会社の住宅ローン補助制度を使い倒す!賢い住宅ローンの選び方
どうも千日です。私が住宅ローン記事を寄稿しているiYell株式会社(東京都渋谷区)は福利厚生に家を買いたい従業員を応援する「住宅ローン補助制度」を導入したそうですね。
- これから住宅を購入する社員には住宅ローンを組む際の事務手数料をサポート
- すでに住宅を購入している社員にも月々の支払を一部サポート
福利厚生に「住宅ローン補助制度」を導入 | 【住宅ローンテック】 iYell(イエール)株式会社
これは「住宅ローンを使いやすくする会社なのだから、中の社員にとっても住宅ローンを使いやすくしないと!」という一社員の声から生まれたものだそうです。なんと、月に一つ新しい福利厚生を導入しているそうです!
この前本社に遊びに行ったのですが、そんな声が通ってすぐに制度化される、風通しの良い会社なんだなというのがよく分かりました。
ベンチャーで家を買う人向けの福利厚生がある会社はさすがにiYell株式会社さんだけでしょうけど、上場企業になってくると、こうした福利厚生があるという話はちょくちょく耳にします。
なので、こうした家を購入する社員向けの住宅ローンのサポートがある場合に、どんな住宅ローンを選び、どう返済していくのが賢いのか?について今日はお話しましょう。
利子補給では金利の下がり過ぎで住宅ローン減税を受けられなくなることがある!
まず一番多い利子補給の注意点について書いておきましょう。これは、毎月返済する住宅ローンの利息の一部を会社がサポートする制度です。
さらに住宅ローン減税もありますよね。これは年末の住宅ローン残高の1%を限度として所得税等からキャッシュバックされる減税(税額控除)制度です。
しかし、会社による利子補給が手厚すぎる場合には、この住宅ローン減税の対象から外れてしまうことがあるので注意が必要なのです!
現行の住宅ローン控除では、以下の場合は住宅ローン控除が受けられません。
- サラリーマンが会社から住宅資金を借りている場合で、それが無利息又は利率が0.2%未満の場合
- サラリーマンが会社から利息相当の手当を受けるなどして実質的に利率が0.2%を下回る場合
なので、すごく低金利の住宅ローンを借りてしまったがゆえに、利子補給を加味すると利率が0.2%未満になってしまうと、住宅ローン減税が受けられなくなってしまうのですよ。
これは痛いですね、本末転倒です。
住宅ローン控除は年末に判断するので、それまでの間に利子補給を受けてしまったらもうアウト、「ちょっと待った!」は通用しません、後の祭りです。
オススメは10年間の金利が固定される10年固定
ネット銀行の変動金利はすごく低金利ですが、会社から利子相当の手当をもらってしまうと実質0.2%を下回ってしまうリスクがありますね。
低すぎるのもマズい、とはいえ高いのも損。
ならば住宅ローン減税の10年間金利が固定されている10年固定がベターですね。10年固定金利は少し上がってきていますが、ここ最近は長期金利が低金利に振れてきていて、2019年1月にはまた下がる可能性もあります。
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10年固定の金利最安はau住宅ローンです。
三菱UFJ銀行とKDDIが共同で立ち上げたネット銀行で、auユーザーならば相当のキャッシュバックがあります。
固定期間終了後の金利は他の金融機関より高くなりますが、利息相当の補助が継続するので痛くはないですね。
また、がんと診断されると住宅ローン残高が半分になる「がん50%保障団信」が無料付帯します。
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住宅ローンの事務手数料をサポートする福利厚生を使い倒す方法
次は会社が手数料を一部サポートしてくれるケースです。
住宅ローンの手数料として銀行に払うお金には保証料型と手数料型があります。それぞれ以下のような仕組みになっています。
住宅ローンのタイプ |
事務手数料 |
保証料 |
---|---|---|
保証料型 |
3万円~5万円+消費税 |
概ね借入額の2.061%(35年の元利均等返済の場合)前払いor金利に0.2%上乗せ |
手数料型 |
概ね借入額の2%+消費税 |
ゼロ円 |
保証料型と手数料型はトータルでは大した違いはありませんけど、その内訳が違いますね。それによって大きな違いが出てくるのです。
つまり、「手数料」の半分を補助してくれるのなら、保証料型を選ぶと損だということですね。
例えば3000万円の住宅ローンを組む場合で比較すると以下のようになります(保証料型は前払いするものとしました)。
3000万円の住宅ローン |
会社の補助 |
事務手数料 |
保証料 |
---|---|---|---|
保証料型 |
-16,200 |
32,400 |
618,300 |
手数料型 |
-324,000 |
648,000 |
0 |
会社の補助として出る金額が、桁が一つ違いますよね!保証料は手数料にはなり得ないので、このような違いが出てくるのです。
保証料についての基礎知識
保証会社が住宅ローンを保証します。そして、私たち利用者は保証会社に保証料を支払います。以下の図のような仕組みになっています。
保証料とは、利用者が返せなくなった時に、代わって銀行に住宅ローンを払う(代位弁済)ための料金です。
その後、保証会社は払った住宅ローンを債務者(住宅ローン利用者)に請求します。これを求償と言います。
最終的には住宅を売却(又は競売)して返済するのです。私たち利用者にとっては、自分が返せなくなった時のために銀行の債権を保護する保証料を自分で払っている状態なのです。
我々には全くメリットがありません。こんなの払いたくない!と言ってもいいですが『当行で融資をする際の必須条件なのでイヤなら他行で借りてください』と言われるだけです。
もうちょっとソフトな言い方をするでしょうけど、結論は同じです。
保証料は繰上げ返済すると返金される、そして非課税
保証料は、利用者がもし返せなかった場合に代わりに返済するための費用です。
