日米長期金利は一段と低下し2019年1月の住宅ローンはさらに下がる
どうも千日です。5日の日本の債券市場では新発10年国債利回りが0.05%にまで下落しました。このトレンドが続けば来年1月の住宅ローンの金利はさらに下がるでしょう。
今日は2019年1月の金利予想とその予想をふまえたオススメの住宅ローンについて書きます。
ではさっそく始めましょう。
- 日米長期金利は一段と低下し2019年1月の住宅ローンはさらに下がる
2019年1月住宅ローンの金利はさらに下がる!
前回の12月は予想が的中し、その時点で審査に出した方は確実に安く借りるor借り換えることが出来ましたよね。
この下降傾向は10月25日の世界同時株安をきっかけに投資家のマネーが安全資産である米国債や日本国債に集中したためですが、一過性の動きではなく米利上げの早期打ち止めが濃厚になり、世界景気の減速がいよいよ現実感を増してきたようです。
12月の主要銀行の住宅ローンは軒並み0.05%下げたのは、この長期金利の低下が一過性のものではなく少なくとも今年の決算期まで継続するだろうとの見方が強まったからです。
基本から簡単にお話しておきましょう。
住宅ローンの金利は長期金利と連動します。銀行もまた金融市場から資金を調達し、その調達金利に銀行の利益をのせて私たちに貸しています。
言ってみれば、銀行は「お金」を売買する商売です。だとするなら「金利」は商品の価格なのですね。
金融市場の「長期金利」の上がり下がりというのは、銀行にとっての仕入れ値の上がり下がりです。
- 今後の長期金利の動向
- 銀行のビジネス(営業)戦略
この二つの肝を押さえておけば、ある程度の確度で住宅ローンの金利動向は予想できるのです。上記はカッコよく言った言い方です。もっと直接的に言うと以下の二つです。
- 銀行の仕入れ値の今後(=長期金利の動向)
- 銀行の売り値の付け方(=銀行のビジネス戦略)
米国の逆イールドカーブは景気後退の序章との見方
縦軸を債券の金利、横軸を債券の期間として期間ごとの利回りをプロットすると曲線になります。これがイールドカーブです。
日本と米国の12月6日時点のイールドカーブを並べて見ましょう。金利の目盛りのスケールを合わせて重ねてみました。
日本のイールドカーブの傾斜に対して米国のイールドカーブはフラットですね。
縦軸の金利とは、つまりお金の価格です。 長い期間の債券ということは長い期間のリスクを負うということですからその分の価格が上乗せされるので長い期間ほど金利が高くなるのが自然です。
短い期間が低く、長い期間が高い=順イールドとなるのが普通です。そしてその右肩上がりの傾斜が大きくなることをスティープ化と言います。
これに対して、短い期間の債券の金利が長い期間の債券の金利を上回るようなカーブになることを逆イールドと言います。
米国の逆イールドの原因
アメリカのイールドカーブは3日に3年債利回りが5年債利回りを上回り、2007年以来の逆イールドとなったのです。イールドカーブのフラット化が進行してその勢いで一時的に逆イールドになってしまったという感じですね。
利上げによって短期金利は上がりましたよね。それに引っ張られて3年とか5年という中期の金利も上がるんですが、10年超の長期金利の上昇が止まってしまったんだと専門家は指摘しています。これがフラット化です。
過去に逆イールドとなった際は景気の後退局面が多かったという過去のデータから、この米国の逆イールドは景気の減速から後退への序章ではないかという見方が広がっているのです。
2019年1月の米国長期金利はさらに下がり日本の長期金利も下がる
最近の動きとしては、立て続けに金利の下方圧力となるような事件が発生しています。
- 英国の欧州連合(EU)離脱協議への懸念や英政治不安
- ハイテク景気の終わり
- 米国利上げの早期打ち止め
- 相次ぐ巨大企業のスキャンダルや事件
既に米国の長期金利は3%を下回って2.89%になっていますが、さらなる下振れもあり得ますね。
日本国債にも買いが入り、5日の債券市場で10年物国債の利回りは、0.05%に低下しています。
長期金利の影響を受けるフラット35の金利は下がるでしょう。また主要銀行の固定金利もさらに下がる可能性があります。
銀行のビジネス戦略から金利を下げる住宅ローンを先読み
ただ、やみくもに審査に出すのではなく、下がる可能性のある銀行の住宅ローンをいくつか絞って審査に出すべきです。
銀行のビジネス戦略からどんな住宅ローンの金利が下がるのかを読み解きます。
なんて言うとスタイリッシュですが、早い話がスーパーの買い物で値引きシールが付く商品を先読みし、商品を手にもって待つということです。
住宅ローンの申込から実行まで、一般的な金融機関では最低6週間は必要です。つまりギリギリでも前の月から申し込んで契約しておかないと、住宅ローンの実行予定日には間に合わないのですよ。
1月は銀行が金利を上げにくく下げやすい月
特に1月は一年の中でも融資の実行件数が少ない月ですが、3月には一年で一番の大量の融資実行を控えていますので、金利を上げにくく下げやすいタイミングなのです。
これだけ長期金利が下がっているタイミングで、一行だけ下手に金利を上げればニュースになってしまいます。3月に新築マンション完成で住宅ローンの実行を予定している人が他行に逃げてしまうことだけは避けたいですよね。
また、住宅ローンの申込から実行までは平均6週間は必要です。3月実行に向けては2月が申込の期限みたいなものですが、1月の金利を下げておけば「金利の低い銀行」と印象づけることが出来ます。
長期金利が下がっているタイミングでは、主力商品を思い切り下げてくる可能性が高いのが1月なのです。
銀行は需要のある商品ではなく、売りたい商品の金利を下げる
いままで銀行が目玉商品としてきた住宅ローンはその年によって様々に変化してきました。どんな商品の金利を下げるのか?
