千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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【2022年8月】黒田日銀が緩和継続しても住宅ローン金利は上がる?2022年8月住宅ローン金利予想

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2022年7月21日公開

どうも千日です。直後の参院選では自民党が単独で過半数を獲得。しかし党内基盤の弱い岸田総理としては安倍派の意向をくまずして政権維持は困難であり、アベノミクスの金融緩和を推進してきた黒田総裁の緩和継続もまた決定的となったかに見えます。

黒田総裁は21日まで開かれた金融政策決定会合を受けて大規模な金融緩和策を継続していく考えをあらためて強調しています。

今日は物価上昇と日銀の金融政策、住宅ローンを取り扱う金融機関の方針から今後の住宅ローン金利動向について予想します。

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来年の日銀政策転換の可能性は?2つのシナリオ

秋には安倍元総理の国葬が予定されています。冒頭にも述べましたが、参院選の勝利は安倍元総理のおかげというムードが強い中で、年内に安倍元総理が推進してきたリフレ派政策を修正するのは困難だと思います。

こうした政治の風向きを鑑みるに、黒田総裁としても、あと数か月の任期で今さら低金利による景気支援策をあきらめ、アベノミクスにおける自身の功績を危険にさらすつもりはないでしょう。事実、金融政策決定会合後の会見では緩和政策を継続することをあらためて強調しています。

このまま130円台の円安水準が続いたとしても、緩和政策を堅持し続けると思います。政策転換するとするならば、来年4月に黒田総裁の任期が満了し、新総裁となってからだと思います。

円安は日本経済全体にプラス(マクロ経済)

円安が進むと、ドル建ての輸入商品に対して払う円が多くなってしまうため、輸入企業と一般消費者にとってはコスト増となります。

しかし一方で輸出を収益の柱とする大企業の業績が好調となります。ドル建ての輸出商品に対して入金される円が多くなるからです。

黒田総裁は過去に「円安は日本経済全体にプラス」との発言で大いに叩かれたため、現在では「最近の急速な円安はマイナス」との意見に切り替えていますが、2021年度の国の税収は67兆円と2年連続で過去最高額を更新したそうです。こうした事実を見ると円安はマクロ的な視点で円安は日本経済全体にプラスの影響を与えていると考えられます。

円安を維持しつつ物価上昇率をクリアするシナリオ

現在の国内物価上昇の原因は主として原油高によるコスト高とコロナによる物流不全によるところが大きいです。拙速すぎる緩和縮小は物価目標の実現を困難にするというのが黒田日銀の立場です。

今後、中小企業が円安による価格転嫁を積極化して利益を確保し、これまでコロナ禍で抑制されてきた個人消費がV字回復し、それを賃上げにつなげていくことができれば、実需を伴った好循環のインフレが実現するでしょう。

年の後半に向けてこうした動きが強まっていき、黒田総裁から新総裁へバトンタッチするタイミングで政策を転換するというのが、おそらく日銀にとって理想的なシナリオです。

利上げ前に世界経済が後退するシナリオ

しかし同時に今はコロナの第7波が来ており、全国的に感染が急拡大しています。急激な感染拡大は個人消費に対してマイナスに働きます。これまでの感じでは収束するまでに数か月は要するでしょう。

これに加えて世界経済の減速懸念も強まっています。米国の積極的な金融引き締めを背景に世界景気後退の懸念が広がり、6月半ばからのダウ平均株価は大きく下がってその後も右肩下がりとなっています。

さらに米債券市場では景気後退の予兆とされる逆イールドが発生しており、世界景気の後退懸念はさらに色濃くなってきています。日銀が前述のシナリオで政策転換のタイミングを計っているうちに、世界経済が後退フェーズに入り、あるいは不況入りになってしまうと日銀の利上げ見込みは無くなります。

変動金利の上昇可能性をどう読むか?

