千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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【共働き夫婦の住宅ローン】出産リスクはペアローン・収入合算の審査にどこまで影響するか?

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妊婦の出産リスクは住宅ローンの審査でシビアに見られている

どうも千日です。夫婦が協力するのは当然のことです。特に首都圏の物件は高騰していますので、共働き夫婦の収入を合算しないと手が届かないという物件も多いですよね。

そして、住宅ローンもまた夫婦で協力して組むことでより多く借りられます。

家を買おうというタイミングは、結婚を機に、また、第一子を妊娠を機にというケースが多いです。つまり、共働きの妻が妊婦というタイミングです。

子どもの誕生というのは、もちろん喜ばしいことですが、母体のリスクも裏表で存在します。

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そのリスクを金融機関はシビアに評価しているのですよ。妻が妊娠していた場合、金融機関によっては、妻を主債務者とするor連帯保証人につける融資を断られることがあります。

融資時点で妻が妊娠している予定だ

YES

NO

夫婦どちらも単独で返済できる収入がある

YES

NO

夫の方が高収入だが単独で審査に通らない

妻の方が高収入だが単独で審査に通らない

夫単独ローン

ペアローン

収入合算

夫が主債務者

収入合算

妻が主債務者

今日はメールで相談 | 千日の住宅ローン無料相談ドットコムに寄せられたご相談でこの問題について書きたいと思います。

目次

妊婦であるという理由で審査に落とされるケースがある

年齢と年収

夫38歳430万円、妻44歳850万円、11月にこどもが誕生予定2019年4月には復職予定

自己資金 1500万円(すべてを住宅購入に使用するわけではない)
物件価格 5690万円
物件タイプ 新築マンション2019年7月完成予定
借入予定額 5690万円
住宅ローン ペアローン(夫2840万円、妻2850万円)と考えております。支払いにつきましては、長くとも25年、できれば20年ほどで完済したいと考えております。
相談内容

頭金を入れるべきか、住宅ローン減税制度を最大限活用したほうがいいのか、支払年数は何年に設定すればよいのか、固定金利か変動金利か、繰り上げ返済はどうすべきか。

調べれば調べるほどいろいろな情報があり、私たちの家庭には何がベストかが分からなくなっております。

まず、審査を受ける時点で奥様が妊婦ということで住宅ローンの主債務者、連帯保証人になれず、落とされる可能性があります。

金融機関の審査基準で最も重視される項目の一つに「健康状態」があります。こちら、過去記事の審査のトレンドについて書いている記事です。

妊娠は病気ではありませんし、喜ばしいことだという先入観がありますけど、出産には生命の危険を伴います。

実際にこれまでのご相談者の中に、妊娠を理由として住宅ローンの借入を断られた人も居ますし、連帯保証人になることも断られた人も居ます。

かと思えば、それでも借りられた金融機関もあります。どこの金融機関で受かって、どこで落とされたというのは、ブログのような不特定多数の人が読むメディアでは公開できませんので、その点ご了承ください。

ともあれ、

  • 奥様の収入の方が高いということ。
  • その奥様に妊娠というリスクがあること。

この二つを鑑みると、出産前の段階で銀行に審査を出すのは、あまりお勧めしません。妊娠中という理由で落とされる可能性があるからです。

ご相談の住宅ローン減税、借入年数、金利タイプなどの個別論点はもう少し金利情勢が固まってからでも遅くはありません。

今回はその土台となる基礎的な論点として、(健康に出産したことを前提として)ペアローンの可否について掘り下げておこうと思います。

無理なく返済できる住宅ローンかシミュレーション

この住宅ローンが無理なく返済できるのか?というところから検討します。千日は「無理なく完済できる住宅ローン」をシミュレーションするために、4つのルールを提唱しています。

  1. 毎月の返済は手取り月収の4割以下でボーナス払いなし
  2. 返済額が一定になる元利均等返済方式
  3. シミュレーションの金利は固定金利
  4. 定年時のローン残高は1000万円以下

これをざっくりあてはめて無理なく返済できる住宅ローンの金額をマトリックス表にすると以下のようになります。

(単位:万円)

 年齢/月収 15万 20万 25万 30万 35万 40万
25歳 1997 2663 3329 3995 4661 5327
30歳 1997 2663 3329 3995 4661 5327
35歳 1997 2663 2972 3535 4125 4714
40歳 1997 2357 2630 3043 3550 4057
45歳 1768 2029 2263 2515 2934 3354

※これは定年の年齢を60歳という前提での表です。

  • 夫38歳:借入2357万円(月収20万円で40歳のところ)
  • 妻44歳:借入3354万円(月収40万円で45歳のところ)

なので、合計すれば返済できるレンジ内に入っていることになります。

ただしこの表は単独で住宅ローンを借りることを前提に作ったものです。ペアローンだとお互いに連帯保証人となりますから、個人個人では5690万円の責任を負っていることになります。

これをもってOKという事にはなりません。

共働き夫婦の収入合算(連帯債務)、ペアローン(連帯保証)とは?

