千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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新築マンション値引き交渉のタイミングはデベロッパーによって違います

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安物買いの銭失いにならない、値引き交渉のタイミングとさじ加減

どうも千日です。『マンション 値引き』で検索すると、プロだけが知っているとか、やれ3割引きだの、家具オプションだのという記事がトップにありますね。
 
穿った見方をすると、そういう記事は滞留在庫を早く売る為のマンションデベロッパー側のオトリ記事です。騙されてはいけません。

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マンションの値段は殆どのケースで売り手のコントロール下で決まるんです。値引きのタイミングも売り手のコントロール下にあります。
 
  • タイミングより早いと、どんなに頑張っても値引きしてもらえません。
  • タイミングより遅いと、誰も買おうとしなかった人気の無い部屋しか残っていません。マンションの購入では残り物に福は無しです。
 
どちらにしてもこれだけは言えるということがあります。
 
3割引きの物件には手を出してはいけません。
 
売値の3割引きというのは、売り手のデベは大赤字です。そこまでしなければ売れない訳ですから、まず間違いなくその物件には商品として致命的な欠陥があります。
 
どんな欠点かは、そのケースによるでしょう、しかしその欠点が致命的なものであり、多額のローンを背負ってまで買う価値が無い事だけは断言出来ます。
 
何故なら、繰り返しになりますが、売り手が3割引き=赤字でも売りたいと表明しているからです。言葉よりも明らかな数字で価値が無いことを公言しているんです。
 
それをカモフラージュするのが営業マンの腕です。
 
営業トークでも隠せない本音は会社の数字に表れています。
 
我々が直接交渉の相手にするのは営業マンです。彼らは百戦錬磨のプロです。駆け引きの土俵で彼らから本音を引き出すのはまさにミッションインポッシブルです。
 
『安かろう悪かろうでしょ』なんて客から突っ込まれることは当然分かってて、ちゃーんと返しのトークを準備しているものです。
 
3割以上値下げしている物件について、彼らと話をするだけ時間の無駄だと千日は思います。

関連動画

値引き交渉のタイミングを会社の決算数値から明らかにする

マンションデベロッパーの供給戸数のランキング上位について、それぞれの会社の本音を覗いていきましょう。
 
上場会社の決算数値は、どの会社も定められた会計基準に従って作成されており会社のホームページやEDINETで一般に公開されています。営業マンがカモフラージュする会社の本音は、この決算数値に自然と表れてしまいます。
 
そして…
 
  • そういう傾向は、デベロッパー自身は隠したい。
  • 会計基準の知識が無いと、どういう分析をすれば良いか分からない。
 
以上のことから、なかなかネットで調べて出てくる情報ではありません。
 
このブログでは2012年から2014年の3年間のマンション供給戸数ランキングトップ13のデベロッパーのうち、上場会社11社についてその傾向をあらわにしたいと思います。
 

マンション供給戸数ランキング

マンション供給戸数ランキング、1位野村不動産、2位三井不動産レジデンシャル、3位住友不動産、4位三菱地所レジデンシャル、5位大和ハウス工業、6位大京、7位プレサンスコーポレーション、8位東急不動産、9位東京建物、10位あなぶき興産、11位タカラレーベン、12位近鉄不動産、13位阪急不動産
(公益財団法人 不動産流通推進センター調べ )
臨時的な影響を排除するために3年間の平均でマンション供給戸数をランキングしました。
 
1位 5,839戸 野村不動産
2位 5,751戸 三井不動産レジデンシャル
3位 5,465戸 住友不動産
4位 5,291戸 三菱地所レジデンシャル
5位 2,790戸 大和ハウス工業
6位 2,687戸 大京
7位 2,222戸 プレサンスコーポレーション
8位 2,175戸 東急不動産
9位 1,609戸 東京建物
10位 1,605戸 あなぶき興産
11位 1,600戸 タカラレーベン
12位 1,588戸 近鉄不動産
13位 1,418戸 阪急不動産
 
