想定外の金利変動リスクに対してどうやって備えるか?解説します
どうも千日です。
このまま何とか今の低金利で逃げ切って住宅ローンを借りたいところですが、想定外の金利上昇が無いとは言えない状況でもあるのです。今日は住宅ローン実行前の金利変動リスクにどうやって備えるか?その方法を解説します。
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また、最新の日米金利動向については下記ページで毎日更新しています。
2位以下の金融機関、金利タイプでも本審査を通しておくべき
普通は金利などの条件面で1位の金融機関で自分にとって最適と思う金利タイプの組み合わせで本審査に出していますよね。
しかし今の段階で最適だという理由だけで、一つの住宅ローンに絞ってしまうと危ないのです。2位以下の金融機関、第2希望の金利タイプでも本審査を通しておくべきです。
つまり以下のような組み合わせで3つの住宅ローンの本審査に通しておくのです。
- 1位の金融機関で第1希望の金利タイプ
- 2位以下の金融機関で第1希望の金利タイプ
- 2位以下の金融機関で第2希望の金利タイプ
誰しも住宅ローンを選ぶ過程で最後まで迷った2位以下、第2希望の住宅ローンがあると思います。
姉妹サイトの千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは年齢、年収ごとに最適な住宅ローンのランキングを毎月公開していますので、よかったらこちらも参考にしてください。
ランキング | 年齢 | |||
---|---|---|---|---|
20代 | 30代 | 40代 | 50代以上 | |
新規借入 | 20代800万未満 | 30代600万未満 | 40代600万未満 | 50代1000万未満 |
30代600~1200万 | 40代600~1200万 | 50代1000万以上 | ||
20代800万以上 | 30代1200万以上 | 40代1200万以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
金融機関の取り扱う住宅ローンの適用金利は毎月見直され、月初に発表されます。つまり直前に金利を上げた金融機関でしか本審査を通していなかった場合は、完全に手遅れですよね。
今月には引渡しという時点から別の金融機関で借りようとしても、申込から融資実行までは概ね6週間ほどかかりますので、契約で決めた物件の引き渡し日には絶対に間に合わないのです。
2位以下の金融機関で本審査を通しておくべき理由とは?
自分が第1希望にしている金利タイプで最も低金利の金融機関が金利を上げたときには、2位の金融機関が最低金利になる可能性があります。
そうした場合に2位のところで本審査を通しておけば、スムーズに乗り換えることができます。
100万も得する(損する)こともある住宅ローンは最長35年の長期の借入であり、その元本は数千万円単位ですから、金利がほんの少し違うだけで支払総額に大きな差が生まれるのです。
実際に幾らの差になるか計算してみましょう。例えば、5000万円35年元利均等返済ボーナス払いなし(当初金利で借り続けるとする)
10年固定 |
|
三菱UFJ銀行 | りそな銀行 |
金利 | 0.59% | 0.60% | |
毎月返済額 | 131,791 | 132,014 | |
総返済額 | 55,352,079 | 55,445,855 |
小数点第2位パーセントの微妙な差に見えても、35年の累計になると0.02%の差で約19万円、0.03%の差で約28万円もの差になるのです。
直近は金利差の少ないケースでしたが、0.1%も変わると約100万円の差になります。これはけして珍しいことではありません。
面倒でも、もう一つ審査を出していたか、出していなかったかだけの差です。
第2希望の金利タイプで本審査を通しておくべき理由とは?
