後悔しないジョジョの主人公たち
どうも千日です。
今回はジョジョの奇妙な冒険 第5部の名言名セリフと名場面が示唆する絶対に後悔しない人生の決断について書いてみようと思います。
この『大人のジョジョシリーズ』が良い感じにシリーズっぽくなって来ました。図らずも一回目が前書きのような位置づけになってます。
人生の岐路に立った時は誰もが悩みます
『本当にこれで良いのか?』悩みに悩みますが、人生は一つです。必ずどちらかを選ばなくてはなりません。
そして、選ばなかったもう一方の人生を知ることは出来ないのです。
誰もが思います、
『後悔しない決断をしたい』と
では、始めます。
まず動機=モチベーションからお話しします
主人公のジョルノ•ジョバァーナはマフィアのトップになるために、その組織の構成員であるブチャラティを仲間にし、真の目的を隠し、組織に新人として迎えられました。
ブチャラティには既に4人の部下がおり、主人公は5人目の部下という名目で仲間に入ります。この時点で4人はまだジョルノ•ジョバァーナとブチャラティの真の目的を知りません。
主人公の参加によってそのポテンシャルを上げたブチャラティのグループは、ボスからの信頼を得てある重要な任務を命じられます。
それはボスにとってある『重要なもの』を組織内の『裏切り者』から護り、ボスに届けるという任務です。
裏切り者から命を狙われるとても危険な任務ですが、他の4人の部下もまた強いモチベーションを維持してこれをやり遂げます。
4人の部下の動機=モチベーションの源泉
それは
- ブチャラティに対する恩義(筋)
- 出世欲(アメ)
- ボスへの恐怖(ムチ)
です。
1.恩を返すという筋
恩人であるブチャラティに恩を返す
4人の部下達には、それぞれに暗い過去があり、ブチャラティに拾われることで自分の人生を取り戻したというバックボーンがありました。
2.出世欲というアメ
ブチャラティを出世させて、自分を引き上げてもらいたい
また、ブチャラティは直属の上司でありブチャラティの組織内での出世は、すなわち4人の部下達の出世にも繋がります。
3.ボスへの恐怖というムチ
任務の失敗は死を意味する
ボスは冷酷な男として有名であり、この任務に失敗するということは、すなわち彼らの死を意味するものでした。
物語前半の彼らに選択の余地はありません
前に進む以外に生きる道は無く、成功すれば高い地位と大きな富がもたらされるのです。運命共同体として、一枚岩で幾多の苦難を乗り越えて行きます。
そりゃあこのような状況に置かれたら誰でも共通の目的に向かってこれ以上無い動機=モチベーションを発揮するでしょうね。
そして物語は中盤の佳境を迎えます
大きな転換をもたらすブチャラティのセリフです。ここは中盤ながらシリーズの中でもかなりの上位になると思われる名場面です。
『オレがボスを裏切った』
物語の序盤にブチャラティが主人公のジョルノ•ジョバァーナと仲間になった時点でいずれボスを裏切ることは決まっていたことなので、ネタバレではありません。
動機=モチベーションの崩壊
まず動機=モチベーションがどう変化したかというと
- 恩を返すという筋は辛うじて残るが、しかし…
- 出世の見込みは無くなる
- このままブチャラティに着いて行くと『裏切り者』として命を狙われる
と、物語の前半で彼らをかきたててきた動機=モチベーションがことごとく崩れます。もはや彼らがブチャラティについていく『理由』は無くなりました。
また
ブチャラティは驚く彼らにこう言い放ちます。
『お前達とはここで別れるッ!これからお前達がオレと一緒に行動すれば、同じ『裏切り者』になってしまうからだ!』
ブチャラティは優しい男です。直感的な判断では部下を巻き込むことを良しとしませんでした。理由を語らず彼らから離れようとします。
主人公 ジョルノ•ジョバァーナが示唆する選択肢の存在
ここで主人公のジョルノ•ジョバァーナはある重要な提案をします。名セリフです。
『僕は説明すべきだと思う。あなたに「ついて来る者」がいるかも知れない』
ボスを裏切る理由を明らかにし、部下達に自分の意思で選択させようというのです。
目的の達成には味方が必要です。ジョルノ•ジョバァーナは目的に忠実な男なのです。作中でしばしば主人公が口にする『ジョルノ•ジョバァーナには夢がある』という名セリフにも現れています。
決断することの難しさ
この決断は会社を辞めるか残るかという決断に少し似ています。
もちろん命を取られることはありませんが、会社を辞めたその日から生活の基盤となる月給が入って来なくなります。
転職先が決まっていたとしても、そこに働くまでは本当の所は分からない。転職先での仕事が自分のキャリアにプラスにならずステップダウンになるかもしれない。
繰り返しとなりますが、選ばなかった方の結果を知ることは出来ないのです。
彼らの条件はさらに不利です
今までは『裏切り者』とだけ戦えば良かったですし、組織のバックアップもありました。
しかしブチャラティに付けば、自らが『裏切り者』として組織から狙われる上に、ある理由から今まで敵であった他の『裏切り者』もまた彼らを狙うのです。
道程はより過酷さを増すことは分かっており、事実そうなりました。
過酷な方も選択肢になりうる
「マンガだから」という一言で片付けるのは簡単です。
皆始めはブチャラティから離れようとしますが、ボスを裏切る理由を聞いたことで何人かがブチャラティと共にボスを裏切ることを決断します。
なぜ後悔しないのか?
彼らはギャングです、聖人君子ではありません。
自分の最も深い所から聞こえる『内なる声』に従ったからだと千日は考えます。具体的に書くとネタバレになるので興味のある方は本編で確認してください。
- ある者は過去に犯した過ちの悔恨を二度と繰り返さないために
- ある者は生来の楽観主義から、より大きなリスクとリターンを愛好し
- ある者は最も信頼すべき相手に裏切られた傷のために
それぞれが
- 善悪とは関係なく
- 損得とも関係なく(一人を除く)
- 極めて個人的な
心の奥底にある『自分自身の声』に従ったからです。このような決断については、どのような結果であっても決断に対する後悔はありえません。
選ばなかった方の選択は自分的にあり得ないからです。
決断=決めて断つことができるほど自分の声に耳を傾ける
ということなのでしょう。彼らはここで決断した事を『最後まで』後悔することはありませんでした。
また彼らの中にはこの場面で去る者も居ますが、後に思い直して戻って来ることもありませんでした。
これを境としてブチャラティのグループは運命共同体からさらにステップアップして強い動機を持つ個人の集まりに進化するのです。
物語の前半の彼らは外的に作られた動機によって動かされ、後半は各々の内側から生まれた動機に動かされました。
後悔の入り込む余地などありません
ジョジョの奇妙な冒険 第5部は読み方によっては大人になってからの方がより味わい深いです。また思いのほか長くなってしまいました。最後まで読んでいただきありがとうございます。
以上、千日のブログでした。
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