住宅ローンの変動金利は短期プライムレート(民間銀行が資金を融通しあう金利)に連動して銀行が金利を上下させることが出来る金利タイプです。その短期プライムレートは日銀が民間銀行に融資するときの政策金利の影響を受けます。

そのため、日銀が政策を変更しそうな「そぶり」を見せただけで全ての銀行が横並びで短期プライムレートを上げる可能性もあります。

民間銀行の立場に立って考えてみましょう。変動金利は日銀が政策転換すればいつでも上げることができます。一方で固定金利は定められた期間は金利を固定しなければなりません。つまり、近い将来に日銀が利上げしそうであると判断したなら、予め固定金利を上げておかなければ、いざ日銀が利上げしたときに損をする可能性があるのです。

現在は民間銀行が固定金利を上げ、変動金利を下げる傾向が強くなっています。これは前者のシナリオでの日銀の利上げ可能性が高まっており、その時期が早まっていると、金融のプロである民間銀行が判断しているからだと見ています。

変動金利を下げる理由は、今後日銀が利上げすれば、同じ幅で金利を上げることができるので、少しくらい下げても損は無いからです。金利を下げたことを大々的にキャンペーンして人を集めるのです。

これに対して後者のシナリオで、日銀の利上げが当分ないということになると、今の民間銀行のキャンペーンに乗って低金利の変動金利を利用した人が得をすることになるでしょう。

方向性が見えるまで複数の金利タイプで審査を通すべし

一方で、政策金利が上がらなくても民間銀行が損をすることはありません。「上がる可能性が高い」という大義名分のもと、横並びで固定金利を上げてその間に固定金利を選択した住宅ローンの利用者から高めの金利を獲得することが出来ているからです。

金融市場によって決まる建前となっている住宅ローンの金利は、最終的に債権者となる金融機関が決めるものです。金利動向の読みで勝負したところで、金融機関の方が圧倒的に有利なのです。

日銀の動向が見えるまで時間のある方は、変動金利だけでなく固定金利でも審査を通すことでリスクヘッジすることをお勧めします。後述する35年固定金利は、複数のメガバンクが金利競争をしているため、現在でも比較的低金利です。

さらに35年固定であれば、民間と公的融資のフラット35の両方で審査を通しておくことをお勧めします。民間と公的融資では金利決定の考え方が異なるので、片方が上がっても、片方は上がらないということもあるため、リスクヘッジになるのです。

お勧め35年固定の住宅ローン(フルローンも可能)

民間の超長期固定金利で目玉商品を出しているのは三菱UFJ銀行、みずほ銀行、りそな銀行の3行です。フラット35は頭金を最低でも1割は入れなければなりませんが、民間住宅ローンではフルローンでも融資してもらえます。

三菱UFJ銀行は7大疾病保障(3大疾病保障充実タイプ)は対象疾病で1日の入院でもローンがゼロ円となります。1日入院でゼロ円になる団信は他行にはないもので、医療現場を知る医療関係者に人気(加入できるのは満50歳まで)です。

ただし金利に0.3%上乗せとなりますが、住宅ローン控除で当初の13年は実質的な負担はゼロに近くなります。0.7%の住宅ローン控除とセットで使うとお得です。

さらに女性には出産による金利軽減があるので、女性や夫婦ペアローンにする人にもおすすめです。

フラット35の金利予想とお勧め住宅ローン(頭金1割必要)

35年固定といえば、フラット35は超長期固定金利の代表格です。頭金として最低1割は入れる必要があります。

買取型は住宅金融支援機構が民間金融機関から住宅ローン債権を買い取って証券化し機関投資家に機構債という形で販売する仕組みになっています(後半で図解しています)。

投資家はこの機構債も安全資産という認識で購入するため、日本の長期金利(10年国債利回り)の動向とフラット35の金利は連動する傾向があります。

これまでの機構債の表面利率、フラット35(買取型)の金利推移と8月予想を表にしています。

8月は機構債の表面利率の上昇幅0.03ポイントと同じ幅だけ上昇するとの予想です。

2022年推移

5月

6月

7月

8月

長期金利

0.24% 0.24% 0.23% 0.23%

機構債(参考)

0.50% 0.50% 0.50% 0.53%

フラット35

1.48% 1.49% 1.51% 1.53%

民間銀行の超長期固定金利は、より大きな幅で上昇する可能性も潜在しています。35年の長期固定金利であれば、フラット35と民間銀行の両方で審査を通しておくとリスクヘッジになると思います。

