千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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【2022年7月】ポスト黒田日銀の政策転換はあるか?住宅ローン金利予想

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最新予想

どうも千日です。6月の米国FOMCで0.75%の利上げが決定されましたが、日銀の政策決定会合では金融緩和政策を継続することが決定されました。国内市場はこれを好感して国債が買われ0.22%まで金利が下がりました。

長期金利は下がったのですが、機構債の表面利率は前月から横ばいの0.5%となっています。

今日は物価上昇と日銀の金融政策、住宅ローンを取り扱う金融機関の方針から今後の住宅ローン金利動向について予想します。

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物価の動向と日銀の政策転換タイミング

4月の消費者物価上昇率が2%を超えた背景には、日米金利差がもたらした円安があります。

  • なぜ円安になると物価が上がるのか?
  • 物価上昇が日銀の政策転換につながるのはいつ?
  • 民間銀行の住宅ローン金利への影響は?

この3つについて確認しておきましょう。

円安で物価が上がった理由

米国では加速するインフレに対して3月と5月のFOMCでそれぞれ0.25%、0.5%の利上げが行われました。これに対して日銀は金融緩和政策を維持し、指し値オペによって金利上昇を抑え込んでいましたので、投資家は利回りの低い円を売って利回りの高いドルを買う動きが活発化しました。売られた円は下がり、買われたドルは上がるため、円安ドル高となったわけですね。

円安ドル高によってドル建てで購入する輸入商品に対して払わなければならない円が多くなってしまうため、輸入企業と一般消費者にとってはコスト増となります。さらにコロナによる流通の混乱、原油高の高騰などが組み合わさり、企業努力だけではどうにもならず値上げせざるをえなくなり消費者物価上昇率という全体的な統計数値に現れたということです。

物価上昇で日銀の政策転換はいつ?

ただしすぐに日銀が政策を転換することは無いでしょう。緩和から引き締めに動くには「安定的に2%を上回る」というのが条件だからです。今のところは一時的に2%を上回ったという状態です。

そして、個人的には今後さらに物価の上昇のペースが上がっていく可能性は低めだと見ています。まず米国の景気後退懸念が再燃してきており、米長期金利の上昇が止まってきているためです。

さらに国内の賃金が上がっていないということも挙げられます。賃金は年次ペースで改訂されるので、為替のように日々変動するものではありません。少なくともその見極めには1年から2年はかかるでしょう。

次の日銀総裁による政策転換の可能性

ここまで読んだ人は、少なくとも数年先まで変動金利は上がらないと考えるかもしれません。確かに「安定的に2%」という目標を前提にすると、そうなります。ただしこれを決めた黒田総裁は2023年4月で任期満了となります。

次期総裁が誰になるかは分かりませんが、次期総裁に求められているのは「安定的に2%」というムリ目の目標の見直しです。この次期総裁による目標の見直しと、再び物価上昇のタイミングが重なったときには、いよいよ日銀の政策転換が現実味を帯びてくるでしょう。

10年固定金利に民間銀行の思惑が見える

5月から6月にかけては、物価上昇とは反対に住宅ローンの金利は下がり始めています。変動金利はもともと低金利なのであまり下がりませんでしたが、auじぶん銀行が期間限定キャンペーンを行うなどして下げています。

また、35年固定は4月から三菱UFJ銀行が低金利を押し出してきており、みずほ銀行と一騎打ちの様相となっていましたが、6月にはりそな銀行が新たに参入し三つ巴の金利競争となっています。

ただし10年固定については、さほど下がっていません。去年までは0.5%未満で変動金利と同じ位の低金利だったのですが、0.8%~1.0%あたりを維持しています。

固定金利はその固定期間にわたって金利を固定するため、将来金利が上昇するという観測下では高めに金利を設定しておかなければ、将来銀行が損をしてしまうということになります。

