頭を冷やし根本に立ち返ることの重要性
どうも千日です。色んな物件を検討して行くうちに、だんだん自分のマイホーム像が定まってきます。
中にはココに決めるか?という物件に出会います。
- でももっと条件の良い物件があるかもしれない。
- 同じ条件でもっと安い物件が出るかもしれない。
こんな迷いが生じます。決めてしまったらもう後戻りは出来ないんで、迷いが出るのは当然です。
それに、住宅の検討には本当に様々な要素を考えて検討しますので頭の中が飽和状態になるんですよ。
営業マンも背中を押そうと、焦らせるような事を言って来たりします。
しかし、こんな最終決断こそ、頭を冷やして冷静な判断が必要です。
無理に今買わなくても良いじゃん
それまでの行動と全く逆ですけど、この位にマイホームの購入を突き放して考える位のクールさが求められるんです。
周りを見渡し、自分の位置を確認し、これからやろうとしているマイホームの購入という事の根本を見直すんです。
目次
家を買うのに適した時期とは
マイホームの購入には、適した時期があります。
買いたいと思った今しか買えない。
こんなCM的なペラい営業マンのトークに乗せられてはいけません。
金利が安かろうが、掘り出し物だろうが、関係無いんです。余談ですが不動産に掘り出し物などありません、全て価格に反映されています。
- 物件価格に対して十分な自己資金がある。
- 今後子供の教育費などで支出が増えても、ローンを払いつつ老後の貯蓄が見込める仕事環境にある。
自分の状況が上記からかけ離れている場合は、リターンの無いリスクを負う事になります。
身の丈に合わない価格の物件を買う危険性
例えばこんな状況はリスクが高いです。
- 頭金相当の自己資金なくローンを組む。
- 住宅ローン、管理費等の住居に掛かる支出が現時点の税抜き収入の4割を超える。
実はこれでも住宅ローンが組めることもあります。しかし借りられるという事と返せる(返した上で老後の貯蓄も出来る)というのは別の話ですよ。
社会に出てから3年で身の丈が分かるか?
住宅ローンが組めるのは一部の例外を除き、入社3年目からと言われています。入社3年で住宅ローンの頭金になるほどの貯金(5百万円~6百万円)がある人、となると少数派です。
まあ、自己資金については、親から援助を受ければなんとかなるとしましょう。
しかし、入社3年目で今後住宅ローンを払いきるまでのキャリアパスを(何となくでも)イメージできる人、となるとさらに少数派となってくるでしょうね。
- 今より高価な物件でも買えるかもしれない。
- 今、検討してる物件は高すぎかもしれない。
巷では『若ければその分早く住宅ローンを完済できる』などと言われることもありますけど、そんなに単純じゃないということです。
自分の身の丈を測れるようになり、身の丈と満足できる物件のレベルが合致する時期
本当は、これが家を買うのに適したタイミングなのです。
賃貸から家を買うこと
賃貸から家を買うという事を漠然としたイメージではなく、しっかり自覚していますか?普通の人の一般的な認識はこうです。
賃貸は家賃を払っても自分の物にならないが、買った場合は住宅ローンを払い終われば自分の物になるってことでしょ。
だいたい合ってますけど、もう少し実質的に何をいくら払うか?という視点で掘り下げてみましょう。
このように考えます。
- 賃貸は住む分だけ住居のコストを支払う。
- 購入は将来の住居のコストを前払いする。
住宅ローンを組むには事務手数料や税金などを支払う必要があります。それらの総額の目安は新築で物件価格の3%から7%、中古の場合は6%から10%位です。
3千万円の物件なら住宅ローン手数料は100万円~300万円。
住宅ローン控除の10年という区切り
しかし住宅ローン手数料は住宅ローン控除という減税制度によってほぼ負担することなく相殺されるんですよね。
住宅ローン控除の正式名称は住宅等借入金特別控除といい、各年の12月31日のローン残高×1%をその年の所得税からマイナスする効果です。
新築・中古マンションの購入又は要件を満たすリノベーションやリフォームをして、6カ月以内に住み始め、住宅又はリフォームローンを借りている人は、以後10年間の各年分の所得税から年度末の借入金残高の1%の額を控除することが出来ます。
3千万円の住宅ローンを35年で返す場合、10年かけて約250万円の税金が返ってくる。
ですから、賃貸との比較で考えるなら、10年分の住居のコストを前払いしているんだという意識を持っておけばいいということです。
少なくとも10年は住まないと、損。
投資と混同してはいけない
損得のついでにもう一つ。売却代金で住宅ローンの残債を払いきれるようにしておくことが重要です。
こんな図を見たことはありませんか?家を買った人の貸借対照表です。
- 家は資産
- 住宅ローンは負債
- 差額が純資産
貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)は会社の財政状態を表す書類です。英語ではバランス・シート(Balance Sheet)、略してB/Sと呼ばれます。
つまり、
家>住宅ローン
これを維持する必要があるということですね。
ここでたまにこんなことを言う人がいます。
売却までに払った住居費の総額と賃貸の家賃のどっちが高いかが問題だろう。
逆に聞きますけど、
その比較に意味あります?
