巻き戻せない時間に込み上げる
どうも千日です。『振り子』というのはお笑いタレントの鉄拳さんが描いたパラパラマンガ作品の一つです。愚かな男の話です。
こうなってはいけない、でもこうなっている自分に気付かされます。
マンガでも映画でも、妻は分かりやすく真っ直ぐ献身的に夫を支え、夫は分かりやすく呑んだくれ女を作り家庭をないがしろにします。
運が悪かったと言えばそれまでの話です。
自分達の振り子も動いている
妻は飲んで朝帰りした私に優しく笑いかけて『お風呂沸いてるよ』なんて言いません、多分。恐ろしくてやった事が無いから多分、という事です。
収入が減れば『お金が無くても二人で頑張ればいいじゃない』なんて言いません、私の無能さを上司以上にハッキリと言葉にして責め立てます。
そんな夫婦ですが、妻は私を頼りにしています、多分。聞いた事が無いから多分、という事です。
パラパラマンガでラストを知っていましたが、出張先の接待でしこたま飲んだ後のホテルのテレビの前で呆然としました。
男が振り子を止めようとする所でいつも込み上げます
パラパラマンガの動画を見るといつも同じ所で込み上げるものがあります。
何故込み上げるのか、今も私と妻の振り子は留まる事なく動き続けている事に気付かされているからだと思っています。
飲んだくれて妻に当たったり、外に女を作ったりしてなくても、自分がその一瞬一瞬を後悔の無いように妻を大事に出来ていないという自覚があるからです。
振り子の動きは時間です。
楽しい時
辛い時
楽しくも辛くも無い時
自分にとってどんな時かに関わりなく、振り子は一定のペースで時を進めていきます。当たり前の事過ぎて、人はそれを意識しません。
それを意識するのは、時間を巻き戻したいと心から望んだ時です。
楽しい時
辛い時
楽しくも辛くも無い時
それらが全て、等しく、かけがえの無い時間だった事に気付きます。
男が振り子の動きを止めようと全身の力を振り絞って耐える姿には、彼の後悔の大きさが表れています。その姿に込み上げる千日もまた、その男と大して変わらない悔いを抱えている。
冒頭で『愚かな男』と言いましたが、それは自分自身に向けた言葉でもあります。
昨日の夜、出張先の接待でベロベロに酔っ払い、ビジネスホテルのテレビでたまたまやっていた映画『振り子』を観た後、妻に電話をかけました。
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
最近、あることがきっかけで妻の存在の大きさを実感する出来事に遭遇しました。
こんなエントリーを書きましたが、やはり妻を失うことは恐ろしいです。
想定することと、実際にそうなることとは、全然違うんです。
2016年8月14日
お勧め記事
昭和47年生まれの独白カテゴリー記事一覧