千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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築20年の木造中古戸建を買ってお得にリノベーションする方法

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限られた予算でライフスタイルに合った住まいを手に入れる最善の方法

どうも千日です。築20年以上の中古戸建てなら新築の5~6割の価格で手に入るうえ、マンションよりはるかに自由に増改築ができます。

この最大のメリットは価格です。築20年以上なら建物の評価額はほぼゼロになるため、手を入れれば十分に住める住宅が土地代だけで手に入れられるからです。

例えば首都圏で4千万円の新築住宅を探すとしたら、せいぜい狭い敷地の3階建てです。でも、築20年以上の物件ならもっと広い敷地の2階建てが2千万円台で見つかります。

これに1千万位かけてリノベーションすれば、新築並みの安全性と快適性が確保しながら、間取りや内装も注文住宅と見違える住空間になります。

但し、良い事ばかりではありません。本当にお得に中古戸建を買ってリノベーションするには、中古戸建ならではの、注意しなければならない点があります。

これらをクリアすれば、更地に注文住宅を建てる予算の半分以下の資金で、注文住宅並みの住空間を手に入れることが出来るという訳です。

でははじめますね。

目次

築20年以上の木造家屋の価値がゼロだといつ誰が決めたのか

いきなりですけど、そんなのいつ誰が決めたんだというハナシです。

答えは国土交通省です。

国土交通省がこれまで公表してきた各種の資料によれば、木造住宅の寿命は27年ないしは30年、マンション(RC/鉄筋コンクリート造)は37年としているケースが多いです。

でも、この年数は取り壊された建物の築年数であったり、建物の新築数を取り壊し数で除した年数なんです。

今までは経済が右肩上がりでしたから、まだ使える家を壊して、ドンドン新しい家やビルを建ててたんです。

今は既に供給過剰ですから、今後少しずつ「寿命」は延びて行くでしょうね。これ確実です。

つまり現時点の国交省の計算方法で寿命が到来していて評価ゼロ、という木造家屋は過小評価されているということです。

むしろそういう木造住宅こそ「買い」なんです。

 

京町屋にエルメスが出店の具体例

京都発祥の百貨店・大丸の創業300年を記念し、京都市東山区祇園の京町家を改装してフランスの高級ブランド「エルメス」が来年7月末までの期間限定で出店しましたね。

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http://s.kyoto-np.jp/economy/article/20161101000081/1

老朽化が課題になっている町家を活用することで創業地である京都の活性化に役立てる狙いです。

京町屋の築年数は大丸の創業とほぼ同じ時期、つまり築300年前後です。

 

神戸異人館も木造

神戸異人館のうろこの家も木造です。震度7の阪神淡路大震災で傾きましたが、補修して今も現役です。

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  • 設計 - 不明
  • 竣工 - 1905年(明治38年)頃
  • 構造 - 木造、地上2階建、塔屋付、切妻屋根、黒桟瓦葺、壁面天然スレート貼り 

 

築年数による住宅ローンの制限に注意

十分に使えるかどうかとは別に、住宅ローンの評価としては耐用年数が少なくなりますので注意が必要です。

築年数によって、購入者自身の完済時年齢(80歳)による返済期間の制限とは別に、住宅ローンの返済期間に上限を設けられる場合があります。

この築年数による返済期間の制限については木造戸建で45年、マンションなどのコンクリート造で55年年程度の制限を設ける金融機関が多いようです。

ただし、政府は住宅ストックの活用と中古市場の拡大を推し進めていて、建物調査に基づく評価の仕組みや融資制度、売買瑕疵保険の普及などに積極的に取り組んでいます。

その1つがフラット35リノベですね。

省エネルギー・耐震性等の住宅性能を一定以上向上させる性能向上リフォームにより、住宅性能を向上させた中古住宅を取得する事を条件に、当初10年の金利を0.6%も安くする制度です。

リノベーションによって長寿命化されていることが明らかですから、この制度を利用して借りられる年数を延ばせる可能性もあるんですよ。 

 

既存不適格建築物・違反建築物をつかまないように

現行の建築基準法に照らして建物が違反している(既存不適格の)中古住宅を購入しようとする場合は、原則として住宅ローンの審査に通りません。

バブル景気が崩壊して金融機関に公的資金が注入された1998年(平成10年)頃までに建てられた住宅については建築基準法(建ぺい率や容積率など)に違反している場合が多いです。

