千日のブログ 家と住宅ローンのはてな?に答える

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簿記で就職出来ない理由と資格を取る理由に答えます

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簿記の資格は国家資格じゃない

どうも千日です。簿記の資格は間違いなく就職活動に有利に働きます。しかし、資格だけでは就職出来ないのも事実です。
 

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日商簿記3級が入門レベルだから、じゃありません。国家資格じゃないからです。国家資格は、法律に基づいて国や国から委託を受けた機関が実施する資格で、国から職業的な地位が保証されています。
 
例えば、こんな感じで法律で保護しているんです。
 
  • 業務独占資格=その業務をするのに資格が必須(医師、弁護士)
  • 名称独占資格=その肩書きを名乗るのに資格が必須(中小企業診断士)
  • 設置義務資格=特定の事業を行う事業所に必ず資格保持者を置かなければならない(宅建)
 
日商簿記はそういう国家資格とは違います。
 
 

日商簿記は技能の検定試験

日商簿記検定は、日本商工会議所が実施する簿記の技能を検定する試験です。つまり『試験を受けた時点の簿記の技能レベル』を証明するものであって、法律で保護されることはありません。
 
どんな大きな会社であっても、経理に日商簿記検定の合格者を置かなくてもいいんですよ。
 
経理事務や納税事務に限定して言えば、そんなの無くても『出来る人』が居れば良いんです。完全に外注しちゃうのもアリです。
 
つまり簿記3級だから就職できない、のではなく日商簿記1級であっても同じことなんです。
 
例えば経理事務というカテゴリーでは、その人員を増やしても売上が増える訳では無いですし、現に今の人員で回っているなら、会社としてはそれで良いんですからね。
 
 

資格を取る理由

つまり簿記の検定試験は企業会計の記録と集計の技能検定です。それ以上でも以下でもないのです。
じゃあ無駄なのか?
というと、そんなことはありません。国家資格やライセンスのように法律で保護されていないというだけです。
 
  • ビジネススキルの基礎を身に付ける
  • 身に付けていることのアピール
 
こういう面では、簿記はとても有効です。費用対効果でこれ以上のものはありません。
 
 

サラリーマンのキャリアアップには不可欠

就職してから、簿記の必要性に気付いて勉強を始める人は多いです。また入社後に簿記の検定試験を取らせる会社もあります。なぜなら実際のビジネスの世界で簿記の知識が無いことは、ハンデになるからです。
 
簿記3級は個人商店を想定した商業簿記です。だから大企業に入ったら全く使えない、なんていう事はありません。
 

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  • 大企業でも、店舗や事業所、支店の単位では簿記3級レベル。
  • 大企業でも、単発プロジェクト単位の損益管理は簿記3級又は2級レベル。
  • 新規の取引先と取引するのに、簿記の知識(決算書の基礎知識)が無いと、倒産寸前の会社と知らずに取引して大きな損失を出してしまう。
 
ですから、組織内で管理職として、プロジェクトのリーダーとしてキャリアアップしていくのに不可欠なんです。
 
むしろ、会社に入ってから重要性が上がって行くのが簿記のスキルとセンスなんですよ。
 
  • 会計の話になったら話について行けない。
  • 自部門の売上高や利益の増減理由を答えられない。
 
こういう人は管理職にはなれません。本当です。
 
事実なってる人もいるヨ
 
『知らないけど、間違えない』という人も現実にはいるからです。さほど珍しい存在ではありませんが、多数派でもありません。例えるなら、失敗の言い訳に『そんなの知らなかったから…』とは言わないタイプの人達です。
 
 

パート・アルバイトから正社員へのパス

パートやアルバイトでは、簿記の知識なんて問われない事が多いですね。事務職でも無資格、未経験でOKという所が多いです。
 

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最近は会計ソフトも使いやすいものが出ていますし、定型的な作業なら簿記の知識が無くても全く問題なく出来るようになってます。
 
しかし、パートから正社員への登用がある会社で、正社員を狙うならば簿記のセンス(=会社がどうやって利益を出しているかという見方)がなければ、ずっとアルバイトのままです。
 
パートの仕事にいくら熟練しても『ベテランのパートさん』という域から出ることはありません。新卒採用と違い、パートからの社員登用は『ちゃんと仕事を任せられる』と評価して貰わないと実現しません。
 
つまり販売だけでなく、トータルでその店舗経営を任せて大丈夫、大きな失敗をしないということです。
 
 

独学の人は特に注意してください暗記はだめです

簿記を武器にするのも、無用の長物にするのも、自分次第です。簿記は本当に理解していないと意味がありません。
 
丸暗記はだめです。

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確かに日本商工会議所の簿記のテキストには『分からなければ暗記してしまっても良い』と書いてます。しかし簿記は合格することに意義があるのではなく『わかる』『できる』事に意義があるんです。
 
よく分からないけど与えられた仕事をやる
 
これと同じです。こういう仕事も労働ではありますけど、キャリアアップは望めません。
 
若い人は吸収力もありますが、同時に暗記の能力も高いですから暗記に走りがちです。簿記は学校のテスト勉強とは違います。合格がスタートラインです。準備せずスタートして勝てるわけがありませんよね。
 
入り口として『暗記』しても最終的には理解しなければ使えないんですよ。
 

以上、千日のブログでした。

簿記3級の学習法については、こちらの記事も参考になると思います。
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