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【金利予想】2017年5月のフラット35金利は1.06%〜1.08%

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2017年5月のフラット35は北朝鮮問題で下がる

どうも千日です。本日発表された機構債の表面利率は0.4%です。

発行計画(月次):住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

35年の超長期固定金利については、1.06%~1.08%になるでしょう。(カッコ)内は4月の金利です。

  • 15年から20年 0.95〜0.97%(1.01%)
  • 21年から35 年 1.06〜1.08%(1.12%)

前回の記事で【予想】2017年5月はフラット35 の金利が下がるでしょうと予想してましたので、概ね予想通りと言って良いと思います。

では今日のニュースです。 

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米空母カールビンソンが北朝鮮海域に到達するのは25日

ことの発端は4月6日、トランプ大統領が中国の習近平国家主席との会談と時を同じくして行った、シリアへの空爆でした。

食事会でのデザートのタイミングでそれを現アメリカ大統領から聞かされた習近平氏は10秒の沈黙の後『どういう意味か?』と訊ねたそうです。

これが北朝鮮であっても同じことだ。

と言ったかどうかは分かりません。

  • 中国としては直接国境を接する北朝鮮がアメリカに占領される事は避けたい。
  • アメリカとしては北朝鮮が大陸間弾道ミサイルを持つ事が脅威になる。

その後、米空母カールビンソンはサンディエゴ基地から出航し、北朝鮮近海への到着は25日の未明だそうです。

18日にはペンス副大統領が北朝鮮問題について、日本、中国、韓国と協力して平和的解決を模索する意向を表明し、軍事衝突の懸念がいったん和らいだとはいえ、国債金利は低い水準を維持しています。

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日本 10年 | 日本 10年 債券利回り

さらに、英国のメイ首相が緊急会見でEU離脱交渉を進める現政府を支持するか否かの民意を問うため、解散総選挙を実施する方針を表明したことで、海外の投資家もリスク回避の傾向を強め日本国債にシフトしているようです。

19日午前には一時、実に5ヶ月ぶりとなる0%をマークしました。

 

市場の長期金利の下落がフラット35の金利に与える影響

機構債は、フラット35の貸付資金を集めるために毎月発行している債券です。これを買うのは主に機関投資家です。

銀行は審査して、融資するお金を右から左へ流しているだけですね。つまり事務を代行しているだけなので、住宅ローンの利用者が返済できなくなってもフトコロは痛まないんです。

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機構債は投資家にとっては国債と並ぶ安全資産なので、国債金利にほぼ連動するんです。先行きの不安が広がり、国債の価格が上がって金利が低い時は機構債の利率が低くても機関投資家が買ってくれるというわけです。

そして、フラット35の金利は次の計算式で決定されます。機構の事務コストと民間金融機関の利益率に大きな変動はありません。

  • フラット35金利=表面利率+機構の事務コスト及び取扱民間金融機関の利益率

上記の式の表面利率がもう決定されたわけですから、事実上、5月のフラット35の金利が「予告された」と言えるのです。

今から機構債発行の4月下旬までに、よほどの例外事象が無い限りは今の傾向を引きずって機構債が発行されることになるので、冒頭に書いた金利になるでしょう。

2017年の表面利率とフラット35金利は以下のような推移となっています。

  • 1月1.12%=12月表面0.48%+利益0.64%
  • 2月1.10%=1月表面0.46%+利益0.64%
  • 3月1.12%=2月表面0.47%+利益0.65%
  • 4月1.12%=3月表面0.46%+利益0.66%
  • 5月1.06%~1.08%=4月表面0.4%+利益0.66%~0.68%

2017年に入ってから「利益」の部分が0.01%ずつ増加する傾向がありますので、4月中旬に発表される表面利率に0.66%~0.68%を足したものが5月の金利になる事が予想できます。

 

過去1年の出来事とフラット35の金利と国債利回りの関係

では今月までの1年間に起こったことと、その時の10年国債金利、フラット35金利の推移を並べてみましょう。

金利の変動要因になる2つの大きな出来事がありました。

  • 2016年7月の英国EU離脱
  • 2016年12月のトランプ氏当選

フラット35の金利推移

英国EU離脱で不安が広がり大きく金利が下がりました。そしてトランプ氏のアメリカ大統領当選をきっかけに金利が上がりましたね。

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10年国債金利の推移

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それぞれの月の機構債の表面金利が決まる日(前月の中旬)の10年国債金利の推移です。

ケタがひとつ違いますが、並べてみると連動の程度が分かります。

よく似た動きになっていますが、国債金利の変動よりもフラット35の金利の変動の方が若干なだらかな変動になっています。 

 

金融市場と住宅ローン金利はどこまで連動するか?

