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【金利予想】フラット35の2018年9月金利は予想どおりの上昇で1.39%←的中!

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2018年9月のフラット35金利は1.39%

どうも千日です。8月22日に2018年9月のフラット35の金利のもとになる機構債の表面利率が発表されました。

発表された機構債の表面利率は0.44%と前月から0.05%の上昇で、フラット35の2018年9月金利も同程度上昇するものと思われます。←的中しました!

フラット35
9月確定
団信込み 団信抜き
10年~20年 1.31% 1.11%
21年~35年 1.39% 1.19%

ちなみに8月の実績は以下のとおりでした。

フラット35
8月実績
団信込み 団信抜き
10年~20年 1.29% 1.09%
21年~35年 1.34% 1.14%

7月末から8月にかけての日銀の政策修正によって長期金利が上がりましたので、ある程度予想どおりの展開ですね。

国の思惑として、だいたい1.38%前後で推移するだろうと予想していますので、今回の上昇は、一応レンジ内での上昇ではないかと見ています。

詳しくはこちらをどうぞ。

機構債の表面利率発表の直前では、21日にトランプ米大統領がFRBの利上げに不満を示したことから、アメリカの長期金利が低下し、それにつられる形で日本の長期金利も少し低下しています。

 

長期金利とフラット35(機構債の表面利率)の関係

フラット35は民間金融機関やモーゲージバンクで申込をしますが、実質的に融資をしているのは住宅金融支援機構という国の機関です。そして、住宅金融支援機構は投資家に機構債を販売してフラット35の資金を調達しています。

f:id:sennich:20171109234447j:plain

機関投資家は国債のような安全資産として機構債を購入しているので、機構債の表面利率は金融市場の長期金利=国債の利回りとほぼ連動するのです。

その長期金利の指標となる新発10年国債利回りの推移とフラット35(機構債の表面利率)の推移を並べてみましょう。

10年国債利回りとフラット35(機構債表面利率)の推移

グラフで推移を見ると10年国債利回りとフラット35の機構債の利率は、ほぼ連動していることが見て取れます。

f:id:sennich:20180822154717p:image

年月 10年国債利回り 機構債表面利率
2016年5月 -0.134% 0.34%
2016年6月 -0.102% 0.36%
2016年7月 -0.208% 0.23%
2016年8月 -0.229% 0.19%
2016年9月 -0.084% 0.33%
2016年10月 -0.040% 0.37%
2016年11月 -0.056% 0.34%
2016年12月 0.013% 0.41%
2017年1月 0.076% 0.48%
2017年2月 0.065% 0.46%
2017年3月 0.093% 0.47%
2017年4月 0.071% 0.46%
2017年5月 0.014% 0.40%
2017年6月 0.048% 0.43%
2017年7月 0.050% 0.44%
2017年8月 0.074% 0.46%
2017年9月 0.043% 0.42%
2017年10月 0.035% 0.42%
2017年11月 0.064% 0.43%
2017年12月 0.025% 0.40%
2018年1月 0.045% 0.42%
2018年2月 0.079% 0.46%
2018年3月 0.060% 0.42%
2018年4月 0.045% 0.40%
2018年5月 0.035% 0.40%
2018年6月 0.060% 0.42%
2018年7月 0.030% 0.39%
2018年8月 0.035% 0.39%
2018年9月 0.090% 0.44%

(注)年月は対象のフラット35の適用金利なので、時点としては前月の20日前後の金利です。例えば2018年9月のフラット35に対応する機構債の表面利率の発表は8月22日ですので、2018年9月には8月21日終値の金利を書いています。

  • 長期金利は前月から0.055%上がった
  • これに対して機構債0.05%上がったということです。

長期金利と機構債の足並みがそろっていますね。

近いところでは、2017年3月の長期金利は0.093%で機構債は0.47%でしたから、だいたいニアリーな感じです。

最近の長期金利(新発10年国債利回り)の動向

長期金利は日銀の政策修正の発表によって一時急上昇しました。

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その日銀の政策修正というものは、日銀が操作する長期金利の誘導目標でした。