一つの法則があるとすれば、それは「銀行が売りたい固定年数の商品」ということです。
例えば2016年1月には日銀のマイナス金利政策によって歴史上初めて新発10年国債利回りがマイナスになってしまいました。これによって安全な投資先を無くしてしまった銀行は、国債の代りに住宅ローンの金利で運用しようとしたんです。
10年国債の代りとして住宅ローンの10年固定金利がすごく安くなりました。一時は10年固定金利が0.3%台にまで下がったのです。
10年固定金利は住宅ローン減税(10年間ローン残高の1%が税金から返ってくる)と組み合わせると当初10年は確実に儲かる!ということで利用者にもすごく人気でした。
しかし、銀行は国債への投資の代りとして必要十分な量の10年固定を売ると、一転して金利を上げ始め、今の0.8%台になっているのです。
安い10年固定の需要はまだまだあるんですが、銀行の投資ポートフォリオとして十分な量が確保できたので、絞っているようなものなのです。
自分にとって最適な金利タイプを知っておくべし
つまり、銀行は自分の売りたい商品(固定期間)の金利を下げて、利用者を誘導しているんです。
ひときわ目をひくその金利が安いのは銀行の都合であって、利用者の便宜を考えたものではありません。
ですから、金利の高い低いは横に置いておいて、自分にとってベストな金利タイプは何か?をよく見極めなければなりません。
まだ本命とする金利タイプを決められていない人はこちらもどうぞ読んでくださいね。
自分が本命とする金利タイプで今後金利を下げそうな銀行で住宅ローンの審査に出すのです。
2018年11月から12月に金利を下げた商品は2019年1月にも下がる
銀行によって目玉とする商品は違いますが、2018年11月から12月にかけて金利を下げた銀行の商品は、今後の長期金利の下降に合わせて金利を下げる可能性があります。
つまり2019年1月にも金利が下がる可能性が高いのは11月から12月にかけて金利を下げた商品です。
変動金利は常に下がりしろを残しながらチョコチョコ下げる
変動金利はこれ以上下がりきれないところまで来ている。
このように言われていますが、銀行は常に下がりしろを残しています。
現在、借り換えで最低金利は0.428%の住信SBIネット銀行ですが、現在の金利になるまで、りそな銀行とずっとデッドヒートをしているんです。
- 2016年2月までの1位:りそな銀行(0.569%)
- 2017年7月までの1位:住信SBIネット銀行(0.444%~0.566%)
- 2017年8月以降の1位:りそな銀行(0.440%)
- 2017年12月以降の1位:住信SBIネット銀行(0.439%)
- 2018年5月1日以降の1位:りそな銀行(0.429%)
- 2018年5月9日以降の1位:住信SBIネット銀行(0.428%)対抗措置として緊急引下げを実行
ずっと、下げしろを残しながらのレースになっているんですよ。
変動金利は0.3%台になることも有り得る
なのでライバル銀行が金利を下げた場合は、現在単独トップの住信SBIネット銀行が下げてくるというパターンになります。
また、固定金利が下がって変動金利の優位性が揺らいだ場合も変動金利が下がります。2018年12月は、三菱UFJ銀行の3年固定が0.4%と低いですが、これがさらに下がる場合には変動金利を下げてくる可能性があります。
現在0.4%台の前半ですが、条件付きで0.3%台に突入することもあり得ますし、実際その能力もあると見ています。
ただ、変動金利は11月から12月にかけて金利を下げませんでしたね。変動金利は長期金利ではなく、日銀の政策金利の影響を受けるからです。
加えて、日銀は9月の金融政策決定会合で、「当分の間」は極めて低い長短金利水準を維持するというフォア―ドガイダンスを導入しています。
もしイレギュラーな事象で一時的に高騰した場合であっても「当分の間」は今の低金利が維持されるでしょう。このように、今のところ安定して低い金利で借りられるのが変動金利です。
変動金利ならばSBIマネープラザは外せない
こちらのSBIマネープラザはリアル店舗で対応する唯一のネット銀行です。
さらに全疾病保障団信が上乗せ無しで付くので金利以外の部分でも有利、変動金利なら絶対に外せない商品です。
2019年の注目は三菱UFJ銀行の3年固定
私は2019年の注目は短期の固定金利だと思っています。
三菱UFJ銀行の3年固定は11月に0.05%上がりましたが12月に0.05%下げました。つまり、長期金利の動向によっては、1月にさらに金利が下がる可能性があるのがこの三菱UFJ銀行の3年固定です。
三菱UFJ3年固定 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
---|---|---|---|---|
三菱UFJ銀行 | 0.4% | 0.4% | 0.45% | 0.4% |
11月から12月に下がったと言ってもそれは、従前の金利に戻ったという感じですよね。つまり、まだ下げしろを残していると私は見ています。
