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新築マンション契約率の前年割れで今後は『非公開物件』に注意!

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売れ残り新築マンションが非公開物件として時間差で中古市場に流れる仕組み

どうも千日です。首都圏新築マンション市況は値下がり懸念が小さいとされる東京都心の高額物件は比較的堅調ですが郊外物件を中心に苦戦しています。

首都圏新築マンション契約率(2017年10月)

  首都圏 都区部 都下
契約率 60.7% 68.3% 42.6%
  神奈川県 埼玉県 千葉県
契約率 67.4% 44.9% 53.7%

首都圏新築マンション契約率(2017年4月~9月累計)

  首都圏 都区部 都下
契約率 68.6% 71.3% 53.7%
前年比    0.2P        3.5P △12.4P
  神奈川県 埼玉県 千葉県
契約率 75.0% 57.1% 68.1%
前年比    2.9P △10.8P        4.1P

不動産経済研究所|マンション・建売市場動向

不動産経済研究所が発表した首都圏新築マンションの10月契約率は前年同月比0.9ポイント低下の60.7%でこれは1991年以来の低水準だそうですね。2017年9月までの上半期の契約率を地域別に見ると、東京23区は71.3%ですが、東京都下は53.7%、埼玉は57.1%と低い水準で推移しています。

これはあくまで平均値です。コケた物件では、完全に半数を割って大赤字になる見込みの新築マンションが増えている事を意味します。

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中古マンション市場は、新築マンション市場の影響を受けます。

  • こうして売れ残った新築マンションの部屋がどのようなルートを通って『非公開物件』として中古市場に流れていくのか?
  • こうした『非公開物件』を購入する際の注意点。

についてお話ししましょう。

売れ残りマンションとデベロッパーの懐事情を知る

売れ残ったマンションの部屋がデベロッパー(不動産販売会社)に及ぼすダメージには2つの側面があります。

  1. 在庫として抱え販売し続ける為に固定資産税、販売員の人件費、広告宣伝費、メンテナンス費を払い続ける金食い虫。
  2. 決算で在庫評価減(損失)を会計上、計上しなければならず、営業利益を悪化させる負の資産。

売れない状態が長く続くほど、1.の費用は嵩んで行きます。

売れない状態が長く続くほど、在庫評価減の計上額は大きくなり、会社の利益を悪化させます。

なので、営業施策上早く販売することが求められるのです。人と金には限りがあります。売れない物件に投入するより、売れる物件に投入すべきなのは当たり前のことですよね。

 

大幅な値引き(ブランドイメージを落とす)

そこでまず行うのが、大幅な値引きで完売を目指すというものです。『新築マンションを2割引で買う裏ワザ!』なんて見出しのサイトがソレですね。別に裏技でも何でも無くて、売れ残った部屋を安く買い叩いただけのことです。

しかし、こうしたことが明るみになると、『売れ残ったら安売りする』ということでブランドイメージを落としてしまうのです。

ブランドイメージが地に落ちれば、今まで高く売れた物件でも値引きしなければ売れなくなってしまいます。その時は良くても、トータルで考えたら損なのです。一流のデベロッパーであるほど、この傾向は大きくなります。

こちら参考にご一読ください。

賃貸するという選択肢(バレるとイメージダウン)

だからと言ってそのまま放置する訳にも行きません。そこで次に考えられるのが賃貸するという選択肢です。

分譲マンションは建物や設備の質が高いので賃貸物件としては人気です。販売としては売れない物件でも賃貸ならば入居者が付くということは良くあることです。

しかし、これも明るみになればブランドイメージを大きく損ないます。やるとすれば、秘密裏に行うでしょう。

 

販売用不動産から投資不動産へ利用目的を変更する

また、決算での評価減による営業利益へのダメージを回避する方法として考えられるのが、販売用不動産から投資不動産への利用目的の変更です。資産としての価値の測定基準が変わり、評価減を回避できるのです。

  • 販売用不動産:ズバリ幾らで売れるか?
  • 投資不動産:賃料によって回収できるか?

