2026年1月7日公開
どうも千日です。今回から新企画を始めます。年齢別のシミュレーションで、変動と固定のどちらが得かを「最新金利」と「利上げシナリオ」で毎回はっきり出します。
ポイントは変動がどこまで上がったら固定(フラット35)に負けるのか、その境界線を数字で見える化することです。
逆転するかどうかは誰にも断言できません。だから決めつけはしない。その代わり、逆転が起きるならどの水準かを先に確定させて、自身の判断基準にすることです。
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また、最新の日米金利動向については下記ページで毎日更新しています。
- 2026年、変動か固定か?ポイントは「境界線」
2026年、変動か固定か?ポイントは「境界線」
今回のモデルは35歳、新規購入。世帯年収1000万円、所有資金1000万円、物件価格5000万円、借入4500万円。一般的なケースでまず示し、同じ条件でご自身も「千日太郎の住宅ローンシミュレーター」で再現できるようにします。
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政策金利0.75%で終わりではない
まず最新の前提です。2025年12月に政策金利は0.50%から0.75%へ。
今は0.75%です。ここから先を読む鍵は、中立金利(景気を冷やしもしない、過熱もさせない中立的な金利水準)の考え方です。
中立金利が「1%〜2.5%」と幅が広い理由
日銀の中立金利の推計範囲は1%〜2.5%。幅が広いのは、複数の推計モデルを使っているからです。下側の推計は過去の時系列を使うモデルで、ゼロ金利・マイナス金利の長い時代をどうしても織り込んでしまいます。
上側は構造モデルで、経済の前提パラメータ次第でぶれやすいが、理論的に出てくる水準です。日銀は結局、その中間あたりで政策運営していく可能性が高い。そこで「真ん中付近」が濃厚ゾーンだと見ています。

推計範囲の下半分までは「緩和的」と言いながら利上げできる
推計範囲の下半分(ざっくり1%〜1.75%あたり)までは、日銀は「まだ緩和的」と言いながら利上げしやすい
。一方で真ん中より上(1.75%超)に入ると、「緩和の調整です」と言いながら利上げする説明は苦しくなる。実質的に引き締めだからです。
つまり1.75%が、緩和と引き締めの境目として効いてくる。
到達点は2027年度末までに1.75%を想定する
12月会合の主な意見を読むと、0.75%でも「まだ低い」「緩和的だ」というニュアンスが残っています。さらに利上げペースについても「数か月に1回の調整」を検討する趣旨が見える。これを素直に読むと、年2回〜年3回の利上げは普通にあり得ます。
そこで今回のシミュレーションは、ゴールを2027年度末までに政策金利1.75%と置きます。
今の0.75%から+1.00%。0.25%刻みなら4回分です。ここまで上がると、いよいよ境界線に差し掛かる。住宅ローンの意思決定ではここを想定しておくのです。
政策金利が上がると、変動金利はどこまで行くか
2026年1月時点では、利上げ後でも変動金利は横ばいに見えます。理由は単純で、多くの銀行が日銀の利上げを住宅ローンに反映する月を4月〜5月に固定しているからです。
つまり、今の金利で借りたつもりでも、4〜5月に見直しが来て0.25%上がるのが基本線です。

0.75%→1.00%→1.25%→1.50%→1.75%の世界
変動金利の水準は銀行ごとにレンジがありますが、考え方は足し算です。4〜5月の見直しで+0.25%。さらに利上げが続けば、その都度上がる。政策金利1.50%の世界まで来ると、変動は低いところで1.6%前後、高いところは2%が見えてくる。

政策金利1.75%まで来ると、低いところで1.8%台、高いところで2.2%台。平均で2%近辺まで寄ってくる。ここがフラット35の水準と近くなってきます。
そう考えると今の2.08%というフラット35の水準は絶妙といえるでしょう。

