千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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住宅ローン10年固定最安0.5%の三井住友信託とは?金利はどこまで下がるか

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長期金利のマイナス金利〜ゼロ%維持政策と銀行間の利下げ合戦

どうも千日です。日銀によるマイナス金利政策から英国EU離脱と固定金利の低下局面が続いています。
下記は2016年10月までの三井住友信託銀行の住宅ローンの10年固定金利の推移です。
 
  • 2016年2月 0.7%
  • 2016年3月 0.5%
  • 2016年4月〜5月 0.55%
  • 2016年6月 0.5%
  • 2016年7月 0.4%
  • 2016年8月 0.35%
  • 2016年9月 0.45%
  • 2016年10月11月12月 0.45%
  • 2017年1月2月0.5%
  • 2017年3月0.55%

2016年4月で一度0.55%に上がり5月は横ばいとなりましたが、6月にはまた0.5%に下げました。さらに2016年6月24日の英国EU離脱を受けて固定金利が下落し、8月の適用金利は0.35%まで下がりました。
 
7月末の日銀会合でさらなる金融緩和政策が無いことに失望して長期金利が上がり、9月の金利は5カ月ぶりに上がり0.45%となりました。
 
そして黒田総裁の発表した長期金利をゼロ%に維持する、金利操作付き量的・質的金融緩和政策によって10月11月の金利は0.45%に据え置きとなりました。
トランプ大統領の当選によって市場の長期金利が上昇し、上がるか?と思われた10年固定でしたが、据え置きされる方針という報道情報が出ています。
 
10年固定とは当初10年間の金利を固定し、11年目からその時の店頭金利を基準とした金利に上がるタイプの住宅ローンです。
 
今日はそんな10年固定金利のポイントとそんな10年固定金利で最安の三井住友信託銀行について徹底解説します。
目次
 

2016年12月融資分の10年固定最優遇金利

  • みずほ銀行0.8%
  • 三菱東京UFJ銀行0.6%
0.45%というのは3大銀行の約半分です。信託銀行ではどうかというと、全体的に低いですがさらに最も低くなるんです。
 
2016年3月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀行0.5%
  • 三菱UFJ信託銀行0.55%
  • みずほ信託銀行 取扱いなし
三菱UFJ信託も追随しましたが、まだ0.05%高いです。
 
2016年4月5月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀行0.55%
  • 三菱UFJ信託銀行0.58%
三菱UFJ信託も金利を0.03%上げてきました。 
 
2016年6月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀0.5%
  • 三菱UFJ信託銀行0.55%
再び史上最低金利に戻りました。 
 
2016年7月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀行0.4%
  • 三菱UFJ信託銀行 0.45%

史上最低金利を更新しました。常に三井住友信託がトップを維持してますね。 

 

2016年8月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀行 0.35%
  • 三菱UFJ信託銀行 0.45%

さらに史上最低金利を更新しました。3ヶ月連続で下げていますね。しかし9月は上昇するのではないでしょうか。

 

2016年9月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀行 0.45%
  • 三菱UFJ信託銀行 0.47%
予想通り上昇しましたね。
 
2016年10月11月12月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀行 0.45%
  • 三菱UFJ信託銀行 0.53%
4カ月連続で上昇は据え置かれましたが、2017年1月に0.05ポイント上げて0.5%となりました。
 
2017年2月融資分の10年固定最優遇金利
  • 三井住友信託銀行 0.5%
  • 三菱東京UFJ銀行 0.5%

これまで注目していなかった三菱東京UFJ銀行が金利を下げて三井住友信託に並びましたね。

2017年3月融資分の10年固定最優遇金利

三井住友信託銀行 0.55%

三菱東京UFJ銀行 0.55%

三井住友信託及び三菱東京UFJ銀行ともに0.05%上げてきました。

 

当初10年固定金利0.45%は年利0.55%の確定利回りの貯蓄というシミュレーション

現在の住宅ローン減税では住宅ローン年末残高1%が所得税と住民税から控除されます。0.45%の利息以上に税金が安くなるのであたかも貯金のような効果があるんです。
 
例として、極端な返済シミュレーションを示します。
 
  1. 住宅ローン控除を受けられる10年間は約定通り元利均等返済する
  2. 住宅ローン年末残高の1%の住宅ローン控除を毎年全額受ける
  3. 住宅ローン減税を受けられなくなる11年目の1月に一括全額繰上げ返済する
 