フラット35買取型

フラット35買取型2022年8月 団信込み 団信抜き 頭金
返済期間10年~20年 1.40% 1.20% 1割
返済期間21年~35年 1.53% 1.33% 1割

フラット35保証型の予想とお勧め金融機関

フラット35保証型2022年8月 団信込み 団信抜き 頭金
ARUHIスーパーフラット9 1.48% 1.20% 1割
ARUHIスーパーフラット8 1.40% 1.12% 2割
ARUHIスーパーフラット7 1.38% 1.10% 3割
ARUHIスーパーフラット6 1.36% 1.08% 4割
住信SBIフラット35保証型 1.48% 取扱なし 1割
住信SBIフラット35保証型 1.33% 取扱なし 2割

ARUHIは団信に加入しないことで金利が0.28%引下げとなり、さらに頭金を多く入れることで金利が下がります。30代ならば団信の代わりに掛け捨ての生命保険の方が手厚い保障でコストが安くなるので、ARUHIがお勧めです。ARUHIは共働きの場合は連帯債務による収入合算も可能ですので30代までの共働き夫婦にお勧めです。

住信SBIネット銀行のフラット35保証型は団信抜きにはできません。また、連帯債務による収入合算もできません。しかし、団信込みの金利ではフラット35のなかで最低金利となります。40代以上で単独で住宅ローンを組む人にお勧めです。

20年固定金利の予想とお勧め住宅ローン

みずほ銀行と三菱UFJ銀行の2大メガバンクが35年固定金利を目玉商品としていることから、20年固定もあまり上がらない可能性が出てきました。

ただし、すでに35年固定金利とさほど変わらない水準まで上がってしまっています。

2022年8月のお勧め住宅ローンについてはこちらを確認してください。

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10年固定金利の予想とお勧め住宅ローン

米欧が利上げしていることから、日銀の利上げリスクも囁かれるようになっています。それを反映してか比較的短期間の金利を固定する住宅ローンが高くなる傾向が出てきています。

10年固定については、当初10年の金利を固定するものですが、日銀が利上げに踏み切った場合には、今の10年固定の水準で固定すると銀行が損をする可能性もあることから、金利を上昇させる傾向が見て取れます。

2022年8月のお勧め住宅ローンについてはこちらを確認してください。

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長期金利とフラット35金利が連動する仕組み(おまけ)

そしてフラット35の金利がどうやって決まっているのか?について、5分ほどのYouTube動画にしました。動画での図と言葉での解説が理解しやすいと思います。

機構債の表面利率から翌月のフラット35金利が予想できる|youtubeへ

「買取型」は住宅金融支援機構が金利を決める

フラット35の「買取型」は、住宅金融支援機構が金融機関からフラット35の債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて「機構債」という形で販売するという仕組みになっています。

フラット35買取型の仕組み

マーケットの投資家は国債のような安全資産として機構債を購入しているので、機構債の表面利率は、それを発表する時点の長期金利=国債の利回りとほぼ連動するのです。

そして、住宅金融支援機構は国の機関なのでほぼ固定した経費を上乗せしてわたしたちに貸すフラット35の金利を決めます。

融資のときに窓口になるのは民間金融機関ですが、その債権を買い取り、最終的に債権者となるのは住宅金融支援機構ですから、フラット35の金利を決めるのは住宅金融支援機構なのですね。

「保証型」は民間金融機関が金利を決める

フラット35の「保証型」は民間金融機関が貸す住宅ローンの債権を住宅金融支援機構が保証するという仕組みになっています。

フラット35保証型の仕組み

上図のように、買取型と同じく金融マーケットから資金を集めていますが、住宅ローンの債権者は民間金融機関のままです。つまり、金融機関は住宅金融支援機構に保証料を払ったうえで儲けが出るようにフラット35の金利を決めているのです。

そのため、保証型のフラット35は取り扱う金融機関の裁量によって決められるということです。

以上、千日のブログでした。

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是非よんでみてくださいね!

2022年7月21日千日太郎

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