2018年7月のフラット35金利は1.34%に下がる←的中!
どうも千日です。6月20日に2018年7月のフラット35の金利のもとになる機構債の表面利率が発表されました。
発表された機構債の表面利率は0.39%と前月から0.03%下降で、フラット35の2018年7月金利も同じく0.03%下がると予想されます。←的中しました!
フラット35 7月確定 |
団信込み | 団信抜き |
10年~20年 | 1.29% | 1.09% |
21年~35年 | 1.34% | 1.14% |
ちなみに6月の実績は以下のとおりでした。
フラット35 6月実績 |
団信込み | 団信抜き |
10年~20年 | 1.31% | 1.11% |
21年~35年 | 1.37% | 1.17% |
今後のフラット35を予測する上でのポイントはやはりアメリカの長期金利ですが、朝鮮半島情勢については6月12日には米朝首脳会談が予定どおり行われ、少なくとも目下の危機は回避されました。
色々なことを言う人がいますけど、トータルとして評価していいんじゃないかと思いますよ。そもそも戦争のリスクによって国民の生活基盤となる住宅ローンの金利が上下するって、あまり健全とは言えないと思います。
長期金利とフラット35(機構債の表面利率)の関係
フラット35は民間金融機関やモーゲージバンクで申込をしますが、実質的に融資をしているのは住宅金融支援機構という国の機関です。そして、住宅金融支援機構は投資家に機構債を販売してフラット35の資金を調達しています。
なので、フラット35の金利は投資家達が長期の安全資産に投資するときの金利=市場の長期金利の影響をモロに受けるのですね。その長期金利の指標となる新発10年国債利回りの推移とフラット35(機構債の表面利率)の推移を並べてみましょう。
10年国債利回りとフラット35(機構債表面利率)の推移
年月 | 10年国債利回り | 機構債表面利率 |
2016年5月 | -0.134% | 0.34% |
2016年6月 | -0.102% | 0.36% |
2016年7月 | -0.208% | 0.23% |
2016年8月 | -0.229% | 0.19% |
2016年9月 | -0.084% | 0.33% |
2016年10月 | -0.040% | 0.37% |
2016年11月 | -0.056% | 0.34% |
2016年12月 | 0.013% | 0.41% |
2017年1月 | 0.076% | 0.48% |
2017年2月 | 0.065% | 0.46% |
2017年3月 | 0.093% | 0.47% |
2017年4月 | 0.071% | 0.46% |
2017年5月 | 0.014% | 0.40% |
2017年6月 | 0.048% | 0.43% |
2017年7月 | 0.050% | 0.44% |
2017年8月 | 0.074% | 0.46% |
2017年9月 | 0.043% | 0.42% |
2017年10月 | 0.035% | 0.42% |
2017年11月 | 0.064% | 0.43% |
2017年12月 | 0.025% | 0.40% |
2018年1月 | 0.045% | 0.42% |
2018年2月 | 0.079% | 0.46% |
2018年3月 | 0.060% | 0.42% |
2018年4月 | 0.045% | 0.40% |
2018年5月 | 0.035% | 0.40% |
2018年6月 | 0.060% | 0.42% |
2018年7月 | 0.030% | 0.39% |
(注)年月は対象のフラット35の適用金利なので、時点としては前月の20日前後の金利です。例えば2018年7月のフラット35に対応する機構債の表面利率の発表は6月20日ですので、2018年7月には6月19日終値の金利を書いています。
- 長期金利は前月から0.03%下がった、
- これに対して機構債は0.03%下がったということです。
長期金利と機構債の足並みがちょうどそろっている感じですね。おおむね2017年12月と同じ水準です。
機構債が実際に投資家に販売されるのは6月27日が予定ですので、今日から27日までに新たに材料視されるような事象は起きないだろうという市場の予想を反映したものだと思います。
最近の長期金利(新発10年国債利回り)の動向
直前の長期金利(新発10年国債利回り)は以下のように上がったり下がったりですが、米朝首脳会談の後にやってきた米中貿易摩擦の影響から、直近で大きく下がりました。
米朝首脳会談で漁夫の利を得た中国
前回の金利予想記事でも書きましたが、市場は北朝鮮とアメリカの非核化の認識のズレは折り込み済みでした。