このようにすると、住宅ローンを借りることで逆に利息が貰える状態になります。
 
住宅ローン控除については、ちゃんと満額受けられるか住宅ローン減税 所得税額控除を分かりやすく説明 新築・中古・増改築で確認して下さい。
以下は2016年12月適用金利の0.45%でどうなるか?というシミュレーションです。
 

2,000万円を当初10年固定0.45%で35年ボーナス払いなし

2,000万円の住宅ローンを返済するのに必要な現金は、なぜか1,908万円で済むのです(あくまで目安ですので正確には銀行HPのローンシミュレーションで確認してください)。
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当初10年固定金利0.45%の約10年間に払う利子は79万円です。これに対して約10年間の住宅ローン控除の額は170万円。両者の差は−91万円となり、実質的にマイナス金利になります。

11年目の1月にローン残高の約1,461万円を全額繰上げ返済すると、1月の利子13,204円が発生するだけですから、トータルで91万円の『儲け』が確定します。

むろん、住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。

つまり、10年間の元利均等返済額と貯蓄によって91万円を儲けた上で2,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。

目安として、毎月12万円位を貯金できればこれが可能になります。共働きであれば十分可能ですし、親からの生前贈与でも可能となりますね。
 
 

3,000万円を当初10年固定0.45%で35年ボーナス払いなし

3,000万円の住宅ローンを返済するのに必要な現金は、2,863万円です(あくまで目安ですので正確には銀行HPのローンシミュレーションで確認してください)。

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当初10年固定金利0.45%の約10年間に払う利子は119万円です。これに対して約10年間の住宅ローン控除の額は255万円。両者の差は−136万円となり、実質的にマイナス金利になります。

11年目の1月にローン残高の約2,192万円を全額繰上げ返済すると、1月の利子19,806円が発生するだけですから、トータルで136万円の『儲け』が確定します。

そして住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。

10年間の元利均等返済額と貯蓄によって136万円を儲けた上で3,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。

目安として、毎月18万円位を貯金できればこれが可能になります。さすがに厳しくなってきます、共働きと親からの生前贈与の合わせ技で可能というところでしょうか。

頭金をあえて温存しながら、3,000万円のローンが組める人も可能です。

 

4,000万円を当初10年固定0.45%で35年ボーナス払いなし

4,000万円の住宅ローンを返済するのに必要な現金は、3,817万円です(あくまで目安ですので正確には銀行HPのローンシミュレーションで確認してください)。

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当初10年固定金利0.45%の約10年間に払う利子は158万円です。これに対して約10年間の住宅ローン控除の額は340万円。両者の差は−182万円となり、実質的にマイナス金利になります。

11年目の1月にローン残高の約2,923万円を全額繰上げ返済すると、1月の利子26,408円が発生するだけですから、トータルで182万円の『儲け』が確定します。

そして住宅ローンの完済によって住宅は名実共に自分のものになります。

10年間の元利均等返済額と貯蓄によって182万円を儲けた上で4,000万円相当の不動産を手に入れたのと同じことになりますよね。

目安として、毎月24万円位を貯金できればこれが可能になります。さすがにここまでくると、かなりの高収入か、ご両親が資産家でなければ難しそうです。

 

なぜ三井住友信託銀行の10年固定金利がここまで安いのかに答えます

いくらマイナス金利で銀行間の競争が激化しているからと言って、なぜ三井住友信託銀行がここまで10年固定を下げてくるのか、気になりませんか?

そんなのどうでもいい?安けりゃいい?