ただし、金融機関によっては独自の基準で一定範囲内の違反建築物であれば融資を行う場合もあり、スコアリング方式で審査を行う金融機関であれば、他の項目で挽回出来る可能性もあります。

住宅ローン審査の最近の傾向と対策については住宅ローン審査の最近の傾向から審査に通るコツを教えますも参考になると思います。

 

築20年超の木造住宅でも住宅ローン控除は受けられる

住宅ローン控除の正式名称は住宅等借入金特別控除といい、各年の12月31日のローン残高×1%をその年の所得税からマイナスする減税措置です。

今は空前の低金利ですから、この適用を受けることで、当初の10年は住宅ローンを借りて逆に利息が儲かってしまうような事が起きてますね。

そして、この減税の適用を受ける為の家屋の条件が以下のようになっています。

新築・中古に共通の条件

  • 床面積50㎡以上の家屋である。
  • 総床面積の半分以上が自己居住用の家屋である。

 

中古住宅特有の条件と耐震改修コストの削減

中古住宅の場合は、建築後使用されたことのある家屋であることに加え以下の条件があります。

(1)次のいずれかに該当すること

  • イ)家屋が建築された日から取得の日までの期間が20年(耐火建築物については25年)以内であること。
  • ロ)地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるもの(耐震基準)に適合する建物であること。
  • ハ)イ又はロの要件に当てはまらない家屋で、その家屋の取得の日までに耐震改修を行うことについての申請をし、かつ、居住の用に供した日までにその耐震改修により家屋が耐震基準に適合することにつき証明がされたものであること。

(2)その家屋の購入時において自己と生計を一にし、その購入後においても引き続き自己と生計を一ににしている親族等から購入したものでないこと。

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

最初の築20年という条件だけで住宅ローン控除を諦めてしまう人は意外と多いです。

ロ)とハ)だって使っていいんですよ。たとえ築年数20年を超えていて、耐震基準に満たなかったとしても、リノベーションと同時に耐震改修工事をして、その証明を取れば住宅ローン控除を受けられます。

耐震改修工事の費用は、おおむね「解体費用:2・補強費用:4・復旧費用:4」と言われます。

つまり、リノベーション工事と同時に補強を行うことで解体費用と復旧費用は共通になりますから、コストを約半分に削減することができます。

リノベーションで大きく手を入れる前提で安い物件を買う訳ですから、この工事については建物代金という感覚ですよね。

しかも、前述した フラット35リノベならば、その工事代金も中古住宅のローンに含めて安い金利で借りられるんです。

 

リノベーション・リフォームの借入も住宅ローン控除の対象

もちろんリノベ工事代金の借入も、住宅ローン控除の対象になります。

かつて2009年の改正前は居住中の住宅へのリフォームしか認められませんでした。改正後は中古住宅を購入してリノベーション・リフォームする場合の工事代金の借入金でも住宅ローン控除できるようになったんです。

条件は以下の通りです。普通にフルリノベーションすればこの条件はクリアできますよね。

  • 増改築等工事証明書の提出。
  • 工事費用100万円以上。
  • 工事費用の半分以上を居住用スペースにかけた。
  • 工事をした後の床面積が50㎡以上である。
  • 工事をした後の床面積の半分以上を居住用スペースとしている。
  • 工事をした後の家屋が主に居住用と認められるものであること。

まさに国を挙げて、中古住宅の有効利用を促進しようとしているという事です。この波に上手く乗る事で、かなり予算を抑えつつ想像以上の住空間を手に入れる事が出来るんですよ。

住宅ローン控除の条件についての詳細はこちらで確認して下さい。

 

耐震改修工事にかかる費用と築年数・1階床面積は比例する

そこで気になるのが、耐震改修工事にいくらかかるのか?ですよね。耐震工事にかかる工事費用は、補強箇所や補強内容などによってかなりの差があります。

しかし、通常は築年数と一階床面積に比例する事が木耐協(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合)の調査で分かります。

2011年12月1日~2013年3月31日に木耐協で耐震診断を実施した3,351名のうち、アンケートに回答した283名の回答から築年数別・1階床面積別の耐震補強工事費用をまとめたものです。

 

築年数が10年増えるごとに30万円増加

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木耐協 耐震診断 調査データ

築年数が10年増加するごとに、工事金額が30万円前後上昇しています。

  • 建物の劣化が築年数の経過とともに進む。
  • 築30年以上の建物は現行の耐震基準に比べて壁の量が不足している。

ことが、主な原因です。

また、1階の床面積が増加すると補強工事の費用も増加する傾向があります。

  • 建物の面積が広いほど必要となる壁の量が増加する。

ことが主な原因です。

 