そこで気になるのが国債金利の動向がどこまで住宅ローンに影響するか?という点です。

住宅ローンの金利は、いわば金融機関が販売する商品の『価格』ですよね。私はこの『価格』へのアプローチには2つあると思っています。

  1. 卸売価格=提供する側の原価の積み上げ
  2. 小売価格=消費者に売りたい(売れる)価格

フラット35の金利は前者に近く、民間金融機関の住宅ローン金利は後者に近いんですよ。

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フラット35の金利は卸売価格

フラット35の金利がどうやって決まるか振り返ってみましょうか。

  • フラット35金利=機構債の表面利率+機構の事務コスト及び取扱民間金融機関の利益率

でしたね。これを分解してみましょう。

  • 金融市場で機構債を売って資金を調達しますので機構債の表面利率はいわば商品の仕入れ値です。
  • 上乗せされる機構の事務コストは半民半官の組織で利益を目的にしてませんから必要経費です。
  • 取り扱い民間金融機関も事務代行するだけですから、上乗せされる利益といっても固定費のようなものです。

ですから、フラット35の価格(=金利)は提供する側の原価の積み上げで決まっているんです。漁港の市場で購入する鮮魚のような、卸売り価格ということです。

市場の近くで金利が決まるので市場の金利との連動の度合いも高いということですね。

 

民間金融機関の金利は小売価格

これに対して民間金融機関の金利はどうやって決まるか?

銀行も金融市場からお金を借りています。借りている金利よりも高い金利で貸して利ざやを儲ける商売です。

各銀行が毎月の月末に翌月の金利を独自に決めているんですね。

また、銀行によって力を入れている住宅ローンの商品は様々です。

10年固定に力を入れる銀行なら、10年固定金利は少し位利益が少なくても頑張って下げてきます。他行より多くの、より属性の高い住宅ローン利用者を獲得するために金利を決めるんです。

つまり、スーパーマーケットのパックの刺身みたいなものです。お客の動向を見て赤字覚悟で目玉商品を安くすることがあるんです。いわゆる小売価格に近い。

市場の原理とは違う思惑で金利が決まることがあります。もちろん市場の金利と無関係ではありませんが、連動しない事もあります。

 

まとめ〜複数の金融機関に審査を出しておきましょう

いかがでしたでしょうか。 フラット35は投資家から集めるお金の金利がダイレクトに住宅ローンの金利に影響するので、このように前の月からある程度の予測が立てられます。

これに対して民間金融機関の住宅ローンの金利は、今の時点でどの銀行が金利を下げるか?というところまでの予想は困難です。

フラット35を中心として複数の銀行で本審査を通しておく事をお勧めします。

民間では三井住友信託とりそなに注目

民間金融機関ではどの銀行の、どの商品が金利を下げるか?未だ銀行自身が決めていないことですから予想は難しいです。

三井住友信託銀行の10年固定や、りそな銀行の借換専用10年固定は4月の時点で最安金利ですから、力を入れている商品です。

また下げてくるかもしれません。

それぞれの銀行が目玉商品にしている当初期間固定金利は比較的狙い目だと言えます。

なお、ここで書いた予想はあくまで執筆時点で公表されている情報に基づく千日個人の予想です。

実際の金利の動向とは異なってくる可能性は大いにありますので用法用量を守ってご利用下さいね。

(以下4月30日追記)

5月の大手銀行の10年固定の最優遇金利が公表されました。

  • 三菱UFJ銀行は1.05%→0.7%
  • 三井住友銀行は1.05%→1%
  • みずほ銀行は0.9%→0.85%

一方で、三井住友信託銀行は、来月から、10年固定の住宅ローンの金利を年0.55%から0.6%に引き上げるほか、りそな銀行も、0.95%から1%に引き上げることにしています。

  • 2018年4月1日に三菱東京UFJ銀行が三菱UFJ銀行に行名を変更したのに伴い行名を更新しました。

以上、千日のブログでした。

《あとがき》

千日のブログでは、マイホームの購入や住宅ローンの組み方について、最新の情報に基づいて分かりやすく解説しています。

もう一つのサイト、千日の住宅ローン無料相談ドットコムでは毎日寄せられる様々な人の相談に無料で答え、その内容を記事にしています。

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