10月のフラット35の金利予想が確定!的中しました
どうも千日です。10月のフラット35の金利の指標になる機構債の表面利率が発表されました。前月から変わらず0.42%です。ということは、フラット35の金利も同じと予測できます。
ここに新制度の団信の料率0.28%が加算されるますので以下のに計算できるでしょう。
10月のフラット35金利予想
- 10年~20年:1.30%=1.02+0.28(9月は1.02%)
- 21年~35年:1.36%=1.08+0.28(9月は1.08%)
そして今回は、ほぼ的中しました。(2017年9月29日に追記)
10月のフラット35確定金利
- 10年~20年:1.29%=1.02+0.28-0.01誤差(9月は1.02%)
- 21年~35年:1.36%=1.08+0.28(9月は1.08%)
10月のフラット35の金利を予想する上でのポイントは、以下の三つです。
- フラット35機構団信の新制度の影響
- 北朝鮮リスクと日米の長期金利
- 日本の衆議院解散・総選挙への思惑
11月の予想はこちらです。
【金利予想】フラット35の2017年11月金利は1.37%と予想しました←金利確定! - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える
フラット35機構団信の新制度の影響は従来予想に0.28%上乗せ(仮)
フラット35の金利は、2017年10月から新制度で上乗せされる団信保険料を加味して予測します。
新制度についてはこちらに詳しく書いてます。
フラット35は住宅金融支援機構という国が運営する団体が債権を買い取る又は返済を保証するという形になっています。銀行は融資事務を代行して右から左に資金を流すだけですから、固定の手数料を取るだけです。そして住宅金融支援機構は国の出先機関ですから、これも固定的な経費を取るだけです。
つまり、債券市場の金利がダイレクトに反映しやすい仕組みになっています。
ですから、以下の式でフラット35の金利が決まるのです。ここ最近の利益率は0.66%で推移しています。
- フラット35金利(35年)=機構債の表面利率+利益率(約0.66%)
それが団信の新制度によってその保険料相当の0.28%が金利に組み込まれることになりましたので、以下の式に変化することになります。
- フラット35金利(35年)=機構債の表面利率+利益率(約0.66%)+0.28%(団信保険料)
なので、2017年10月の表面利率が公表された時点で以下の式で計算できるわけですね。従来の予想に0.28%上乗せするだけです。(下記、確定金利です)
- 10月フラット35金利(35年)1.36%=0.42%+0.66%+0.28%
ただ、住宅金融支援機構は団信保険料を0.28%と明言しているわけでは無いのですよ。新制度の告知のチラシで説明しているシミュレーションの中で「試算のために作成した仮の数値」という注記が虫眼鏡でないと見えない位の小さな字で書いてます。
団信加入しない場合0.2%引き下げ
なお、団信への加入が任意であるのは、前と変わらずです。その場合は、団信込みの金利から0.2%引き下げになります。
- 団信加入しない10月フラット35金利(35年)1.16%=0.42%+0.66%+0.28%一0.2%
団信に加入しない人にとっては0.08%の値上げになっているとも受け取れますね。
これまでのフラット35金利の推移と今後の予測方針
2016年5月から現在までのフラット35(21年~35年)の金利と表面利率と機構の利益率の推移は以下のようになっています。今後は、団信保険料の分が上乗せされるということですが、その率は表には出ずに利益率に吸収されることになるでしょう。
年月 | フラット35金利 | 表面利率 | 利益率 | 団信 |
2016年5月 | 1.08% | 0.34% | 0.74% | 0.00% |
2016年6月 | 1.10% | 0.36% | 0.74% | 0.00% |
2016年7月 | 0.93% | 0.23% | 0.70% | 0.00% |
2016年8月 | 0.90% | 0.19% | 0.71% | 0.00% |
2016年9月 | 1.02% | 0.33% | 0.69% | 0.00% |
2016年10月 | 1.06% | 0.37% | 0.69% | 0.00% |
2016年11月 | 1.03% | 0.34% | 0.69% | 0.00% |
2016年12月 | 1.10% | 0.41% | 0.69% | 0.00% |
2017年1月 | 1.12% | 0.48% | 0.64% | 0.00% |
2017年2月 | 1.10% | 0.46% | 0.64% | 0.00% |
2017年3月 | 1.12% | 0.47% | 0.65% | 0.00% |
2017年4月 | 1.12% | 0.46% | 0.66% | 0.00% |
2017年5月 | 1.06% | 0.40% | 0.66% | 0.00% |
2017年6月 | 1.09% | 0.43% | 0.66% | 0.00% |
2017年7月 | 1.09% | 0.44% | 0.65% | 0.00% |
2017年8月 | 1.12% | 0.47% | 0.65% | 0.00% |
2017年9月 | 1.08% | 0.42% | 0.66% | 0.00% |
2017年10月 | 1.36% | 0.42% | 0.66% | 0.28% |
千日のブログではしばらくの間、団信保険料を0.28%と仮定してその推移を見守りたいと思います。
関連記事
フラット35Sの引き下げは0.25%に減る
もう一つ忘れてはならないのが、認定低炭素住宅・長期優良住宅など、基本性能の高い住宅を対象に、当初5年間または10年間の金利を引き下げるフラット35Sという補助金制度です。
10月からの新制度では、このフラット35Sの金利引き下げ幅(当初5年又は10年)が現行の0.3%から0.25%に減ってしまうんです!
