千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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【想定問答集】ブログの確定申告で税務署からお尋ね、電話、調査があったら

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とある税務署職員のつぶやき

俺は千田銅次郎(仮名)。国税調査官の仕事は納税義務者である個人や会社などを訪ねて、適正な申告が行われているかどうかの調査・検査を行うことだ。それに申告に関する指導も行う。

 

ハードボイルドな国税専門官

 
税務署の職員を嫌う人間は多い。不動産業を営んでいた俺の父親もそうだった。俺が家業を継がず国税専門官になると言った時、親父は『お前はもう帰ってくるな』と吐き捨てるように言った。
 
口より先に手が出る親父だった。
 
親父は俺がまだ小学生のころに、滞納で強制執行を受けたことがある。土砂降りの雨の中、父親は執行官の足にすがりついて『これだけは持っていかんでくれ』と懇願していた姿が今も目に焼き付いている。
 
持っていかれたのは、愛車のベンツSクラスだった。知ったことか。
 
俺が職場結婚し孫が生まれてからは、毎年家にやってくるようになった。しかし俺に帰って来いとは言ってこない。まだ引きずっているのかもしれない。親父も俺も、そんな不器用な男なのだ。
 
言っておくが、国税専門官になったのは親父への当てつけなどではない。国税専門官は課税の公平・公正の番人なのだ。俺だって嫌われたくはない、しかし、誰かがやらねばならない。ハードボイルドなのである。
 

国税調査官の仕事

税務調査は通常2人以上で行う。今日の相棒は、最近税務大学校で3か月の基礎研修を終えたばかりの新人だ。しかも女だ。最近は女の国税専門官も増えてきた。平成26年度の採用1,029名中、女性は295名だ。約3割に達しようとしている。
 
不景気なんだろろうか。国税専門官の仕事は激務だ。ほとんどの仕事が相手にとって不愉快なことになる。文句を言われたり、罵倒されたりは日常茶飯事、精神的に追い詰められて仕事を辞めた同僚もいた。
 
俺も新人の頃はキツかった。が、今ではどんな罵倒だろうとBGMを聴くように聞き流せるようになった。
 
この娘、いつまでもつかな…というのが、正直な感想だ。
 
「先輩、今日の調査対象の千日という人のブログ読んだことあります?」
 
「当たり前だ」
 
どうも、ブログを読んだところによると、それなりに税金のことは分かっていそうである。しかし、そういう先入観は調査の邪魔になることを、俺は長年の経験から知っている。
 
「そんな人がこんな事しますかね」
 
「それは、調べてみないと分からん」
 

調査官も人間である

マンションの玄関のベルを鳴らすと出てきたのは、30半ばくらいの女性だった。しかも美人だ。真木よう子似の、ちょっとキツめの大きな目が印象的。まさか千日の正体は女……!?

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ハッキリ言って超タイプである。調査官といえども人間だ。ムカつくやつはボロが出るまで徹底的に調べる。揚げ足も取りまくる。しかしこれだけ美人だと…イカンイカン、税務調査官はハードボイルドなのだ。

と、後ろから冴えない中年男が出てきた。

 

「どうも千日です。こちら妻です。」

 

なんだお前か。

 

なんでお前が。

 
ムカつく。
 
いったん下がった仕事へのモチベーションが鰻上りに上がっていくのを感じる。そうだ、本来はこうあるべきなのだ。通常時より高いモチベーションであることは、相手に悟られないよう、努めてにこやかに挨拶をし、リビングに通された。
 
美人妻がお茶を出してくれたが、調査中ということで、丁重に辞退する。
 
「あの、主人は脱税しているんでしょうか?」
 
だいたいの納税者は誤解しているが、査察(通称マルサ)と調査は違う。査察は裁判官から許可状を得て、悪質な脱税者に対して捜索や差押等の強制調査を行い、刑事罰の告発を行うが、調査はあくまで申告に関する指導なのだ。
 
 

ICレコーダーで録音して密室状態をオープンにする

「奥さん、今回はそういうことではないですよ、ご安心を。では早速よろしいか?」
 
千日の方に向き直って見ると、彼がICレコーダーを取り出しテーブルに置いた。
 
「ちょっと失礼かもしれませんが、ご指導頂いたことを忘れてしまわないように録音させて頂いてもいいですか?」
 
この男、やるではないか。税務調査は密室なのだ。時として素人の納税者は、調査官から言われるがままになってしまうことがある。後から「おかしい」と思って税理士などの専門家に相談しても、どんなやりとりだったかを知識の無い納税者が再現することは困難なのだ。
 
調査官が自分にだけ都合の良いことを言っても、後から言った言わないの話になると納税者側はどうしても不利になる。だから通常は、税務調査に顧問税理士が同席するものだが、顧問税理士がいない場合はICレコーダーで録音するのが次善の策というわけだ。
 
ICレコーダーの音声記録を取るということは、ここでの会話が裁判所や、場合によってはテレビニュースで流れる可能性もあるということであり、密室でなくなるということなのである。
 
これで俺(調査官)はうかつな発言は出来なくなった。心配なのは隣の新人である。余計なことを言わなければいいが…。
 
「もちろん構いませんよ。」
 
と、答えざるをえない。
 
慎重を期し、いきなり本命を突くのではなく、周辺から徐々に攻めていくのが無難だろう。
 
 

