千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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住宅ローンの返済日にお金が無い!まずどうするべきか?対処法と優先順位を教えます

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正しい優先順位で誠実に対処すれば事なきを得ることもできる

どうも千日です。住宅ローンとは何か?と聞かれたら「契約で決まったお金を35年なら420回銀行に払うことだよ」と答えます。これが教科書的に正確な定義でないことは百も承知ですが、住宅ローン利用者にとっての本質なのです。

なんだかんだ言っても、約定で決めたお金を決めた回数払いきればクリアになります。一回一回に払う金額は家賃みたいな感覚でいいんですけど、それをこれから数百回ノーミスで払いきるというミッションなんですよ。

このノーミスっていうのが想像しているより難しいです。長い人生の中でやむにやまれぬ事情により貯金の残高がゼロになってしまうということは十分に有り得ることです。

たまたま、その瞬間に住宅ローンの支払日が来たら…?

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できるだけ傷を小さく、この局面を乗り切るための対処法と優先順位を知っておきましょう。

正しい優先順位で、誠実に対処すれば事なきを得ることは十分に可能です。では始めますね。

一番やってはいけない!カードキャッシングで住宅ローンを払うこと

まず最もありがちで絶対にやってはいけないのが、借金を払うために借金を重ねることですね。これは、多重債務への入り口です。

そもそも、住宅ローンの金利というのは、あらゆる借金の金利の中でも桁違いに安いんですよ。年利1%未満の住宅ローンを返すために、年利15%で借金するなんて全く合理的じゃないです。

一時的な面子は守られるかもしれませんが、それが元で多重債務者となってしまい自己破産してしまう人も少なからずいるのですよ、ウソじゃありません。

多重債務で自己破産した人の16.05%は住宅ローンが原因

こちらは少し前の調査結果ですが、破産債務者が多重債務を負うに至った主たる理由のアンケート結果(2014年日弁連調査)です。

負債原因の人数比

2014年

2011年

2008年

2005年

生活苦

60.24%

60.29%

63.69%

61.85%

連帯保証等

27.18%

26.33%

25.08%

25.09%

事業資金

21.37%

23.66%

18.85%

18.73%

病気

20.73%

20.26%

20.98%

22.91%

失業転職

19.84%

19.77%

14.67%

18.12%

負債の返済

17.18%

24.47%

28.20%

32.32%

住宅購入

16.05%

12.24%

9.59%

10.80%

(2014年日弁連破産事件及び個人再生事件記録調査)

一位の生活苦、二位の連帯保証人になってしまったなどはよく聞く話ですが、住宅購入という理由が以外な上位に食い込んできていることには驚きを隠せません。

これは、本当に住宅ローンが多重債務の原因となったというよりは、住宅ローンを返せなくなりそうになった時にその対処を誤ってしまったことが原因なのだと思います。

だって、そもそも住宅ローンは家の評価額までしか貸さないのです。

破産しなければならなくなった要因は、住宅ローン以外の借金で多重債務となってしまったからなのですよ。

逆に言えば、このうちの何割かの人の中には正しい対処さえしていれば破産しなくても済んだ人が居るかもしれないのです。

返済が遅れた場合の正しい対処と優先順位

以下が正しい対処とその手順です。とてもシンプルですが、それが出来ないと多重債務に陥ってしまうのです。

  1. 遅れる前に連絡する。
  2. 確実に払える日と金額を約束する。
  3. 約束した日に必ず払う。

優先順位1:まず担当者に連絡する

返済が遅れた場合に多くの人は銀行への連絡を躊躇してしまいます。イメージとして嫌みを言われたり蔑まれたりすることが頭に浮かぶからです。

それどころではない緊急事態が起こったんで、連絡する余裕も無かったんだ…

こんな言い訳を考えているのかもしれません。しかし、この最初のためらいが後々になって最悪の結果に繋がってしまうのです。

返済が遅れた場合は銀行への連絡をためらってはいけません。とにかく早く「返済に遅れました(遅れそうなのです)がどうすれば良いでしょうか?」と電話するのです。

優先順位2:確実に払える日と金額を約束する

自分が確実に何日にいくらなら支払えるかを説明し約束します。

後述しますが、数日遅れなら約定の返済をすれば延滞扱いにならない可能性もあります。

そして、今回は一部しか返済できない場合でも、確実に約束した返済を実行することが重要であり、その合理的な理由を説明する必要があるのです。

優先順位3:約束した日に必ず支払う

約束した返済日に約束した金額を確実に支払い、 先方の対応を待つことになります。

今月はこれで処理が終わりましたので来月からは従来通りの返済をお願いします。

と言われれば、今回の返済遅れが延滞扱いにならなかったと考えられます。

一方で…

今後の返済に関して改めて相談させて頂きたいのです。

こう言われると、おそらく今回の返済遅れが延滞扱いになったということです。

いずれも、債権者の考え方やそれまでの返済状況によって異なりますので、先方と相談しなければなりません。

返済が遅れても延滞にならないケースがある!

原則として、住宅ローンの返済日に口座から引き落としができないと、「延滞」となりますが、金融機関によっては1日から1週間程度の支払いの遅れは延滞と見なさないこともあるのです!