フラット35Sには金利Aプラン(当初10年引き下げ)と金利Bプラン(当初5年引き下げ)があります。この引き下げ期間については変更はありません。
フラット35S | 金利引下げ期間 | 金利引下げ幅 |
金利Aプラン | 10年 | 0.3%から0.25%へ減少 |
金利Bプラン | 5年 |
ですので、10月のフラット35Sの当初の金利引下げ期間の金利は以下のようになります(確定です)。
- 10年~20年:1.04%=10月確定1.29%-0.25%
- 21年~35年:1.11%=10月確定1.36%-0.25%
北朝鮮リスクを「考えないようにする」市場とFOMCの利上げ
北朝鮮に対する制裁案としてアメリカのトランプ大統領が提出していた原油の全面禁輸や資産凍結などは中国ロシアの反対にあって行われず、かなりの妥協案を含んだ制裁措置になりました。
それもあって北朝鮮とアメリカの武力衝突のリスクは弱まったと市場は判断し、安全資産の国債を売って株式などのリスク投資にシフトしました。つまり日本国債が売られて債券価格が下がり、長期金利が上昇したのです。
この上向きのムードに冷や水を浴びせたのが、9月15日の北朝鮮2発目のミサイル発射でした。これによって脊髄反射的に国債を買い戻す動きがあり、長期金利が下がりましたが、それほど大きくは下がらずに取引を終えました。これに対して専門家は「市場は冷静に対応した」と評しています。
このまま行くと北朝鮮は核ミサイルを完成させ『核保有国』になるのは時間の問題です。そうなると、さらに状況は深刻さを増すでしょう。冷静に考えて、自分の国の上空を核を搭載(している可能性のある)ミサイルが通過してて、自分を含めよくこんなにも冷静でいられるなと思います。
たぶん冷静というより「考えないようにしている」んです。
戦争リスクを考えないようにしている私たち
ちなみにですが、戦争による被害は火災保険の対象外です。火災保険の約款には免責条項があり、保険契約の『免責』とは、『保険会社は保険金支払いの責任を負わない』というものです。
大手損害保険会社の約款の免責には必ず『戦争、外国の武力行使、革命、政権奪取、内乱、武装反乱その他これらに類似の事変または暴動』が規定されています。その被害が測定不能なほど大規模かつ広範囲に及び、それをカバーする保険は商品として成り立たないということです。
つまり、北朝鮮のミサイルは外国の武力行使にあたりますから火災保険ではカバーされないことになるんですよね。
それでも、自分が今このページを開いているという事実をどう捉えますか?それは考えないようにしているだけではないでしょうか。
家を買おうとしている人と金融市場に参加する人は違いますが、どちらも同じ人間なのです。それに『それでもなお家を買う人達がこれだけ居る』という消費行動によって市場に参加しているとも言えます。
つまり、長期金利が下がらないのはそういう理由によるものではないでしょうか。
こうしたことを『平和ボケだ』と言うひとも居るかもしれませんが、とてつもなく大きなリスクを前にパニックになって逆に命を縮めてしまうことを抑制する本能のようなものかもしれないと私は思っています。
アメリカの利上げと日本のイールドカーブ・コントロール政策
また日本の長期金利に大きな影響を与える要因としてはアメリカの長期金利と日銀の政策があります。千日は以下のように想定しています。
- 20日(水)に米FOMC金融政策発表→利上げ濃厚
- 21日(木)に日銀金融政策発表→動きなし、長期金利抑制のイールドカーブ・コントロール政策を継続
米国の長期金利についてはFOMCで利上げにポジティブな話になると、上昇するでしょう。そうすると日本の金利も多少は上振れる可能性がありますが、日本の金利上昇は日銀のイールドカーブ・コントロール政策で抑制されている上、北朝鮮情勢が緊迫化する可能性も残るので大幅な金利上昇には動きません。
連休明けの長期金利の動向も、先週のリスクオンの流れの延長線上にある動きになっています。
衆院選解散と総選挙は有力な対抗馬なく影響なし
