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【金利予想】2018年の住宅ローンフラット35の金利動向を予想します

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2018年のフラット35の金利は団信込みで1.38%

どうも千日です。決算月の3月6月9月12月は注文住宅の完成や新築マンションの完成が集中する時期です。2018年の引渡でこれから契約を、という人にとって、今から来年の金利が気になるところですね。

まずは千日の金利予想をズバリ書きます。

  フラット35予想金利
団信加入する 1.38%
団信加入しない 1.18%

何らかの金利を当てはめないと住宅ローンのシミュレーションもままなりません。多くの人が、今の時点の変動金利ないし固定金利でシミュレーションしています。

そこで、今回は千日が現時点の最新の公表データから分析して、2018年のフラット35の金利を予想したいと思います。

2019年の予想はこちら

f:id:sennich:20171109234124j:plain

これから『なぜ団信込みで1.38%なのか?』ということを話します。この予測よりも有用な情報がありますので、良かったら読み進めてみて下さいね。

いままでのフラット35の金利予想と実績はこちら

フラット35金利予想 カテゴリーの記事一覧 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

10年国債利回りに連動する住宅ローン固定金利とフラット35 

フラット35をはじめとする住宅ローンの長期固定金利は長期金利の動向の影響を強く受けます。なぜかというと、住宅ローンを貸す金融機関もまた金融市場からお金を借りて、我々に住宅ローンを貸しているからなんです。

銀行は金融市場から借りた(調達)金利に利益を上乗せして住宅ローンの金利を決めているのです。

  • 安い金利で借りられたら、住宅ローンも安く貸せる。
  • 高い金利で借りたなら、住宅ローンの金利も高くしないと損をする。

これだけのことです。金融って聞くとなんだか難しそうで取っつきにくいですけど、同じ人間がやってることです、案外単純なんですよ。

そして、この長期金利の指標となるのが10年国債の金利(利回り)なのです。国債っていうのは国の借金ですよね。国債を買う人にとっては国への貸付金です。

つまり、日本で最も信用の高い『お上』への長期貸付の金利が、我々庶民の住宅ローンの貸付金利を決める時のベースになる訳ですね。

 

過去1年間の国債金利(利回り)とフラット35の金利推移

  • 国債の金利が低いときは、住宅ローンの金利も低くなる。
  • 国債の金利が高いときは、住宅ローンの金利も高くなる。

こういう関係にあるのですが、 実際にそうだったのか?気になるところだと思います。実際に並べて見てみましょう。

10年国債金利(利回り)の推移グラフとフラット35 の推移グラフ

その月のフラット35金利が決まる前月の機構債の条件決定日にしています。そうすれば、この後のフラット35 の金利と時点が一致しますので。

10年国債金利推移(2016〜2017)

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フラット35金利推移(2016〜2017)

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2016年初頭には日銀のマイナス金利政策、その後英国のEU離脱ショックで2016年の7月から8月にかけてが国債金利とフラット35 金利の底でした。年末にはトランプ政権で米長期金利が上がり、その波及効果で日本国債金利が上がりました。同じタイミングでフラット35の金利も上がっています。

2017年に入ってからは、5月に北朝鮮問題が顕在化して米国の空母が日本海にやってきました。アメリカと北朝鮮の軍事衝突リスクから長期金利が下がり、それと同時にフラット35の金利も下がりました。そして、今はそのリスクが去ったということで再び緩やかな上昇に転じていると言われています。 

国債金利が下がったときにはフラット35の金利も下がり、国債金利がが上がったときにはフラット35の金利も下がっていますね。

国はフラット35の金利を1.1%で安定させたい

2つのグラフを見てて、何か気付きませんか?フラット35の推移は妙にフラットですよね。もう一度見て見ましょう。

※グラフを直近の2017年11月まで延長しました。

10年国債金利推移(2016〜2017)

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フラット35金利推移(2016〜2017)

