近年は年収や信用情報を重視しない金融機関が増加している
どうも千日です。タイトルは本当です、国土交通省が毎年行っている「民間住宅ローンの実態に関する調査」から明らかな傾向の変化が見て取れます。
そして、そこから住宅ローン審査を通すコツが見えて来るんですよ。
では、はじめましょう。
目次
- 近年は年収や信用情報を重視しない金融機関が増加している
- 最重要は完済時年齢、健康状態は年収や勤続年数よりも重視される傾向
- 1つの項目でダメでも他の項目で挽回できるスコアリング審査
- 挽回のキーは自己資金(親からの資金援助を含む)
- まとめ
調査対象は国内の金融機関1,264機関です。
まず主な審査項目から、近年実施率が下がった項目と上がった項目を要約してみましょう。
カッコ内は、平成26年度の調査で実施していると回答した金融機関の率⇒平成27年度の調査で実施していると回答した金融機関の率です。
審査の実施率が下がった項目
-
返済負担率(97.3%⇒87.4%)
-
カードローン等の他の債務の状況や返済履歴(85.6%⇒77.5%)
返済負担率とは年収に対する年間のローン返済額の割合です。これが下がっているということは、低い年収でも住宅ローンの審査を通す金融機関が増えているということです。
また、カードローン当の他の債務の状況や返済履歴というのは全国銀行個人信用情報センター(KSC)や、株式会社 シー・アイ・シー(CIC)などの信用情報です。
「ブラックリスト」という言葉は誰しもが一度は耳にしたことがあると思いまが、実際にブラックリストという黒いファイルが存在しているわけではありません。
信用情報に登録されることをブラックリストに載ると比喩的にいわれているだけです。
この実施率が下がっているということは、過去に延滞などをしたことがあり、その情報が時効(1年~5年)で消えてない状況であっても住宅ローンの審査を通す金融機関が増えているということです。
審査の実施率が上がった項目
- 雇用形態(74.9%⇒77.1%)
- 所有資産(24.4%⇒68.0%)
雇用形態は派遣社員や契約社員、自営業者などの雇用の形態ですね。これを見る金融機関は確かに増加しています。しかし同時に4行に1行の割合で雇用形態を重視していない銀行があるということがわかりますよね。
一つの金融機関で雇用形態が原因で審査に通らなかったからといって諦めるのは早計ということです。
また、所有資産に対する重要度が増えています。自己資金として貯金があれば、それを重視して審査する銀行が激増しているということです。
その証拠に、ARUHIのスーパーフラット35という商品で、頭金20%あることでフラット35の金利からさらに0.1%引下げを行うというものが出てきました。
いかがでしょうか?
非正規雇用であっても、ブラックリストに載っていても、住宅ローンの審査に通る道がある。
このタイトルが単なる釣りではなく、現実的な話であることがお分かりいただけたと思います。
最重要は完済時年齢、健康状態は年収や勤続年数よりも重視される傾向
冒頭では下がった審査項目と上がった審査項目をピックアップしましたけど、元々重視される、実施率の高い項目を無視してはいけません。
平成27年の調査結果で、95%以上の金融機関が実施している審査項目の上位は以下通りです。
カッコ内は、平成26年の調査で実施していると回答した金融機関の率⇒平成27年の調査で実施していると回答した金融機関の率です。
- 完済時年齢(99.3%⇒99.3%)
- 健康状態(96.3%⇒98.4%)
- 担保評価(96.3%⇒97.8%)
- 借入時年齢(97.6%⇒97.5%)
- 勤続年数(95.9%⇒96.4%)
- 年収(94.8%⇒95.6%)
最も重視されるのは完済時年齢
完済時の年齢については、99.3%(1,264機関中1,255機関)の金融機関が実施すると回答しています。
完済時年齢は80歳未満でなければならないという金融機関が圧倒的に多く989機関、次の75歳未満の98機関を大きく引き離してます。
この点、注意して頂きたいのですが、例えば40歳で返済期間35年の住宅ローンなら確実に審査が通るわけではありません。退職後も間違いなく返済できるかどうか、他の項目と合わせて審査されます。
健康状態は年収や勤続より重視
平成26年の調査結果と比べてみると、平成27年で実施率の上昇している項目が複数あります。特に『健康状態』は96.3%から98.4%にアップしてます。
さらに平成23年の90.5%と比べると大幅アップです。
『健康状態』は年収や勤続年数よりも審査の実施率が高く、すなわち多くの金融機関で重視されてきているんです。