- アメリカ:北朝鮮の核兵器をC(完全に)V(検証可能な方法で)I(不可逆的に)D(解体)しよう。
- 北朝鮮:朝鮮半島からのアメリカの撤退を含む朝鮮半島全域を非核化しよう。
かみ合っていないことは、周知の事実です。
なので、南北主脳会談がそうであったように、劇的な進展は見られなくても、悪い方向にもいかないとみているんです。市場も今のところは静観している感じですよね。
しかし、この会談でかなり米国の方が譲歩した結果になりました。
- 北朝鮮の核開発停止について具体的なプロセスは示されず。
- アメリカは金正恩政権の体制維持を保障する。
識者はこれによって、北朝鮮はもちろん大勝利ですが、中国が漁夫の利を得たとコメントしています。つまり、中国にとって北朝鮮はアメリカとのクッションになる緩衝国です。北朝鮮をしっかりグリップして自国の駒として使いたいのです。
- 金正恩氏がシンガポールとの往来に中国の旅客機を使い、北朝鮮の中国への依存が大きいことを印象付けた。
- 会談に先立って助言を得るため、金正恩氏から2回も中朝首脳会談を要請され関与を求められた。
- トランプ大統領が北朝鮮に譲歩した、米韓合同軍事演習の停止や在韓米軍の撤退の可能性は、中国の長年の戦略目標でもある。
中国からすると、金正恩に飛行機をレンタルしただけでこれだけの成果、まさに上出来の結果だったのです。
中国に対するけん制を強めるトランプ→米中貿易戦争の懸念
そういう見方をすると、米朝首脳会談直後からトランプ大統領が中国を目の敵にするのは当然の流れと言えるでしょう。
トランプ氏は6月18日に中国の知的財産権侵害を理由として新たに2000億ドル(約22兆円)規模の中国製品に追加関税10%を課す検討を米通商代表部(USTR)に指示しました。
これに対して、中国外務省の耿爽(こうそう)副報道局長は6月19日の定例記者会見で、真向勝負の構えを見せています。
中国は貿易戦争を望まないが、恐れもしない。
もしも貿易戦争を起こそうとする者がいれば、我々は自身の正当な利益を必ず守り抜く。
バチバチですね。貿易戦争への懸念が強まっているのです。
これを受けて19日の上海株式市場は、上海総合指数の終値が前週末比3.78%下落と2年ぶりの安値を記録しました。
ニューヨーク市場でも株価が大幅に下落し、米長期金利も下落しました。価格変動が相対的に小さく安全資産とされる米国債に買いが集まったためです。米長期金利の指標となる10年物国債利回りは前日比0.02%低い(価格は高い)2.89%で終えました。
先月はコンスタントに3%を超えそうだ、なんて言ってたんですけどね…。
金利差に注目するセオリー通りの動き
米金利の急落によってアメリカの金利が下がると、円で運用した方が儲かる。こういうことから、ドルを売って円を買う動きが起きたのだと言われてます。
日本円(国債)が買われるのは「低金利通貨を借り入れて高金利通貨で運用する」キャリートレードという金利のセオリーに則った動きです。
つまり、日本国債が買われる→債券価格が上がる→(利回り)金利が下がるという流れ。同じ安全資産としての機構債の金利も下がり、フラット35の金利も下がるということです。
先月あたりから、市場は政治リスクよりも金利差に注目するようになってきていますが、概ねそのトレンド通りと言って良いでしょう。
フラット35の金利は国が操作している
フラット35は国民の住宅金融の円滑化のために国政として行う事業であり、低金利に安定しやすいことから、2018年におすすめする住宅ローンのベスト3の一つです。
①国が操作し金利上昇を緩和させるフラット35
②価格競争の目玉で低金利が続くメガバンクorネット銀行の変動金利
③申込日~実行日までで一番低い金利が適用される地銀や信金の当初固定金利
2018年下半期の金利動向に翻弄されない住宅ローンはフラット35+メガ/ネット変動+地銀信金当初固定 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える
この記事を読んでいる方はフラット35の金利動向に注視している人だと思います。フラット35を軸に考えるのは正解だと思います。
2018年のフラット35の金利は1.38%前後で推移するという予測
千日の分析によると、今のところ国はフラット35の金利(団信0.28%込み)で1.38%に抑えたいと考えていると見込んでいます。
2017年10月の申込からは団信保険料0.28%が金利に込みになっています。それ以前の長期金利の推移とフラット35(団信抜き)の金利推移をみるとそれが見えてきます。