  • 長期金利の誘導目標は変わらずゼロ%程度にするが経済・物価情勢等に応じて上下に0.2%程度まで変動しうるとする(それまでは上下0.1%程度だった)。

長期金利の誘導目標を上下0.1%から上下0.2%に手綱を緩めるというのは、実質的には長期金利が0.2%くらいまで上がることは黙認しようということです。

つまり、長期金利の上昇に伴って民間銀行が金利を上げることを、ある程度認めるということです。

じゃあその後0.2%くらいまで上がったのか?というとそこまでは上がらず、0.1%付近で横ばいで推移しているのです。

f:id:sennich:20180822155524j:image

むしろジリジリ下がっているようにも見える背景には、アメリカの長期金利の低迷もあります。

FRBパウエル議長とトランプ大統領のちぐはぐ

7月19日、トランプ大統領はCNBCのインタビューでFRBのパウエル議長について「とてもよい人物を起用した」としながらも、「景気が上向くたびに金利を引き上げたがるのは面白くない、それでもFRBにはベストだと思うことをやらせてる」と答えました。

さらに、8月21日にもトランプ大統領は追加の利上げに懸念する発言をしており、ドル売りを誘発しています。

度重なる米大統領の金融政策批判にニューヨーク金融・債券市場は動揺し、長期金利も低下し2.83%台で推移しています。日本の長期金利が上がらない背景には、こうしたアメリカ長期金利の足踏みもあると見ています。

一時期は安定して3%を超えるだろうと言われていたんですがね。長期金利は、こうしたちょっとしたことに過敏に反応することもあるので、なかなか読みにくいのです。

 

フラット35の金利は国が操作している

千日の分析によると、今のところ国はフラット35の金利(団信0.28%込み)で1.38%に抑えたいと考えていると見込んでいます。

これはフラット35を手掛ける住宅金融支援機構が国民の住宅金融の円滑化を目的としたものだからです。

民間銀行は営利企業ですから利益を増やそうとしますが、住宅金融支援機構は公的機関ですから自分の利益を増やすことは目的じゃないのです。

家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本で固定金利について1.38%という前提でシミュレーションしているのはそうした理由です。

詳しくは2018年以降のフラット35の金利を予測している記事で詳しく書いていますので、まだ読んだことのない方は読んでみてください。

2018年に入ってからのフラット35の金利推移は以下のようになってます。

2018年 フラット35 期間21~35年
1月 1.36%
2月 1.40%
3月 1.36%
4月 1.35%
5月 1.35%
6月 1.37%
7月 1.34%
8月 1.34%
9月 1.39%

今のところ、なぞったかのようにこの予想通りに進んでいる感じですよね。

基本的には長期金利に連動してフラット35の金利も上下するということになるのですが、急激な上昇については住宅金融支援機構が損を被ってフラット35の金利の上昇を食い止めるのではないかと予想しています。

2018年9月は上昇するといっても1.39%ですね。2018年2月には1.4%のときもありましたので、まだ住宅金融支援機構が損を被るような水準ではないと思います。

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複数の金利タイプで審査を通しておきましょう

住宅ローンは実行月によってこれだけ金利が変化することがあります。予め異なる金利タイプで本審査を通しておけば直前になってから慌てることは無いですね。

変動金利や3年固定などの短期の固定金利でも審査を通しておく

基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますので、フラット35はオススメしやすい金利タイプです。

しかし今月のように日銀総裁の発言や米長期金利に引っ張られて一時的に上がってしまうということはよくあることです。

姉妹サイトの住宅ローン年齢・年収別パーフェクトランキング | 千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは年齢・年収別にマッチする住宅ローンを変動金利も固定金利もミックスしてランキングしています。

以下がそのランキングへのリンクです。

世帯年収(万円) 年齢
20代 30代 40代 50代以上
400未満 20代800未満 30代600未満 40代600未満 50代1000未満
400~600
600~800 30代600~1200 40代600~1200
800~1000 20代800以上
1000~1200 50代1000以上
1200~1500 30代1200以上 40代1200以上
1500~2000
2000以上

このランキングの上位から複数の金利タイプをミックスして本審査に通しておくことをお勧めしています、これもいわゆる『ポートフォリオ』です。 

マイホームを買うときには住宅ローンを組まなくてはいけません。その住宅ローン金利は金融市場の影響をモロに受けます。投資家でもないのにそうした市場の動きに影響を受けてしまうのですよね。

住宅ローンで家を買う人は、まさに数千万円という元本でもって金融市場に参加しているのだ、という心構えでいる必要があるのですよ。

  • 2018年8月31日に金利確定したため更新しました。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

マイホームを買う人って、別に市場の投資家ではないのにもかかわらず、債券市場の動きに影響を受けてしまうのですよね。

なので、まとめでも書いてますが、念のため変動金利の方でも審査を出しておくことをお勧めします。

2018年8月22日

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