2018年6月のフラット35金利は1.37%に上昇←確定
どうも千日です。18日に2018年6月のフラット35の金利のもとになる機構債の表面利率が発表されました。
発表された機構債の表面利率は0.42%と前月から0.02%上昇で、フラット35の2018年6月金利も同じく0.02%上昇と予想されます。
本日、確定しました。20年以下は0.01%の上昇におさえられたようです。
フラット35 6月確定 |
団信込み | 団信抜き |
10年~20年 | 1.31% | 1.11% |
21年~35年 | 1.37% | 1.17% |
ちなみに5月の実績は以下のとおりでした。
フラット35 5月実績 |
団信込み | 団信抜き |
10年~20年 | 1.30% | 1.10% |
21年~35年 | 1.35% | 1.15% |
今後のフラット35を予測する上でのポイントはやはりアメリカの長期金利ですが、朝鮮半島情勢については5月に南北主脳会談が行われ、6月には米朝首脳会談が予定されています。
長期金利と機構債の表面利率の関係
フラット35は民間金融機関やモーゲージバンクで申込をしますが、実質的に融資をしているのは住宅金融支援機構という国の機関です。そして、住宅金融支援機構は投資家に機構債を販売してフラット35の資金を調達しています。
なので、フラット35の金利は投資家達が長期の安全資産に投資するときの金利=市場の長期金利の影響をモロに受けるのですね。その長期金利の指標となる新発10年国債利回りの推移と機構債の表面利率の推移を並べてみましょう。
直近の10年国債利回りと機構債表面利率の関係
年月 | 10年国債利回り | 機構債表面利率 |
2016年5月 | -0.134% | 0.34% |
2016年6月 | -0.102% | 0.36% |
2016年7月 | -0.208% | 0.23% |
2016年8月 | -0.229% | 0.19% |
2016年9月 | -0.084% | 0.33% |
2016年10月 | -0.040% | 0.37% |
2016年11月 | -0.056% | 0.34% |
2016年12月 | 0.013% | 0.41% |
2017年1月 | 0.076% | 0.48% |
2017年2月 | 0.065% | 0.46% |
2017年3月 | 0.093% | 0.47% |
2017年4月 | 0.071% | 0.46% |
2017年5月 | 0.014% | 0.40% |
2017年6月 | 0.048% | 0.43% |
2017年7月 | 0.050% | 0.44% |
2017年8月 | 0.074% | 0.46% |
2017年9月 | 0.043% | 0.42% |
2017年10月 | 0.035% | 0.42% |
2017年11月 | 0.064% | 0.43% |
2017年12月 | 0.025% | 0.40% |
2018年1月 | 0.045% | 0.42% |
2018年2月 | 0.079% | 0.46% |
2018年3月 | 0.060% | 0.42% |
2018年4月 | 0.045% | 0.40% |
2018年5月 | 0.035% | 0.40% |
2018年6月 | 0.060% | 0.42% |
(注)年月は対象のフラット35の適用金利なので、時点としては前月の20日前後の金利です。例えば2018年6月のフラット35に対応する機構債の表面利率の発表は5月18日ですので、2018年6月には5月17日終値の金利を書いています。
- 長期金利は前月から0.025%上がった、
- これに対して機構債は0.02%上がったということです。
長期金利と機構債の足並みがちょうどそろった感じですね。2018年3月と同じ水準です。
機構債が実際に投資家に販売されるのは5月25日が予定ですので、今日から25日までに材料視されるような事象は起きないだろうという市場の予想を反映したものだと思います。
最近の長期金利(新発10年国債利回り)の動向
直前の長期金利(新発10年国債利回り)は以下のように上がったり下がったりですが、直近では右肩上がりになっていますね。
特に最近の上昇は、アメリカ長期金利の上昇を反映したものだといわれてます。
- 米経済指標が良好
- 原油高
主な要因はこの二つで、米金利の上昇に弾みが付き、米10年債利回りは5月18日には一時3.126%と2011年7月以来の水準まで上昇しました。
- アメリカの金利が上がると、ドルで運用した方が儲かる。
こういうことから、円を売ってドルを買う動きが起きたのだと言われてます。これ「低金利通貨を借り入れて高金利通貨で運用する」キャリートレードという金利のセオリーに則った動きです。
市場関係者によると、従来のドルは機を見て売ることを目的として買うスタンスが大勢を占めていましたが、最近は「ドル買い」にかわってきているそうです。
政治リスクから金利差へ関心が戻ってきた
先の市場関係者の話を金利にフォーカスして読み解くと、今までとは金利の水準感が変わってきているようです。
今週は米金利が3%の大台に乗ったことが取り沙汰されて為替や株式相場に影響しましたが、今後は米金利の水準は3%がデフォだという感覚に変わってきているんですね。
そして市場も、地政学リスクや政治よりも金利差に注目して動くようになってきているようです。
その傾向は、先月のアメリカによるシリア攻撃からも顕著になってきていました。
攻撃がさらに激化し長期化することはなくてこの一回きりの攻撃とみられ、市場は楽観的です。懸念された急速な円高には振れず、金利はむしろ上がってるんですね。
【金利予想】フラット35の2018年5月金利は横ばい1.35%でしょう←確定~安倍氏の3選に暗雲 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える
発生した事象そのものは緊張を促すものです。経験則としても軍事行動が起きたタイミングは相場の転換点になりやすいと言えます。しかし、動きは鈍い。
市場が市場は政治リスクよりも金利差に注目するようになってきているというのはこうした動きからも見て取れます。
米朝首脳会談の影響も限定的か?