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つまり10年国債の金利(利回り)はひと時も同じ金利になる事なく上がったり下がったりしてますが、フラット35の方は、概ね1.1%前後に落ち着いています。そこから大きく外れたのは英国のEU離脱の時くらいでこれは未曾有の歴史的な政治経済事件でしたから例外と見て良いと思います。

特に2016年5月6月と2017年10月11月はその傾向が良く現れていますよね。国債金利がマイナスだった時のフラット35金利とプラスになった今のフラット35金利はほぼ同じ1.1%なのです。

この事実から千日は以下の仮定を置きました。

国はフラット35の金利を1.1%で安定させたいと考えている。 

 

フラット35の金利が決まるまでのプロセスから分かる国の思惑

住宅ローンのフラット35は住宅金融支援機構という国が運営する団体が債権を買い取る又は返済を保証するという形になっています。

そういう事で、フラット35の金利は国に対する貸付に近い考え方で金利が決まる訳です。つまり国に対する貸付=国債ですね。フラット35の住宅ローンの金利は10年国債の金利に連動するゆえんです。

そして、住宅金融支援機構は金融機関からフラット35の債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて「機構債(RMBS・住宅ローン債権担保証券)」という形で販売します。

f:id:sennich:20171109234447j:plain

 

図の青い矢印がお金の流れです。機構債の利率は住宅金融支援機構にとってはフラット35の貸付資金を調達するための必要経費ということですね。

ですから、以下の式でフラット35の金利が決まるのです。

  • フラット35金利=機構債の表面利率+機構の利益率(必要経費)

フラット35の金利推移で国がフラット35金利を何%にしたいかが分かる

機構債が上がっても機構の利益率を下げることで1.1%に維持させようとする「意思」が見て取れましたが、こうした分析は千日でなくても、誰でも出来るようになっています。

機構債の表面利率は次回債情報(月次)住宅金融支援機構で毎月中旬に公表されます。

千日が記録を取っている2016年5月から現在までの機構債表面利率、機構の利益率をグラフにしました。

f:id:sennich:20171109234504p:plain


水色が機構債の表面利率でオレンジが利益率です。水色がだんだん長くなり、それにつれてオレンジが短くなっていますよね。

2017年10月からは、団信が金利に込みとなっていますので黄色の棒グラフで表しています。率は0.28%です。

実際の数値(率)は下表の通りです。

年月 フラット35金利 表面利率 利益率 団信
2016年5月 1.08% 0.34% 0.74% 0.00%
2016年6月 1.10% 0.36% 0.74% 0.00%
2016年7月 0.93% 0.23% 0.70% 0.00%
2016年8月 0.90% 0.19% 0.71% 0.00%
2016年9月 1.02% 0.33% 0.69% 0.00%
2016年10月 1.06% 0.37% 0.69% 0.00%
2016年11月 1.03% 0.34% 0.69% 0.00%
2016年12月 1.10% 0.41% 0.69% 0.00%
2017年1月 1.12% 0.48% 0.64% 0.00%
2017年2月 1.10% 0.46% 0.64% 0.00%
2017年3月 1.12% 0.47% 0.65% 0.00%
2017年4月 1.12% 0.46% 0.66% 0.00%
2017年5月 1.06% 0.40% 0.66% 0.00%
2017年6月 1.09% 0.43% 0.66% 0.00%
2017年7月 1.09% 0.44% 0.65% 0.00%
2017年8月 1.12% 0.47% 0.65% 0.00%
2017年9月 1.08% 0.42% 0.66% 0.00%
2017年10月 1.36% 0.42% 0.66% 0.28%
2017年11月 1.37% 0.43% 0.66% 0.28%

 