現に、住宅ローンの返済の継続が難しくなった局面って結構なピンチですよね。売却代金で負債を完済することが出来れば御の字なんですよ。
住宅の購入は投資ではありません。
今後、地方都市では高齢化が進んで福祉や医療費の増加は避けられ無いんですが、一方で働き手になる若年層の人口は減少してます。
一方で大体の地方都市は高度成長期に拡大路線を取って膨張してきたので非効率なんです。そこでこれをコンパクト化して効率化しようという立地適正化計画【マイホームの資産価値】知らずに買うと危ない?立地適正化計画の居住誘導区域外 - 千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答えるが国土交通相の旗振りで進められています。
ごく一部の例外を除いて、長期的なスパンでは住宅としての不動産の価値に上がる要素は見当たらないんです。
だって住む人が減るんですから。
家を所有するとは
お金の話を少し離れて、家を所有することの意味を掘り下げてみましょう。
持ち家は自分のものだ。
これは良く言われることです。でも言葉が重複してます(笑)。
所有権というのは、物に対する権利としては最上級のものなんですよね。それが言葉にも表れている感じです。
大きな家や美しい家を所有するということは、私たちの憧れなんです。
所有を過大評価してはいけない
気を付けたいのは、この所有ということについて過大評価していないかということです。
所有していなくても賃貸でも、家賃さえ払っていれば、誰にも邪魔されることなく家は使用できます。
所有していても、住宅ローンが返済できなければ、売却して手放さなければなりません。
所有していても、家は墓場まで持っていけません。自分が生きている間しかそれを享受することは出来ないんです。子供に遺したつもりの家は取り壊しコストがかかるだけの無用の長物になるかもしれません。
所有するといっても所詮は地球から借りているだけです。生きている間だけ他のニンゲンに対して縄張りを主張できるだけのことです。
家は家族の人生の容れ物
もしも、ここまで読んで『やっぱ家は賃貸でいい』と思ったなら、本当にそうなのかもしれません。
もしも、ここまで読んで『今検討している家は買うべきじゃない』と思ったなら、本当にそうなのかもしれません。
ちなみに、下記は家の購入を決めた理由について、リクルート住まいカンパニーが2015年1月~12月の関西圏の新築マンション購入者1,449人のデータを集計したものです。
1位 子どもや家族のため家を持ちたいと思ったから 40.3%
2位 現在の住居費が高くてもったいないから 28.5%
3位 金利が低く買い時だと思ったから 25.7%
4位 資産を持ちたいと思ったから 19.9%
5位 老後の安心のため住まいを持ちたいと思ったから 16.5%
リクルート住まいカンパニー調べ
ダントツの一位が『子どもや家族のため』となっていますね。もちろん家の購入は家族と密接に関わっています。
しかし、無理をして身の丈に合わない家を買って住宅ローンの返済が厳しくなり、子どもが希望する進学が出来なかったら、子どもの為になるでしょうか?
家族のため、子どものためっていうのは後付けの理由なんです。
家は家族の人生の容れ物ではあるが、それ以上でもそれ以下でもない。
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まとめ
いかがでしたでしょうか。 アツくなった頭が少し冷えたのなら、幸いです。
千日はこの記事を通じて、マイホームの購入を思いとどまらせようとしているのでもなければ、逆に煽るつもりもありません。
マイホームの購入には自己資金と冷静な判断が必要です。特に最近は金利が安いので焦る気持ちも分かりますけど、そんな時こそ浮足立たずに地に足の着いた決断が必要なんです。
勢いに任せることなく、冷静な判断をしてくださいね。
以上、千日のブログでした。
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新規借入 | 20代800未満 | 30代600未満 | 40代600未満 | 50代1000未満 |
30代600~1200 | 40代600~1200 | 50代1000以上 | ||
20代800以上 | 30代1200以上 | 40代1200以上 | ||
借り換え | 20代借換 | 30代借換 | 40代借換 | 50代借換 |
団信 | 20代団信 | 30代団信 | 40代団信 | 50代団信 |
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