なので前払いしていて、もし仮に期限前に全額完済した場合は、その時点でのローン残高と残りの期間に応じた保証料が返金されることになります。
一部繰上げ返済でも一部返金されるという保証会社もありますが、全額繰り上げ返済しないと一切返金しないという保証会社もあります。銀行に確認してください。
そして、今ですと気になるのが消費増税ですね、2019年10月に8%から10%に増税になります。保証料についてはそもそも消費税がかからない非課税取引ですので、増税の影響はありません。
しかし事務手数料は課税取引なので、増税に伴って支払いが増えてしまいます。
保証料はゼロ円です!と言ってる銀行は「事務手数料」で保証料相当を取っている
そして保証料はゼロ円です!という触れ込みの銀行がありますが、これは変わりに事務手数料が2%+消費税なんですよね。
なので、名目として「事務手数料」という形で実質的な「保証料」を取っているんです。
保証料ゼロ円!に釣られないようにしましょう。結局は同じことです。
お勧めは手数料型で低金利の住宅ローン
ではオススメですね。会社から補助される手数料型で、手数料率がちょっと高めなんだけどその代わり金利が安いという住宅ローンがオススメです。
変動金利のオススメ
変動金利だと住信SBIネット銀行を外すことは出来ませんね。新規借入で0.457%、借り換えでは0.428%と業界で最安金利です。
もちろん手数料型2%+消費税です。
さらに全疾病保障団信(全ての病気とケガによって1年就業不能となったら住宅ローンがゼロ円になる保険)が金利の上乗せ無しで付帯します。
金利の安さと保険の付加価値が揃っています。また、SBIマネープラザではネット銀行として唯一実店舗での相談を受け付けているんですよ。ネット銀行でも電話やメールで聞きたいことが聞けるのですが、会って話せる、聞けるというのはやっぱゼンゼン違います。
今は相談の時間帯を延長して対応しています。
ネットで申し込みも可能
もちろんネットでの借入れ(新規・借換とも対象)も可能です。
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長期固定金利のオススメ
ネット銀行は変動金利が安いのですが、長期固定金利で低金利という商品はあんまり無いです。そこでフラット35ですね。フラット35は保証料はゼロ円、そして事務代行する金融機関に手数料を払うという形式です。
特に今後2019年にかけては長期金利が下がっているのでフラット35の金利も下がる傾向にあります。
そして、フラット35であればアルヒでしょうね!特にスーパーフラットという商品がありまして、フラット35の金利から0.05%~0.1%引き下げとなります。
手数料は2%+消費税ですが、これに補助が出るのであればすごく有難いですよね。頭金1割でも0.05%の引き下げが受けられますよ。
全国170か所以上の店舗で相談できる☟
まとめ~みなさんリアルの相談を募集しています!
今回は一般的なケースで解説をしましたが、会社によっても細かな条件が異なる場合もあると思います。
そうしたケースについても、姉妹サイトの住宅ローン無料相談ドットコムでは相談に乗っていて、相談内容と回答を公開しています。貴重なリアルの実例を誰でも読めるようにするのが、このサイトのバリューです。
良く言われるのが「こういう例はあんまり無いので皆さんの参考にはならないかも…」ということです。
しかし、そういうものこそ、多くの人がインターネットに情報が無くて困っているものかもしれませんよね。
無料相談は365日24時間いつでも受け入れます。リアルな事例をお寄せください!
以上、千日のブログでした。
《あとがき~iYell㈱に取材してきました!》
先週はちょっと記事の更新が途絶えていたのですが、実はいろんな会社に取材をしていたんです。そのうちの一つがわたくし千日も毎月記事を寄稿しているiYell㈱です。こちら連載している記事です。
「日本一ちょうどいいベンチャー企業」ちょっと面白いと思いませんか?
離職率ゼロを掲げてるんですが、ベンチャーで従業員向けの率に注目する会社っていうのも珍しい。それもあって会社の雰囲気はすごくよかったです。私は会計士としてほんとにいろんな会社を目にしてきました。
この会社で働きたいなと思う会社もあれば、そうでない会社も正直ありました(雇ってくれるかは別として)が、やっぱり伸びる会社は良いムードを持っています。非科学的ですけど。
そういう意味でiYellさんには、すごく良いムードを感じました、ぜひまた用事を見つけて行きたいっすね。
今回は初めてだったんで「千日太郎さんが来られました!」って紹介されて皆さんに拍手で迎えられて舞い上がってしまいました。iYellのみなさん、アレが千日が舞い上がっているけどそれを悟られぬようにしている顔です笑。
最近は本を読んで千日太郎を知り、ご相談して下さる方が増えてきました。嬉しいことです!全国の大型書店と通販で発売中です。
11月末で発売から10カ月ですが、早くも3刷が決定しました。編集の方はこの手の本としては驚異的な売れ方だと言ってました。
ブログでは色々なエントリーに分散してしまうノウハウが体系的にまとめられています。ご相談者の中には「色々調べて分かっているつもり」なのですが、大事なポイントが抜けてしまっている人もおられます。
ぜひご一読ください。
2018年12月9日
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ランキング | 年齢 | |||
---|---|---|---|---|
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
新規借入 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
30代600~1200 | 40代600~1200 | 50代1000以上 | ||
20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
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