アドセンス収入の計上ルールについて

まずは、千日がブログでも『意見が分かれる』と言っていた、アドセンスの収益の計上ルールを攻めてみることにした。
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「Googleアドセンスの計上ルールなんですが、12月までの売り上げが決まっていても、8千円に満たなかったら収益にしないってのはどうでしょうかね?実際にはちゃんと後で支払われるわけですから、ほぼ12月までに確定していると言っていいんじゃないですか?」
 
「ええ、そうですね。しかし、私は今回の申告では12月分確定分まで入れて申告してますよ?8千円以上でしたし、1月にちゃんと支払われましたから」
 
確かにその通りだ。しかし、そこが問題ではない。
 
「仮に、8千円に満たなかったら収益にしない理由をお聞かせ願いたいんです」
 
これでボロが出るかもしれない。考え方に間違いがあれば、ほかの部分でそういうミスを犯している可能性があるのだ。
 
「わかりました。8千円に満たない場合はGoogleから報酬が支払われることはありません。12月に8千円に満たず、1月以降ずっと満たない可能性だってあるわけです。」
 
「なるほど」
 
「例えば、8千円に満たない状態でブログを閉鎖してしまった場合、端数が私の口座に支払われることはありません。また、Googleが1月以降にクリックの真偽やサイトに異常を検出して、一方的に支払いを拒むことも可能です。」
 
「でも、申告期限は3月までです。申告までに実際に支払われていたら、それは確定しているんじゃないですか?」
 
「そうですね、3月の申告までに12月の報酬が支払われていたら、その収益は実現していると言えますね。その場合は収益に計上します。ああ、そのルールはブログに記載していませんでした。この後すぐに書き加えます。ありがとうございます。」
 
まずは合格だ。
 
マズいのは相棒の新人である。明らかに焦れている。
 
 

経費の50%の按分基準について

「あのーそんな事より、やけに通信費が多すぎません?見るとソフトバンクの支払がほとんどを占めてますけど、50%を経費にしているんですね。通信費といいながら、携帯代も生活費でしょ」

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ああ、やっちまった。全く的外れだ。

 

「ブログのネタは思いついたときに書くので、出先でスマホで書くことも多いんですよ。通話ではほとんど使ってないです」

 

「そういう場合は、ブログの更新に使っている時間で按分するのが普通ですよ、50%というのは、幾らなんでもちょっと、ねえ……?」

 

ってなんで俺の方を見るんだ、助けを求めているのか?

 

「なるほど、時間ですか。しかし、趣味でやっているブログですから、決まった時間にブログの更新をしている訳ではないんです。夜中にネタを思いついてベッドで更新したりすることもありますし、ネットで調べものをするのも、ブログを始めてからは、殆どブログのネタ探しですね。」

 

おいおい、100%ブログに使っているような感じになってきたぞ。わざわざ2人で出向いて税金を安くしてどうすんだ。

 

「とにかく、50%には根拠が無いので。」

 

「じゃあ、これからは時間を測るようにした方がいいですか?でも大変だな…これって雑所得の申告で一般的に求められることなんですか?」

 

そう言ってICレコーダーに目を落とす千日を見て、俺は堪らず助け船を出した。

 

「いえいえ、千日さん。50%が妥当な範囲だと思いますよ。すみませんね、変なこと言っちゃって。現在の使用時間としては、ほぼ100%ブログなんですか?」

 

「そうですね、最近やりすぎだって妻にも叱られます」

 

「そうでしょうな、しかし通話可能なスマホをお持ちなのはたとえ普段通話を使うことがなくても、緊急時には奥様との連絡が取れるように、との数値で測れない重要度があるからでしょう。半分半分にするという考え方は妥当だと思いますよ」

 

「そうですか、良かった」

 

雑所得でそこまで要求するのは幾ら何でも酷というものだ。 

 

いよいよ本命

さて、そろそろ本題に入っておこう。新人のおかげでだいたい千日の力量は見切った。

 

「ところで、千日さん。最後に一つだけ分からないことがあるんです」

 

「なんでしょう?」

 

俺が話し始めると、みるみる千日の顔から余裕と笑みが消えていった。

 

「ごめんなさい…つい…出来心で…」

 

「千日さん、良いんですよ。修正申告しましょうか、しかしこういう事は二度と無いようにして下さいね」

 

「わかりました…」

 

「それと、美しい奥さんを悲しませちゃいかんよ」

 

「ありがとうございます、ウウウ…」

 

その場に泣き崩れる千日と状況を理解出来ない妻を残し、俺たちは千日の家を後にした。

 

エピローグ

良い仕事をした後には気持ちが良いもんだが、今回の仕事は全く駄目だ。こんな仕事をさせる千日に本当に腹が立つ。
 
「良かったですね、千日、反省してましたよ」
 
新人、コイツは全くわかっていない。
 
「あのな、決算書の桁を3桁も水増しして申告書を作ってたんだぞ。それで3桁多めに払ってくれれば何の問題も無いが、それで払って来てるのは、正しい税額なんだ。完全におちょくってる」
 
「見栄を張りたかったって言ってましたよ」
 
「いや俺はネタ作りだと思うな、奴は反省していない」
 
「ブログに書かれますかね?」
 
「書くだろうな、しかしさすがに本名は出さないだろう」
 
「本名じゃないとしたら、先輩は…」
 
そう言って俺の頭頂部を見てニヤつく新人。そういうお前は『オカリナ』だろうという言葉は、すんでの所で飲み込んだ。
 
 

以上、千日のブログでした。

このブログは全てフィクションです(妻の描写も含む)

 

 
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