夫婦が協力して住宅ローンを借りる方法は大きく分けて二つあります。

収入合算(連帯債務):住宅ローンの申し込みする夫or妻(主債務者)の収入に、妻or夫の(収入合算者)の収入を合算して住宅ローンを組む。契約する住宅ローンは1本となり、妻or夫は夫or妻の連帯債務者となる。

収入合算(連帯債務)

ペアローン(連帯保証):夫婦それぞれが住宅ローンを組む方法です。 契約する住宅ローンは2本となり、それぞれが相手のローンに対する連帯保証人となる。

ペアローン(連帯保証)

1人で借りるより多く融資を受けられるメリット

これによって、債務が夫婦に分割されるので、それぞれが返済出来れば、2人分の多くの融資が受けられます。

融資額でいうと以下のような関係になります。

単独融資<収入合算(連帯債務)<ペアローン(連帯保証)

住宅ローン減税の恩恵も多く受けられるメリット

そして、夫婦それぞれが住宅ローン減税を受けることが出来ます。住宅ローン減税には収入による上限がありますので、夫婦がそれぞれ減税を受けることで一人で借りるよりも多く減税の恩恵を受けられる可能性があります。住宅ローン減税の上限については、こちらをご一読下さい。

夫婦それぞれが住宅ローン減税を受けるには、夫婦それぞれの債務の負担割合と同じ割合で所有権の持分比率を定め、共有という形で登記しなけばなりません。

デメリット:権利は一つなのに義務は2倍

デメリットとしては、連帯債務、連帯保証の法律的な面の本質にあります。

私たちは「夫婦で借りる」という感覚ですけど、銀行は夫婦それぞれを別々に見ています。

 

夫婦で一緒に一つの住宅ローンを借りる場合(収入合算)

夫婦それぞれで住宅ローンを借りる場合(ペアローン)

義務

(共通リスク)夫婦それぞれが銀行に対して住宅ローン全額の責任を負っている。

夫が主債務者、妻が連帯債務者となった場合、妻もまた夫と連帯して住宅ローンの全額を返済する責任がある。

夫が妻の債務を連帯保証し、妻が夫の債務を連帯保証する。

つまり、夫婦がそれぞれ全額を返済する責任がある。

権利

(共通リスク)持分割合で登記しても、家を二つに分割できるわけじゃない。

それぞれが返済する割合に応じた持分割合で所有権を登記する。

それぞれのローンの割合に応じた持分割合で所有権を登記する。

  • 義務の面:たとえ夫婦間で債務の割合を決めたとしても、銀行は無差別に請求できるので、夫婦それぞれが住宅ローン全額の責任を負っているのと同じこと。
  • 権利の面:所有権の割合を定めたところで家は分けられない。自分の持分だけ販売して自分のローンだけ払ってサヨナラできない。

つまり権利は1つのマイホームで不可分なのに、義務の面では2倍になるというのがデメリットです。

全くアンフェアなんですよね。

なので、最初は知らずに、又はしょうがなく収入合算やペアローンで住宅ローンを組んだけど、借り換えを機に単独の住宅ローンに切り替えるという人が多いです。

ペアローンや収入合算をオススメするケース

収入合算、ペアローンを積極的にオススメするケースというのはちょっと限られたケースになりますが、全く無いわけではないです。

夫婦それぞれが単独で住宅ローン全額を返済できるケース

例えば「義務だけが2倍になっても別に痛くない」というケースならばオススメできます。

夫婦一人ひとりがその住宅ローンの全額を返済できる収入があるなら、夫婦それぞれが住宅ローンの全額の責任を負っていても無理なく完済することが出来ますよね。

つまり、連帯保証、連帯債務のデメリットが大してデメリットにならないという人です。

今回のご相談者の場合は、夫婦がどちらも単独では完済できないので、積極的にオススメできるケースではありません。

融資額や住宅ローン減税が2倍に出来るケース

義務が2倍になるとして、それを補うべくメリットが倍になるケースであれば、なんとか釣り合いが取れるという考え方も無い訳ではありません。

例えば、次のようなケースです。

融資可能枠が2倍にならないと買えないし、住宅ローン減税も倍受けられる。

これで本当に釣り合いが取れているのか?というとハッキリ言って釣り合いはとれていません。

しかし、あと少し多く頭金を入れれば単独で住宅ローンを組めるのであれば、収入合算やペアローンにするよりも何とかお金をかき集めて単独で住宅ローンを借りた方が良い、ということは断言できるのです。

つまり、『融資可能額が倍になるし、住宅ローン減税も倍になる』という状況は、積極的にお勧めはできないけど他に方法が無ければしょうがないですね、というレベルのオススメとなります。 

