出産後の妻をイライラさせていたのは旦那ではなく『母性』だった
- 子供が生まれる前までは気の合う夫婦だったのに、出産を境として夫の一挙手一投足にイライラするようになった。
-
夫が子供の世話をやってくれるのは感謝したいんだけど、やり方が危なかしくて見てられない。
-
夫は子育てに消極的だし相談にも乗ってくれない。
なので最近は夫婦の会話も無くなってきた。
-
なぜこんなにイライラするのか分からない。
-
手伝ってくれたことに感謝はしているのだけど、モタついたりしているのを見ると、自分でやった方がマシだと思ってしまう。
産後クライシスとホルモン
イライラが直接の原因とは限りませんが、子供が小さいうちに離婚してしまうカップルが増えていて社会問題となっています。
なんでも、離婚カップルを対象とした調査では、子供の年齢が0歳から2歳までに離婚した夫婦が最も多く、子供の年齢が上がっていくに従い、離婚者数は減っていくという結果が出たそうですから。
そして皮肉なことに、出産後の妻をイライラさせているのは『母性』を司ると言われるオキシトシンというホルモンの働きだったんです。
オキシトシンのA面とB面
オキシトシンは別名「愛情ホルモン」、「絆ホルモン」とも呼ばれ、分娩中に大量に分泌されて陣痛を促し、赤ちゃんを押し出すように作用することで知られています。
また授乳中の母親と赤ちゃんからも大量に分泌されて脳に働きかけ、母子の絆を深める作用もあると言われます。
これがオキシトシンのA面ですが、最近の研究で母親の攻撃性を高めてしまうという作用があることが分かりました。これがイライラの原因では?ということなんですね。だからね、イライラしたっていいんですよ。そういうもんです。
攻撃性が高まるのは『母として、生まれたばかりの赤ちゃんを守るためだ』という解釈もあります。逆にイライラしないってことはオキシトシンも少ないわけですよね。
オキシトシンは女性を母にするホルモンだということです。
母性と攻撃性は表裏一体
意外にも母性と攻撃性は表裏一体でどちらも必要なものだったんですね。
母性は子供を慈しみ護る、優しいお母さんのイメージですよね、いわばA面です。
母性には外敵を排除し子供を守る強い母の側面もあるんですが、それが夫にイライラするというB面として発現してしまいがちなのです。
子供の父親はもちろん外敵ではありませんがホルモンの働きによって攻撃的になった母親の恰好のターゲットになりやすいんですよ。なにしろ一緒に住んでますから、攻撃の機会も多いです。
もちろん、父親が味方であることは理性では分かっています。しかし、子供の父親は自分と血を分けた訳ではありません。
「所詮は他人」とはよく言ったもので、母子の親密な関係の中に割って入って来る異分子にもなり得る。だから夫にイライラし、キツイ言葉で責めてしまうんです。
イライラしている原因は夫ではないんですよ。
女性は生まれつき母になるのではなく、子供との触れ合いを通して少しずつ脳の働きが変化し、お母さんになるんだという研究者もいます。
イライラは女性の脳が母親のそれに変化するにあたって、避けて通れない成長痛のようなものなのかもしれませんね。
イライラと上手く付き合うにはどうしたら良いか?に答えます
子育ては、母親だけの仕事じゃありません。それに、子供が小さいうちは単純に重労働です。夫婦で協力してやりたいですよね。
夫にイライラせず、協力して子育てをする。
イライラの原因がホルモンの働きだという事が分かると、これがいかに難しい事か、ということがかえって良く分かると思います。
それこそが一つ目の狙いです。
もしも、イライラが母性を司るホルモンの働きだと認識する前なら、自分がイライラしている時、こんな風に思ってしまうんじゃないでしょうか?
-
子育てを夫婦で協力して出来ないなんて、自分達が夫婦になったのは失敗だったんじゃないか?
-
こんなに夫にイライラするということは、もう自分は夫を愛していないんだろうか?
旦那さんもまた、同じように考えているのかも知れませんよね。
-
手伝いたいのに、ちょっとモタついたり、やり方か違っていたら強く責められる、これは手を出さない方が良い…
-
妻はもう自分を愛してはいないんだろうか…
もちろん、そういうことでは無いことは前に述べたとおりです。親になったばかりの夫婦が円満に協力して子育てをするというのは、元々難しいものなんだということが分かれば、だいぶ心が軽くなると思いますよ。
オキシトシンを攻撃性ではなく愛情の方向に働かせる
オキシトシンはイライラを強める作用があることは述べたとおりですが、もともと愛情を強める働きがあるんです。
つまり、イライラ=攻撃性が強いということは、すなわち、愛情が深いということでもあります。
夫婦の関係性において、愛情の方向にオキシトシンを働かせれば、産後クライシスを乗り越えることが出来るでしょう。
-
実際に子育てを分担して妻の負担を減らす
-
夫が妻と目線を合わせて、辛さを理解し共感する
1.家事や子育てを分担して肉体的な疲労の軽減を図ること
直接的に疲労の軽減を図れるのは、家事や子育ての分担ですね。それに、夫が協力的でないと確実に攻撃の対象となります。
一方で、家事が得意な男は少ないです、やり方も自分とは違います。これを見てかえってイライラしてしまうということもあるでしょう。
必要な事ですが、それだけではダメです。
2.夫が育児の悩みに真剣に向き合い共感する
精神的なケアとしては、これかなと思います。一般的に男は共感が苦手です。例えば妻が夫に育児の悩みを相談したとします。
殆どの男はここで黙ります。
男っていうのは、頭を使っている時は黙るんですよ。
つまり、妻の育児の悩みに対して、どうすればいいか?その『解決策』を頭の中で考えているんです。
しかし、子育てをお手伝い程度しかしていない夫にとって、その解決策を出すことはなかなか難しいんですよね。
- 黙って考える⇒答えが出ない⇒黙ったまま考えるのをやめる
こんな感じになってませんか?それでは妻は『無視された』『流された』と思ってさらにイライラを募らせていくでしょう。
では、答えればいいのかというと、そうとも限りません。
- 黙って考える⇒答えが出ない⇒『わからない』と回答する
これも、50歩100歩ですね。妻は『辛さを分かってくれない』と感じるでしょう。
解決策を提案するよりも、辛さに寄り添うことの方が大切なんです。
だいたい、夫から子育ての悩みを解決する名案が出てくるわけがないんです。仮にそれが名案だったところで、ストレスとホルモンの働きでイライラしている妻の心は救われません。
妻の辛い状況を理解し、共感し、感謝する。
話を聞く時の夫のそういう基本的な姿勢が必要なんだと思いますよ。しかし、男にはそれを男に分かる言葉で言わないと分かりません。手前みそですが、まずこのブログを夫に読ませるのが一番間違いないです。
千日は男ですから。このブログの記事は男の言葉で書かれています。もしかしたらこれを読んで『夫に言いたいことと、ちょっと違うな』と思われているかもしれません。
でも、これが男にはわかりやすい表現なんです。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
千日のブログでは、役に立つ話、まあそこそこ役に立つ話、役に立たない話、色々と取り揃えています。
また随時お題を募集しています。メールやコメントでお寄せください。
お題を下さい千日に きっと誰かの役に立ちます - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える
基本どんなテーマでも喜んで書きますよ(-_^)
2016年8月21日
昭和47年生まれのカテゴリー記事一覧
お勧め記事