住宅ローン控除と贈与税の減税の適用期間が延長されました
どうも千日です。消費税率(国・地方)の10%への引き上げ時期が2年半延期され、2019年10月1日に変更されました。
これに伴って関連する減税措置を見直し、消費増税の延期と同じく2年半スライドして延期することが2016年8月24日に閣議決定されました。
特に目玉となっているのは、住宅の取得にかかわる減税制度の開始時期と期間です。
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住宅ローン控除の適用期限が延長された
住宅ローン減税の適用は2019年6月30日までに住宅を取得した人が対象だったんですが、それが2年半延長されて2021年12月31日までに住宅を取得した人が減税を受けられるようになったということです。
減税を受けられる人が増えました。
- これから家を買いたい人
- これから家を売りたい人
両方にとって、これは朗報ですよね。
親から住宅取得資金の贈与を受けた場合の非課税措置も延長
親、祖父母などの直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税措置については住宅購入の契約期間の定めがありました。
これが2年半の消費増税延期に伴って2年半スライド又は延長されました。
特別住宅資金非課税限度額はスライド
特別住宅資金非課税限度額は10%の消費税で住宅を購入する人に対して、親から贈与された住宅取得等資金について非課税にするものです。
10%の消費税ということは2019年10月1日以降に住宅の引き渡しを受けるということです。
これに加えて契約の締結期間について一定の期間内であることが条件になっているんですね。具体的な非課税の限度額は下表の金額に基礎控除額110万円を足した金額です。
この減税措置の目的は、増税の直後に住宅を購入する人に対して親から資金援助された贈与税を非課税にして、住宅市場が冷え込むのを抑えることなんです。
ですから、消費税の増税が2019年10月1日からに延期されたことに伴って、契約の時期を増税直前の2019年4月1日からにスライドさせているわけです。
住宅資金非課税限度額は一部延長
住宅資金非課税限度額は10%の消費税で住宅を購入する人以外に対して、親から贈与された住宅取得等資金について非課税にするものです。
てことは8パーセントってことですね。
- 8%の消費税ということは2019年9月30日以前に住宅の引き渡しを受けるということです。
それと忘れてはならないのが非課税取引=消費税が課税されない取引です。
- 土地の代金は非課税です。
- 不動産業者でない一般の人が売却する中古住宅の対価は非課税です。
契約の締結期間について一定の期間内であることが条件になっています。始めの部分は消費税増税の延期に伴って延長されていますね。具体的な非課税の限度額は下表の金額に基礎控除額110万円を足した金額です。
例えば、2018年に耐震等住宅用家屋を購入する人なら1200万円+基礎控除額110万円=1310万円までは、親からの資金援助で贈与税を納める必要が無いということですね。同時に親の財産が1200万円減るということは、親から財産を相続するときに払う相続税も減らせるということになります。
良質な住宅用家屋とは
表の中にある、耐震等住宅用家屋には特別に大きな非課税枠が設定されてますね。その後の決定では「良質な住宅用家屋」と表現が変更されました。具体的には次のいずれかを満たすものをいいます。
- 省エネルギー性の高い住宅(断熱等性能等級4又は一次エネルギー消費量等級4)
- 耐震性の高い住宅(耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上又は免振建築物)
- バリアフリー性の高い住宅(高齢者等配慮対策等級3以上)のいずれかの性能を満たす住宅。
耐震性の高い住宅とは
耐震等級2以上というのが気になりますよね。以下の基準です。
- 耐震等級1は建築基準法と同程度の建物
- 耐震等級2は等級1で想定する地震の1.25倍まで耐えられる建物
- 耐震等級3は等級1で想定する地震の1.5倍まで耐えられる建物
1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され、新耐震基準となっていますので、1981年以降に建築された建物なら耐震等住宅用家屋である可能性が高いです。
建築確認申請が1981年以前であっても、耐震基準適合証明書があれば大丈夫です。
つまり、1981年5月31日以前に建築確認申請が出されたものについては、必ず現地建物の耐震診断をする必要があり、その結果、耐震基準適合の判断をされたもの、あるいは、耐震補強工事をしたものについては耐震基準適合証明書の発行が可能となります。
耐震診断の費用は木造家屋で約20万円程度です。
1981年6月1日以後に建築確認申請が出されたものについては、耐震診断をすることなく耐震基準適合証明書の発行が可能です。
贈与税の減税は税収を増やすための減税措置
- 親の財産を子供に使ってもらい、経済を活性化させたい。
財産を持っているのは、若い人よりもやっぱり年齢が高い人たちですよね。
例えば40年前に結婚して子供ができたときに買った土地の値段は、5倍どころか、地域によっては10倍にもなっています。
しかし財産がある60代、70代の人たちは子供が家から独立すると、大きな家に建て替えることはありません。
スポーツカーを買ったり、贅沢な外食を頻繁にすることもしません。
海外旅行には行くかもしれませんが、お金を外国に落とすだけであり、日本は1円も儲かりません。
そこで、政府としては60代、70代の親から、40代、50代の子供に、さらには、20代、30代の孫に財産が移転すれば、国内で使ってくれるので経済を活性化させることができると考えているんです。
経済の活性化は税収の増加に繋がります。
多すぎるタンス預金が経済を停滞させている
- 死蔵するタンス預金が増えている。
2016年度に印刷される1万円札の枚数が前年の1.17倍の12億3千万枚になることが、財務省の計画で決まったそうです。
世の中に出回る現金の総量が伸びており、1万円札が突出して増えている背景には「タンス預金」の広がりもあるようです。
銀行に預けてれば利息が付くんですけどね。しかしマイナンバー制度や日本銀行のマイナス金利政策を意識した動きでしょう。
当面は物価が上がらないから、現金で持っていても何の損もない。
マイナス金利で銀行に預けても大して利息が付かない。
日本国内のタンス預金の残高は、40兆円ほどと推定されています。40兆円といえば日本の地方税収とほぼ同じ金額です。
お金は動いてこそのものなんですよ。銀行に預けてあればまだマシなんです。銀行が融資や投資に回しますからね。
しかしタンスに眠ってるお金は死蔵なんです。
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まとめ
これまでの政府の姿勢は『贈与して欲しくない、相続税を払ってほしい』というものでした。
人が亡くなったことは隠せないので、相続税を取りはぐれる事はありませんし、その日を選ぶことはできない(選べたらヤバい話です)ので、税金も公平に計算されます。
贈与の場合には、それがいつ、どのようにして行なわれたのか、納税者に自己申告してもらわないと分かりません。
そこで、贈与税は相続税よりもかなり高く設定されていたんですね。
しかしいま、政府はこれまでの政策を転換し、贈与税の制度を緩和して、贈与をするように仕向けています。
これは、それだけ税収が減って政府が追い込まれている事を意味するんです。
親からの援助無しに自分の力で家を建てたい!
心意気や良しです。
しかし、贈与税の減税を上手に利用する事で、ファミリーの財産を守りながら日本経済の活性化にも貢献できるんですよ。
- 2017年10月8日に更新しました。
以上、千日のブログでした。
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