分かったようで分かっていない固定資産の範囲
どうも千日です。殆どの人が分かったような気になってる固定資産についてお話しします。。固定資産台帳の整備は全庁的なプロジェクトとしてやるんですけど、その調査をするのは各部署の担当者なんです。
一人一人が固定資産が分かって無いと認識漏れが生じるんです。そしてそのミスは最後まで発見されない可能性が高い。
目の前にある物が固定資産という認識が無いと、それは無いという事になる
モチロン、有るんですよ。しかし固定資産台帳に載って無ければ、目の前にあっても見過ごされて行くんです。
固定資産の現物チェックはモチロンやりますけど、そのチェックは固定資産台帳に載ってる資産が有るか?というチェックです。
固定資産の現物チェックの実務とそのポイント
想像してみてください。
あなたは固定資産のリストを持って、現物とリストを照合する仕事をしています。
リストには色んな種類の資産が日本語で書いてあります。このリストに載っている資産が全て有ることを目視で確認できたら、仕事は終わりです。
数が多くて一人で全部は出来ませんのでリストを何人かで分けて手分けしてやります。
チェックの途中でリストに載って無い資産が有りましたが、何人かで手分けしてやってるんですから、それは他の人の分担だろうと考えます。
3人で手分けしてやれば目の前にある固定資産の3分の2は他の人の担当ですよね。リストに書いてある物は全て確認出来ました。あなたは無事仕事を終えます。
- リストに載ってる資産が無い=紛失したか、除却したときに台帳に記録するのを忘れていた
- リストに載ってない物が有る=それ自体は異常なことではない
固定資産台帳に登録が漏れたら、後で漏れていたことはまず発見できない
初めの固定資産の調査がいかに重要か、固定資産の調査を行う人が固定資産の範囲を十分に理解していることがいかに重要か、ということですよね。
このミスは発見しにくい=バレ無ければつまりミスではない
…という考えは持っていないと信じています。固定資産台帳は財務書類の補助簿というだけではありません。自団体の資産の状況を正しく把握するだけでなく、以下に挙げるような行政の舵取りに少なからず影響するんです。
- 他団体との比較可能性を確保
- 個別の行政評価や予算編成、公共施設の老朽化対策などの情報を提供する
- 民間参入を促進する
- 公共施設などの維持管理•修繕•更新等に係る経費の見込み
現時点の固定資産の認識のモレは将来世代へのツケになる
実在する資産を漏れなく正確に固定資産台帳に記録すること
これは、新地方公会計制度の開始時期に固定資産台帳整備を担う私達の重要な責務なんです。
認識が漏れやすい固定資産の例
- 大き過ぎて漏れやすいもの
- 目に見えないため漏れやすいもの
- 先入観から漏れやすいもの
1.道路河川などのインフラ資産は大き過ぎて漏れやすい
現物は目の前に見えています。しかし管内の全ての道路、河川を視界に入れて全てを固定資産台帳に計上したかを確認することは出来ません。
また、道路や河川などのインフラ資産の固定資産の管理手法は、新地方公会計のモデルとなっている企業会計には無い、全く新しい分野です。
インフラ資産は認識の漏れや重複が発生しやすい固定資産です。
2.ソフトウェアは目に見えないので漏れやすい
財務会計システムに代表されるようなシステム関係の資産です。ソフトウェアはプログラムですから当然目に見えません。その利用によって将来の費用削減が確実であるというメリットを根拠として資産計上するんです。
3.リースは単なるレンタルだけではない
リース契約はレンタルですが、経済的実態としては資産の購入代金を借りているというようなリース契約があります。
このようなリース契約でレンタルしている資産はリース資産として固定資産と見做します。レンタルだという先入観が認識の邪魔をします。