それもそうですが、取引する限りは相手方の思惑をちゃんと分かった上でなければ、気持ち悪くてできません。そういう性分なんです。

まず結論から言います。3段論法です。

  1. 信託銀行は安全資産に投資しなければならないが、国債が高すぎる
  2. 高すぎる国債の代わりとして住宅ローンの融資に流れた。
  3. 国債相場が高い限り、信託銀行は住宅ローンの金利を下げて利用者を集めざるを得ない。

 

信託銀行とは

信託銀行(しんたくぎんこう)とは、銀行法に基づく免許を受けた銀行のうち、金融機関の信託業務の兼営等に関する法律(兼営法)によって信託業務の兼営の認可を受けたものを言います。

通常は銀行業務と信託業務の両方を営んでおり、信託銀行という商号をもちます。

(参考HP 信託協会

三井住友信託銀行や三菱東京UFJ信託銀行は、信託銀行です。

 

信託業務はリスクを取らない

では信託業務とは何でしょうか。

信託とは、委託者が信託契約や遺言によって、信頼できる人(受託者)に対し金銭や土地などの財産を移転し、受託者は委託者が設定した信託目的に従って受益者のために信託財産の管理・処分などをすることです。

具体的には以下のような業務です。

  • 金銭信託顧客=委託者から預かった資金を株式や債券等で運用し、収益を配当する。商品名「ヒット」。
  • 貸付信託委託者から集めた資金を特定の産業に長期的に貸付け、その運用収益を配当する。商品名「ビッグ」。
  • 年金信託企業や個人からの年金基金を運用する。
  • 土地信託地主の依頼を元に業務を代行してビルや住宅の建設・管理を行い、家賃収入から経費を差し引いて地主に配当する。
  • 証券投資信託投資信託(ファンド)と呼ばれるもので、投信委託会社からの指示を受けて証券投資の運用を代行する。

つまり元本が減るリスクは基本取らない、ローリスク・ローリターンの投資が好まれているのではないでしょうか。

  

信託銀行のローリスク・ローリターンは決算にも表れています

EDINETから三井住友銀行と三井住友信託銀行の有価証券報告書と半期報告書を調べて資金運用利回り、資金調達利回りを比較してみました。

大まかに言うと、

  • 銀行の収益=資金運用勘定×資金運用利回り
  • 銀行の費用=資金調達勘定×資金調達利回り

です。この差額の利益で銀行員の給料やら、支店の家賃やら、を払っている訳ですね。

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EDINETより有価証券報告書、半期報告書の数値を抜粋)

三井住友信託銀行の方が明らかに収益性が悪いです。

資金調達利回りは両行とも0.3%程度ですが、資金運用利回りが全然違いますね。

なのに住宅ローンの金利を三井住友銀行よりも下げられる理由は、三井住友信託が資金運用でリスクの低い投資をしているからなのです。

 

三井住友信託銀行は国債の代替投資として住宅ローンを増やさざるをえない

ではどんな投資をしているのか、三井住友銀行と三井住友信託銀行の有価証券の保有内訳を割合で比べてみました。

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EDINETより2015年3月期の有価証券の内訳)

三井住友銀行と三井住友信託との大きな違いは以下の3点です。

  • 国債:三井住友信託で国債の保有割合が多いのは、安全でリスクの低い投資をしなければならないから。
  • 社債:中小企業向けに融資する方法のひとつとして銀行引受私募債というものがある。リスキーであり、主に銀行が行う。
  • その他:三井住友信託のその他は、証券投資信託業務のために保有している金融商品だと推定される。

国債への投資が多いのが信託銀行の特徴ですね。しかし、一時は10年国債の利回りはマイナスになり、今は若干回復しているというものの、とてもじゃないですが、投資として買える利回りではありません。

そこで、国債に代わる投資として住宅ローンというわけです。信託銀行は都銀よりも余剰資金を安全資産で保有しなければならないニーズが高いのです。

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まとめとその後の動向

いかがでしょうか。もちろん人件費や家賃などの固定費が都銀よりも安いから金利を下げられるという側面もあるでしょう。

ネット銀行なんかはそうだと思います。しかし信託銀行はリアルな銀行ですし、都銀ほどではないにせよ、高給取りです。

信託銀行として顧客から預かっている資金の安全な投資先として国債が買えない状況下での苦肉の策、というのが千日の推理です。

信託銀行が既に持っている国債は次々と満期になって償還されて行きます。国債が高いからといって現金で持ち続ける訳にも行きません。

という事は、今の状況が続けば0.4%台位までは下がる可能性が十分にあるという事になりますね。(当たってしまいました …2016年6月29日追記)