家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本で固定金利について1.38%という前提でシミュレーションしているのはそうした理由です。
詳しくは2018年以降のフラット35の金利を予測している記事で詳しく書いていますので、まだ読んだことのない方は読んでみてください。
2018年に入ってからのフラット35の金利推移は以下のようになってます。
2018年 | 21~35年 |
1月 | 1.36% |
2月 | 1.40% |
3月 | 1.36% |
4月 | 1.35% |
5月 | 1.35% |
6月 | 1.37% |
7月 | 1.34% |
今のところ、なぞったかのようにこの予想通りに進んでいる感じですよね。
複数の金利タイプで審査を通しておきましょう
住宅ローンは実行月によってこれだけ金利が変化することがあります。予め異なる金利タイプで本審査を通しておけば直前になってから慌てることは無いですね。
変動金利や3年固定などの短期の固定金利でも審査を通しておく
基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますので、フラット35はオススメしやすい金利タイプです。
しかし今月のように一時的な変動はよくあることです。
姉妹サイトの住宅ローン年齢・年収別パーフェクトランキング | 千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは年齢・年収別にマッチする住宅ローンを変動金利も固定金利もミックスしてランキングしています。
以下がそのランキングへのリンクです。
世帯年収(万円) | 年齢 | |||
---|---|---|---|---|
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
400未満 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
400~600 | ||||
600~800 | 30代600~1200 | 40代600~1200 | ||
800~1000 | 20代800以上 | |||
1000~1200 | 50代1000以上 | |||
1200~1500 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
1500~2000 | ||||
2000以上 |
このランキングの上位から複数の金利タイプをミックスして本審査に通しておくことをお勧めしています、これもいわゆる『ポートフォリオ』です。
マイホームを買うときには住宅ローンを組まなくてはいけません。その住宅ローン金利は金融市場の影響をモロに受けます。投資家でもないのにそうした市場の動きに影響を受けてしまうのですよね。
住宅ローンで家を買う人は、まさに数千万円という元本でもって金融市場に参加しているのだ、という心構えでいる必要があるのですよ。
変動か固定か早くから決めずに両方審査を通しておく
基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますのでフラット35はオススメしやすい金利タイプです。
そして、変動金利は今も最低金利ですよね。変動金利の方は日銀が政策金利をゼロ金利政策で抑えている限り、短期的に動くことは無いでしょう。
しかし、今後数年で上がる可能性がありますので、原則として金利が上がる前提で準備をしておかねばなりません。わたし個人としては、今の変動金利の低金利が続くのはおおむね5年程度までではないか?と考えています。
変動金利で借りるならば、上がった時にちゃんと対応できることが条件です。
ギリギリまで粘って有利な方を選択することをお勧めします。
- 2018年6月29日に7月のフラット35の確定金利を更新しました。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
今は変動金利が最低金利を更新していますが、実は団信込みでは固定金利のフラット35も最低水準なのですよね。
現時点で変動か固定かというのは、やはり悩ましいところだと思います。こちらの記事も参考にしてください。
表がちょっとややこしいですが、なんとか分かりやすくなるように工夫しました。
フラット35の金利が下がるということは、金利変動リスクを固定する保険料がその分値引きになるということです。
変動金利と固定(フラット35)の両方で審査を出しておいて翌月のフラット35の金利予想を見て「保険料」を算定し、最終変動か固定かを決定するのが王道です。
2018年6月20日
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