家の購入で失敗したくない…!切なる想いに付け込む巧妙な仕掛け
どうも千日です。これから家を買おうか、買うまいか?誰しも一度は考えることですが、こんなフレーズを目にしたこと、聞いたことは無いですか?
賃貸と持ち家のどっちが得なのか?

結論から言いますと、これは家や住宅ローンの売り手が自社の商品を売るために流布しているものです。
このフレーズは疑問形になっていますが、答えを求めてるのではありません。彼らにとってはどっちでも良いんですよ。中には『家を買った方が得だ(損だ)』という根拠を上手に説明しようとする者もいますが、そういう営業マンは2流なんです。
どっちが得なんだろう?
と我々考えさせることが真の目的です。つまり、家を購入を決める人の価値判断の基準を『損か得か?』に誘導することなんです。そしてこれに成功したら、ほぼ確実にその人に家を売ることが出来ます。
ある民間の調査によると、本格的に家を探し始めてから決めるまでの期間の平均は3カ月程度だそうです。いくら優秀な人でも3カ月で不動産の流通の実態や市場動向をつかめるわけがありません。ほぼ初心者です。
つまり、営業マンが提供する情報を批判的に検討したり、適切な方法でその裏を取ったりできるようになる前に、多くの人が家を購入しているんですね。
この仕掛けにハマってしまうと、彼らの言いなりになってしまいます。しかもその自覚は無く、失敗しても『あの時はそうした方が得だったのだから…』と納得せざるを得なくなってしまう、怖い落とし穴なのです。
『賃貸VS持ち家』は永遠のテーマか?
この問いに満足のいく答えが出ることはありません。
統計的に…とか言われても、絵に描いた餅です。要するに知りたいのは自分がどうか?と言うことですよね。たまに『最後まで分かりません』と書いてる人もいますが、最後になったってホントは分からないんですよ。
誰も2通りの人生を同時に生きることは出来ないからです。
家に求めることは、自分が選んだ家で家族を守り、人生を全うすることなんですよね。家は生活の基盤ですから、これに失敗することは許されないのです。
なのでとても大事な事なんですが、その問題を『どっちが得か?』という『どっちでもいい話』にすり替えてしまうテーマなんです。
損得で判断してはいけないのか?
いいですよ、損得のモノサシを持つ事自体は良いのです。
- 同じ家なら、支払いが少ない方が良いに決まってます。
- 同じ支払いなら、価値の下がらない家の方が良いに決まってます。
そんな家に住めたら『お得だ』と感じます。これは、紛れもなく損得の尺度ですよね。しかし、私たちは得をするために家を求めるのではありません。
- 支払いが少ない事によって貯蓄を増やし、老後の資金をより多く貯める事が出来るからです。
- 価値の下がらない家を買えば、売却して手放しても資産を減らさずに済みます。
その家を買えたことが成果なのではなくて、その後の生活をつつがなく続ける事が出来たということが成果なんです。それは家を維持し続けることで徐々に実現していき、最後まで続けられたことでやっと完成するものです。
持続可能かどうか
という価値判断が主であり、その可能性を高めるために損得勘定するんですよね。真剣に家の購入を考えたことのある人なら、頷けると思います。
しかし、この持続可能性というヤツは数値化出来ません。それに対して損得というのは貨幣の単位やパーセンテージで容易に数値化出来るんです。目に見えないもの、数値化できないものは、一段劣ったものと見られがちで、また無視されやすいです。
そしていつの間にか主客が逆転してしまうのです。
☟千日のYouTube動画です。
なぜ損得に流されやすいのか?
主客が逆転しても、結果的に持続可能性のある選択が出来ることだってありますよね。そういう場合は問題なく『こうして良かった』『自分の選択は間違って無かった』という事になりメデタシメデタシです。
しかし、これによって持続可能性をないがしろにした選択をしたら…高い確率で家を維持出来なくなり、あの時はこれが得だったのだから、と自分を慰める事になります。
では、営業マンはそうやって我々の判断をミスリードさせ、不幸のどん底に落とそうとしている悪いヤツらなんでしょうか?そんな事はありません。
ただ彼らは商品を売りたいだけなのです。
持続可能性が大事だということは、彼らも良く分かっています。でもそうやって家を売ってると、家を売るのに時間がかかり過ぎるんですよ。何しろそれは目に見えません。我々本人にすら見えないものが他人に見える訳が無いのです。
一方で損か得か?ということは、その商品に関することですから、まさに彼らの専門分野です。加えて前述のように貨幣単位やパーセンテージで分かりやすく、客観的に示す事が出来ます。
- 買える人に、売れるうちに売る。
モノを売っている人にとっては当たり前過ぎる原理ですよね。その為に損得で判断してもらいたい訳です。
出来る人ほど損得勘定に長けている事がアダとなる
家を探す人の多くはサラリーマンであり、日ごろ営利企業で働いている人が多いです。社会に出てからは、1カ月とか1年とかいう短いスパンで、いかに利益を出すか、効率的に物事を進めるかということが求められますよね。
住宅ローンのような、何十年と続く長いスパンでの意思決定というのは誰もが初体験なのですが、社会に出てから勤め先で積んだ経験やセオリーをそのまま家の購入に当て込むと、どうしても短期間の損得勘定に流れてしまいます。