現時点では銀行も来年の次期総裁が政策を転換し利上げするというシナリオを頭に描いているのです。そのため10年固定のような少し短めの固定期間の金利タイプについては、思い切って金利を下げられないという状況なのですね。

35年固定はもともと高い金利なので、利上げになったとしても損にはならない程度に下げるということができるということです。そして変動金利は利上げになったらすぐに上げることができるので、予め上げておく必要が無いということですね。

今年から来年にかけて実行を予定している人向けには、35年固定がお勧めです。こちらお勧めランキングを更新していますので、ご参考にどうぞ。

お勧め35年固定の住宅ローン(フルローンも可能)

民間の超長期固定金利で目玉商品を出しているのは三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行の3行です。フラット35は頭金を最低でも1割は入れなければなりませんが、民間住宅ローンではフルローンでも融資してもらえます。

三菱UFJ銀行は7大疾病保障(3大疾病保障充実タイプ)は対象疾病で1日の入院でもローンがゼロ円となります。1日入院でゼロ円になる団信は他行にはないもので、医療現場を知る医療関係者に人気(加入できるのは満50歳まで)です。

ただし金利に0.3%上乗せとなりますが、住宅ローン控除で当初の13年は実質的な負担はゼロに近くなります。0.7%の住宅ローン控除とセットで使うとお得です。

さらに女性には出産による金利軽減があるので、女性や夫婦ペアローンにする人にもおすすめです。

フラット35の金利予想とお勧め住宅ローン(頭金1割必要)

35年固定といえば、フラット35は超長期固定金利の代表格です。頭金として最低1割は入れる必要があります。

買取型は住宅金融支援機構が民間金融機関から住宅ローン債権を買い取って証券化し機関投資家に機構債という形で販売する仕組みになっています(後半で図解しています)。

投資家はこの機構債も安全資産という認識で購入するため、日本の長期金利(10年国債利回り)の動向とフラット35の金利は連動する傾向があります。

これまでの機構債の表面利率、フラット35(買取型)の金利推移を表にしています。

2022年推移

2月

3月

4月

5月

6月

7月

長期金利

0.13%

0.22% 0.20% 0.24% 0.24% 0.23%

機構債(参考)

0.40%

0.48% 0.46% 0.50% 0.50% 0.50%

フラット35

1.35%

1.43% 1.44% 1.48% 1.49% 1.51%

機構債の表面利率は前月から横ばいなので、フラット35の金利も同様に横ばいとなる予想です。35年の長期固定金利であれば、フラット35と民間銀行の両方で審査を通しておくとリスクヘッジになると思います。

フラット35買取型

フラット35買取型2022年7月 団信込み 団信抜き 頭金
返済期間10年~20年 1.38% 1.18% 1割
返済期間21年~35年 1.51% 1.31% 1割

フラット35保証型の予想とお勧め金融機関

フラット35保証型2022年6月 団信込み 団信抜き 頭金
ARUHIスーパーフラット9 1.46% 1.18% 1割
ARUHIスーパーフラット8 1.38% 1.10% 2割
ARUHIスーパーフラット7 1.36% 1.08% 3割
ARUHIスーパーフラット6 1.34% 1.06% 4割
住信SBI保証型90% 1.44% 取扱なし 1割
住信SBI保証型80% 1.31% 取扱なし 2割

ARUHIは団信に加入しないことで金利が0.28%引下げとなり、さらに頭金を多く入れることで金利が下がります。30代ならば団信の代わりに掛け捨ての生命保険の方が手厚い保障でコストが安くなるので、ARUHIがお勧めです。ARUHIは共働きの場合は連帯債務による収入合算も可能ですので30代までの共働き夫婦にお勧めです。

住信SBIネット銀行のフラット35保証型は団信抜きにはできません。また、連帯債務による収入合算もできません。しかし、団信込みの金利ではフラット35のなかで最低金利となります。40代以上で単独で住宅ローンを組む人にお勧めです。

