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【2018年12月】フラット35金利は0.04%下がりました!

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2018年12月のフラット35金利と長期金利の動向

どうも千日です。今回は良いニュースです!

11月16日に2018年12月のフラット35の金利のもとになる機構債の表面利率が発表されました。機構債の表面利率は0.46%と前月から0.04%下がり、3か月連続の上昇から一転下がりました。

フラット35の2018年12月金利も同程度下がるでしょう。結果、11月から12月にかけてのフラット35は0.04%下がりました

フラット35
12月確定
団信込み 団信抜き
10年~20年 1.32% 1.12%
21年~35年 1.41% 1.21%

ちなみに11月の実績は以下のとおりでした。

フラット35
11月実績
団信込み 団信抜き
10年~20年 1.35% 1.15%
21年~35年 1.45% 1.25%

7月末の日銀の金融政策修正から金利動向の潮目が変わっています。では始めましょう。

10月25日を境として日米長期金利の連動にズレ

7月の金融政策決定会合で、現在のイールドカーブ・コントロール政策の副作用を修正する政策が決定されました。

  • 長期金利の誘導目標は変わらずゼロ%程度にするが経済・物価情勢等に応じて上下に0.2%程度まで変動しうるとする。

市場はこれを『いよいよ日銀に利上げの兆しか?』と受け止め、この決定を境として日本の長期金利は上昇に転じ、さらに好調な米国の長期金利との連動性を高めてきたのです。

それで一時は0.15%付近で高止まりし、フラット35の金利も9月~11月まで3か月連続で上昇となりました。

しかし、10月25日を境としてその連動性にズレが見え始めたのです。

グラフにすると一目瞭然です。

世界景気の不透明感を反映して長期金利が下がった

f:id:sennich:20181117141645j:image

  • 左の目盛り、黄色の折れ線グラフはアメリカの長期金利
  • 右の目盛り、赤色の折れ線グラフは日本の長期金利

10月25日には世界的な株式相場の下落を背景に、投資家のリスク回避の動きが強まり、リスク避難先として日本国債に買いが集中したのです。

これによって、長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは0.11%と、9月中旬の水準にまで低下しました。

専門家は、これまでは米金利の上昇を背景とした新興国市場の先行き懸念や米中貿易戦争で一時的に株が売られるというパターンだったが、これからは本格的な世界ハイテク景気の終わりが意識されつつあると分析しています。

世界景気の不透明感を背景として、金利の上昇に頭打ち感が出てきたのですね。そもそもここ数か月の上昇が実態と乖離したものではあったのです。

そして直近では英国の欧州連合(EU)離脱協議への懸念や英政治不安を背景に、安全資産とされる米国債が上昇した流れを引き継いで日本国債も買われています。

こうして債券価格が上がると、長期金利は下がるということですね。

急激な長期金利の上昇は株安をもたらすので必ず日銀が抑え込む

今後もし、急激に長期金利が上昇すれば日銀が市場に介入して金利を抑えに動くはずです。金融政策決定会合では今後当分の間は今の低い長短金利水準を維持するというフォア―ドガイダンスが採用されているからです。

長期金利と株価には密接な関係があります。

一般的に、長期金利が下落した場合、株価は上昇します。投資家は、利回りの低い債券よりも株式に投資を行った方が有利だと考えるのです。

このため、長期金利が下落した場合、皆が株を買うので株価は上昇します。

一方、長期金利が上昇した場合は、投資家はリスクの大きい株式投資を行うよりも国債を買う方が安全確実と考えます。

このため、長期金利が上昇した場合は、皆が株を手放すので株価が下落するといわれています。 

なので急激な長期金利の上昇があった場合には、株価の下落を防ぐために日銀が即座に抑えつけに動くのですね。

長期金利とフラット35(機構債の表面利率)の関係

フラット35は民間金融機関やモーゲージバンクで申込をしますが、実質的に融資をしているのは住宅金融支援機構という国の機関です。そして、住宅金融支援機構は投資家に機構債を販売してフラット35の資金を調達しています。

f:id:sennich:20171109234447j:plain

機関投資家は国債のような安全資産として機構債を購入しているので、機構債の表面利率は金融市場の長期金利=国債の利回りとほぼ連動するのです。

その長期金利の指標となる新発10年国債利回りの推移とフラット35(機構債の表面利率)の推移を並べてみましょう。

10年国債利回りとフラット35(機構債表面利率)の推移

グラフで推移を見ると10年国債利回りとフラット35の機構債の利率は、ほぼ連動していることが見て取れます。

f:id:sennich:20181117144903p:plain

年月 10年国債利回り 機構債表面利率
2016年5月 -0.134% 0.34%
2016年6月 -0.102% 0.36%
2016年7月 -0.208% 0.23%
2016年8月 -0.229% 0.19%
2016年9月 -0.084% 0.33%
2016年10月 -0.040% 0.37%
2016年11月 -0.056% 0.34%
2016年12月 0.013% 0.41%
2017年1月 0.076% 0.48%
2017年2月 0.065% 0.46%
2017年3月 0.093% 0.47%
2017年4月 0.071% 0.46%
2017年5月 0.014% 0.40%
2017年6月 0.048% 0.43%
2017年7月 0.050% 0.44%
2017年8月 0.074% 0.46%
2017年9月 0.043% 0.42%
2017年10月 0.035% 0.42%
2017年11月 0.064% 0.43%
2017年12月 0.025% 0.40%
2018年1月 0.045% 0.42%
2018年2月 0.079% 0.46%
2018年3月 0.060% 0.42%
2018年4月 0.045% 0.40%
2018年5月 0.035% 0.40%
2018年6月 0.060% 0.42%
2018年7月 0.030% 0.39%
2018年8月 0.035% 0.39%
2018年9月 0.090% 0.44%
2018年10月 0.115% 0.47%
2018年11月 0.15% 0.50%
2018年12月 0.114% 0.46%