1位から4位までと5位以下の間には大きな差が生じていますね。そして昨年、基礎工事の杭打ち偽装でマンションが傾いた三井不動産レジデンシャルは2位に付けています。
マンション販売戸数ランキング、野村、三菱地所、住友、三菱地所の財閥4社が5千戸以上で横並び。5位からは大和ハウス、大京、プレサンス、東急不動産が2千戸台で横並び、その後に東京建物、あなぶき、タカラレーベンが1千戸台で続く。
グラフにするとわかりやすいです。
 
野村、三井、住友、三菱の財閥系と呼ばれるマンションデベロッパーが横一線でトップを争う。そして、その後をハウスメーカーやゼネコン、電鉄系のデベロッパーが追う形になっています。
 

ランキング上位11社の分譲売上高と販売用不動産

上位11社の分譲売上高と販売用不動産をグラフにして並べてみました。臨時的な影響を排除するために、2013年から2015年までの直近3期間の平均値にしました。
野村不動産の分譲売上高3,113億円 販売用不動産559億円、三井不動産レジの分譲売上高4,093億円 販売用不動産4,718億円、住友不動産の分譲売上高2,434億円 販売用不動産1,848億円、三菱地所の分譲売上高3,624億円 販売用不動産903億円、大和ハウスの分譲売上高6,648億円 販売用不動産3,496億円、大京の分譲売上高1,341億円 販売用不動産251億円、プレサンスの分譲売上高512億円 販売用不動産28億円、東急不動産の分譲売上高1,307億円 販売用不動産814億円、東京建物の分譲売上高750億円 販売用不動産377億円、あなぶき興産の分譲売上高517億円 販売用不動産46億円、タカラレーベンの分譲売上高640億円 販売用不動産12億円となっている。
マンション供給戸数のボリューム感と乖離しているのは各社の戸建て住宅の売上と在庫が入っているからです。一見バラバラに見えますが、傾向を見るには十分です。
 
 

分譲売上高と販売用不動産の比率がポイント

  • 分譲売上高はマンションが完成して、購入者に鍵を引き渡した時点で計上されます。
  • 販売用不動産は完成して、まだ売れていないマンションの部屋あたりの原価が計上されます。
このルールは全てのマンションデベに共通のルールです。
 
マンション供給戸数トップ11社の分譲売上高と販売用不動産の比率のバランスを見ると、同じ位の販売戸数でもずいぶんと違うんだなということが見えて来ますよね。
 

大きく2つのグループに分かれます

下のグラフは分譲売上高に対する販売用不動産の割合をグラフにしたものです。赤い線より長いか短いかで、2つのグループに分類出来ます。
ランキング上位11社の分譲売上高に対する販売用不動産(在庫)の割合は、野村不動産18.0%、三井不動産レジ115.3%、住友不動産75.9%、三菱地所24.9%、大和ハウス52.6%、大京18.7%、プレサンス5.5%、東急不動産62.3%、東京建物50.2%、あなぶき興産8.9%、タカラレーベン1.8%となっている。
  1. 分譲売上高に対する販売用不動産の割合が大きい会社=三井不動産レジ、住友不動産、大和ハウス、東急不動産、東京建物
  2. 分譲売上高に対する販売用不動産の割合が小さい会社=野村不動産、三菱地所レジ、大京、プレサンス、あなぶき、タカラレーベン

1.分譲売上高に対する販売用不動産の割合が大きいデベは最後まで値引きしない

デベロッパーとしては、在庫を持ちたくはありません。
 
マンションが完成した瞬間に全て引き渡して、買主がローンを組んだ銀行から代金を回収し、そのお金で次の開発地を買い付けるのが理想です。
 
トップ11社で販売用不動産=完成してまだ売れていない部屋が沢山ある理由は、基本的に不良在庫ではありません。値引き交渉してくる客を全て断って、定価販売に強く拘っているからです。
 
これが出来る理由は
  • 財政的な体力
  • 自社ブランド物件への自信と拘り
です。
 
  • 値引きしなくても必ず売れるという自信
  • 値下げしないことで、先に買う人が安心して購入出来る価値にもつながる
この路線で供給戸数でトップ11社に入っているということです。
 