2017年10月以降から加算されている団信があるので、比較しにくいですね。団信の0.28%を除いて比較してみましょう。

年月 フラット35金利(団信除く) 表面利率 利益率
2016年5月 1.08% 0.34% 0.74%
2016年6月 1.10% 0.36% 0.74%
2017年10月 1.08% 0.42% 0.66%
2017年11月 1.09% 0.43% 0.66%

2016年と2017年では機構債の表面利率が0.1%増えていますが、利益率がその分減っているために、フラット35の金利(団信抜き)は1.1%弱になっている訳ですね。

つまり、以下の事が言えます。

  • 金融市場の金利の動向だけでなく国の思惑でフラット35の金利が決まっている。
  • 今のところ、国はフラット35の金利を1.1%弱に抑えたい。

 

2017年10月申し込みからフラット35の団信が金利に込み(0.28%)にリニューアル

2018年度のフラット35の金利を予想する上でもう1つ重要な要素が団信のリニューアルです。

  1. 団信保険料は実質値下げ。従来年一回ローン残高の0.358%を払う方式だったが、今後はフラット35の金利に0.28%上乗せとなり毎月の返済と一緒に支払う。
  2. 住宅ローン残高がゼロ円になる保障の範囲は拡大。従来高度障害と死亡が条件だったが、今後は身体障害(身体障害者福祉法1級or2級)についても保障の範囲に含まれる。

リニューアル団信と旧団信の保障内容の新旧対象です。

項目 リニューアル団信 旧団信 備考
死亡 住宅ローンがゼロ円  
身体障害 身体障害者福祉法に定める障害等級(1・2級)の「身体障害者手帳」を交付されれば住宅ローンがゼロ円になる。保障の要件が具体的。 高度障害よりも軽い障害であっても保障される。
高度障害 非常に重い障害状態でその後の生活に重大な支障をきたす状態になると住宅ローンがゼロ円になる。保障の要件が抽象的。 高度障害の一部については、新団信では保障対象ではなくなるものもある。

 フラット35の機構団信が保障を拡大しローン金利に0.28%上乗せで大幅リニューアル - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるより

保障内容としてはグレードアップしていると思いますよ。ペースメーカを植え込み、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される場合(身体障害者手帳1級)や人工透析を受けており、自己の身辺の日常生活活動が極度に制限される場合(身体障害者手帳1級)など、比較的可能性の高いリスクについて住宅ローンの残高がゼロ円になるんです。

支払の面では、従来は団信保険料が別払い(0.358%)となっていたのが、金利に最初から含まれるようになり、その上乗せ金利は0.28%ということです。

フラット35は団信加入は任意です。これはリニューアル後も変わりません。ちなみに、団信に加入しない場合は団信込みの金利から0.2%引き下げとなります。

  • 団信保険料としては値下げ
  • 金利としては値上げ

こんな感じですね。住宅金融支援機構としては利用者に出来るだけ団信に加入して欲しいわけです。ただ従来はあまりに機構団信が高すぎて加入する人が少なかったので、これを値下げして最初から金利に込みにしてしまったというわけです。

団信に加入したいけどフラット35の団信は高い…このように思っていた人には朗報ですね。ですから、2018年にフラット35で住宅ローンを借りる予定の方は以下の式で計算される金利が予想金利ということになります。

  • 団信に加入する:1.38%=1.1%+0.28%
  • 団信に入らない:1.18%=1.1%+0.28%-0.2%
 

複数の金利タイプで審査を通しておきましょう

住宅ローンは実行月によってこれだけ金利が変化することがあります。予め異なる金利タイプで本審査を通しておけば直前になってから慌てることは無いですね。

変動金利や3年固定などの短期の固定金利でも審査を通しておく

基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますので、フラット35はオススメしやすい金利タイプです。

しかし一時的な変動はよくあることです。

姉妹サイトの住宅ローン年齢・年収別パーフェクトランキング | 千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは年齢・年収別にマッチする住宅ローンを変動金利も固定金利もミックスしてランキングしています。

