初めて買ったマンションの管理組合の監事を経験しました
- 新築マンションなので皆んなが初対面
- 管理組合の議事もほぼ皆んなが初めて
監事(理事)はマンションの資産価値、修繕積立金や管理費収入の見張り役です
- 大規模なマンションでは被害額が数千万円にも及ぶケースもあります
- マンション管理会社の従業員が横領するケースもあります(複数のマンションで被害額は億単位)
どれも手口は単純です。
いくつかのポイントを押さえてチェックすれば一発で発見できたような手口ばかりなんです。
では、はじめます。
マンションの決算書をざっと理解する
まずは、マンションの決算書と、どこに不正が隠れているかをざっと理解しましょう。
不正が隠れている部分には黄色いマーカーで着色しています。
貸借対照表
貸借対照表は管理組合の決算日の財政状態を表す書類です。左に資産の一覧、右に負債の一覧と最後に次期繰越金が入り、左右の合計が必ず一致します。
組合の資産は99%以上が銀行預金です。
貸借対照表の不正のリスクポイント
- 直接ターゲットとなる預金
- 預金以外の資産(不正な支出を資産に置き換えて隠ぺいする)
1.横領のターゲットになる預金をチェックせずして何をチェックするのか
預金が一番大事です。まず、これをチェックしましょう。やり方を説明します。
チェックにかかる時間は(何も問題が無ければ)1分~3分です。
- 貸借対照表の預金残高=銀行の残高証明書
- 銀行の残高証明書=預金通帳に記帳されている残高
- 決算日の直前、直後の預金通帳の入出金額
決算では管理会社が必ず銀行から決算日の残高を証明する書類=残高証明書を入手して用意することになっています。これを用意してない又は一致しないということは、決算書(貸借対照表)に不正がある可能性が高いです。
銀行の残高証明書なんてそんなに目にするものじゃありません。カラーコピーで偽造されていてもわかりませんよね。だから預金通帳とも照合します。決算なのに通帳に記帳してない又は一致しないということは、決算書(貸借対照表)に不正がある可能性が高いです。
決算日の時だけ、銀行にお金を入れて帳尻を合わせる手口もあります。これをやられると、上の二つでは発見できません。しかし、そういう場合は…
- 決算日の直前にまとまった金額(横領した金額の累計)を口座に入金する
- 決算日の直後にそれを取り戻す
こんなことをやってるはずです。預金通帳の決算日前後の日付の預入や引出に大きな金額があれば、不正な横領の可能性が高いとまでは言えませんが、かなり怪しいです。
2.預金以外の資産に隠ぺいするのは玄人
横領のターゲットは預金です。たいてい素人は単純な手口で行くんですが、少し玄人になると横領したお金を他の資産に置き換えて隠ぺいします。
マンション管理組合の貸借対照表の資産はほぼ99%が預金です。普通の人は他のマンションの決算書を見ることが無いので、不自然な資産があっても気づかなかったり、言葉巧みな犯人によってごまかされたりしがちです。
少しでも不自然な感じのする資産がある場合は、ちゃんと納得いくまで聞きましょう。
また
横領とは別ですが要注意なのは「未収金」です。
未収金=未だ収入していないお金、つまり住人の中に管理費を滞納している人物がいることを意味します。
- マンションの維持管理に必要な資金が足りなくなる
- 滞納が多額になると回収が難しくなる
- そんなマンションの価値は当然下がる
早期に手を打たなければなりません。まずは、管理会社の担当者を説教してしっかり回収させましょう(いろんなケースがあるでしょうから、また別の機会に記事にします)。
収支計算書
収支計算書は、管理組合の一年間の収入と支出の計算書です。前期繰越金に収入を足して支出を引いて次期繰越金を計算します。決算の次期繰越金(青のマーカー)は貸借対照表の次期繰越金と必ず一致します。
予算と決算、その差異という並びになっています。
収支計算書の不正のリスクポイント
- 収支と預金通帳の不一致
- 余裕があれば、予算と決算の差異も確認
1.やっぱりポイントは預金通帳です
決算書はいろんな資料が沢山ありますから、誰もが圧倒されますけど、結局のところ、預金さえ妙なことになってなければ大きな問題はないんですよ。
一般的な管理組合の決算の帳票を挙げてみます
- 仕訳帳
- 総勘定元帳
- 現金出納帳
- 預金出納帳
- 固定資産台帳
- 敷金預り台帳
- 積立金台帳
などなど…
これら、全部の帳票に目を通し、確認するなんてどだい無理な話です。少々間違っていても、ただの紙切れなんです。
間違いや不正があったら損害の大きいもの
横領のターゲットになりやすいもの
つまり、預金通帳です。
残りの時間はすべて預金通帳の入出金のチェックに費やしましょう。
- 収支決算書の収入と支出項目を見てどんな収入、どんな支出があるかをまず理解する。
- 預金通帳を期首からシラミつぶしに見ていく。
マンション管理の収支は基本的に毎月同じことの繰り返しです。そりゃそうですよね。
- 住人から管理費を集める
- その管理費で電気代や清掃や管理人の給料やらを払う
このサイクルで、動いているんです。ですから、預金通帳は…
- 毎月同じ会社(人)から同じくらいの金額が入ってくる
- 毎月同じ会社(人)に同じくらいの金額を払う
このサイクルで入金と出金があるはずなんです。これを踏まえると以下の4つのポイントで預金通帳をチェックしていけばいいということになります。
- パターンから外れている入金と出金については内容(なんで入ったか?何に使ったか?)を確認し、仕訳帳や出納帳、領収書や請求書と照合する。
- パターンでもそこそこ金額の大きい出金については内容(何に使ったか?)を確認し、仕訳帳や出納帳、請求書などと照合する。
- ちょうど5万円とか、キレイな数字の出金は怪しい(ちょっと借りた?)。
- マンションの管理に必要な経費は基本的に振り込みでも支払えるものばかりなので、預金口座からの現金の引き出しについては注意して確認する。
2.予算と決算の差異の理由については「時間に余裕があれば」確認
予算というのは、予定値です。決算というのは、確定値です。そりゃあ予定通りにいかないこともあるでしょう。
マンション管理は同じことの繰り返しなので、予算と決算の差異は大きくならないことが通常なので、あまりに大きな差異がある場合は、聞いてみても良いかもしれませんね。
まとめ
ちょっと長くなりましたが、この辺りを押さえて決算書をチェックしていれば少なくとも決算の時には、大概の預金の横領は発見できます。
それにここまでチェックされていれば、横領しようという考えを未然に防止することもできます。横領する側の目線でここまでのチェック項目を振り返れば「ああ、これはバレそうだな」と思うでしょう。
むしろ、これらのチェックは、預金を管理する人の目の前でやって見せることによって、出来心を未然に防止することが本当の目的なんです。
以上、千日のブログでした。
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