これらのデベロッパーのマンションでは竣工前のモデルルームで値引き交渉しても時間と労力の無駄です。軽くあしらわれて終わりです。
 
どうしても値引きを引き出したいのであれば竣工してから最低でも半年以上経過してからでないと難しいでしょう。
 
そのようなタイミングで売れ残っている部屋は、ハッキリ言って今一つの部屋です。元々値引きをしないデベが応じる値引きやオプションは微々たるものです。
 
値引き交渉するよりも、良い間取り、 好立地を早く押さえる方が得策になるデベロッパーです。グラフの棒が長ければ長いほど、竣工在庫を抱えながら平然としている度合いが高いということです。
 
グラフの長さで、値引きが困難な順位を付けると以下のようになります。
 
  1. 三井不動産レジデンシャル
  2. 住友不動産
  3. 東急不動産
  4. 大和ハウス工業
  5. 東京建物
三井不動産レジは2015年にパークシティLaLa横浜の杭偽装でマンションが傾斜しましたが、住民に対して全棟の建て替えを申し出ています。並のデベロッパーで出来る事ではありません。
 
値引きよりも安心を買うという視点では、ここに挙げた5社のマンションの良い部屋を先に押さえてしまうのが正解ということです。
 
残り物に福は無しです。
 

2.分譲売上高に対する販売用不動産の割合が小さいデベは完成間近に値下げしている

竣工在庫を嫌う、デベの本能がそのまま数字に表れている会社です。但し、ここで挙げた会社が皆バンバン値下げしている訳ではありません。
 
さらに2つのグループに分かれます。
 
  1. 販売計画の予算を下回った場合に値下げする=野村、三菱、大京
  2. 見込み客になら随時値下げする=プレサンス、あなぶき、タカラレーベン

2-1.決算月の前を狙って意味があるのは、野村不動産、三菱地所レジ、大京の3社

よく『値引き交渉は決算月を狙え』という記事を目にしますが、どんな会社でもそれが通用する訳ではありません。
 
例えば、1.に挙げた5社でそんなことしても、薄ら笑われるだけです。
そういう会社じゃないんデスよねウチは(苦笑)
ここで挙げた3社はブランド力、資金力も1.に挙げた5社と同等でありながら、竣工在庫を嫌う傾向が決算に現れているデベロッパーなんです。
 
販売用不動産の割合で大きく2つに分けた際に、ギリギリ2.のグループに入った3社ということです。これらの会社は『決算書の販売用不動産をあまり大きくしたくない』という風土があるんですよね。
 
この風土によって決算月の近くという作戦が初めて意味を持つんです。1.の絶対に値引きをしないデベロッパーと同程度の安定性を持っているマンションが値下げで買えるチャンスがあるということです。
 
大抵のマンションの竣工は決算月の3月です。先にローンの審査を済ませておいて、ローンが確実に下りることを前提に、竣工直前に値引き交渉に入りましょう。
 
その際の具体的な営業マンの攻略については過去記事新築マンションの値引交渉は営業マンがカギを握る - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるをどうぞ。簡単ではありませんが、チャレンジする価値はあります。
 

2-2.時期に関係無く随時値下げ交渉すべきなのは、プレサンス、あなぶき、タカラレーベン

プレサンスコーポレーション、あなぶき興産、タカラレーベンの3社は極端に販売用不動産の割合が低いデベロッパーです。
 
ここまで低い水準に持っていくには、決算直前になってからおもむろに値引きをしていたのでは、到底無理です。
 
また、財閥系、電鉄系のように厚い資金力や安定収入が見込めないデベロッパーなんです。いわば焼き畑農業です。
 
マンションを作っては売り、売った金でまたマンションを作るというサイクルが止まると、従業員の給料が払えなくなる会社です。
確実に売れるなら値下げせよ

これが基本姿勢です。決算月とか完成直前とかを気にする必要はありません。

 
決算月なんかをのんびり待ってるうちに、目ざとい人はサッサと値引き交渉して、良い部屋から売れて行ってしまうでしょうね
 
随時、値下げ交渉してください。残り物に福は無しです。相手にされないとすれば、よっぽどの人気物件か、もしくは話の持って行き方がマズイだけです。
 

以上、千日のブログでした。

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