以下がそのランキングへのリンクです。

世帯年収(万円) 年齢
20代 30代 40代 50代以上
400未満 20代800未満 30代600未満 40代600未満 50代1000未満
400~600
600~800 30代600~1200 40代600~1200
800~1000 20代800以上
1000~1200 50代1000以上
1200~1500 30代1200以上 40代1200以上
1500~2000
2000以上

このランキングの上位から複数の金利タイプをミックスして本審査に通しておくことをお勧めしています、これもいわゆる『ポートフォリオ』です。 

マイホームを買うときには住宅ローンを組まなくてはいけません。その住宅ローン金利は金融市場の影響をモロに受けます。投資家でもないのにそうした市場の動きに影響を受けてしまうのですよね。

住宅ローンで家を買う人は、まさに数千万円という元本でもって金融市場に参加しているのだ、という心構えでいる必要があるのですよ。

まとめ~自分が幾らの家を買えるのか?シミュレーションするときにフラット35の金利がお勧め

この予想は、フラット35で住宅ローンを借りる予定の人だけでなく、『自分は幾らの家が買えるか?』『住宅ローンは幾らにすべきか?』ということを考えるのにも役立ちます。

不動産会社や銀行の担当者にシミュレーションさせると、まず間違いなく『変動金利』でシミュレーションするでしょう。変動金利の方が金利が低いので、高い家が買え、沢山借りられるように思えるからです。それが彼らの利益になるからです。

しかし、変動金利には金利の上昇リスクがあり、それに対して利用者が貯蓄によって対応しなければなりません。千日メソッドでは変動金利で借りる場合は、毎月の支払い額の4分の1を貯蓄することを推奨しています。

そして毎月の支払いと貯蓄の合計が手取り月収の4割以下に抑えられることを条件としています。

この方法で100%金利変動リスクに対応できるか?というと、そんなことはありません。最低限、これだけはやっておきましょうというラインなんです。

なので、本当の意味で自分は幾らの家が買えるか?住宅ローンを幾らにすべきか?を知りたければ固定金利でシミュレーションするのが正解です。

固定金利ならばそもそも金利上昇リスクはありませんよね。つまり、金利変動リスクに対応するための貯蓄は不要となりますので、毎月の支払いが手取り月収の4割以下に抑えられればOKということになります。

金利としては固定金利の方が高いですが、前述の千日メソッドでシミュレーションすると、むしろ固定金利の方がハードルが低くなります。それだけ固定金利が安いということでもあるんですよね。

今回のブログで千日が公開した2018年の固定金利フラット35の予想金利は、

  • 2018年完成予定の注文住宅の金額を決める。
  • 2018年完成予定の新築マンションの金額を決める。
  • 2018年実行予定の住宅ローンで幾らまで借りるかを決める。

こういった局面でシミュレーションに利用していただければと思います。

  • 2017年11月1日に過去の金利推移を直近まで更新しました。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

あくまで、フラット35の金利は前月の中旬に発表される機構債の表面利率が出るまでは、決まりません。

なのでこの予想はあくまで直近までのフラット35の金利推移から「国が考えているフラット35の適正金利」を推測したものということです。

ですから、あくまで予想の域を出ません。ですから予想なんですけどね(笑)。

従来、千日のフラット35の予想はほぼ的中していますが、それは前月に発表されている機構債の表面利率から推定しているものです。つまり予想というよりは「予定」なんですよ。なので、実際のフラット35の金利はここで書いた予想とは異なってくることも大いにあり得ます。用法用量を守ってご利用くださいね。

2017年7月9日

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ランキング 年齢
20代 30代 40代 50代以上
新規借入 20代800未満 30代600未満 40代600未満 50代1000未満
30代600~1200 40代600~1200 50代1000以上
20代800以上 30代1200以上 40代1200以上
借り換え 20代借換 30代借換 40代借換 50代借換
団信 20代団信 30代団信 40代団信 50代団信

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