のフラット35の適用金利なので、時点としては前月の20前後の金利です。例えば2017年11月のフラット35に対応する機構債の表面利率の発表は2017年10月20日ですので、2017年11月には10月20日時点の金利を書いています。12月の10年国債利回りには11月21日時点の金利を書いています。

単純に考えると前月から0.04%下がる計算になるのですが、後述するように、あまり急激な減り方はしないのです。2017年5月には長期金利が0.014%で機構債の表面利率0.4%でしたからね。0.03%くらいの低下が妥当な線です。

長期金利(新発10年国債利回り)の動向

安倍政権の続投で、基本的に現行の日銀政策がかなり長い間続くという見方が支配的になっています。債権市場のトレンドを出すような材料も見当たらないためイレギュラーな動きは無い見込みです。

直前の長期金利(新発10年国債利回り)は以下のようになっています。

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金利は上下していますが、低下基調ですね。

日本銀行の長期国債買い入れオペが週内に2回予定されている一方、利付国債入札が実施されないことから、好需給環境が継続すると期待されていることが背景にあると言われています。

 

今までの長期金利とフラット35の金利推移を分析

フラット35の金利は金融市場の金利の動向だけでなく国の思惑で決まっている側面もあります。千日の分析によると、今のところ国はフラット35の金利(団信0.28%抜き)を1.1%弱に抑えたいと考えているようです。

2017年10月の申込からは団信保険料0.28%が金利に込みになっています。それ以前の長期金利の推移とフラット35(団信抜き)の金利推移をみるとそれが見えてきます。

長期金利の推移

長期金利推移

 フラット35の金利推移

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長期金利がマイナスだったころの2016年5月6月とプラスに転じてからの2017年でその傾向が良く現れていますので、違いが分かるように書き込んでいます。

長期金利がマイナスだった時のフラット35金利とプラスになった今のフラット35金利はほぼ同じ1.1%なのです。大きく外れて下がったのは2016年7月8月ですが、これは英国のEU離脱の時です。未曾有の歴史的な政治経済事件でしたから例外と見て良いと思います。

つまり、団信抜きで1.1%以上に上げたくないという国の意思がここに見える訳です。これに団信0.28%をプラスしたのが実際の金利になるわけですから、1.1%+0.28%=1.38%というのが、多少の上下はあったとしても国がフラット35の金利として妥当だと考えている水準です。

また同時に、未曾有の事件が発生したときには、調節しようが無いということでもあります。今後、EU離脱と同じレベルの激震があるとすれば、それは北朝鮮絡みになるでしょう。 

日米中央銀行の次期総裁人事にサプライズ無し

日銀総裁の任期は5年です。現在の金融政策を担っている黒田総裁の任期は2018年4月ですが続投する見込みです。

米国のFRB(連邦準備制度理事会)はアメリカの中央銀行としての役割を担っており、議長であるイエレン氏も2018年2月に任期が切れます。FRBの議長は大統領が指名し、議会が承認することになっています。トランプ大統領がパウエル氏(現FRB理事)を指名しています。

パウエル氏の議長としての手腕は未知数ですが、基本的にイエレン氏の政策を引き継ぐとされているので、影響は無いでしょう。

 

まとめ~複数の金利タイプで審査を通しておく

選挙の前から市場の長期金利は安倍内閣続投を折り込んで推移しており、北朝鮮情勢という懸念材料はあるものの、年内は横ばいに推移すると見込んでいます。ですから基本的にフラット35などの超長期固定金利で借りるのは、間違いの無い選択となるでしょう。

しかし、フラット35だけ、というのも危ないです。北朝鮮リスクによって、一時的に大きく上がってしまう可能性もあるのです。たまたまその月に長期金利が高騰しただけなのに、今後35年間の金利が決まってしまう怖さがあります。

ですから、一つに絞るのではなく、金利の決まり方、対応の仕方が異なる複数の金利タイプで審査を通しておくことが重要なんですよ。

フラット35(固定金利)と変動金利です。

言うまでもなく変動金利は今も最低金利ですよね。しかし、今後数年で上がる可能性がありますので、原則として金利が上がる前提で準備をしておかねばなりません。今後の変動金利の動向についてはこちらが参考になると思います。

もし今、フラット35オンリーで準備しているのなら、変動金利も合わせて審査を通しておき、ギリギリまで粘って有利な方を選択することをお勧めします。

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以下がそのランキングへのリンクです。

世帯年収(万円) 年齢
20代 30代 40代 50代以上
400未満 20代800未満 30代600未満 40代600未満 50代1000未満
400~600
600~800 30代600~1200 40代600~1200
800~1000 20代800以上
1000~1200 50代1000以上
1200~1500 30代1200以上 40代1200以上
1500~2000
2000以上

このランキングの上位から複数の金利タイプをミックスして本審査に通しておくことをお勧めしています、これもいわゆる『ポートフォリオ』です。 

マイホームを買うときには住宅ローンを組まなくてはいけません。その住宅ローン金利は金融市場の影響をモロに受けます。投資家でもないのにそうした市場の動きに影響を受けてしまうのですよね。

住宅ローンで家を買う人は、まさに数千万円という元本でもって金融市場に参加しているのだ、という心構えでいる必要があるのですよ。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

もしも、アメリカと北朝鮮が武力衝突したら長期金利がどうなるか?専門家の間でも意見は割れています。

  • 低金利の円を借り入れ、高金利通貨に投資していた投資家が即座にポジションの解消に動くことで、円が押し上げられると…円高→国債高→長期金利低下です。
  • 日本株の約3割を保有する海外投資家が、武力衝突の日本への被害や企業業績への打撃に萎縮し、日本から資金を引き揚げ、同様の理由で日本人が国外に資金を退避させると…円安→国債安→長期金利上昇です。
  • 米国経済への打撃を織り込む形で米国債利回りが低下し、ドル安になることで円高が進むと…国債高→長期金利低下です。
  • 軍事支出が増えるとの思惑が米経済見通しを高め、ドルが上昇するのに伴い円安になると…国債安→長期金利上昇です。

長期金利というのは必ずしもセオリー通りに動くとは限らず、思わぬことがトリガーとなってヒステリックに反応することもあるので、専門家であってもその動向を的確に予測することは難しいのですね。だからこそこのように見解が分かれるのです。

なお、現時点の公開情報に基づいて千日個人が予想した金利です。ですから今後12月までに発生する事象によっては、予想が変わる可能性は大いにあり得ます。

2017年11月22日

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