どの金利タイプで借りるのか?ということは「金利変動リスクを負うか負わないか?」という資金計画の方針に関わることなので、本当は直前に変更するようなことではありません。
例えば0.1%程度の変動であれば、金利タイプを変える必要は無いです。
しかし、たまたまドデカい経済事件が発生して金融マーケットがヒステリックに反応し、自分が利用しようとしていた金利タイプだけが見たことも無いほど上がってしまったら金利タイプを変更せざるを得ないでしょう。
想定外の事態ですから、当初の計画に執着すべきではありません。
20年固定金利には1%未満だからこそのメリットがある
一つの例が20年固定金利です。今は低金利ですから2020年3月の金利を先読み住宅ローンランキングでも20年固定はおススメしていますね。
また、40歳からスタートする住宅ローンでは60歳定年までの期間がちょうど20年なので、ちょうど良い固定期間として年齢別の最適ランキングでもおススメしています。
さらに2019年現在の金利は1%未満というのもメリットです。当初の10年(13年)は住宅ローン減税で年末住宅ローン残高の1%を上限として税金が還付されますので、逆に儲かってしまうのですね。
もしも今後20年固定が上がって1%を超えたらどうなるでしょうか?逆に儲かるという状態ではなくなってしまいます。
もし20年固定が1%を超えたらフラット35Sに乗り換える
もし私が20年固定金利を第一希望としているなら、フラット35も審査を通しておくでしょう。物件の性能が住宅金融支援機構が定める「S」の条件をば当初の5年又は10年間は0.25%引き下げになります。
2019年10月の金利であれば以下のようになっています。
フラット35保証型 10月 |
団信込み | 団信抜き | Sの当初5年又は10年 | 頭金 |
住信SBIネット銀行フラット35保証型 |
1.00% | 取扱なし | 団信込み0.75% | 1割 |
住信SBIネット銀行フラット35保証型 |
0.92% | 取扱なし | 団信込み0.67% | 2割 |
ARUHIスーパーフラット8 | 1.01% | 0.73% | 団信抜き0.48% | 2割 |
ARUHIスーパーフラット7 | 0.96% | 0.68% | 団信抜き0.43% | 3割 |
ここまで低ければ、もし20年固定金利が1%を超えてしまうような状況になっても、まだ大丈夫そうですよね。
特にアルヒは団信抜きにすれば、変動金利なみの低金利になります。変動金利を第一希望にしている人にとっても念のため通しておきたい住宅ローンです。
アルヒの事前審査はこちら☟
また、フラット35の資金は証券化スキームで金融市場から直接調達するので民間金融機関の台所事情で金利が上下することがないので金利予想が精密にできます。
この千日のブログでもhttps://sennich.hatenablog.com/archive/category/フラット35金利予想を毎月公開していて、ほぼ的中させていますね。一番恐ろしい「想定外」が起こりにくいのがメリットです。
プロにシミュレーションしてもらう
再度、金利タイプについて詳しく相談したい方は、SBIマネープラザがお勧めです。住宅ローンアドバイザーが相談者の資金計画を聞きながら、住宅ローン返済までのシミュレーションまでやってくれます。
住信SBIネット銀行の商品を全て取り扱っているので、変動金利の最安金利、長期固定金利ではフラット35団信込みで最安金利で検討できるのでおススメです。いまなら来店者にAmazonギフト券のプレゼントもあります。
私もフラット35を借りるにあたって、この無料相談を利用しました。その時のことはこちらに詳しく書いています。
金利の予想は当たるとは限らない
予定どおりに消費税が10%になり家計は圧迫され、景気はこれからもっと悪くなる…と言われているのに、なぜか長期金利は上昇しましたよね。10月1日に私はグラフを二度見しましたよ。
その直後にまた下げていますし、今後もあまり大幅な上昇は無いと願いたいですが2020年に住宅ローンの実行を予定している人にとって、これはちょっと不穏な動きだったと思います。
9月の前半までは「いよいよマイナス0.3%にまでいっちゃう?」位の勢いで下がっていました。そのころ千日のご相談者の中には、こんなことを金融機関の担当者から言われた人もいるそうです。
「さらにここに消費増税が来るから(金利は)もっと下がるでしょう」
しかし、結果は見てのとおり戻しています。千日は同じ時期にこうなることは予想していました。
今のところ私の勝ちです(←誰と勝負してるんだか笑)。とはいえ、誰の予想であれ、金利の予想に当たる保証などはありません。
まとめ~複数の住宅ローンで本審査に通しておくことの重要性
住宅ローンは、特定の金利タイプの金利だけが上がる、もしくは下がるということもあります。特に固定金利は、金融マーケットの長期金利の動向の影響を受け、ほとんど毎月のように変動しています。
わたし達は金融マーケットに参加する投資家ではありません。しかし、今後35年間借りる数千万もの住宅ローンの金利はマーケットの影響をモロに受けます。
ですから、リアルに数千万円単位の元手で金融市場に参加するのと同じ心構えが必要なのですよ。
投資家が様々な銘柄に分散投資することでリスクを分散させるのと同じように、わたし達も複数の金利タイプで審査を通しておくことで、リスクを分散させる必要があるのです。
以上、千日のブログでした。
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2019年11月4日
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