2019年にまだ下がる☟
フラット35は1.35%前後まで下がるかも⁉←的中しました
12月のフラット35の金利予想では千日は0.05%下がると予想しましたが、実際に下がったのは0.04%でした。
フラット35の金利予想は簡単です。前の月に発表される機構債に連動しますので、その上がり下がりを見るだけで読めるんです。
2018年 | 機構債 | フラット35 |
10月 | 0.47% | 1.41% |
11月 | 0.50% | 1.45% |
12月 | 0.46% | 1.41% |
10月から11月にかけて機構債は0.47%から0.50%に0.03%上がりました。普通ならフラット35も同じ0.03%上がるのですがフタを開けると0.04%上がってしまったのです。
そして11月から12月にかけて機構債は0.50%から0.46%に0.04%下がりました。前の月に多めに上がっているわけですから、ここで帳尻を合わせるなら1.40%でも良かったのです。しかしフタを開けると1.41%でしたね。
つまり、まだフラット35は下がる余地が残っていると見ています。
12月のフラット35の機構債が発表されたのは11月15日でその時の長期金利はまだ0.11%ありました。今は0.05%と0.06%も下がっています。まだ下がりそうですね。
次の機構債も同程度下がるとすれば1.35%くらいまで下がる可能性はあると見ています。
冒頭に書いてますが、予想は的中しましたね。2019年1月は1.33%まで下がることになりました。(2018年12月19日追記)
フラット35なら審査スピードと通りやすさのアルヒ☟
毎月のおすすめ住宅ローンを載せることにしました
2019年1月の金利予想にあわせて千日太郎のサイトの住宅ローンランキングの金利と予想も更新しています。
姉妹サイトの住宅ローン無料相談ドットコムでは年齢、年収別に最適な住宅ローンをランキング形式で更新しています。
このランキングの構造は、ユーザは自分の年齢と年収を選択することで、自分の年齢と年収に特有のリスクに適合したFPの提案を受けたのと同等の効果を得ることが可能となります。
単なる「金利の安い順」とは次元の異なるランキングです。
また、総合的におすすめな住宅ローンや今後金利が下がる注目の住宅ローンについては、もっと分かりやすくトップページに表示することにました。
PCの右のサイドバーに見えている3つです。今回の記事の中でももちろんピックアップしています。参考にしてくださいね。
- 2019年12月19日にフラット35の機構債の表面利回りが発表されたので、2019年1月のフラット35の金利予想を更新しました。
以上、千日のブログでした。
《あとがき~「金利と言えば千日」》
これからは特に「今後の金利」について重点的に書いていこうと思います。今回のように、月の初めの方で翌月の金利予想をしていきます。
というのも、Googleの検索窓に「金利」スペースで「せんに」まで入力すると、お勧めの検索ワードとして「千日」が出てくるようになっているののに気づいたのです!
もちろんシークレットモードですので、私の過去の検索履歴の影響は受けていません。いままで「住宅ローン」や「フラット35」というキーワードの後「せ」と入れるとオススメ候補として金融機関やハウスメーカー名などと並んで「千日」が出てくることは知ってました。
しかし「金利」というような大きな概念の言葉に合わせて、お勧めとして自分の名前が出てくるっていうのには驚きました。まさか、1000日分の金利を調べる人なんていないでしょ…いないよね?
➤「金利」について知りたければ➤「千日」へということですね?Googleさん。その期待に応えていきたいと思います。
最近は本を読んで千日太郎を知り、ご相談して下さる方が増えてきました。嬉しいことです!全国の大型書店と通販で発売中です。
最近は「ランキング」に力を入れています。年齢と年収から気を付けなければならないリスクは違ってきます。それをリアルに展開されている商品に当てはめる、というのはなかなか難しいのですが、やりがいもあります。
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2018年12月8日
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20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
新規借入 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
30代600~1200 | 40代600~1200 | 50代1000以上 | ||
20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
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