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【金利予想】2017年2月フラット35の住宅ローン金利は下がるでしょう

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トランプ大統領就任後2017年2月の住宅ローンフラット35

どうも千日です。嬉しいニュースです、住宅金融支援機構の月次債の表面利率が今日発表されました。

0.46%で前回より0.02下がりましたね。

f:id:sennich:20170120111237j:image

既発債情報:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

来月2017年2月のフラット35の金利は以下のように下がると予想します。

フラット35の2017年1月実績⇒2月予想

  • 15年~20年 1.02%⇒1.00%
  • 21年~35年 1.12%⇒1.10%

2017年2月1日に追記:

実際の2月金利は15~20年で0.99%、21~35年で1.10%とほぼ的中しました。

月次債の表面利率

  • 2017年1月20日発表(2月のフラット35の基準になる)は0.46%
  • 2016年12月16日発表(1月のフラット35の基準になる)は0.48%

月次債の表面利率が前回よりも下がりましたね。

ということは2月のフラット35の金利は下がる可能性が高いと考えられます。ただ、不確定要素もあります。

去年の2016年12月の表面利率に対してフラット35の金利は従来の法則を外れた動きをしたからです。

今日は、基本的なフラット35の金利予測のセオリーと、トランプ大統領就任後のフラット35金利予測のセオリーについてお話しましょう。

確定情報

目次

基本的なフラット35の金利予測のセオリー

フラット35は住宅金融支援機構という国が運営する団体が債権を買い取る又は返済を保証するという形になっています。

そういう事で、フラット35の全期間固定金利は国に対する貸付に近い考え方で金利が決まる訳です。つまり国に対する貸付=国債ですね。

それがフラット35の住宅ローンの金利は10年国債の金利に連動するとされるゆえんです。

そして、住宅金融支援機構は金融機関からフラット35の債権を買い取って証券化し、機関投資家に債券市場を通じて「機構債(RMBS・住宅ローン債権担保証券)」という形で販売します。

以下の図を見て下さい、青い矢印がお金の流れです。

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機構債の利率は住宅金融支援機構にとってはフラット35の貸付資金を調達するためのコストということですね。

ですから、以下の式でフラット35の金利を予測することが出来るのです。

  • フラット35金利=機構債の表面利率+住宅金融支援機構のコストと金融機関の利益

機構債の表面利率は既発債情報:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)で毎月公表されます。

住宅金融支援機構の利益率は、毎月ほぼ一定で2016年12月までは0.7%前後で推移してました。

ですから、機構債(月次債)の表面が発表されたら、それに0.7%足すだけで翌月のフラット35の金利を予測することが出来たのです。

以下は2016年12月までのフラット35の金利実績と表面利率、利益率の関係です。

  • 2016年5月フラット351.08%=4月表面0.34%+利益0.74%
  • 2016年6月フラット351.10%=5月表面0.36%+利益0.74%
  • 2016年7月フラット350.93%=6月表面0.23%+利益0.70%⇦英国EU離脱
  • 2016年8月フラット350.90%=7月表面0.19%+利益0.71%
  • 2016年9月フラット351.02%=8月表面0.33%+利益0.69%
  • 2016年10月フラット351.06%=9月表面0.37%+利益0.69%
  • 2016年11月フラット351.03%=10月表面0.34%+利益0.69%
  • 2016年12月フラット351.10%=11月表面0.41%+利益0.69%

しかし、2016年12月から2017年1月にかけてはこの、規則性が崩れたのです。

2017年1月フラット35金利のイレギュラーな動向

住宅金融支援機構の利益率が住宅よりも0.05ポイントも下がったのです。

  • 2017年1月フラット35予測1.17%=12月表面0.48%+利益0.69%
  • 2017年1月フラット35実際1.12%=12月表面0.48%+利益0.64%

2017年1月のフラット35の金利は大きく予測を外しました。長期金利が上がる市場に対して国としては上げたくないという意思が働いていますね。利益率が大きく下がっているのがその証拠です。

さらに、15年~20年の短いフラット35の金利は0.01%下がり、21年~35年の長いフラット35の金利は0.02%上がりましたね。

フラット35の2016年12月から2017年1月金利(表面利率0.48%)

  • 15年~20年 1.03%から1.02%に下降
  • 21年~35年 1.10%から1.12%に上昇

短い期間の方だけではありますけど、下がったんですよ。全く逆方向に動いているのは驚くべきことです。

明らかに、これまでと違う動きになっているのです。

借入期間15年~20年のフラット35の金利推移

f:id:sennich:20170103211917p:plain

 2016年12月から2017年1月の表面利率は上がりましたが、フラット35の金利は下がっています。過去9カ月で逆の動きになったのは初めてなんですよ。

借入期間21年~35年のフラット35の金利推移

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2016年12月から2017年1月の表面利率は上がり、フラット35の金利も上がりましたが、その上がり幅が違いますね。