衆院の解散・総選挙が10月10日公示、22日投開票の日程で行われる可能性が高いことは、各紙が報じています。
安倍首相は2019年10月に予定されている消費増税の引き上げ分を、年金や医療など高齢者向けの保障よりも、教育無償化などの「人づくり革命」にあてることを自民党の公約に盛り込む方針とのことです。
前からそうだろうなとは思ってたよ。
この辺りの理由というのが急ごしらえ感が強く、批判を浴びていますが、今年の夏あたりから頻発した疑惑や不祥事に端を発する内閣不支持率の高さを嫌って海外投資家が円を売る傾向は前々からありました。
野党に有力な対抗馬なく『良くも悪くもならない』『毒にも薬にもならない』というのが市場の評価ではないでしょうか。金利への影響があったとしても、限定的なものになるでしょう。
まとめ~複数の金融機関、金利タイプで審査を出しておきましょう
金融市場には様々な利害や思惑をもった無数の投資家たちが参加しています。仮に北朝鮮とアメリカが戦争に突入した場合の円相場と長期金利の動きについては、専門家の間で見解が様々に割れています。
こうなったら必ずこうなる、というセオリー通りには行かないのが常なんですよね。例えるならイワシの群れの動きみたいなものです。大きなリスクに対して無関心(考えないようにしている)かと思えば、意外性のあるセンセーショナルな出来事に対して過剰に反応することもあるんです。
わたしたちは、家の購入、または借り換えというこの一大事に不安定な情勢が重なってしまったわけですね。金融市場に参加する投資家でもないのに、こういうリスクを負わなければならない…割りを食ってる感じです。
ですから2重3重に打つ手を用意しておく必要があります。以下のように、金利が決まる仕組みの異なる商品でそれぞれ審査を通しておき、情勢の変化に応じて有利な方を選べるようにしておくことをお勧めします。
✓民間融資とフラット35の組み合わせでリスクヘッジ
または
✓変動金利と固定金利の組み合わせでリスクヘッジ
※最後にはどちらかを選びます。ミックスローンをお勧めしているのではありません。
基本的にはフラット35を中心として固定金利が低い状況が続いていますので、フラット35はオススメしやすい金利タイプです。
しかし一時的な変動はよくあることです。
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400~600 | ||||
600~800 | 30代600~1200 | 40代600~1200 | ||
800~1000 | 20代800以上 | |||
1000~1200 | 50代1000以上 | |||
1200~1500 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
1500~2000 | ||||
2000以上 |
なお、賢明な読者様ならご承知のことと思いますが、このブログに書いた将来の金利動向については、執筆時点の公表情報に基づく千日個人の予測です。ですから実際の金利の動きと異なってくることは大いにあり得ることです。
用法用量を守ってご利用下さい。
- 2017年9月28日 10月の金利が確定したため更新
以上、千日のブログでした。
《あとがき》
機構債の表面利率はいくぶん下がるか?と思っていたのですが、意外と横ばいでしたね。加えて今回は団信の新制度が絡みますので、10月の予想は難しくなっています。
フラット35については、金利というよりは団信の保障内容で検討するのが良いでしょうね。民間銀行については、北朝鮮情勢によってどちらにも振れそうです。今のところ、コメントできるような要素は出ていないです。
2017年9月20日
足利銀行が10月のフラット35の金利を発表しましたので、記事を更新しました。ほぼ的中したと言って良いと思います。
2017年9月29日
フラット35のお勧め利用法のカテゴリー
千日の住宅ローン無料相談ドットコムで一般の方からのフラット35の質問に答えています