健康状態が良く、完済時年齢まで継続して返済ができることは、住宅ローンの審査に通るうえで欠かせない条件ということですね。
年齢だけでなく、妊娠というのもポイントです。
勤続年数は1年でも可
勤続年数が長いほうが有利です。一般的には3年と言われてますね。
しかし、勤続年数の条件を「1年以上」とする金融機関は1,218機関中639機関で最も多いんです。勤続3年以上とする金融機関は1,218機関中366機関です。
勤続年数が原因で審査に落ちたとしても、ほかの銀行では条件をクリアできる可能性が高いです。
年収は当然見るがハードルは低い
年収を見ないなんてあり得ませんよね。でも審査に通るために必要な年収は意外と低いです。回答数の多い順に並べると以下の通りです。
- 150万円以上(648機関)
- 100万円以上(311機関)
- 200万円以上(104機関)
- 250万円以上(14機関)
この点、注意して頂きたいのですが、銀行は返済負担率(=年間ローン返済額÷年収)も同時に重視してますので、収入が低いと借りられる金額も自ずと少なくなるという事です。
因みに返済負担率については平成27年の調査では87.4%の金融機関が実施すると回答してます。
- 45%以内(187機関)
- 35%以内(37機関)
- 40%以内(29機関)
具体的な返済負担率のパーセンテージについては回答してない金融機関が多いですが、目安にはなるでしょう。
1つの項目でダメでも他の項目で挽回できるスコアリング審査
スコアリング審査とは融資申込者のデータにより審査項目(年収、返済負担率など)毎に点数をつけ、その合計点によって融資するか否か等を決める審査の方式を言います。
過去は特に重要な審査項目でバツが付くと、そこでアウトになって挽回出来ないという事がありました。
しかし、スコアリング方式を採用している金融機関ならば、ある項目で致命的な点があったとしても、他の項目で挽回が可能ということです。
平成27年度の調査では「スコアリング方式では審査をおこなっていない」(59.7%)と回答した金融機関の割合が引き続き高いですが、同時にこれはスコアリング方式を活用して審査を行っている機関が4割を超えているということでもあるんです。
挽回のキーは自己資金(親からの資金援助を含む)
冒頭で急上昇している項目に「所有資産」がありましたね。平成26年度には24.4%であったのが68%に増えてます。これはすごいです。
つまり、特に重視される前述の各項目、完済時年齢、健康状態、担保評価、借入時年齢、勤続年数、年収などが基準に満たなくても所有資産(=自己資金)が十分にあればスコアリング方式で融資がおりる可能性は十分にあるんです。
自己資金には、親からの資金援助も含まれます。
親から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税枠が拡大されています。両親から援助を受けられる方はこの減税を積極的に利用すべきだと思います。
下記は平成27年に関西で新築マンションを買った人1,449人を対象としたアンケートで親から贈与を貰ったかという質問に対する回答です。
あり 20.5%
なし 52.0%
無回答 27.5%
無回答が多いですけどイエスかノーかを答えている人の割合で見るとおよそ3人に1人以上の割合で親から贈与を受けている事が分かります。
夫婦のどちらかの親が資産家であったりした場合は連帯保証してもらうよりは、相続税対策にこの贈与税の非課税を利用した方が得策なんです。
ただし、もう片方の親の面子もありますので、その点は良く配慮して事を進める必要があります。これ、結構大事なことですよ。
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まとめ
大事なことですので断わっておきますが、この記事を通じてとにかく住宅ローンの審査に受かりさえすればいいと言うつもりはありません。
融資が下りるのと、返せるのとは別問題です。
そんなの人によって違いますし、家を買って正解かどうかなんて最後まで分かりません。
これが家を買うか買わないかの決断の大前提です。これをクールに(冷静に)受け入れた上で、買うならその目的どおり住宅ローンを通す。
これが千日がこのエントリーを公開した主旨です。
以上、千日のブログでした。
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20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
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