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選挙権の年齢を18歳に引き下げ。少年法の年齢引き下げの効果とは?

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選挙権の年齢引下げと少年法について思うこと

ブルータス(我が家にステイしている留学生男子)はついこの間18歳になり、ヒゲを剃るようになりました。

どう見ても剃るヒゲなんてなさそうなんですが、本人がそうしたいんで特に口は出しません。日本の少年法では18歳はまだ少年ですが彼の故郷では成人です。

 2016年の参院選では18歳の少年も選挙権を行使できる見込みのようです。

ブルータスにはそもそも日本国籍がありませんから選挙権が与えられる見込みは無いです。しかし選挙権の年齢引き下げと関連して気になるのは、やはり少年法ですね。

少年法の第一条からの引用です

(この法律の目的)

この法律は、少年の健全な育成を期し、非行のある少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する保護処分を行うとともに、少年の刑事事件について特別の措置を講ずることを目的とする。

国の宝である子どもを保護するのが目的だと私は読みました

少年法の施行は昭和23年です。終戦が昭和20年ですから、この法律は終戦直後の食料難という背景で施行された法律なんですね。
 
ヤミ米を食べなければ、生きて行けない時代です。東京地検の判事、山口良忠氏が一切のヤミ食料を食べることを拒否して栄養失調により療養先で死亡したのが昭和22年。その翌年に施行された法律です。
 

戦後を脱却するには、次代を担う子供を護る必要があった

親の庇護を受けられず、生きるために盗み奪うことしか選択出来ない子供をすくい上げて、真っ当な大人にすることが国としての急務だったのです。
 
現代においても、子供は国の宝です。過去は成長の担い手、現代では衰退の歯止めの意味合いが強いですが、宝であることに変わりは無い。
 

少年法は人間本来の野生から子供を護るためのハーネス

子供は野生動物である人間本来の野生を色濃く残しています。分かりやすい例は幼児赤ん坊です。
 
腹が減れば泣き、興味のあるものには手を伸ばして取ろうとします。与えられない場合の理由を彼らはまだ理解出来ません。
 
子供や赤ん坊は非力なので、その野生によって他人に危害を与える危険はありません。むしろ本人の生命を危険に晒すことが多いため、ベビーベッドには柵が付けられ、多動児は紐(ハーネス)で繋ぐのです。
 

少年になれば理解するようになりますが野生は強く残っています

言葉を解するようになり、ある程度のものの道理を理解出来るようになれば、『他人の物を奪ってはならない』ことは頭で理解するようになります。
 
しかし頭では理解していても、いざその場になると自分の欲求を抑えることは難しい。
大人であっても、法律に触れない方法で他人が不利益を被る事を承知しながら、自分(達)の欲求を満足させようとしたりします。本人に罪の意識は無い。
 
通常、子供の犯罪はこれより未熟であり、目の前の欲求を満たすことに終始します。その行動がもたらす不幸について頭では理解していても、目前の欲求に抗えなかった
 

少年法による保護はこういった『未熟さ故の犯罪』を想定しています

子供は国の宝であり、その未熟さ故に犯す犯罪は、本人の反省謝罪、その後の更生があれば許せるという想定があるのが少年法です。
 
近年、この法律の施行時に想定していなかった少年による犯罪が問題視されるようになって来ました。
  • 他人を傷付けることを主な目的とした犯罪
行きがかり上他人を傷付けたのではなく、ただ他人を傷付けることを目的とした犯罪を想定していない。
  • 許せない(取り返しがつかない)犯罪 
取り返しのつかない『許せない犯罪』を想定していない。

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現行の少年法での年齢の引き下げは有効か?

この議論の中で方々から声が上がっているのは『少年法の年齢引き下げ』です。少年であっても許されない犯罪を犯した者は大人同様に社会から隔離し、矯正の見込みが無いならこの世からも退場させる。
 
どうでしょうか?私は引き下げてもいいと思いますが、上記の主旨なら、20歳が18歳になっただけ、という気がしてなりません。
 
少し経てば17歳の犯罪が問題視されるようになるでしょう。
 

矯正出来るという認識の甘さ

先に述べた想定していなかったポイントを再度挙げます。
  • 害することが目的
  • 取り返しがつかない
背景にあるのは彼らの救いようの無い環境です。成長するまでの間にたまたま被害者とならなかっただけ、とも言えます。
自分がされたことをやっている。
自分のされて来たことと比べたら、この位は何とも無い。
このような『報復』はだんだんエスカレートする傾向にあることが分かっています。
 
この負のバトンが臨界点に達し、取り返しのつかない事態を招いた。これは大人が子供に対して綿々とやって来た事のツケです。
 
欲求に負けた未熟さからではなく『報復』として既に取り返しのつかないことをしてしまった少年を前にして、いまからでも矯正出来ると思うのは、思い上がりも甚だしいのではないでしょうか。
 

現代において保護するべきは、大人(親)からの暴力

現代少年保護は、少年が犯す犯罪ではなく、大人(親)からの暴力にフォーカスして作る必要がある。国の宝である子供を大人から護らなければならない。
 

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そういう時代になってしまったのかもしれません。
取り返しのつかない罪に大人も子供も無いと私は思います。
 
2016年3月21日更新しました。 

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

もうすぐ日本初の18歳の選挙権による参議院選挙が行われますね。

連鎖には負の連鎖もありますけど、今回、18歳が手にする選挙権は戦争の反省から獲得された平和のバトンだとわたしは考えています。

多くの18歳に行使して欲しいですね。

2016年7月7日

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