変動金利の上昇は「毎月いくら」「総額いくら」増えるのか
では実際に、変動で借りている人にどれくらい影響が出るのか。千日太郎の住宅ローンシミュレーターで、毎月返済額と総支払額の増加をその場で出します。
例:4500万円・35年・金利0.75%を起点にする
まず変動金利のシミュレーションで、借入4500万円、期間35年、金利0.75%(1月の平均的な水準)を入力します。ここから「0.5年後に+0.25%」を入れると、総支払は約211万円増え、毎月返済はざっくり5000円程度上がる。これが12月の0.25%利上げの影響のイメージです。
次に0.75%から政策金利が1.75%まで上がる前提、つまり変動金利が最終的に2%近辺まで行く世界を入れると、総支払増加は約1016万円、毎月返済は約14万7500円に跳ねます。
4500万円の借入で、毎月12.1万円で回っていた家計が、約15万円近い返済に耐えられるか。ここが変動を続けられるかどうかの分岐点です。
変動で行くなら「差額を貯める」が最低条件
変動を選ぶなら、やることは決まっています。今の返済額で回っている間に、将来の上昇分を先に積み立てるのです。
具体的には、12.1万円と14.7万円の差、月2.6万円前後を「上がったつもり貯金」として固定で積み上げる。
これができないなら、変動を選ぶのは危険です。逆にこれができるなら、変動のリスクをコントロールできるでしょう。
本題:35歳・新規購入で「変動 vs フラット35」を同条件で比較
ここから詳細シミュレーションです。世帯年収1000万円、子ども1人、所有資金1000万円、物件5000万円、借入4500万円。金利の前提は、変動は4〜5月見直し後の水準を最初から置きます。

前提:変動は「当初2年1.0%→残り33年2.0%(中立金利で続く)」
変動は当初2年を1.0%(0.75%に+0.25%が乗った状態)、その後は2.0%で最後まで行く前提にします。日銀が1.75%まで上げ切る世界です。
つまりさきほどお話した前提です。
前提:フラット35は「当初5年は子育てプラスで1%引下げ」
フラット35(買取型)を2.08%とし、子育てプラスの4ポイントで当初5年は1.08%、その後は2.08%。加えて団信は通常加入の前提で置きます。「子育てプラス」が効いている分だけ、前半が強い設定です。
結果:総支払はフラット35が勝つ。差は約70万円でも、意味は大きい
結果はほぼ拮抗します。毎月返済は当初、変動が約12万7000円、フラットが約12万8700円で差は小さい。上がり切った後の毎月返済も、変動が約14万7000円、フラットが約14万7800円でほぼ同じ。ただし総支払ではフラットが約6164万円、変動が約6230万円。フラットの方が約70万円少ない。ここははっきり言います。この前提ならフラット35が得です。
ただし同時に、金利タイプのマッチ度では変動が上になります。理由は単純で、変動は将来下がる可能性も取り込めるからです。つまり「家計に余裕があるなら、変動でリスクを取る選択も成立する」。これが判定の意味です。

子育てポイントが少ないとどうなる?ポイント2でも結論は崩れない
次に条件を落とします。子育てプラスのポイント4(当初1%引下げ)ではなく、ポイント2程度のケースを入れます。つまり当初5年の金利が1.58%、その後2.08%。この条件だと、毎月返済はフラット側が当初で約1.2万円ほど高くなる。総支払でもフラットが変動より約50万円ほど多くなる。
ポイント2だと「どっちでもいい」レベルまで拮抗します。変動が勝つとも言えるし、フラットが負けるとも言い切れない。差が小さすぎるからです。だから、このケースでは金利差ではなく、家計の耐性と安心(固定の保険価値)で選ぶべきです。
団信を外すと世界が変わる:フラット35(保証型)×団信なしは強い
最後に、現実的に効くカードを入れます。フラット35には買取型だけでなく保証型があり、条件次第で金利を下げられます。さらに団信を外すと、団信ありの金利から0.28%下がるケースがある。
団信は残高がゼロになる強力な保険ですが、35歳なら別途の生命保険・収入保障保険が月2000円程度で入れます。
金利0.28%の価値はそれを大きく上回ることがある。ここは逃げません。団信を外して保険を別で持つ方が、総額で得になるケースは普通にあります。
例:フラット35(保証型)1.78%、当初引下げで0.78%に落ちる
頭金1割で1.78%、当初5年は引下げで1.28%(条件により0.78%まで落ちるケースもある)として比較します。すると、毎月返済は当初もその後も変動より下に来やすい。総支払でも変動より約230万円少ない、という結果が出ます。
ここに別途保険料を足します。月2000円を35年払っても約84万円。総額に足してもなお、フラットの優位が残るケースがある。つまり、団信なしフラットは「金利で勝つ固定」になり得る。これは選択肢として現実に強いです。
金利がそこまで上がらなかったら?政策金利1.50%で止まっても“ほぼ同じ”になる
では逆に、政策金利が1.50%で止まる(到達が緩和的ゾーンに収まる)前提に落としたらどうなるか。結果は「ほぼ同じ」に寄ります。
前半はフラットが低い。後半は変動が少し低い。ただし差は数千円で、期間の長さで薄く効く程度。だから結論はこれです。
金利が上がり切らなくても、フラットは致命的に損になりにくい。一方、変動は上がり切ると家計への圧が一気に増える。これをどう評価するかで選びます。

