なんでその家なのか?自分にウソはついていませんか?
どうも千日です。私のブログは家が欲しいと決めた人に、その道具を与えるブログです。
本当にその家でいいの?
そもそも、家って要るの?
その答えは各々自分の中にしか無いと思っています。
しかし、家探しをするうちに我々は自分にウソをつき始めます。
自分が買える範囲の値段で思い描くような理想の家を建てられるわけがないですもんね。
自分についたウソは、相手が自分であるだけに、見破るのが難しいです。
今日は私が利用しているブログサービスで交流のあるid:cildさんに寄稿をお願いしました。今回チルドさんに書いてもらったのは、他でもない、自分の内なる声に対してケタ外れに正直な人で、それを言葉に乗せるセンスがピカイチな書き手だからです。
語り口は訥々としていますが、心に刺さる鋭利さを持っています。彼の文章が自分の本当の声に耳を傾けるためのヒントになればうれしいです。
では、どうぞ。
閑静な住宅街の庭付き一戸建てからこんにちは
「千日のブログ」をご覧のみなさんこんにちは。
今ちょっと、お風呂から上がったばかりだから、こんな格好で申し訳ないね。
ところで、みんなはどんな家に住んでるのかな。ちなみに僕は、閑静な住宅街にある、庭付きの一戸建てに住んでるよ。やっぱり6000万円のお家は快適だな。ごらんよ。この開放的な空間と、重厚な家具の数々。
お宅は、賃貸マンション?
ひとつ質問してもいいかな。酸素足りてる? いや、マンションってのは、結局のところ、上下左右をペラペラの壁一枚で仕切られてるじゃない。そんな馬小屋のようなところでは、息が詰まってしまうんじゃないかと、そう思ってね。ははは。
いや、すまない。実はこの家は僕の彼女の持ち物なんだよ。本当の僕は、家賃3万円で1Kのアパートに住んでいる。
僕はやっぱり、大きな一戸建てより、マンションの方が好きなんだよ。マンションが好きというより、狭いスペースに安心する。
その理由は、たぶん、僕の幼少期の暮らしにある。
母が出て行ってからの木造モルタル2階建ての我が家
僕の両親は、東京に近い、田舎の国道沿いで飲み屋さん(スナック)をしていたんだよ。それは、とても小さな自営業の店さ。
カウンターがあって、テーブル席が2つあって...昭和の木造モルタル2階建てを、店に改造したイメージかな。
そこに、両親と僕と姉の4人住んでいたんだ。
僕が8歳のときだった。
ある日とつぜん、母が消えちゃってね。理由は省くけど、死んじゃいない。生きてるよ。ともかくそれで、父さんは店を閉めて、建築現場で働くようになった。ひとりで僕と姉を育てるためにね。
ところが、悪いことって続くもんだよね。父さんは急性の盲腸になって入院したんだよ。
僕が8歳。姉は9歳だった。
子供2人を、誰も居ない、古びた家に置いておくわけにはいかないよね。でも、父には頼る人もいなくて、僕ら姉弟は、病院の固い床に、寝袋をしいて寝たんだ。
そんなとき、お見舞いに来てくれた、むかしのお店のお客さんが、僕らを預かってくれると言ってくれた。20代だったけど、あの辺では有名な地主(不動産屋)の息子で、とても大きな家に、お嫁さんと、両親と住んでいた。
僕たち姉弟は、そこへ2日だけ泊めてもらうことになった。
垣間見た豪邸暮らしで初めて貧しさを知った
さすがは地主の家だよね。玄関は二階までの吹き抜けで、天井が高くて、大きな梁が伸びていた。奥へ続く廊下には、オレンジの照明が柔らかく灯って、まるでホテルみたいだった 。
夜のご飯は、野菜ばかりで、ちょっと物足りなかったけど、その後のお風呂は、最高に気持ちよかったね。
からだがすっぽり隠れるくらい、大きくてフカフカのバスタオルで、身体をふいてもらって、すごくいい匂いがしたよ。
そして「ここで寝るんだよ」って、通された部屋には、巨大なベッドがあって、綿アメみたいに軽い、フカフカの布団がかけてあった。
僕が「これ、どうなってるの?」って、無邪気に質問したら、それが「羽毛布団」だって教えてくれた。
「鳥の羽根で作ったおふとんだって!」
僕の人生で、テンションのメーターが最高に振り切れた瞬間だったよ。教えてくれた、優しいお婆ちゃんが「今日はここでゆっくり寝なさい」って言って、ドアを閉めて行った。
そこで僕は、さっそくベッドに跳びのって、ピョンピョン飛び跳ねた。さっきから、そうしたくてウズウズしてたんだ。
ところが、そこに姉がとつぜん体当たりしてきた。僕を押さえつけたんだよ。そして「静かに!」と鋭く言った。
僕は、お楽しみを妨げられて不服だった。騒いで迷惑をかけちゃいけないなんて、それくらいのことは、僕にもわかってるよ。でも、ちょっとくらい浮かれたっていいじゃないか。
そう思って、文句を言おうとしたら、姉は、恥にまみれた目で、くちびるを噛んでいた。その顔を見たら、急に、散らかってゴミ箱みたいな、狭い自分の家を思い出しちゃってね...。
さっきまでのテンションが急降下しちゃったよ。気持ちがシュンとね、萎えてしまったんだ。
ここは僕の家じゃない。こんな立派で住みよい、心地のよい家は、僕らには場違いなんだな。そんなふうに思ったのを、今でも鮮明に覚えているよ。
ぼくと家族と家の原体験
ごめんね。湿っぽい話しちゃって...
ともかく、そんな感じで、僕が狭い部屋で暮らすと安心するのは、これが原体験になっているんだよ。
立派な家や、大きなお風呂、フカフカのベッド。そこは、僕が住んではいけないところ。望んではいけない贅沢。そんな貧しさが、染みついちゃったんだ。
そのあと、父は、すべてを手放して、僕ら姉弟を連れて、九州の実家に帰ったんだよ。
それから姉は、ものすごい反抗期になってしまってね。一方の僕は、どんどん内向的になってしまった。
でも、人間ってちゃんと直るんだよ。
あれから30年、姉は2人の子供のお母さんになった。父さんとも仲良いよ。僕は、子供いないけど、前科もなく愉快にやっているよ。
今でもやっぱり大きい家は苦手
そんな感じで、僕は今でも大きい家は苦手なんだよ。狭くて天井が低い方が落ち着くね。
家って、資産であり、豊かさの象徴であり、また、ある人にとっては、家族が帰ってくるところ、安心できるところだったりするのかな。
僕にとっては、トラウマだったけど、それはもう過ぎ去った過去。今は、彼女とくつろげる穏やかな場所だよ。
もしも僕が家を建てるとしたら、シンプルでモノが無くて、床は無垢のフローリングがいいな。キッチンは真っ白。そんな家を作りたい。
みんなも、これからお家作るのかな。それなら、家を作る前に、良い家族を作ると良いよ。
結局のところ、家に住むのは家族だからね。
《あとがき》
家選び、家作りで後から失敗したなーという話はほぼ絶対と言って良いほどあるんですよ。そういう人の話を聞いていると、大抵自分の内の声に十分耳を傾けていなかったことが原因じゃないかと思うことが多いです。
よくこんな反省を見聞きしますよね。
よく考えたら、こんな設備要らなかったわ。
カタログ見て良いと思ったけど、全然使ってないわ。
こうした2次情報というんでしょうか。口コミは確かにその人の偽らざる本音かもしれませんが、自分にとってどうなのか?は全く別物だと思います。
やっぱり、答えは自分の内にしか無いんです。
2017年11月12日
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