銀行の営業現場では、貸し出しと返済が適正に行われているかを日次で照合し、確認していますが、1日~数日までの遅れを延滞に含めると全体の延滞率が大幅に上昇してしまい、債権管理コストが跳ね上がります。

そのため、数日までの遅れは単なる手続ミスと見なすのです。

どの程度の延滞からブラックリスト入りになるのか知っておこう

銀行の営業現場にとって最も困るのは返済遅れでも連絡してこない債務者や「入金します」と言っても入金しないなどの嘘をつく債務者なのです。

延滞と見なされるのは、2~3週間の遅れから月を跨ぐ遅れです。

この状態は明らかな延滞で銀行と保証会社の台帳に記録され、実質的な債務者属性が下げられることになります。

そして、61日以上の延滞となると事故情報・異動情報として個人信用情報機関に報告され記録されます。つまり、いわゆるブラックリスト入りとなるのです。

5年間程度はカードローンやクレジットカードの審査にパスできないことも考えられます。

住宅ローンを延滞してしまう前にすべきこと

このようにお尻に火が付いてしまう前に本来やるべきことをやっておけば、住宅ローンの延滞を防止することが出来ます。

  1. 家計を見直し、無駄な支出を省く
  2. 住宅ローンを見直し、適時に安い金利に乗り換える

習慣化してしまった家計のムダを見つけて省く

住宅ローンというのは、家計の中でも中心的な支出です。そのお金が足りなくなるというのは、家計の中でムダがあるからではないでしょうか。

特に習慣化してしまったムダな支出というのは、長い期間で累積していき、知らず知らずに家計に大きな穴を空けてしまっていることがあります。

特にカードショッピングでボーナス払いをしないと回らない、という人はイエローシグナルです。

こちらもご一読ください。

住宅ローンは借りた後も大事

住宅ローンの支払いがキツイ…という人からご相談を受けることがありますが、2008年のリーマンショック前の高い金利の住宅ローンから借り換えていない人が多いですね。

住宅ローンは借りた後でも、借り換えれば今の低金利が適用できますし、借り換えの審査に通れば現在の銀行に金利交渉して金利を下げてもらうこともできます。

借り換えの審査はスマホやPCで30分ほどで出来ますし、金利の引き下げ交渉は昼休みに5分ほど電話一本かけるだけで出来ます。

住宅ローンの借り換えというのは、トクすることを目指すものではありません。マイホームと家族の生活を守るために、適時に行うべきタスクなんです。

借り換えメリットがあるかどうか?こちらをご一読くださいね。

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まとめ~それでも無理なら任意整理手続きをお勧めします

それでも無理なら、弁護士・司法書士などの専門家に相談して任意整理手続を行うことをお勧めします。

任意整理手続は個人再生や自己破産のような裁判所を介する正式な手続ではありません。債務者と債権者が、テーブルについて話し合いによる解決を目指す和解交渉です。

交渉が上手くいけば自宅を失うことなく返済を継続することが出来ます。

任意整理手続は債務者本人が自力で行うことも制度上は可能ですが、和解交渉では債権者側は弁護士や司法書士などの専門家が出てきます。したがって、こちらも弁護士を立てた方が交渉はスムーズです。

弁護士費用が掛かりますが任意整理手続の費用はそれほど高くはなく、分割払いに応じてくれる弁護士事務所も少なくありません。

なお、弁護士なら誰でも任意整理手続を受任できますが、やはり、債務整理手続が専門の腕利き弁護士に依頼するのがベストでしょうね。

ただし個人信用情報機関に任意整理手続した旨が金融自己として記録されてしまいます。俗に言うブラックリストに載ります。 少なくとも5年間は新たなカードローンやクレジットカードの契約はできません。

自然災害債務整理ガイドラインという選択肢もある

もしも住宅ローンの返済が苦しくなった原因が地震や水害などの自然災害による場合には「自然災害債務整理ガイドライン」によって…

  • 無料で
  • 財産を残しつつ
  • ブラックリストにも載らない債務整理

をすることができます。

平成27年からの新しい制度なのでまだ知名度が低いので、千日のブログでは大規模災害のたびに告知しています。

ぜひご一読ください。

多くの金融機関は地震や水害が発生すると一時的に債務の支払いを猶予する窓口の設置を行い、その告知をしてくれるのですが、この自然災害債務整理ガイドラインの利用を呼び掛けることはしません。

支払を猶予する場合は利息と元本をちゃんと回収できますけど、債務整理をされてしまうと銀行にとって大きな損失になるからです。

この方法を取れば絶対に債務免除されるということではありませんが、無料で、財産を残しつつ、ブラックリストにも載らない債務整理の方法があるのです。

大抵のことは何とかなるんですよ!お互い頑張りましょう。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

ブログで紹介しているマイホームの購入と住宅ローンのノウハウの詳細をまとめたのがこちらの本です。

 

 

全国の大型書店と通販で発売中です。ブログでは、さまざまなエントリーに分散してしまいがちな情報を分かりやすく整理し、よりすぐりのノウハウと考え方をまとめた本です。

また姉妹サイトの住宅ローン無料相談ドットコムでは無料で相談に乗っています。

最近まで忙しすぎて相談メールフォームを閉じてましたが、また開きました!すぐ一杯になってしまうので、相談したい方は奮ってメールを送ってくださいね。

2018年9月26日

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