トランプ大統領は北朝鮮が主脳会談中止を示唆したことについて「展開を見る必要がある」とコメントしており、このくらいは想定内の反応であると受け止めているようですね。
そもそもの発端は、北朝鮮の非核化を段階的でなく一気にすすめる「リビア方式」を主張したボルトン大統領補佐官の発言に対するけん制です。
いずれにしても、トランプ大統領としては会談の席に着く構えを崩していません。
アメリカのスタンスとしては「会談の実現についてはやぶさかではない、相手が拒否する場合は最大限の圧力を継続するまで。」というもので、北朝鮮に効果的にプレッシャーをかけることに成功しています。
北朝鮮とアメリカの非核化の認識のズレは折り込み済み
- アメリカ:北朝鮮の核兵器をC(完全に)V(検証可能な方法で)I(不可逆的に)D(解体)しよう
- 北朝鮮:朝鮮半島からのアメリカの撤退を含む朝鮮半島全域を非核化しよう
かみ合っていないことは、周知の事実です。
なので、北朝鮮が瀬戸際外交で卓袱台返しをチラつかせることは、アメリカとしても想定内ですし、北朝鮮側も相手が想定してるだろうと思いながらやってるんです。
南北主脳会談がそうであったように、劇的な進展は見られないかもしれませんが、悪い方向にもいかないように思います。市場も今のところは静観している感じですよね。
フラット35の金利は国が操作している
フラット35は国民の住宅金融の円滑化のために国政として行う事業であり、低金利に安定しやすいことから、2018年におすすめする住宅ローンのベスト3の一つです。
①国が操作し金利上昇を緩和させるフラット35
②価格競争の目玉で低金利が続くメガバンクorネット銀行の変動金利
③申込日~実行日までで一番低い金利が適用される地銀や信金の当初固定金利
2018年下半期の金利動向に翻弄されない住宅ローンはフラット35+メガ/ネット変動+地銀信金当初固定 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える
この記事を読んでいる方はフラット35の金利動向に注視している人だと思います。フラット35を軸に考えるのは正解だと思います。
2018年のフラット35の金利は1.38%前後で推移するという予測
千日の分析によると、今のところ国はフラット35の金利(団信0.28%込み)で1.38%に抑えたいと考えていると見込んでいます。
2017年10月の申込からは団信保険料0.28%が金利に込みになっています。それ以前の長期金利の推移とフラット35(団信抜き)の金利推移をみるとそれが見えてきます。
家を買うときに「お金で損したくない人」が読む本で固定金利について1.38%という前提でシミュレーションしているのはそうした理由です。
詳しくは2018年以降のフラット35の金利を予測している記事で詳しく書いていますので、まだ読んだことのない方は読んでみてください。
2018年に入ってからのフラット35の金利推移は以下のようになってます。
2018年 | 21~35年 |
1月 | 1.36% |
2月 | 1.40% |
3月 | 1.36% |
4月 | 1.35% |
5月 | 1.35% |
6月 | 1.37% |
今のところ、なぞったかのようにこの予想通りに進んでいる感じですよね。
複数の金利タイプで審査を通しておきましょう
住宅ローンは実行月によってこれだけ金利が変化することがあります。予め異なる金利タイプで本審査を通しておけば直前になってから慌てることは無いですね。
変動金利や3年固定などの短期の固定金利でも審査を通しておく
基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますので、フラット35はオススメしやすい金利タイプです。
しかし今月のように一時的な変動はよくあることです。
姉妹サイトの住宅ローン年齢・年収別パーフェクトランキング | 千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは年齢・年収別にマッチする住宅ローンを変動金利も固定金利もミックスしてランキングしています。
以下がそのランキングへのリンクです。
世帯年収(万円) | 年齢 | |||
---|---|---|---|---|
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
400未満 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
400~600 | ||||
600~800 | 30代600~1200 | 40代600~1200 | ||
800~1000 | 20代800以上 | |||
1000~1200 | 50代1000以上 | |||
1200~1500 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
1500~2000 | ||||
2000以上 |
このランキングの上位から複数の金利タイプをミックスして本審査に通しておくことをお勧めしています、これもいわゆる『ポートフォリオ』です。
マイホームを買うときには住宅ローンを組まなくてはいけません。その住宅ローン金利は金融市場の影響をモロに受けます。投資家でもないのにそうした市場の動きに影響を受けてしまうのですよね。
住宅ローンで家を買う人は、まさに数千万円という元本でもって金融市場に参加しているのだ、という心構えでいる必要があるのですよ。
基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますのでフラット35はオススメしやすい金利タイプです。
そして、変動金利は今も最低金利ですよね。変動金利の方は日銀が政策金利をゼロ金利政策で抑えている限り、短期的に動くことは無いでしょう。
しかし、今後数年で上がる可能性がありますので、原則として金利が上がる前提で準備をしておかねばなりません。わたし個人としては、今の変動金利の低金利が続くのはおおむね5年程度までではないか?と考えています。
変動金利で借りるならば、上がった時にちゃんと対応できることが条件です。
ギリギリまで粘って有利な方を選択することをお勧めします。
- 2018年5月30日に金利が確定したので更新しました。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
昨日の記事にブクマなどで温かい励ましのメッセージ、ありがとうございます。嬉しいです!
昨日はあれから妻に小銭入れを紛失したことをこっぴどく詰められました。私の出張中の出来事で、電話でだったのでかなりマシでした。
それでもきつかった…ちょっとおなかの周りがスッキリした気がしたので今日家に帰って体重を量ったら、家を出る前は70キロの大台を超えてしまっていたのが、68.6キロに減ってる…!
2018年5月19日
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