そっちの方が分かりやすいですから、納得感があるんです。会社での仕事が出来る人ほどそういう落とし穴にハマりやすいんですね。
損得が最優先される頭になってしまった状態で、
- 目の前の家が『もう2度と出ないかもしれない、早い者勝ちの超お買い得な物件』であると言われたら、
- 数カ月、自分が探した範囲で確かにお買い得に見えたら、
- 少し違和感を感じても、それを覆す合理的な証拠も出て来なかったら、
その家を買わない理由は無くなってしまいます。
しかし、不動産に『掘り出し物』など絶対にありません。全てはその値段に反映されています。
失敗したくないという強い想いに付け込まれる
掘り出し物だ、と言われた物件が自分がじっくり検討している間に売れてしまう、ということは良くありますよね。これも罠なんです。なぜ安いのか分からないままに購入することの方が危ないのですが、損得勘定に染められた脳はそれを『失敗』としてカウントするんですよ。
だって、利益をみすみす逃したということになりますから。
営業マンはこう言います。
超レアな優良物件でしたから、すぐ売れちゃいましたね…
これはこういう風に我々の頭に響きます。
私の言うとおりにすぐ契約しないから、ライバルに先を越されたんですよ。
もう、次に『掘り出し物』が出たら、急いで契約しちゃいますよね。売れてしまった物件は流通市場から消えます。その物件が本当に何の欠陥も無く、優良な物件であったのかどうか?を調べる術はありませんから、言いたい放題です。
下記は、千日の住宅ローン無料相談ドットコム | 千日太郎が住宅ローンの疑問、悩みに第三者の立場からズバリ答えます。年齢、年収、共働き夫婦の世帯年収ごとにナマの相談事例を豊富に公開!週刊ダイヤモンド社ザイオンライン他多数メディアで執筆の傍らライフワークとしてサイトを運営しています。のご相談者が実際に不動産会社の営業マンに言われたことの引用です。その方は物件を見た2日後までに手付金を払えと言われ、色々迷った上で購入を見送ったそうです。
周辺の物件価格に比べてだいぶお得に買えるし、今後この場所は新駅も設立されてどんどん資産価値も上がります。
今後同じ価格で買えることはないし、こんな物件この先見つからないでしょう。
せっかくローン審査も通るのに、本当に勿体無い…
銀行の人はテキトーなことしか言わないから信じない方がいいし、あまりあれこれ調べすぎても良くないですよ!
典型的な質の悪い営業マンの口上ですが、それでもこの方はこの家の購入を見送ったことが本当に正しかったのか?千日にご相談されたんです。
最後のセリフは論外ですけど、最初の三つは全て損得勘定だけに誘導しているセールストークなんですよね。答えは、もちろん見送って正解です。千日なら初めて物件を見た日に『明後日までに手付を入れてくれ』なんて言われたら、その場で席を立つでしょう。
どんな物件であっても、全くの不具合が無いということは考えられません。契約前には気づかなかった欠陥なり、トラブルなりが、何かしら必ずあるんです。性質の悪い会社だと思いながら『お得だから』と目をつぶって契約し、後になって後悔する人は大勢います。しかし手付を払ってしまったら、もう後の祭りなんですよ。
しかし、それでも『あれは得だったかも…』という未練は強く心に刻まれるんですよね。それほどまでに、損得勘定というのは我々にとって抗いがたい本能なのかもしれません。
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まとめ~本質に目を向ける
客はドリルが欲しいのではない。穴が欲しいのだ。
これは売り手のための格言です。しかし、こと家を売ることに関しては、客が『本当は自分は穴が欲しい』ことに気づかれないようにすることの方が都合が良いと思われているんですね。
賃貸と持ち家どっちが得か?
このテーマを出すことで、2種類のドリルの性能の方に注意を向けることが出来るんです。ある人は自分のドリルのスペックを誇り、またある人は自分ドリルは平均以下だと卑屈になる。
賢明な読者様なら、うすうす、お気づきとは思いますが、賃貸と持ち家の違いなんてその程度のものです。
我々の本当の目的は、穴の方です。
しかし、損得勘定だけに支配されると、こんな当たり前のことにすら、気づけなくなってしまうのですよね。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
まとめのところはちょっと遊びました(笑)
しかし、こういう比喩も、当たらずとも遠からずだと思います。
これから、家を買おうと思っている人は、すでにソフト面の家(=家族)を持っています。
賃貸の場合は、ソフト面の家を維持するのには、毎月の家賃を払うだけの少ない支払いで行えます。その代わりに老後の居住費を確保するために多く貯蓄を残しておく必要があります。
持家の場合は、ソフト面の家を維持するために、多額の頭金を払い、住宅ローンというリスクを負います。その代わり老後の居住費を低く抑えることが出来ます。
それぞれに、家を維持する方針が違います。大事なのはどっちが得か?ではなく、それぞれの方針で持続可能な方法を見つけることなんですよね。
その手助けになるのであれば、私には存在意義があるのだと思っています。
2017年8月22日
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