リノベ工事と同時に補強すると追加費用は75万円前後

全体の平均は150万円です。耐震改修工事の費用は、おおむね「解体費用:2・補強費用:4・復旧費用:4」と言われます。

ということは、補強工事をリノベーション、リフォーム工事と同時にすれば、解体費用と復旧費用は共通ですので半分の75万円前後の追加費用で出来るということになりますね。

とても経済的なんです。

 

リノベ工事と耐震補強工事を同時に行うメリット

部屋をスケルトンにするリノベーション工事と耐震補強工事を同時に行うことのメリットは、経済面だけではありませんよ。

他にも沢山あります。

  • シロアリ被害などの隠れた瑕疵の発見と補修
  • 断熱性アップによる省エネ化
  • 失敗の少ない間取り

インスペクションで発見できない瑕疵を発見し補修できる

第3者の専門家による建物検査(インスペクション)は戸建てなら5万円から6万円程度で受けられます。古い家を購入する場合は購入前にやっておきたいことですが、通常のインスペクションでは壁の内部までチェックできません。

部屋の内側の壁を剥がしてみることで、間柱や筋交いがちゃんと入っているか、シロアリ被害で柱が腐っていないかを調べることが出来ます。

木造住宅の不具合の原因のほとんどは、こうして内壁を剥がすことで突き止めることが容易なんです。そしてほとんどが修理できます。これがコンクリだと途端に難しくなります。

大手仲介会社ならば、大抵は瑕疵保証が付きますのでこうして発見されて増加した補修費が保証されます。

 

断熱性アップによる省エネ化も簡単

特に築20年以上の住宅の大半が断熱材不足であるといわれていますね。内壁を剥がしたついでに、断熱材を補充し、気密性の高いサッシに交換するだけで住み心地や省エネ効果が格段に高まります。

これだけを単独でやるとおおごとですけど、耐震補強工事と同じで、そもそも全部スケルトンにしちゃうわけですから手間も費用も最小限に抑えられるんです。

 

失敗の少ない間取り

注文住宅で楽しくも悩ましいのが間取りですが、図面や模型だけでサイズ感をドンピシャで把握するのが難しいです。

もう少し広く取っておけばよかった。

もう少し狭くても良かったナ。

こういう、図面のイメージと完成物件のビミョーな違いというのは、回避不能です。

俗に、間取りは3度やらないと理想の間取りにならない、などと言われます。もちろん3回もやり直しができるような人は殆どいません。

それだけ間取りというのは奥が深いんです。

その点、中古のリノベーションなら、1分の1スケールの模型が目の前にあるんです。これってすごいアドバンテージなんですよ。

実際に家の中に入って

こっからここまでをリビングにするからこの壁をぶち抜いて…

といったようなシミュレーションが実地に出来るわけです。まあ、それでも100%イメージ通りの間取りにはならないかもしれませんが。

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以上は一般的にいえるメリットのほんの一例です。

中古物件は同じものは二つとありません。さらにリノベーション専門のリノべる。は物件探しからローン、設計まで1ストップ のような専門業者を通せば、その物件にあった様々な提案を受けることが出来るでしょう。

建物よりも地盤や周辺環境が重要

どうしても建物(上物)に目がいきがちですけど、建物についてはリノベーションや耐震補強でかなり治せます。それよりもさらに下の方を重視すべきなんです。

下の方から攻めましょう。

  • 建物の地盤
  • 災害に強い立地

最近は異常気象による集中豪雨や地すべりなどの被害情報が多く報道されていますよね。他にも地震や液状化現象など、こういった自然災害の被害が大きくなるのが一戸建てです。

各自治体が公開している災害ハザードマップを確認すれば、その地域の災害リスクを確認することができます。国交省のポータルサイトから全国のハザードマップのリンクがありますので、ブックマークしておくと便利ですよ。

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まとめ

いかがでしたでしょうか。築20年を超えるの木造住宅に対するイメージがだいぶ変わってきたのなら、うれしいです。

現存する世界で最古の木造建造物である法隆寺は西暦607年の創建ですから、今年で築1,409年というわけです。というのは極端な例ですけど、ちゃんとメンテナンスすれば50年~60年は十分にもつんです。

鉄骨鉄筋コンクリート造が頑丈なのは当然わかりますけど、そもそも木造住宅というのは、日本の風土に合った住宅なんですよ。

 

以上、千日のブログでした。

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