そもそも『売れない』のですから、幾らで売れる?と言われても困っちゃうわけですが、滞留している販売用不動産は会計士によって厳しく評価するように指導されます。

これに対して投資不動産であれば『将来〇〇年間にわたって賃貸したときの賃貸収入が合計〇〇千万円なので回収可能』という結果を出しやすいのです。

しかし、そもそも分譲マンションとして作ったものを『今さら賃貸にする』と言っただけで簡単に利用目的の変更が認められるほど会計監査も甘くはないです。

  • 投資不動産とすることの合理的な理由を用意すること。
  • 実際に賃貸契約を締結すること。

このように、ハードルの高い条件を課されるでしょう。

 

売れ残りがレインズ非公開物件となる仕組み

レインズ(REINS)とは、Real Estate Information Network System(不動産流通標準情報システム)の頭文字をとった略称で、不動産流通機構が運営しているコンピュータ・ネットワーク・システムの名称です。

中古物件のほとんどはレインズに登録することが義務になっています。不動産業界全体が情報を共有し連携して買い手を探すことで、透明性を高めて売り手と買い手の利益が守られているのです。

  • 不当な安値で投げ売り出来ない=売り手の利益
  • 質の悪い物件を高値で売れない=買い手の利益

しかし業者自身が売主の物件についてはレインズに登録する義務はありません。売り手が自分自身なので『登録して広く買主を探したいなら登録してもいいし、自分で探すなら登録する必要もない』ということです。

つまり、必然的に…

『新築マンションの売れ残り』はレインズに登録されていない『非公開物件』になるということです。

 

非公開物件のプレミアム感を演出できる

まだ市場に出ていない選ばれた人だけにご紹介する非公開物件ですよ!

こんな風に言われたら『これこそ掘り出し物!!』とテンションが上がってしまいますよね。『限定物』に弱い人は要注意です。本質的には、情報の非対称性を利用して情報弱者に高く販売することを目的に『非公開物件』をアピールするのです。

レインズに登録したら『売れ残っていた』ことが明るみになってしまいます。非公開物件とすることで、秘密裡にそれまでの管理コストを上乗せした『プレミアム価格』で販売する可能性が上がるのですね。一石二鳥です。

最近の都市部ではマンションの隣近所の付き合いなんて、ほぼ皆無です。かく言う千日も隣の部屋の人の顔も良く知りません。後からこうした事情が買い手の耳に入る可能性はゼロに近いでしょう。

 

営業マンは「売れ残り」なんて言う訳が無い

もちろん、営業マンに売れ残りでしょ?と訊いたところでハイそうです、なんて言う訳がありません。何かもっともらしい理由を言うはずです。しかし、前述した

  • 不動産販売会社の懐事情と
  • レインズ非公開物件の実態

この二つを頭に入れたうえで、根掘り葉掘り聞いていけば『それは私には分かりません…』とか『個人情報が…』とかで結局説明をはぐらかしていることが分かると思います。

そもそも、その部屋が売れ残りだったなんてことは宅建業法で説明が義務付けられている重要事項ではありません。

心情的には、売れ残りだったらそんな値段では買わなかったと思っていたとしても、売買契約の条件ではありませんから、後で文句を言っても文字通り「後の祭り」です。

 

まとめ

非公開物件はお得な掘り出し物ではありません。不動産を売買する人の利益を保護するレインズの仕組みの外にある物件だということです。

不動産に掘り出し物などありません、全て価格に反映されています。非公開物件は価格に反映されていない可能性があるということです。

だったら逆にすごくお買い得な物件である可能性もある…

そうでしょうか?

営利を目的とする彼らが、親切にも見ず知らずの我々に利益を分配していたとしたら、彼らが今も事業を継続していることが奇跡に近いでしょう。

お買い得と思って買うと後で後悔します。その物件をよく見た上で納得のできる価格であれば良いと思います。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

新築マンションの売れ行きが悪いのは、特に首都圏で特徴的な現象としてあらわれています。

ちなみに近畿圏の2017年10月の新築マンション契約率は以下のような状況です。

  近畿圏 大阪市部 大阪府下 神戸市部 兵庫県下
契約率 74.2% 78.0% 67.4% 71.7% 71.6%
  京都市部 京都府下 奈良県 滋賀県 和歌山県
契約率 84.9% 52.4% 100.0% 77.4% 33.3%

これは、価格の違いによるものです。2017年10月度の近畿圏の戸当たり価格の平均は3863万円に対して、首都圏の戸当たり価格の平均が5586万円です。

1.4倍ですよ!

首都圏の方が所得が高いとはいっても、さすがに1.4倍ということはありませんから、どう考えても高すぎるのです。

今後、非公開物件として出てくるであろう物件には、こういう経緯があるので営業マンの演出するプレミアム感に乗せられないようしたいですね。

2017年11月17日

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