会社を辞めてからしばらくは、人に会うのが嫌でしょうがなかった
千日が無職時代にやってたアルバイトの話です。会社を辞めてしばらくの間は、人に会うのが嫌でしょうがなかったです。
若気の勢いで仕事を辞めて1年経ち2年経ち、当時の私はとにかく自分を知っている人に会うのを避けました。
社会との繋がりが圧倒的にない焦燥感。でも人に会うのが辛い。人に会いたくない。勉強のために通っていた専門学校も休みがちになりました。行くとイヤな視線を感じるんです、誰も見てないんですけどね。
そんな時にやって良かったのがアンケート調査員のアルバイトでした
知らない人にアンケートの協力をお願いする、アンケート調査員のアルバイトの実態•給料•ノルマ•メリットデメリットをまとめてみました。
- ほほ単独行動で人間関係が無い
- 日給は1万円前後、直行直帰
- ノルマは無い事が多い。ある方が実は美味しい
- 普通な外見がむしろ有利
- 初めの人に声をかける度胸と根気
1.人間関係の煩わしさが無い
アンケートは人間を相手するんですがいわゆる職場の人間関係がないんです。基本的に単独で行動して終わったら現地解散というのが良かったです。
アンケートの相手も当然私の事を知らない人で、アンケートの間の僅か2分3分の付き合いです。
2.日給で1万円前後、当日は直行直帰
事前にアンケートについての説明を会社で受けますが、当日は直行直帰が多かったです。仕事の場所はショッピングセンターや大きな駅の構内など様々でその日によって違います。
交通費は出ませんが、日給で1万円前後でした。まあまあ高いです。連続で断られるとヘコみますし、ノルマがある場合は集められないと精神的に辛いのが高い時給の理由だと思います。
しかし、この記事の後半で書いてるコツを掴めばさほど難しくないんですよね。
3.ノルマがある方がむしろ美味しいです
ノルマがある場合、半分の時間でもノルマが終われば日給をゲットして帰れるからです。ノルマが無いという現場もあるらしいですが、集めるコツを掴んでしまえばノルマがある方がありがたいです。
4.外見は『普通』が武器になる
ビジュアル性はむしろ邪魔な位です。警戒されない外見が武器です。同世代の異性よりも子供や動物にモテる、千日のようなタイプにはうってつけでした。
なんだかんだで女性が有利?と思われるかもしれません。実際、やってる人は女性が多かったです。しかし最も早くアンケートを集めるのは男である千日でした。
この前も仲間由紀恵さん似の会社の女性に『千日さん新大阪駅で見かけましたよ』と言われましたが、『行ってねーし…(心の声)』というほど何処にでもいる顔です。
5.度胸と根気が必要
初めの1人に声をかけられたら、後は流れるように声をかけられるようになります。初めて知らない人に声をかけるのはそれなりに度胸が要ります。しかしこちらにはアンケートを取るという大義名分がありますからね。
さすがに連続で断られるとヘコみます。根気も要ります。
マニュアルには無いアンケートのコツ(トーク術)
会社の用意しているマニュアルはトラブル防止の注意事項だけであることが多いです。マニュアルはだいたいこんなトークです。だから誰も足を止めず、心が折れるんです。
すみません、今○○についてのアンケートをしてまして、少しお時間頂けますか?個人情報は…
実際によくこういう声のかけられ方をしますよね。しかし、この声の掛け方は最初から最後まで全部ダメです。
まずは挨拶『こんにちは!』から
すみませんで足を止めてくれるのはごく一部の優しい人だけです。
例文のすみませんの何がダメか?すみませんという日本語はとても便利です。言葉通りの謝罪から感謝、呼びかけ、いろんな場面でオールマイティに使える日本語です。
しかし、街角で知らない人に『すみません』と声をかけられたら誰もが身構えます。相手に『何かお願い事がある』ことが瞬時に分かるからです。嫌だと思えば人は足早に去って行きます。
挨拶されたら挨拶を返す、人類共通のルール
しかし目が合って『こんにちは!』と言われたら、相手は反射的に挨拶を返します。
- 挨拶を返さなくても挨拶を返さなきゃとは考える
- 知らない人だけど知ってる人だったかしら?とも考える
知人から挨拶されてもシカトするツワモノ以外は反射的に足を止めます。8割以上が足を止めます。
今アンケートをしてまして…『それは見りゃ分かるよ』
アンケート調査員はそれと分かるように腕章を着用します。バインダーも持ってるでしょうね。目が合った瞬間に『アンケートっぽいことをしてる』ことは分かります。
相手が恐れるのはその後の展開です。
高額でインチキな商品をしつこく勧められて売りつけられるんじゃないの?