夫婦で借りる住宅ローンに特有のリスクをカバーする方法

あまりお勧めしないけど、それでも収入合算やペアローンで借りる場合は、そのリスクに備える必要がありますね。

どう備えるか?夫婦それぞれに万が一があった場合に分けて整理します。

 

夫婦で一緒に一つの住宅ローンを借りる場合(収入合算)

夫:主債務者、妻:連帯債務者

夫婦それぞれで住宅ローンを借りる場合(ペアローン)

夫婦互いに連帯保証

夫が死亡

住宅ローンは全額ゼロ

夫のローンだけゼロ(※2)

夫が破産

連帯債務者の妻が全額払う

連帯保証人の妻が全額払う

妻が死亡

夫は変わらず払う(※1)

妻のローンだけゼロ(※2)

妻が破産

夫が払う、別の連帯債務者を見つけなければならない。

連帯保証人の夫が全額払う

離婚した

何も変わらない(※3)

何も変わらない(※3)

※1:連帯債務者の妻が亡くなっても、あくまで住宅ローンを借りているのは夫だから。

※2:夫婦がそれぞれ別々に住宅ローンを借りているから。

※3:夫婦関係が無くなっても、住宅ローンの連帯債務、連帯保証の関係は何も変わらない。

夫婦の片方が死亡(高度障害含む)した場合

クロスサポート(連生団体信用生命保険付住宅ローン)は、夫婦のどちらかに万一のことがあった場合に、遺された家族が住宅ローンに苦しまないようにするために住宅ローンの残高をゼロ円にする住宅ローンです。

※1と※2の場合に住宅ローンをゼロにすることができます。

夫婦の片方が破産した場合

夫婦のどちらかが破産した場合には、連生団体信用生命保険ではカバーできません。当然にもう片方が返済の責任を負うことになります。破産したのが連帯債務者の場合は、代わりの人を探してきて連帯債務者になってもらわなければなりません。

それが出来なければ家を売却し、住宅ローンを返済するのですけど、もう一方が家を売却するのに納得していなかったり非協力的だったりするとこの手続きは泥沼化します。

離婚して夫婦でなくなった場合

非協力的ってどういうこと?と思われるかもしれませんが、これは夫婦関係が破綻していることを想定しています。

厚生労働省の人口動態統計によると平成27年の婚姻件数は635,096組、離婚件数は226,198組、うち同居期間10年未満の離婚は118,794組でした。つまり3組に1組が離婚していて、離婚カップルの約半分は10年未満に離婚しているのです。

この統計は「離婚したくて離婚することができた人達」の数字です。実質的には氷山の一角なんですよね。「離婚できるならしたい、でも出来ない」という人はもう少し多いのではないでしょうか。

新生銀行ならば、「安心パックW」ならば借入額に応じて回数・地域限定ですが「家事代行サービス、ハウスクリーニングサービス」と、病気の子どもを預かってくれる「病児保育サービス」をつけることが出来ます。

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夫婦それぞれが住宅ローンを背負う心理的プレッシャーを負います。そして、これからは未知の子育てのタスクが待っています。

そんな状況下で、特に夫婦関係に亀裂を生じさせやすい子育てや家事の分担問題でそれぞれの負担を軽減してくれるサービスには数字以上の価値があるかもしれません。

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まとめ〜収入の少ない方のリスクをケアするセオリー

夫婦二人が協力して住宅ローンという一個の負債を負う場合、収入の少ない方がより大きなリスクを負うことになります。

  • 収入の多い方がより多くのリスクを引き受ける。
  • 収入の少ない方が負うリスクを小さくする。

これがセオリーです。

なので、どちらの名義で借りるか?となると、収入の多い方です。今回のケースであれば妻の方ですね。

妻の単独で住宅ローンが組めない場合は、収入合算として夫が連帯債務者で入ります。妻にもしものことがあれば住宅ローンはゼロ円になります。夫の方が収入が少なく、年齢も若いというのが理由です。別途、生命保険に入る方が安く付きます。

ペアローンは収入がほぼ同じ位か、夫婦どちらにとっても住宅ローン全額の債務が返済可能な場合にマッチします。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

今回、ご相談の方はもう少し具体的な個別の住宅ローンの借り方返し方について聞きたかったのだと思います。

でも、実質的に考えると「一緒に住宅ローンを借りる奥様がこれから出産を控えている」ということを真面目に考えると、まず出産のリスクについて取り除かれない限りは、次の話が出来ないというのはあります。

これは金融機関の審査の担当にとっても同じことで、本審査は出産の後と言われる可能性があります。

それに母体のことを考えると、あまり直前の時期に住宅ローンのことで煮詰まらない方が良いと思いますよ!まずは元気な赤ちゃんを産むことが先決ですよね。

2018年8月5日

千日太郎おすすめ住宅ローン

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