(注)年月は対象のフラット35の適用金利なので、時点としては前月の20日前後の金利です。例えば2018年12月のフラット35に対応する機構債の表面利率の発表は11月16日ですので、2018年12月には11月15日終値の金利を書いています。

  • 長期金利は前月から0.036%下がった
  • これに対して機構債0.04%下がったということです。

概ね機構債の表面利率は長期金利と連動するんです。

フラット35の金利は1.38%から大きく上がらないように政府が操作

千日の分析によると、今のところ国はフラット35の金利(団信0.28%込み)で1.38%に抑えたいと考えていると見込んでいます。

これはフラット35を手掛ける住宅金融支援機構が国民の住宅金融の円滑化を目的としたものだからです。

民間銀行は営利企業ですから利益を増やそうとしますが、住宅金融支援機構は公的機関ですから自分の利益を増やすことは目的じゃないのです。

家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本で固定金利について1.38%という前提でシミュレーションしているのはそうした理由です。

詳しくは2018年以降のフラット35の金利を予測している記事で詳しく書いていますので、まだ読んだことのない方は読んでみてください。

2018年に入ってからのフラット35の金利推移は以下のようになってます。

2018年 フラット35 期間21~35年
1月 1.36%
2月 1.40%
3月 1.36%
4月 1.35%
5月 1.35%
6月 1.37%
7月 1.34%
8月 1.34%
9月 1.39%
10月 1.41%
11月 1.45%
12月 1.41%

2018年はおおむね私の予想どおりに推移しています。11月に市場先行でちょっと上がり過ぎたので、まずいなと思っていたのですが、今回の予想どおりに行けば政府の考える『概ね1.38%』という水準にもどるでしょう。

住宅金融支援機構としても、今後も急激なフラット35の金利上昇を緩和する方針に変わりはありません。

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複数の金利タイプで審査を通しておきましょう

12月のフラット35の金利は下がるので。これから11月の下旬に引き渡しを予定している人であれば、延期をして12月中に実行してもらうことで低い金利で借りることが出来ます。

例えば4000万円を35年借りた場合では、11月の金利か12月の金利かで59万円もの違いが出てきます。たった数日延ばすだけで、です。交渉してみてください。

住宅ローンは実行月によってこれだけ金利が変化することがあります。予め異なる金利タイプで本審査を通しておけば直前になってから慌てることは無いですね。

変動金利や3年固定などの短期の固定金利でも審査を通しておく

基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますので、フラット35はオススメしやすい金利タイプです。

しかし11月のように日銀総裁の発言や米長期金利に引っ張られて一時的に上がってしまうということはよくあることです。

姉妹サイトの住宅ローン年齢・年収別パーフェクトランキング | 千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは年齢・年収別にマッチする住宅ローンを変動金利も固定金利もミックスしてランキングしています。

以下がそのランキングへのリンクです。

世帯年収(万円) 年齢
20代 30代 40代 50代以上
400未満 20代800未満 30代600未満 40代600未満 50代1000未満
400~600
600~800 30代600~1200 40代600~1200
800~1000 20代800以上
1000~1200 50代1000以上
1200~1500 30代1200以上 40代1200以上
1500~2000
2000以上

このランキングの上位から複数の金利タイプをミックスして本審査に通しておくことをお勧めしています、これもいわゆる『ポートフォリオ』です。 

マイホームを買うときには住宅ローンを組まなくてはいけません。その住宅ローン金利は金融市場の影響をモロに受けます。投資家でもないのにそうした市場の動きに影響を受けてしまうのですよね。

住宅ローンで家を買う人は、まさに数千万円という元本でもって金融市場に参加しているのだ、という心構えでいる必要があるのですよ。

  • 2018年11月30日に確定金利が出たので更新しました。

以上、千日のブログでした。

《あとがきとお勧めのポートフォリオ》

千日は基本的にフラット35などの超長期固定金利をお勧めすることが多いですが、それはずっと金利が変わらないので、自分にとっての家の値段=毎月の返済額と決めやすいからです。

しかし、借りるタイミングによって金利が大きく変動しやすいのが玉に瑕なんです。そこで口を酸っぱくして複数の金利タイプで本審査をオススメしています。

フラット35とセットでポートフォリオを組むなら、中途半端に安いだけの変動金利よりは、今は三菱UFJ銀行の3年固定がオススメです。

  • メガバンクの変動金利より低金利で3年間固定される。
  • 固定期間が終わっても今の基準金利なら0.625%と十分に低金利

また3年固定金利は10年以上の長期金利とはまた違った動きをしますし、12月にまた下がる可能性があります。

2018年11月17日

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ランキング 年齢
20代 30代 40代 50代以上
新規借入 20代800未満 30代600未満 40代600未満 50代1000未満
30代600~1200 40代600~1200 50代1000以上
20代800以上 30代1200以上 40代1200以上
借り換え 20代借換 30代借換 40代借換 50代借換
団信 20代団信 30代団信 40代団信 50代団信

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