結論:この前提なら「得はフラット、向きは変動」だが、最終判断は家計の耐性で決める
今回の標準モデル(4500万円・35年・日銀が1.75%まで上げる想定)では、総支払はフラット35が勝ちます。ポイントが厚いほど勝ち方は強くなり、保証型×団信なしまで使うと、フラットの優位ははっきり出ます。
ただし、家計に余裕がある人は変動のマッチ度が高く出ます。理由は単純で、金利が下がる局面も取りにいけるからです。
だから「どちらが正解か」を一発で決めるのではなく、あなたの家計が“政策金利1.75%まで上がった世界”の毎月返済に耐えられるかで決めてください。
耐えられないなら固定。耐えられるなら変動も成立します。その上で、変動を選ぶなら差額貯金をやるということです。
オマケ:詳細シミュレーションの「レーダーチャート」は何を見ればいいのか
千日太郎の住宅ローンシミュレーターの詳細シミュレーションでは、結果としてレーダーチャートが表示されます。
ここで重要なのは、見た目の形ではなく、各指標が何を意味しているかです。
① 返済継続力
返済継続力は、「毎月の返済額が、手取り収入に対してどれだけ余裕を持って続けられるか」を示す指標です。
変動金利の場合は、金利が上がったあとの“最終的な返済額”で評価されます。
今回のシミュレーションで言えば、0.75% → 1.75%まで上昇すると、毎月返済額が 約12万円 → 約14.7万円する。
この14.7万円を長期間払い続けられるかが評価対象になります。
一方、フラット35の場合は、金利が確定しているため、最初から将来の返済額が見えています。特に子育てポイントが効いている最初の5年間は、変動よりも返済額が低く表示されるケースもあります。
つまりここは、「金利が上がった世界でも、家計が壊れないか」を冷静に見る項目です。
③ 破産安全度
破産安全度は、住宅購入の資金が十分か、また住宅購入後に家計を守る資金が残せているからです。
ここは「金利の損得」ではなく、財政状態の健全性を見ています。
② 老後安全度
老後安全度は、定年時点で、住宅ローンがどの程度残るかを評価しています。
今回のケースでは、4500万円・35年ローンを前提としているため、定年時に800万円前後の残高が残るという結果が出ています。
ここで重要なのは、
- 定年時点で一括返済できる資金が見込めるか
- 退職金・金融資産で無理なく処理できるか
変動でも固定でも、老後に「返済を先送りしすぎていないか」この視点を数字で突きつけてくるのが、この指標です。
④ 金利タイプ・マッチ度
マッチ度は、あなたの家計条件に対して、その金利タイプが“性格的に合っているか”
を評価したものです。
今回のケースでは、世帯年収1000万円、所有資金1000万円、毎月返済に余裕ありという条件から、変動金利のマッチ度がやや高めに出ています。
これは「変動が必ず得」という意味ではありません。
金利が上下するリスクを取っても、家計が耐えられる構造かどうかを示しているだけです。
以上、千日のブログでした。
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| 20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
| 共働き夫婦 | 20代共働き | 30代共働き | 40代共働き | 50代共働き |
| 独身 | 20代独身 | 30代独身 | 40代独身 | 50代独身 |
| 団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
| 借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |