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【金利予想】2017年3月フラット35 の金利予想は2月後半 これまでの金利推移と今後の予測方針

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2017年3月の住宅ローンフラット35の金利はどうなる?

どうも千日です。2017年2月のフラット35の金利は以下のように0.02から0.03%下がりましたね。()内は2017年1月金利です。

  • 15年から20年 0.99%(1.02%)
  • 21年から35 年1.10%(1.12%)

 2017年3月に物件の引渡しと住宅ローンの実行を控えている方々にとっては3月の金利が下がるのか?上がるのか?というのが目下の関心事です。

しかし、次回のフラット35の金利は第118回住宅金融支援機構債券の条件決定日は未公表です。辛うじて発行額の決定が13日に予定されているのみです。

次回債情報(月次):住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫) 

これは、なかなか珍しい事ですね。これまではだいたいの条件決定日の目安をホームページで予告していたのですが…

  • こんな目と鼻の先の金利の決定日ですら、住宅金融支援機構が予定を公表出来ない。

f:id:sennich:20170201190937j:plain

推して知るべし、3月の住宅ローン金利の動向の不透明さ、です。例年は20日前後に条件を公表していたのですが、3〜4日遅れるかもしれませんね。

今日は皆が注目している3月のフラット35の適用金利の読み方と、住宅ローンの戦略についてです。

では始めます。

 

目次

フラット35金利の2月までの推移を分析

最近のフラット35の金利推移を見てみましょう。未来のことは誰にも分かりませんけど、今の位置を知ることは重要です。

今。自分はどこにいるのか?

こういうマッピングをしたうえで、将来の方針を決めるのが千日流です。

2016年後半のフラット35の金利推移は機構債表面利率+0.69%

以下は、フラット35(21年〜35 年)の金利推移と前月発表の機構債の表面利率との関係を表したものです。

  • 2016年8月0.90%=7月表面0.19%+0.71%
  • 2016年9月1.02%=8月表面0.33%+0.69%
  • 2016年10月1.06%=9月表面0.37%+0.69%
  • 2016年11月1.03%=10月表面0.34%+0.69%
  • 2016年12月1.10%=11月表面0.41%+0.69%

フラット35の金利は、機構債の表面利率に住宅金融支援機構の事務コストと民間取扱金融機関のマージンを足して決まります。

詳しくは金利ラボ | 千日の住宅ローン無料相談ドットコムをご一読ください。

表面利率との差(住宅金融支援機構のコストと民間取扱金融機関のマージンの合計)は0.69%で一定でしたので、簡単に翌月のフラット35金利を予想出来たのです。

しかし2017年からそれが一変しました。

2017年初頭のフラット35の金利推移は機構債表面利率+0.64%

  • 2017年1月1.12%=12月表面0.48%+0.64%
  • 2017年2月1.10%=1月表面0.46%+0.64%

トランプ大統領への期待から米国の長期金利が上昇し、その煽りで日本の長期金利までが上がる状況に対して国=日銀としては住宅ローンの金利を上げたくないという意思が働いているのですね。

この仮定によって、千日は2月の金利を的中させました。

ですから、3月のフラット35の金利を予想する上では『日銀が何を考えているのか』というポイントにフォーカスする必要があると思っています。

 

日銀はイールドカーブコントロール政策を継続する

先の日銀会合によってイールドカーブコントロール政策を継続することが決定されましたね。

  • 金融調節方針としては、10年物国債金利の誘導目標を「0%程度」に据え置き、日銀の当座預金の一部に適用する政策金利を「マイナス0.1%」といずれも据え置きました。
  • また国債買い入れのめどである「約80兆円」も維持し、EFT(指数連動型上場投資信託)、J-REIT(不動産投資信託)の買い入れ方針も据え置きました。

前回の日銀会合での方針から変更なし。ということです。前回の日銀会合の主旨についてはこちらの記事で分かりやすく書いてますので、よかったら読んでみてください。

トランプ大統領が日銀の為替政策(ドル高円安に繋がる長期金利の抑制操作)を批判したというニュースが流れていますが、それによって日銀の政策がブレることは無いということです。

トランプ大統領は就任後にメキシコ国境に壁を(本当に)作るだとか、イスラム圏からの入国を一時制限するなど、極端な政策を繰り出していますので、『真に受ける必要はない』というムードがあるのも心強いですね。

こういうムードって大事だなと個人的には思います。

 

2017年3月に向けての主要な金融機関の動向

これに対して民間の金融機関の動向は?というと、各行で対応が分かれているようですね。こういうことも珍しいです。

  • 三菱UFJ銀行は10年固定の金利を0.65%から0.5%に0.15ポイントも引き下げました。
  • 三井住友銀行は10年固定の金利を0.85%から0.75%に引き下げました。

これに対して、みずほ銀行(0.85%)、三井住友信託銀行(0.5%)、りそな銀行(0.9%)は1月から2月にかけて据え置きです。これは、トランプ大統領の政策が次々具体化される中で市場の動向を見極めたいという考えがあるのだと、報道では分析していますね。据え置いた銀行は「見」に入ったということです。

それにしても、三菱UFJ銀行の10年固定の引き下げ幅は強烈ですね!

下げた銀行は勝負に出ている?

こう思われるかもしれません。しかし、3月に集中する住宅ローンの実行に向けて利用者にアピールすることを目的にしているのだと千日は思います。

2月に金利を引き下げても、そんなに引渡件数は無いですから大して影響は無いんですよ。

いざ3月になって引き上げてくる可能性は十分にあり得ます。2017年3月に引渡しと融資実行を控えている人は、この結果を見て安堵されたかもしれませんが『3月になるまでは分からない』と千日は考えています。

ただフラット35については、民間銀行は事務手数料を取るだけですから金利動向の影響を受けるのは機構債の表面利率だけであり、その表面利率は2月中に発表されるというのは我々利用者にとってのメリットですね。

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まとめ~3月のフラット35は上がるか下がるか?

出来れば下がって欲しい、下がらないまでも2月を同じくらいの水準で行って欲しいというのが、利用者の望みでしょう。

日銀の黒田総裁はトランプ大統領の政策について『一般的に減税やインフラ投資などでは経済成長を押し上げる方向に働くが、保護主義的な政策は世界貿易を縮小させたり世界経済を減速させたりする懸念がある』と指摘しています。

長期金利の上昇が一服しているのは、そういった懸念が市場に生まれていることの現れかもしれません。

下のグラフはアメリカの長期金利の推移です。年明けから下がってきてますよね。

f:id:sennich:20170201185139j:image

アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回り

アメリカの長期金利の煽りで上がっていた日本の長期金利も小康状態になってきています。

これまでのところ、トランプ氏の動きは対外的に保護主義的な面が強く押し出されていますが、減税やインフラ投資についてセンセーショナルな政策が飛び出した場合は、急激に市場が反応する可能性もあります。

長期金利の急激な上昇は住宅ローンの金利上昇に直結します。2月に入ってからのトランプ政策の動向に注視しましょう。

  • 2018年4月1日に三菱東京UFJ銀行が三菱UFJ銀行に行名を変更したのに伴い行名を更新しました。

 

以上、千日のブログでした。

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