民間の超長期固定金利の予想とお勧め金融機関

民間の超長期固定金利については、2月から3月にかけては便乗利上げで長期金利の上昇以上に金利を上げています。4月については3月に大きく上げた銀行ほどその反動で金利が下がる可能性があると見ています。

ただし、この予想は銀行の営業方針を推定したものであるため、外れる可能性は大いにあり得ます。民間の長期固定金利だけで審査を通している人は、フラット35の保証型でも審査に出しておくことをお勧めします。

20年固定金利の予想とお勧め住宅ローン

みずほ銀行と三菱UFJ銀行の2大メガバンクが35年固定金利を目玉商品としていることから、20年固定もあまり上がらない可能性が出てきました。

ただし、すでに35年固定金利とさほど変わらない水準まで上がってしまっています。

2022年7月のお勧め住宅ローンについてはこちらを確認してください。

毎月更新コロナバブル金利先読み住宅ローンランキング - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

10年固定金利の予想とお勧め住宅ローン

米欧が利上げしていることから、日銀の利上げリスクも囁かれるようになっています。それを反映してか比較的短期間の金利を固定する住宅ローンが高くなる傾向が出てきています。

10年固定については、当初10年の金利を固定するものですが、日銀が利上げに踏み切った場合には、今の10年固定の水準で固定すると銀行が損をする可能性もあることから、金利を上昇させる傾向が見て取れます。あまりお勧めではなくなっています。

2022年7月のお勧め住宅ローンについてはこちらを確認してください。

毎月更新コロナバブル金利先読み住宅ローンランキング - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

変動金利の上昇可能性

変動金利は日銀が民間金融機関に融資するときの政策金利の影響を受けると言われます。長期金利は市場の投資家によって債券がいくらで取引されるかによって日々変動していますが、日銀の政策金利は、文字通り日本銀行が政策として決める金利です。

なお利上げの可能性は前述のとおりありますが、今のところはまだ、それほど高く上がる見込みはありません。

PayPay銀行などは変動金利が低金利なのですが、5年ルールと125%ルールの適用がありません(あまり知られていない)のであまりお勧めしません。見た目の金利だけで判断すると失敗するのでよく吟味して決めましょう。

長期金利とフラット35金利が連動する仕組み(おまけ)

そしてフラット35の金利がどうやって決まっているのか?について、5分ほどのYouTube動画にしました。動画での図と言葉での解説が理解しやすいと思います。

機構債の表面利率から翌月のフラット35金利が予想できる|youtubeへ

「買取型」は住宅金融支援機構が金利を決める

フラット35の「買取型」は、住宅金融支援機構が金融機関からフラット35の債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて「機構債」という形で販売するという仕組みになっています。

フラット35買取型の仕組み

マーケットの投資家は国債のような安全資産として機構債を購入しているので、機構債の表面利率は、それを発表する時点の長期金利=国債の利回りとほぼ連動するのです。

そして、住宅金融支援機構は国の機関なのでほぼ固定した経費を上乗せしてわたしたちに貸すフラット35の金利を決めます。

融資のときに窓口になるのは民間金融機関ですが、その債権を買い取り、最終的に債権者となるのは住宅金融支援機構ですから、フラット35の金利を決めるのは住宅金融支援機構なのですね。

「保証型」は民間金融機関が金利を決める

フラット35の「保証型」は民間金融機関が貸す住宅ローンの債権を住宅金融支援機構が保証するという仕組みになっています。

フラット35保証型の仕組み

上図のように、買取型と同じく金融マーケットから資金を集めていますが、住宅ローンの債権者は民間金融機関のままです。つまり、金融機関は住宅金融支援機構に保証料を払ったうえで儲けが出るようにフラット35の金利を決めているのです。

そのため、保証型のフラット35は取り扱う金融機関の裁量によって決められるということです。

以上、千日のブログでした。

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2022年6月5日千日太郎

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