表面利率は0.07ポイント上昇したのに、フラットの金利は0.02ポイントの上昇にとどまりました。この差額は国が負担しているということです。

2017年2月フラット35金利の予測 

では今回は?というと、住宅金融支援機構の利益率がどうなるか?ということですよね。キーワードは国の思惑です。

今迄も住宅金融支援機構の利益率に大きな動きがあった時があります。では利益率の推移だけ見てみましょう。

  • 2016年5月フラット35利益0.74%
  • 2016年6月フラット35利益0.74%
  • 2016年7月フラット35利益0.70%⇦英国EU離脱ショック
  • 2016年8月フラット35利益0.71%
  • 2016年9月フラット35利益0.69%
  • 2016年10月フラット35利益0.69%
  • 2016年11月フラット35利益0.69%
  • 2016年12月フラット35利益0.69%
  • 2017年1月フラット35 利益0.64%⇦何が起こった?

2016年7月にもフラット35の金利に対して利益率が0.04ポイント下がりました。この時は6月の表面利率の発表直後に英国のEU離脱ショックがありました。

2017年1月のフラット35の金利に対して利益率が下がりましたね。この時に何が起こったかを振り返ってみます。

トランプ相場で急上昇しようとする長期金利を日銀が指値オペで抑制する動き

下のグラフは新発国債利回りの12月から直近までの推移です。16日の月次債の表面利率発表の直前に各年ものの利回りが乱高下していますよね。

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日銀がイールドカーブコントロール政策によって上がろうとする長期金利を抑え込んでいるのですね。詳しくはこちらをどうぞ。

日銀としては、この時点ではまだ金利が上がる局面ではないと考えていたからです。なので市場に介入して長期金利を下げた。また、住宅消費にマイナスとならないようにフラット35の金利上昇を抑えたんです。

直近の長期金利の動向と表面利率の関係

そこで、今回の表面利率発表の直前の長期金利とトピックでは何があるのかを見てみましょう。

日銀が金利操作のターゲットにしている新発10年国債の動きを振り返ってみました。

f:id:sennich:20170120111842j:image日本 10年 | 日本 10年 債券利回りに吹き出しを追加。

  • 前回は10年国債利回りの上昇局面でした。
  • 今回は10年国債利回りの下降局面ですね(最後上がってますけど…)。

概ね日銀の思惑通りに金利が下がってきた局面での表面利率の発表という事です。

ということは、前回よりも表面利率が下がったのなら、素直にフラット35の金利も下がるだろうという予想が成立するのです。

20日に予定されているトランプ大統領の「就任」はどう影響するか?

トランプ大統領が1月20日に誕生するであろう事は既にみんなが知ってる事です。つまり『今』の長期金利に織り込まれているんです。

機構債を買うのは機関投資家、つまり投資のプロ集団ですから彼らが機構債を買うその表面利率に既に織り込み済みということですよね。

彼らが今さら、トランプ氏の就任を知らないなんてことはあり得ません。すでに、またはずっと前からこの状況を見越して売買を行っているんです。

一方で、

マーケットというのは、唯一完全な野生動物である人間による自然現象です。常に実態を反映した理論的な動きをするわけではありません。大きなゴシップに過敏に反応することがあるんです。

ですから、トランプ氏の就任だけで今日から2月のフラット35の金利発表に影響する事はありませんが、何か他に新たな、センセーショナルな事件が発生すれば影響するかもしれません。

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まとめ〜これはあくまで将来の予測です

いかがでしたでしょうか。 この記事を読んで、じゃあ融資の実行は来月に延ばした方がおトクだな。と判断される方もおられるかもしれません。

しかし、これはあくまで現時点(記事公開時点)において公表された情報に基づいて千日個人が行った予測です。

ですから、実際の金利の動きは千日の予想とは異なることも大いにあり得ます。

それを踏まえて、今後の参考として頂ければと存じます。この予想を踏まえた個別の住宅ローンの相談については、

で承ってます。他の色んな方の相談事例などもほぼ毎日公開していますので、一度読んでみて下さいね。 

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以上、千日のブログでした。

《あとがき》

個人的には0.02ポイント下がると予測して記事の下書きを書いてましたので、予測が当たって嬉しいです(-_^)

あとは何事もなく来月の金利決定まで行って欲しい所ですね。

2017年1月20日

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