立ち止まった相手にまずこの不安を打ち消す言葉を投げかけます。
何か買って下さいと言うんじゃないんです、2分ほど頂けませんか?
相手は少し安心します。『少なくとも何かを売りつけられることは無い』ことが分かるからです。もし何か売りつけられそうになったら『話が違うでしょ』と言って立ち去る口実が出来るからです。
よっぽどの暇人しか『少しお時間』には納得しない
所用時間は具体的に言います。それも目安の半分位を言います。5分かかるなら2分か3分。10分かかるなら5分です。『少しお時間』というのでは、どれだけかかるか分からないんです。
経験上、そもそも本当に5分10分を争う用事のある人は2分と言われても断ります。逆に協力した人は少し位時間を超過したからといって文句を言うことはありませんでした。
さらに、アンケートを答えたことによる謝礼(無料商品サンプルや商品券)があるならその説明をします。
アンケートの目的や個人情報についてはアンケートに答える意思を示した人だけに説明すれば良いのです。
相手が迷うそぶりを見せたら、真っ直ぐに頭を下げて『よろしくお願いします!』
ここまででかなりの割合の人がアンケートに応じてくれます。しかしそれでもなお、断ったり迷う人が居ます。それは最も難易度が高い30代から40代の男性です。
アンケート調査では対象の性別や年齢層ごとの人数にノルマがあることがあります。中でも一番簡単なのは若い女性で、すぐ集まります。一番難しいのは30歳位から40歳位の男性で、これが最後に残ることになります。
若い女性が簡単というのは語弊がありますね。好奇心が旺盛で柔軟さがあるので、アンケートに気持ちを切り替えてくれやすいんです。
男性はその点柔軟さに欠けます。良く言えば目的に対する集中力が高いのですが…女性の買い物に男性が付き合うのを苦痛に感じるのは、そういう男女の脳の違いによるものだと言われますよね。
話が逸れました。この段階まで来て応じない30代から40代の男性を攻略しなければなりません。こういう時男の千日は少し不利です。
頭を下げる。対男性ではこれが一番効果がありました。よろしくお願いしますと言ってきっちりと頭を下げて静止。迷っている人にはこれが最後の一押しになります。静止がポイントです。
普通の人はその静止状態が続くことに耐えられません。受けるか断るかの2択を自然と迫られ、どちらかというと受けてやろうかという気になります。変態級のドSでない限りは…
まとめに模範トーク例です
こんにちは!
足を止めたらアンケート用紙を見せながら
あの、何か買って下さいというのでは無いです、2分ほど頂けませんか?
アンケートに協力してくれた人にはこの○○を差し上げてます
相手が迷うそぶりを見せたら、すかさず頭を下げて静止。
よろしくお願いします!
たったこれだけでアンケートに答えてくれる人の率が飛躍的に上がります。
元々私は人が好きだったはず
無職になってから、小さなプライドで知ってる人との関わりをなるべく避けるようになったんですけど、元々は人のことが好きだったんだと思うんです。今から思うとイタい男でした。
今日一日、誰とも口をきかなかったなんてことはザラでしたし、食事するのも忘れるほどボーッとしてる日もありました。
アンケート調査のアルバイトは、そんな私に小さいながらも社会や人との繋がりをくれました。コツを掴んだ後は他の人を助けることで、自尊心を取り戻すきっかけにもなりました。
その辺の話については、また機会があれば書きたいと思います。長文にお付き合いありがとうございました。
以上、千日のブログでした。
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