何年の国債をいくら持っているかは分かりませんが、バランスよく持っているでしょうから、徐々に減って行くことが推理出来ます。

 

2016年4月に金利を上げた理由

このように、ちょっとしたチキンレースの様相を呈しているんです。なので4月に金利を0.05%上げて来たのはブレーキを軽く踏んだ、とも考えられます。

しかし銀行はたった1か月でビクついて上げる様な、ドンブリ勘定で金利を決めるようなことはありません。

様々な要素があるのでしょうが、メインの理由としては、利用者が返済出来なくなる可能性(デフォルトリスクと言います)が当初よりも上ったと考えているのだと千日は思います。

この話を始めると字数が必要になるので、別の記事住宅ローン金利の本当の決まり方について誰よりも分かりやすく解説しますで詳しく書きました。

 

2016年7月の金利が下がった理由は英国のEU離脱

固定金利が下がった要因としては、言うまでもなくイギリスの国民投票で2016年6月24日に確定したEU離脱のショックです。

固定金利はその時の為替やマーケットの予想によって即座に反応します。

これに対して住宅の完成や引き渡しは長いスパンになりますので、どこで融資を受けるかについては、ギリギリまで粘った方が良いという事ですね。

  • 複数の金融機関で仮審査を受けておく。
  • 金融機関の適用金利は月毎に決まるので、引き渡しは出来るだけ月の後半にする。

こういった対策をしておけば、後から後悔する事を避けられるでしょう。

 

2016年9月の固定金利の上昇の影響

長期金利は2016年7月29日の日銀の金融政策決定会合後に急上昇しました。

日銀の追加緩和手段が上場投資信託(ETF)の買い増しにとどまり、さらに9月の次回会合ではこれまでの金融緩和の効果や副作用などを検証する予定であると表明したんです。

金融政策に関する決定事項等 2016年 : 日本銀行 Bank of Japan

このことが市場でこれまでのように国債の買い入れやマイナス金利政策を続けられない可能性があると受け止められたからだと言われています。

早くもソニー銀行は2016年9月の10年固定について、0.05%の利上げを発表していますね。この影響は三井住友信託の10年固定にも影響するものと思われましたが、その通り上がりましたね。

 

日銀会合直後の2016年10月11月12月は据え置き

日銀は9月21日の金融政策決定会合で、長期金利を0%程度に誘導する目標を決めました。

なお市場では日銀が長期金利の低下をどこまで認めるか試すような動きも出ているようです。住宅ローンの代表的な指標である新発10年物国債の利回りは8月末から大きく変わらず、0%を下回って推移しています。

その後11月のトランプ大統領の当選で米国長期金利が急上昇し、それの波及効果で日本の長期金利も上昇しましたが、12月の三井住友信託銀行の10年固定は据え置きという方針だそうです。

これは、12月は住宅ローンの需要が高いことから、多くの利用者を取り込む戦略的な決定だと思われますね。

  • 2016年4月1日の利上げに対応して追記しました。
  • 2016年4月6日に3月の融資申し込み件数の増加について更新しました。
  • 2016年5月2日に金利の情報を更新しました。
  • 2016年5月31日に金利の情報を更新しました。
  • 2016年6月29日に金利の情報を更新しました。
  • 2016年7月28日に金利の情報を更新しました。
  • 2016年8月18日に日銀会合の影響について更新しました。
  • 2016年8月31日に金利の情報を更新しました。
  • 2016年10月1日に金利の情報を更新しました。
  • 2016年11月1日に金利の情報を更新しました。
  • 2016年11月29日に金利の情報を更新しました。
  • 2017年2月8日に更新しました。

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以上、千日のブログでした。

《あとがき》

本文にあるように、千日の0.4%までは行くんじゃないかという予想は当たりました。

しかし、さらに下がって8月には0.35%です!これには驚きました。ほぼ銀行の資金調達利回りと同じ水準です。つまり銀行がお金を借りるのと同じ金利で借りられるということです。

それにしても8月に引き渡しの人にとっては朗報でしょう。羨ましい…!

2016年7月28日

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